2015/11/16 のログ
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ご案内:「街道の魔法店」にイルミさんが現れました。
イルミ > なにやら世の中は急に慌ただしくなった。何でも南の国……都市?の女王様がマグメールの新王を名乗って戦争になったらしい。詳しいことはわからないけれど、兵隊が本土からいなくなって治安が悪くなったとか、魔物の数が増えたとか。仮にも魔族の身とは言え、一介の平民として暮らしている自分には大して関係の無い話ではある。とはいえこうゴタゴタしている今は外へ薬の材料を探しに行くのもはばかられ、日がな一日店にこもっているしかない。しかし、

「……んんん……何もすることがない……」

材料がなければ薬の実験をすることもできないし、新しい魔術を研究しようにも本がない。心なしか来客も少ないし、一言で言えば暇だった。戦争だというのにこうしてのほほんとしていられるだけ幸せだと言われればその通りなのだけど……。

ご案内:「街道の魔法店」にアーヴァインさんが現れました。
イルミ > 「……うーむ」

心なしか顔を赤くして、机の下をごそごそと探る。やがて取り出したのは、木で出来た滑らかな棒状の物体。遠目に見れば笠が小さく軸の長いキノコのような形状にも見えるかもしれないが、それは明らかに大きめの男性器を模したものだった。いわゆる張り型、ディルドだ。

「……気持ちいい、のかな……」

男性恐怖症とはいえサキュバスはサキュバス。時折男性の『それ』が恋しくなることもある。少なくとも自分の指よりは慰めになるだろう、と恥を忍んで購入したはいいものの、いざ目の前で見るとその存在感と異様な形状に圧倒されてしまい、使う踏ん切りが付かないまま一週間が過ぎた。

アーヴァイン > (宿の用事を済ませに郊外まで出向いた帰りのこと、何時もと違うルートで戻ったことも有り、初めてこの店を見つけた。なんの店だろうかと気になれば、仕事柄静かな足音で店へ近づいていき……そのドアを開いた。丁度彼女が男の張り型とにらめっこしている真っ只中にだ)

……失礼した。

(何と言えばいいのやら、仏頂面だなんて言われることのある男の落ち着いた表情が明らかに動揺すると、先に浮かんだのは謝罪の言葉。すっと視線を逸らしながら紡げば、店の中を見渡す)

この店は何を取り扱ってるんだ?

(話題を変えようと品揃えについて問いつつも、男の視線は彼女から逸らされている)

イルミ > 「……は」

出てきたのは声というより、息。見られた。とんでもなく恥ずかしいところを、見られた。一瞬で思考が停止し、また一瞬で『どう言い訳すべきか』とぐるぐると回り始める。顔を真っ赤にしながら汗をだらだら流していると、

「あ、あぁぁ、あの、い……いろいろ、いろいろです、はい」

大慌てで張り型を机の下に隠しながら、動揺を全く隠せないまま言葉に出した。その言葉の通り、店に並んでいる商品は、『まな板だけをまっぷたつにする包丁』だの『疲れなくなる薬。30分後には体感で5倍疲れます』だの『甘いものをすっぱく感じるようになる薬』だの、何に使えばいいのかさっぱりわからないものだらけではあるもののバリエーションはそれなりに豊富だった。

アーヴァイン > (思ってた以上に気まずい。流石に店の主がディルドを見ながら客を待っているなんて思いもしなかった。明らかに慌てている様子がわかると、こちらも無言で入るのが気まずくなってしまう)

次からは…ノックするようにする。

(次って何時だというツッコミはさておき、説明へ耳を傾ける。色々と言われ、出てくるものは通常なら使いみちに困るようなものばかりだ。だが、男は呆れることもなく、真面目な顔で品々を見て回っていた)

妙な品物ばかりだが、面白い視点だ。

(無駄に真面目な男は、それが明らかな意図を持って作られているとまっすぐに受け止める。自分がその使いみちを浮かばせられないのは、彼女の思考が読めていないのだと…品物を見て回る真剣そのものの顔を見れば分かるかもしれない)

…このまな板だけを真っ二つする包丁だが、食材は切れないということか?

