2021/07/17 のログ
ご案内:「王都富裕地区 運動場」にシャリアさんが現れました。
シャリア > 夏の日差しが地面を照らし茹だるような熱さが身体を差す夏のマグメール。昼間の街中での活動を避けセレネルの海やル・リエーの水遊場まで足を伸ばしたり、はたまた屋内でゆっくりと休んで過ごす市民が多い中、大臣補佐官を勤める女は珍しく運動場までおもむいていた。

「暑いわね、やっぱり……かえ……いや、そういう訳には行かないわよね…」


きっかけは夏に向けて家のクローゼットを整理していた時。ふと見つけた数年前の礼服を手に取った気の迷いからだった。

あの時見つけた服をそのまま戻していればわざわざここになど来なかったはず、しかし絞られたウェスト部との格闘を経験してしまえばそういう訳には行かなかった。

「クロム郷が足を悪くして以降、護身術の訓練も減ったし、身体の鈍りを治すいい機会、ということにしておきましょう、うん」

自らを納得させるようにそう呟くと、人の姿は疎らな場内、それを覆うように作られたランニングコースに沿って小走りを始める。

ご案内:「王都富裕地区 運動場」にシャリアさんが現れました。
ご案内:「」にシャリアさんが現れました。
ご案内:「」からシャリアさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」

そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。

「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」

個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。

「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」

ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
さて、やってきたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。