2018/07/01 のログ
ゲイゼリク > 「おーー、一時的なら問題無い…のか?でもまぁ、俺の意識一つで切り替え出来るなら…うぅむ。
…まぁ、今後魔族の国に来たい時は魔王化して来るって事も出来るしいいんだろーけど」

空間転移に防御結界。魔術的なモノを一切持たない青年にはありがたいものだが。
さて、アザリーの説明はもっともだが、リスクも矢張り検討しなければならないだろう。

(確かに、この世界の魔術と魔力を受け付けない俺には有り難いんだけど…)

それに、肝心のこの魔王の人格なども既に消滅していて復元も不可能らしい。
と、なれば乗っ取られて別人になるという事もあるまい。少し考えるように目を閉じて。

「分かった。便利な特殊能力をゲットしたと思っておくわ。うーん、まさか俺自身が魔王にねぇ?」

ガワだけかと思ったら力とかも使えるようになるのは予想外であり。
ただ、魔族の国に何か今後用向きが出来た場合、今の姿よりこれによる魔王化ならばトラブルも起き難い。
核を受け取りつつ、何やら背伸びをしているアザリーに、最初は不思議そうだったが…。

「…あ、うん。」

屈んで彼女が頭を撫でやすいようにしておく。勿論さりげなく、だ。核については…。

「……ん。」

藍色の刀剣へと触れされて沈み込ませ…その刀身を”自分に刺した”。だが不思議と血の一滴も出ない。

「…む…うぐぐぐっ…!!」

唸りつつも、魔王化の力を自身の内側に馴染ませて同化させていく。
やがて、核そのものが彼に溶け込めば…刀身を引き抜いて。当然、傷も無ければ刀身に血糊も無い。
一息、刀剣を背中へと収めれば、軽く手を握ったり開いたり。少し腹の辺りが重たいが直ぐに馴染むだろう。

と、魔王化能力を得たのと同時に向こうから凄いプレッシャーが届いた。城全体が鳴動しているかの如く。

「…おいおい、オーギュストの旦那は生きて戻れるんかねぇ?アレ…。」

思わず呟いて苦笑いを浮かべるしかなく。

アザリー > 「そうですね~魔族の国に潜入するなら~。魔族魔族した外見の方が便利ですから~。」

ついでだ。核を手渡した際に魔力炉を同調させる。
そちらはいわば外部の魔力貯蔵庫であり、回復は難しいだろうが――魔力炉を使い切ったらもう幾つかくらいは譲渡しても良い。
青年への評価というより、期待値は相当高くなっていた。

「便利な力でも~。それがどんなものでも~。使い手で全ては決まりますから~。」

刀を引き抜く。その所作に無駄はなく、自らを貫く姿を見ても悲鳴も眉一つ動かすこともしない。
それが『手順』だと理解をしてしまっているのだから。
治癒魔法等という無粋な行為もまた行わない。
手助けをしない、と言うのは。彼への評価への裏返しでもある。

魔王化させた際には表面上の変化は――元の魔王の記憶次第だろう。
翼が生えている、牙が生えている。尻尾があるなどといった物は、核としての魔王の残留知識と彼自身のイメージによる物が大半を占めている。
極端な話、魔王とはアザリーみたいな外見だ!と思い込めば自分の様な外見になるだろう。その瞬間消し飛ぶだろうが。

「さて~どうでしょうね~。」

はぁ、とため息を吐いた。それは――何かに失望したかのようであり。
矢張り変わらないのかと言う何かしらの諦観染みた物であった。どちらが勝利しても――それは歯車を動かす原動力にはなり得ないと。
何かを切り捨てるかのような所作にも見える。
但し、それは青年に対してではない事を示す様に、笑顔を向けていた。

「…人の力への執着の原典はソレ。でも原典に縋るだけでは何も変わらない。変えられない。……う~ん……ゲイゼリクさん、オーギュストさん?を助けたいとか考えてます~?」

ゲイゼリク > 「潜入、というか俺としては単にこっちの国の文化とか暮らしてる魔族さんに興味があるってのが大きいかなぁ」

差別意識や偏見が無い。平等とか対等とかそういうのではなく、お互いの立ち位置がどうとか種族の違いによるあれこれとかが”最初から無い”のだ。
今、あそこで戦ってる同僚とは真逆とは言わないが反対方面の思考に近い。