(目に止まったのは役に立ちそうにもない包丁。確かめるように変な事を尋ね、振り返る。怜悧な瞳が真面目な色合いで女を見つめていた)

イルミ > は、はぁ、そうですか……

(面白い、というのはよく言われる言葉だ。一見なんの役にも立たなさそうな物品だが、それが売れていく時というのは大抵ジョークグッズのようなものとして見られた時なのだから。しかし、面白い『視点』という言い方は初めてだった。笑うでもなく、呆れるでもなく、真剣に商品を見て回っている。それが普通の店なら当たり前のことなのかもしれないけれど、個人的には恐ろしく新鮮だ)

あ、はい、その……肉でも野菜でも試しましたけど、切ろうとしたら、食材は傷ひとつつかず下のまな板だけがストンと真っ二つに……

(彼が興味を持ったのは『切れ味を良くする』という比較的よくある魔力付与を包丁に行おうと試みたときのものだった。結果として生まれたのは、藁切れひとつ切れやしないのにまな板だけは直接触れずともバターのように切り刻む、ある種の魔剣のようなものだが)

アーヴァイン > 中々意図が読めないが…ものを作るものは普通の視点では考えないと聞くからな、君もそうなんだろう?

(盛大に真面目だった。いろんな道具を見てきたが、中々使いみちが浮かばないのはそれだけ高尚なのだろうと、本気で思っているようで、うっすらと嬉しそうに笑っていた)

なるほど…例えばだが、これを鏃にして矢を量産したりとかできるかな? プレートメイルではなく、内部の人間を貫くとなれば、対鎧の鏃よりも遥かに強い。

(どうだろうかと首を傾けながら問いかける。切ろうとした物体の裏側を切ってしまうという力なら、裏側を狙いにしてしまえばいいと、視点を切り替えたアイディアを答える。そして、その包丁を手に取り)

剣や刀として作れば、守りの下を切り裂ける。素晴らしい品物だ。

(明かりにかざすようにして包丁を眺めると、再び台へ戻し、彼女へと振り返るとそちらへと歩んでいく)

イルミ > ……そう、ですねぇ……

(口では相づちを打つようなことを言ってはいたが、実際のところは呆然としたままはっきりしたことを何も言えなくなっていた。もしかして、彼はこのふざけた包丁を『意図して』『そういうものとして』作ったと思っているのだろうか?そう思い至ったのは数秒かけた後で)

あ、あはは、そういうのも、いいかもしれませんねぇ……で、でも私、武器とか戦争の道具とかは、取り扱っていないので、えへへ、えへへへ

(とにかく、誤魔化すようなことをその場の思い付きで言う。実際のところ、『こんなものをもう一度作ることなんて出来ない』というのが本音だった。確かに『生き物だけを傷つける武器』なんてものを作れれば大儲け出来るかもしれないけれど、そんな技術自分にあるはずもない)

アーヴァイン > そうか…それは残念だ。

(きっとなにか特殊な調理をするために作った包丁なのだろうと思えば、苦笑いで呟く。代わりに疲れなくなる薬を手に取ると、彼女の前へと差し出す)

これをもらえるか? あとどれぐらいの量で効果があるか知りたい。

(自身が使うのではなく、毒のように盛って使えば利用できそうだと考えれば購入に至り、言葉を続ける)

それと…自分はCollar lessという娼婦宿を経営しているんだが、そこで使えそうなものを取り扱ってないか?

(首輪要らずと呼ばれる変な娼婦宿、その名を紡ぐとじぃっと彼女を見つめる。おどおどした雰囲気はあるが、整った外見といい、体付きといい妖艶な女性だなと視線が確かめ、うっすらと笑みを見せた)

イルミ > えっ……あっ、はい、10ゴルドになります

(今度は薬を、効能について聞きもせずに買うと言い出した。もしかしたら何か勘違いをしているのかもしれないとは思いつつ、話をこじれさせないことを優先してそのまま売ることにする。第一、買ってくれるならそれに越したことはない)

