2018/09/30 のログ
ダーシャ > 「退屈……ではないですけど」

と言って、困ったように笑う。

「寂しくは、あります。このお城には、僕と、後は僕が生み出してしまう魔物さんぐらいしかいませんから。魔物さんは言うことは聞いてくれるけど、お話は出来なくて」

あ、でも基本的には地下にいるから、エシルさんが遭うことは無いですよ。女性にはとっても危険ですからと慌てて言う。そして、汗臭くないよな?と聞かれるとくんくんと鼻を鳴らして

「あ、確かにちょっと汗の匂いはしますけど……臭くはないですよ?気になりません」

とやや乙女に対してデリカシーのない事を言う。
そして、紅茶が美味しいと言われると、にっこり笑って

「このお城の花壇から詰んだハーブティなんです。僕が淹れたんですけど……美味しかったなら、良かった」

と安心した様に笑う。
このお城で、少しでも良かったと思ってくれたなら、良かった、と。

エシル・アルトワーズ > 「自家製のハーブティーか、いいなそういうの
――って汗の匂いとか、鼻を鳴らして嗅がなくていいから!」

目の前の狼藉に思わず顔が熱くなるのを感じてつい文句を返す。

誤魔化すように紅茶を呷り、ふと聞こえた単語が気になる。

「魔物?地下にいるのか?まるでダンジョンみたいだな」

葡萄を一粒つまみながら、訊ねるような独り言。
目の前の安心しきったような顔は、みていてどうにも悪意を感じられそうにない。

「まぁいいか。俺がここにいる間くらいは話し相手になってやるよ。」

今度は林檎を一切れ。齧れば弾ける果汁がなんと美味なことか。
思わず満足げに笑ってしまう。

ダーシャ > 「ひぅっ、すいません!で、でもその、気になるんだったら、ちゃんとお答えしたほうが良いかな、って」

慌てて謝る。女性の機微については、まだ解らないのだろう。
叱られた子犬のようにしょんぼりしていたが、魔物の話に移ると、急に顔を赤くして、

「はい。月に一度勝手に湧き出てくるんですけど……。暗い所が好きなのか、地下迷宮にたむろしてるんです。扉が地下迷宮に繋がることもあるので、何とかしたいんですけど……魔物さん、三十分ぐらいでお願いを忘れちゃうので」

だから、地下迷宮に入っちゃった人を助け出すのも、僕のお仕事なんですとしょんぼりしながら言う。恐らく、この少年にとっても、魔物の被害を出すのは本意ではないのだろう。

とはいえ、話し相手になってくれると聞くと、その表情もぱっと明るくなり、

「本当ですか!?嬉しいです!僕も、出来る限りおもてなし、しますね!」

と嬉しそうに言う。
本当に嬉しいのだろう、尻尾があったら振り回していそうな勢いだ。

エシル・アルトワーズ > 「なんてーか、子犬みたいだな」

心底に嬉しそうな表情を見て、思わず呟き。
とはいえそう反応されれば悪い気もしないもの。
つられて嬉しそうに笑ってしまう。

「そっか、それじゃあ大人しくおもてなし受けるとするかな
――おかわり、もらえるか?」

空になったティーカップを示して、おかわりを頼み。
何を言うでもなくぼんやりと少年の動きを見つめる。

ダーシャ > 「子犬……?そうでしょうか。そう言われるのは、初めてです」

と不思議そうな表情になるが、おかわりを要求されるとぱっと笑顔になり

「はい、解りました!まだお茶もフルーツもいっぱいあるので、遠慮せず召し上がってください!」

そう言うと、再びお茶を淹れる。
優しいお客さんも来たし、今日は良い一日になりそうだと、そう思いながら――

エシル・アルトワーズ > 「だから、それが子犬みたいだっての」

今度は堪えきれずに笑ってしまう。
不思議とこの少年には親しみを持ちやすく、警戒心も働かない。
カップに満たされた薄緑を目を閉じて堪能し。

「ダーシャ、お茶を入れるの上手だな。これなら何倍でも飲めそうだ」

気が付けば名前を呼ぶにも自然体に。
奇妙なお茶会は、まだまだ続く。朗らかな談笑の声に包まれて――

ご案内:「ダーシャの城 客間」からエシル・アルトワーズさんが去りました。
ご案内:「ダーシャの城 客間」からダーシャさんが去りました。