「…って、何コレ?……あぁ、直に情報が来たわ便利だなこれ…んーと、魔力炉…魔力貯蔵庫ねぇ。
まぁ、使い方も何も頻繁にコレを使う事はしねーけどさ?…と、いうかサービス精神多過ぎじゃね?アザリー」

一時的な魔王化だけでなく、魔力を持たず魔術を使えないこちらに魔力炉…勿論、貯蔵庫なのでいずれ無くなるが…を付けてくれるとは。
ともあれ、『手順』を負えれば既に魔王の核…彼女の手で弄られたソレも体に馴染んだ。

流石に、今ここで試すのは…止めておこう。彼女の結界があるとはいえ、魔王化したら魔力炉も起動する。
と、なればそこからこちらの位置をあちらに感付かれる可能性もゼロではない。

「…ん?あーー旦那とあのロザリアっていう巨乳吸血鬼さんとの戦いには干渉しねーさ。
あくまでのあの二人の因縁だろ?俺はただ、それ以外の”余波”に気を配るだけってね?」

略奪云々もそうだ。とはいえ、どうも見た限り主力メンバーは殆ど死んでしまったように見えるが。
勿論、まだ待機している師団員も居るだろう…どうしたものか。

「……ま、なるようになるさ。」

彼女に続いて溜息を。”――”の力は使わないと決めているが、それも視野に入れるべきかどうか迷う。

ご案内:「水晶の渓谷近辺」にゲイゼリクさんが現れました。
アザリー > 「お姉さんも~人の国に出入りしてますけど~。もっと自由に行き来出来れば良いんですよね~。可愛い妹にはもっと気軽に会いにいきたいですし~。
お姉さんが~こつこつためた魔力炉なので~。それなりに出力と貯蔵量は保証しますよ~。」

言葉が切られた。閉じられた瞳が開かれたのは、正統に相手を好ましく。
そして何よりも『可能性を感じさせた』言葉を向けたから。
開かれた瞳は7色。金、銀、黄、赤、蒼、緑、白。その小さな輪が結合されたような瞳を象っている。

「貴方なら大丈夫だ。もしサービスだと思うなら、それは私が貴方に今予測している未来と違う未来を見せてくれる期待の裏返しと思ってくれていい。
人にも魔にも距離を保てる貴方の俯瞰視点と意見は。私の予想と計算、思考を超えてくれると――期待している。」

言うだけ言って直ぐに瞳は閉じられた。
既にこの戦いそのものの結末よりも、興味は彼自身に移ったかのように。否、かつての同族への興味もあるが――それよりも今、可能性を一番感じさせてくれた相手へ興味が移るのは仕方の無い事。

「そうですね~……お姉さんは、この戦いで歯車が動いてくれると、信じたいのですが~。この戦いの歯車よりも、ゲイゼリクさんという面白い存在に~興味が出ますね~。」

ゲイゼリク > 「流石に自由に行き来…は、難しいだろうねぇ。…それが無理だって言う”縮図”があっちの戦いに出てるし。」

あの二人の因縁も葛藤も憎悪も何も知らない。だからつべこべ難癖付ける気も無い。
ただ、どちらが勝つにせよ…後に何も残らなければ、双方ただの自己満足で。

(――ああ、まぁ俺が言えた義理じゃあねぇよなぁ)

内心で呟いて苦笑気味に。魔力炉については出力も貯蔵量もかなりのもの、らしい。
既にアザリーが魔王級…下手したらそれ以上の実力者なのも流石に分かっている。
つまり、小出しに使う程度のレベルなら下手すれば何年も何十年も持ちそうな気がする。
フと、彼女が開いた瞳に視線が吸い寄せられる。…虹色ではないが七色の瞳。
自身も7色とは切っても切れない縁があるからか変な親近感を感じてしまうのがおかしい。

「…えーと、何が大丈夫かサッパリなんだけど…と、いうかアザリーさん口調変わってない?
…あと、期待値がドえらい高いんですけど…そこまで俺の評価高いもんなの?」

言うだけ言ってその瞳を閉じてしまうアザリー。こちらとしては流石に少し戸惑いが出てしまう。
彼女が自分に何を見出して可能性を期待しているのか…残念ながらサッパリ分からない。
おそらく、”無自覚な自然体だからこそ”好ましいと思われているのかもしれないが。