……娼婦宿ですか?……!そうだ、それならこれを……

(真面目そうに見える彼が娼婦宿を経営しているというのはいかにも意外で、思わず眉をひそめたが、何かを思い出したように机の下を探る。取り出すのは無論張り型等ではなく、ピンク色の透き通った液体の入ったガラス小瓶で)

……一種の……ええと、精力剤です。お客さんに飲ませれば、たくさん楽しんで、もらえる……かもしれません。今はこれだけしかありませんけど……

(数少ない『成功例』を差し出した。自信の一品……ではあるのだけど、こちらの様子をうかがうような彼の視線もあって説明するのは少し恥ずかしく、うつむいてやや小声になってしまう)

アーヴァイン > (10ゴルドを腰に下げた袋から取り出すと、彼女へと差し出す。薬物の効能量について確かめた後、明らかに眉をひそめられると、困ったように苦笑いを浮かべた)

幻滅されたかな、あまり信じてもらえないが…ミレー族を匿うために営業している。だから、素行の悪い男は入らせない。金払いと性格のいい人間だけの宿だ。

(酒場も合わせて経営していると言葉をつなげると、机に出されたのはピンク色の薬が入った瓶。それに視線を落とし、中身を問うように視線を彼女へ戻した)

精力剤か、たしかにそれは役に立ちそうだ……これしかないのか?

(この一瓶だけでは恒久的に使うには足りない。何故?と言いたげに視線を向けるが、恥じらう姿に楽しげに微笑む)

意中の誰かの為につくったとか、そんなところかな?

(月を思わせる静かな彼女からは想像のつかぬ薬だが、意図があるとすればそんなところかと思えば、冗談のように呟いてみせる)

イルミ > ……そう、なんですか

(向こうからこちらがどう見えているかわからないが、ミレーを助けているというのは普通あまり公に言えることではあるまい。それは向こうがこちらを信用しているのか、それとも単に彼の感性がズレているだけなのか、それはわからないが、少なくともこちらから彼への評価は『少し変わっているけど、いい人』というところに落ち着こうとしていた)

……あ、い、いえ、そうじゃなくて、あの、その……色々あって、その……今は、今はこれだけしかないんです。これから、たくさん作ろうとしてたんです、ええ……

(この精力剤を、個人的に使おうとしていたというのは正解だ。意中の人……というのは当たらずも遠からず。もし、抱かれてもいいと思える男性と出会えたなら、彼から少しでも多く、一度の交わりで注いでもらいたいのだ。……子を孕みたいということではなく、魔力の源として。慌てて取り繕おうとはしたが、ある程度は察せられてしまうかもしれない)

アーヴァイン > あぁ、だからまだ経験してない娘を買った時は宿には出させなかった。そしたら、毎晩酒場に来てた客が口説いたらしく、初夜から次の夜まで買っていったよ。

(楽しげにそんな甘ったるい話を語る。奴隷に落ちた少女が心を許した初夜を過ごした、そんな夢物語みたいなことを。本人もよほど嬉しかったのか、少し硬い雰囲気が溶けた、砕けたほほ笑みを見せる)

…いろいろあって、か。

(過去の仕事柄、何かを隠したがっているのを察した。しかし突き放す言い方でなければ、守りの固い雰囲気でもない。薬と用途、恋に関わらぬなら行為そのものと…男の中で瞬時に整理していく。一つの答えに至るが、のっけからこの問いを掛けるのも失礼か、一度視線を落とし)

ハズレだったら大変失礼な物言いになるんだが…君は魔族か? 多分、サキュバスなどの性に関わる種族…。

(性を求めるなら性を欲する種族と、彼女の雰囲気から確かめるように呟いた。サキュバスにしてはオドオドしているのが奇妙ではあるが、こんなところで店を構える辺り、人見知りなのかもしれないなんて思いつつ、どうだろうかと見つめていた)

イルミ > …………

(彼の語る話を聞いている間は、誤魔化したり取り繕ったりせずに済むのはありがたかった。その間にも、彼に対する評価はますます固まっていったのだけど)

……え!?あ、えっと、その……わたしは……

(いきなりこちらの隠しておかなければならない正体についての指摘が来て、男性と話しているとは思えないほど落ち着いていた心臓がドクンと大きく鳴ったのがわかった。しかし、彼のミレー族に対する差別意識のなさは、もしかしたら魔族に対しても同じなのではないか、と思い至り)

