2023/02/11 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 裏路地」にシスター・パッサーさんが現れました。
■シスター・パッサー > 一見すればそこは、戦場とは程遠い
つつましく暮らし 畑を耕し 神を仲介して自身を納得させる。
血は病を呼び 肉は金を失い みだらな行為は疫を広げるものだから
禁忌だの不浄なことだと狭める。
そう 此処ではなんでも 愛と平和と 神 神 神
それで納得がいくし それで動かせる。
だから薬漬けや妊娠を防ぐために尻孔をガバガバにしたシスターなどは
飴から粉へ大切に育てた中毒者達と何ら変わらない。
対してシスター・パッサーは現実主義すぎるせいか
目の前で改宗するよう訴えられても、貴女の所の神父が夜中に裏路地で腰を振っていたぞ
とでもいえば、嘔吐する一歩手前の酔っ払いのような顔になる。
雪が片付き道がところどころ薄い氷の膜を張りそうな場所
ベルトブーツの踵がパキンとその氷膜を割りながら、シスターは裏路地を歩いていた。
表通りとは違うジャンク屋と呼ぶべきか
弾と火薬の出来が我流混じりな海賊版を入手した帰り道だった。
腰にあるポーチは、やや満ちた具合を示しているのがそれか。
手持ち無沙汰な歩く時間を潰すように、手慣れた指で煙草を咥えると
裏路地では不釣り合いな濡れた光沢をもつ彫刻製のそれをキンッと立たせ
回す歯車から赤白い火を灯して先端を燃やした。
「―――フゥッ。」
白い吐息と紫煙が混ざり合い、いつもよりも煙を多く出しているように見える。
愛煙家では話が合うネタとして、冷える空気の中で吸う煙草のほうが上手いと感じる視界だ。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 裏路地」からシスター・パッサーさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──さーて、今日も元気にやってきますか、ねぇッ……と」
その中の一室に腕をグリングリンと回しながらやってきたのは作務衣姿の金髪の男。
知り合いからの依頼という形で臨時のマッサージ師としてやってきている冒険者、という立場は今も変わらないのだが、
もうすっかりここの一員として馴染んでしまっていた。
そんな自分に時折疑問を持たないでもないが、男自身としてもなんやかんやこの仕事は
気に入っているのでまあいいか、とあまり深く考えないことにしたのだった。
「今日はどんなお客が来るかねぇ……」
ともかく、男は施術台の傍のスツールに腰掛け、腕組みしながら客待ちを始める。
出入り口のカーテンが開かれ客が現れるか、あるいは魔導機械の通信機を通して客室への
出張依頼が来るか。
いずれかの訪れが、今日の男の仕事の開始の合図となるのだろう。
もしかしたら、受付を経ずに紛れ込んで来てしまう珍客なんかが現れる、なんてこともあるかもしれないが。