「……うーん、アザリーさ…俺を過大評価してね?期待に応えられるかサッパリだし…。」

既に、目の前の美女にとって、この戦いよりこちらに関心が移っている気がして。
むしろ、彼女が自分でそう口にしているから間違いないのだろうけども。

アザリー > 「うふふ~。計算の公式はお姉さんだけのものです~。まぁ~そ~ですね~。端的にいうなら~。
本来のお姉さんは脳の魔族さんなのです~。
絶えず思考を繰り返して~。次元に思考を蓄積させていくだけの人畜無害な魔族さんですよ~。」

のんびりとしたもの、殺意に満ちた物。人への期待と諦観をあらわにする者。すべてが全て自分から生み出されている自分。
彼が一定の位置からの思考と俯瞰をしている存在なら、こちらは様々な場所に思考と視点を移し続けている存在。
よく言われる多重人格とは別種。思考と視点による人格の構築もまた、一つの存在の有り様ではあった。

「そうですね~。もしですけど~ゲイゼリクさんが~。自分の欲だけの為に動く様な人だったら~ポイしちゃいますね~。
でも、貴方は違うでしょ~?欲はある、でも欲の原典と、始点。そして思考の終着点が~人のそれとも~魔のそれとも違う~。
今は期待値ですけど~結果を残してくれる事を~もしかしたら~っていうのを~。
私の中の私が~見出したんじゃないんですかね~?ゲイゼリクさんは~きっと今のままで~。そのまま、何かを為すかなさないかも自分の判断で~。何かを動かすための歯車を~錆付いて動かなくなってしまったソレを~きっと動かしてくれる~そんな期待を持ったんでしょうね~。」

過大評価というより、期待値込みだ。彼は彼のままで。
為したい様に為せば良い。その結果が自分の想像を超えていく事。或いは――歯車を動かしてくれる事。
その力、礎。名が残らずとも、歴史の分水嶺として彼が動くなら――それで十分でもある。
投資の一種だ。面白いと思う存在が居ればこその。

「過大評価というのは~それだけ貴方に期待を寄せる相手がいるからこそ、ですよ~?腕利きと言う言葉を流せる様に~私の言葉くらい~簡単に受け流せるまでになってほしいですね~?」

ご案内:「水晶の渓谷近辺」にゲイゼリクさんが現れました。
ゲイゼリク > 「…”次元”に蓄積……あぁ…。」

成程、そういう事かと”中身”が悟る。意図的に大半の知識と力を忘却した身なれど。
何故ならば、色々異なるとはいえ次元に蓄積、という意味では自身の本質の一端に近いのだから。
…が、残念ながらそれは忘却の片隅だ。今のゲイゼリクという男にはそれは関係の無い事で。

「…んーー、変わり者とか言われた事は同僚とかからもよくあったけど…。
どのみち、そこまで期待値が高い振る舞いや言動をしたつもりもねーんだけどなぁ。
…むしろ、歯車を動かすのはあっちの連中で俺は端役が関の山とか思ってたんだけど」

”決着が着いた”舞台を指差しながら。戦いの結末は片眼鏡を通して彼女のサポートもあり見えている。
そして、第七師団の生き残り達が撤退し始めているのも分かった。

ともあれ、期待値だとか歴史の分水嶺だとか、歯車がどうとか…そこまで考えては居ない。
結局、ゲイゼリクという男はありのままに思ったままに当たり前のように…今を生きるだけだ。
その生き様が、彼女の予測や何かを越えていくならそれもいい。超えなければそれはそれで一つの落とし所だろう。

「えーーアザリーみたいな美人の言葉を受け流すとか勿体無いだろ…そーいうのは受け止めないと」

と、真顔で口にしておく。面倒な腹の探りあいとかは受け流すが、そういうのはむしろ受け止めたい。

アザリー > 「変わり者っていうのは~。多くの視点や多くの思惑から外れた位置にいるってことですよ~。
うふふ~。ゲイゼリクさんには~女たらしの素質もありそうですね~?
それと~一つだけ~。歯車っていうのは~。力がある者だけが動かす物じゃないんです~。」

どうやら決着は付いた様だ。単独の魔族である以上余計なしがらみはないが――魔族の追撃による人間側の被害を食い止めつつ、現状安定しているタナール戦線まで彼らを護送の援護する必要はあるだろうか?