……はい、ここだけの話ですが……その、おっしゃる通り、サキュバスです

(叱られた子供のように身体を縮めながら、白状した。何を期待しているのか、なぜそこまで彼を信用しているのか、自分でもよくわからないけれど。)

アーヴァイン > …すまない、昔の仕事柄…。

(思うがままに正体を暴こうとしていたわけで、彼女の慌てる様子を見れば、やはり失礼だったかと再び謝罪の言葉を紡ごうと慌てたところで、肯定の声が返ればぴたりととまり)

そう、だったか…隠していた辺り、あまり知られたくなかったのだろう?

(知られたくないことを知ってしまった。それは弱みを握るようなことだが、身を縮こませる彼女へ片手を伸ばすと、ぽんと肩に触れようとする)

他言しない、薬で性を求めているのかなと思ってね。ただ…君のようなサキュバスは初めて見た。

(差別することはなく、静かにその存在を認める。そしてその秘密を約束すると、柔らかに微笑むも、再び薬を見やれば、はっとして)

サキュバスは自ら男を値踏みして選び、誘うと聞いていたが…何故、あえて薬を?

(敢えて薬を使ってまで盛らせる理由、それが気になれば、軽く首を傾げながら問う)

イルミ > ん……!

(肩に触れられた瞬間、身体が少し強張った。なんとか口から恐怖の声が出るのはこらえたものの、怯えてしまった様子は彼にも明らかだったろうと判断すると、)

……その、私は……人見知りというか……見ての通り、男性が怖いんです、サキュバスなのに。力も他の仲間よりずっと弱くて……そんなんだから、ここで一人で暮らすしかなくて

(彼の疑問について答えていく。夜な夜な男性を誘惑しに出かける、というようなことが出来ればどんなに楽か。そう考えると苦笑がこぼれる)

この薬も、一人の男性から、もし精を分けてもらえるならと思って作ったんです。本当なら、精の代わりになる薬そのものを作りたかったんですけど。

アーヴァイン > (肩に触れると同時に感じる怯えの声。あからさますぎない程度、少し早いぐらいに手を引っ込めるれば、すまないと静かに謝罪を紡ぐ)

…そう、だったのか。失礼した、男が怖いんじゃ、勝手に触られたら…怖がるのも無理は無い。

(大人になりきれていない彼女の苦笑いが、これまでの苦しみ全てがにじみ出ているように見えて、息を呑む。表情は一瞬氷付き、胸がじくりと痛む)

…その、良ければなんだが。

(口元に手を添えて、暫し考えると…彼女にとって最良と思われる答えが浮かんだ。確かめるように話を切り出す)

君の好きなタイミング、好きな相手でいいんだが…うちの宿で慣れてみないか? 見てくれは荒っぽい奴が多いが、女には乱暴しないし、ガサツなりに優しい奴しか居ない。相手は君が認めたやつだけなら、心も楽だと思う。

(精がなければ生きていけない。それでも奪う相手が怖い。そんな彼女に優しい提案を、薬の練習台にもなるし、薬の材料集めにもなるだろうと思えば悪くないはずと至ったのだろう)

どんなのか気になるなら……自分が例を受けるが。

(試し相手が必要であればと、そんな話も重ねて…どうだろうかと反応を待っていた)

イルミ > ……私が、娼婦宿で?

(彼が少し躊躇うようにしながら提案してきたのは、こちらが想像だにしていなかったことだった。娼婦宿で、客を選んで取る。そんな都合のいい話があるわけがないとは思いつつ、その魅力に抗いきれないのも確かで、なんと答えたものか迷っていると)

……そ、その……じゃあ……試させてもらって、いいですか?

(身体が熱くなっているのを自覚すると、赤い顔をあえて彼に見せるため、被っていた三角帽子を外した。いつの間にか、彼から『愛情を注がれている』と勘違いした身体が発情し始めていたのだ。もしかしたら、魅了の魔法も既に漏れ出しているかもしれない)