2018/07/02 のログ
ご案内:「タナール砦を見下ろす丘」にノーガルトさんが現れました。
■ノーガルト > 「………こいつは…。」
(ノーガルトは、夕方のタナール砦を見下ろせる丘にいた。
仕事はなかったのだが、少しだけ出掛けてくると言い残し、ここに来た。
理由は一つ、先日から巷を賑わせている第七師団壊滅のニュース。
魔族の国に攻め入ったが、そのまま全滅となり師団長も戦死したという話を確かめに来たのだ。
今は静かなそこだけれども、いつここがどうなるかなど予想もできない。
ノーガルトは険しい顔をしながら、砦を見下ろしていた。)
「…ダイン……どう思う?」
『……魔族を甘く見た結果、というのがおそらく一番の言葉だろうな。』
(ダインの言葉に、ますますノーガルトの眉間にしわが寄る。
単純に魔族、といっても絶対的な数などわからない。
現に自分も、以前吸血姫がいるという城に乗り込み、さんざんな目にあったのだからその言葉は重い。)
■ノーガルト > (魔族を甘く見た、というのはおそらくただの妄想だろう。
今まで魔族を相手にしてきていた第七師団だ、用意はしっかりと行っていったに違いない。
ならば、何が違ったのかとノーガルトは考える。
おそらくは地の利、そして空気ではないかと思う。
魔族の国は未知の国、そこにこちら側と同じ空気があるというのも考えにくい。
それこそ、おとぎ話に出てくるような魔界と呼ばれるような場所、というのも考えられる。)
「……これを機に、こちら側に攻めてくる可能性は?」
『………ノル、これは我からの忠告だ…。』
(珍しく、ダインが神妙な口調だった。
こういう時、皮肉を言ってこないダインは本当に危機感を持っているときに他ならない。
ノーガルトは、何も言わずその先を待った。)
『できるだけ早いうちに、この国から離れろ。必ず魔族は、アイオーンの守護を突き破って、こちら側に攻めてくる。そうなったとき、いくら我らの力を持つ貴様とて、まず勝ち目はない。ならばこの国を捨て、別の国に逃げるほうが貴様にとっても…あの女にとっても、最も利口な判断だ。』
■ノーガルト > 「……”あれ”を使っても…か?」
『…そうだ。魔族の下っ端ならばまだいい、だが幹部を相手にするのは生身の人間ではどうしようもない。』
(ダインの言う通り、ノーガルトはただの人間だ。
魔剣を持っているだけのただの人間が、魔族の幹部…魔王を相手にするなどおこがましい。
どこぞの冒険者が仲間を引き連れて、魔王を退治して世界を平和に導くのはおとぎ話だけ。
自分はそんな、大それた力なんか持ち合わせちゃいないのだ。
ましてや運命に導かれてもいない。)
「……そうだな、帰ったら相談してみる。」
(そもそも、ノーガルトはもともと根無し草の旅人。
この国に長く滞在しているけれども、やはりそこは変わらない。
だからこの国を離れるとしても、何ら未練はない。)
■ノーガルト > 『…魔族を侮るな、ノル。やつらが本気になってかかればこの国は10日と持たん。』
「……………。」
(ダインの言葉に、ノーガルトは少しだけ気を引き締めた。
本気になってかかっていない魔族でも、人間側とほぼ互角の戦力を有している。
数、質…どれをとってもだ。
それを考えれば、先ほどの言葉…この国から逃げること。
きっとそれは、ダインにとって考え抜いた最善の策なのだろう。
本当にこの国を離れるかどうか…考えなければならない。
時期に、ノーガルトの姿はそこから消えるだろう…。)
ご案内:「タナール砦を見下ろす丘」からノーガルトさんが去りました。