今はまだ。力という物と、力という物が何をすべき事に使われるか。
それを手探りで探していくのも良いだろう。
だが――今回の戦争は深く爪痕を残す事に繋がる。魔族側の憎悪を買い。
そして魔族側への戦闘に特化した師団の壊滅は手探りで探る為の時間を削る要素は揃ってしまったが。

「あら~そんな美人さんだなんて~。ゲイゼリクさんってばお上手なんですから~。」

さて。
彼は覚えているだろうか?迂闊に美人と言ってしまえばどうなるのかを。
音すら軽く超えた速度の平手が振舞われる――それはゲイゼリクという一人の騎士の表面を覆う魔王のガワ、と言うか魔王の皮膚を激しく揺さぶり。
物理的な衝撃波が周囲の水晶を砕き、散らせるまでに激しい一撃が見舞われる。
彼がそれを無防備で受けるならだが、地面に叩き伏せられるだろう。もっとも、魔王のガワには傷一つ付かない丁度良い耐久テストだろうが。

「さて、それじゃぁ……人間さん達を送り届けましょうかね~?」

ゲイゼリク > 「……え?」

心底疑問系のえ「え?」が珍しく出た。女たらしとか初めて言われたんだけれども。
むしろそこまで女性に縁があるとはとても思えないのだけれども。
まぁ、どのみち。歯車とか言われてもピンと来ないので…。「ま、俺は俺らしく居ればいいって事だな?」と、笑顔であっけらかんと口にした。

「…っと。いけね。オーギュストの旦那は…あぁ、くそ。遺体運ばれちまったか。」

せめて死体だけでも取り返して送り届けようかと思ったが、行動が遅過ぎたか。
どのみち、あの中に割り込んで無事に居られ…うん、無理だ。むしろ師団長が立て続けに死亡とか笑い話にもならない。

「……お、おぉぅ…。」

そして、彼女の音速超過の平手打ち。生身なら死んでるし魔王のガワでも多分振動は食らう。
だが、そのどちらにもならなかった。”何時の間にか割り込んでいた”先ほどの藍色の刀剣が、彼女の一撃をギリギリだが受け止めていた。
勿論、彼は手に刀剣を持っていない。完全に刀剣が自動的に主を守ったのだ。
ちらり、と周囲を眺める。…周囲の水晶が粉微塵になっていた。綺麗だな…と、現実逃避したい気分で。

「…あーーうん。元々、第六師団は後方支援とかサポートもやってたから、俺は普通に助けに行くかなぁ。
アザリーは…んーー人間の姿になれるならお願い。」

まぁ、それが無理なら仕方ないが第七師団の生き残りは無事にタナール砦まではまず確実に送り届けよう。

アザリー > ―――遺体の回収までは看過も出来ない。人の遺体を保管するなら、禍根を寄り強く残す。
それが目的だと言うなら―――。ただ、現状であちらに単独で踏み込むのは得策ではない。
死なない自信はあるが死ななければ良いというものでは無く。今は言葉も届かない状況である事も否定は出来ない。
僅かに眉を顰めた。口元から笑みが消えるのは――それが面白くないからだろう。

「……遺体に関しては私が交渉してみましょうか~。ただ、今すぐは無理ですね~。次元脳内会議で否決判定が出てますし~。
あ、そうそう~ゲイゼリクさんにお願いがあるんですが~。私が魔族と言う事は、暫く伏せていてもらっていいですか~?」

藍の刀が自分の平手打ちを防ぎとめた事実に目を丸くする。
例えるなら可愛い子猫を見つけた時のような目で、刀の前で指を振ってみたり、チッチッチッと舌を鳴らして反応がないかを――見ようとするのは一瞬。

「私の場合は~外側だけなら普通の人間と殆どかわらないので~。
それと、魔族の側の追撃命令が降りない内にいきますよ~。
そして人間さんの心が完全に折れて、無理無茶無策な自暴自棄による自殺行動をとめるためにも~。」

流石に強烈なレジストや破呪等を浴びれば魔族だとも知れようが――今の残された師団の戦意からは可能性は低い。
なので自分達がやるべきことは簡単だった。
多次元から座標を算出し、撤退を始めた軍にゲイゼリクを転送させ――。
後方からの追撃に備え、少し離れた場所で殿のようにゆっくり、のんびり散歩すればいい。

「では~またご縁がありましたら~。貴方は~貴方のままで~。」

ゲイゼリク > さて、第六師団長の立場としても彼の遺体を回収出来ない、というのは色々と困る。
もっとも、王国の広報部などは彼の戦死や未帰還を利用して士気を上げさせんとするのだろうが。

(…対魔族専門の第七のトップが戦死だからなぁ。副官のサロメちゃんがそうなると師団長になるのかねぇ?)

そして今回の侵攻作戦の失敗が、どう転がるやら。タナール砦辺りがまたきな臭くなりそうだ。

(…こりゃ、近々タナールに足を運んで確認するしかねーな)

と、そこまで考えてから彼女の言葉に我に返り。

「……あーうん、任せて良い?俺じゃ交渉云々の前にオーギュストの旦那の二の舞にしかならんし。
…ってか、別に最初からアザリーが魔族だって言いふらすつもりねーけど?」

心底不思議そうに。彼の中で、彼女の素性を少なくとも王国側には伏せるのは当たり前なくらい自然で。
あと、藍色の刀身が彼女の指先から逃れるように自動的にフワリ、と浮かんで…無理やり背中の鞘へと収まっていく。

「…まぁねぇ。取りあえず、第七の生き残りが敗走のドサクサで略奪とかしないようにはしとく」

くどいようだがとある魔王さんとの約束、というか警告もあるのだ。破る訳にはいかない。
ここで他の魔王さん方を刺激したら、それこそ王国は完全に瓦解するだろう。

(…あの王国に思い入れもさして無いけど、まぁ知り合いとかも多いしねぇ)

苦笑気味に。そして、こちらの転送を始める彼女に、転送間際に何かを投げ渡そうと。

「おぅ、今回は色々とありがとなアザリー。あと、…これな。それがあれば「第六師団の師団長の紹介」って形で王城にある程度は出入りできると思う。
何かあったら気軽に尋ねてきてくれよな!アザリーなら歓迎するぜ?」

自ら魔族を引き入れるのもアレだろうが、男はそんなの気にしないし、そもそも王国なんて既に魔窟だ。
『紹介状』…通行手形じみたそれを彼女に渡し終えた瞬間、男の姿は転送されて消えるだろう。

アザリー > 「本当は~そこまでやっちゃうと~完全に人に肩入れしすぎになるんですけどね~。
お気遣い感謝します~。まぁまぁ~これでお城には入れますね~!」

さて彼女の場合、まずは城に無事に辿り着けるかどうかから始まる。
目を瞑りながら、弓を打って1kmくらい先にあるリンゴを打ち抜いてみせるくらいの難易度だろう。

「貴方も~お元気で~。」

自分は自分で別方面に転移しよう。追撃はないと信じたいが、あった場合は――自分なりにあしらうとしよう。一先ず今回の戦争で得られた物はあった。未来の希望と展望も少しは持てる出会いが有ったからこそ、だが。

ご案内:「水晶の渓谷近辺」からアザリーさんが去りました。
ゲイゼリク > そして、第七の生き残りと合流し、動けない者たちは担いだり七剣の力で纏めて強引に運び撤退を。

略奪なども一切させず、何とかかんとかタナール砦までは彼らを送り届けただろう。

ご案内:「水晶の渓谷近辺」からゲイゼリクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の路地裏の一つ。大通りの裏側に位置するちょっとした裏道に、
ふらりと一人の男が無造作に姿を現す。路地の中でも少し広くなった場所を探し当て陣取り、
手にしたカバンを地面に置く。すると機械仕掛けの玩具の様に
パタンパタンとカバンが開いて大小二つの陳列棚を持つ小さな露店が姿を現した。
棚の上に薬瓶やアクセサリーなど商品を陳列し店としての体裁を整えれば胡坐をかいて店の奥に座り込む。

「よし、それじゃあ開店だ。場所の選択が間違って無きゃいいが」

露天の常として場所選びが悪ければ商品以前に目に留まらないのはよくある事である。
若干不安を感じながらも時折人の流れる道行を眺め。

ジード > 「よし、そろそろ切り上げ時だな。次はどこにだすか考えにいこうかね」

さて、次はどこに店を出そうか。
そう考えながら立ち上がると、そのまま軽く荷物を整えてから、
路地の裏へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」からジードさんが去りました。