2015/12/06 のログ
ご案内:「骨董屋”影の国”」にスーさんが現れました。
■スー > 「……よっこいせ」
老婆は、重そうな荷物を店内に入れてパタリと扉を締める。
ほっと一息。ぐるりと店内を見渡して。
繁盛店、というわけではないが。予想よりも多く売れていることに満足。
まぁ、キワモノはやはり売れ残ったが。
ウリ文句が凝ってないから仕方のない話。
運んだ荷物を、棚に入れてゆっくりと奥へ。
ぎしぃっと椅子をきしませて、薄暗い店内。
ゆっくりと瞳を閉じて、いつも通り客を待つことにする――
ご案内:「骨董屋”影の国”」にドロシーさんが現れました。
■ドロシー > 「……お。」
人伝に聞いた骨董店の話。キワモノも多いが偶に役に立つ物も混ざっているとか。いない、とか。
役に立つというなら一回覗いておこうか、と来たものの。店の看板には『準備中』の文字。
扉の前に暫し佇む。
見たところ開店時間の記載もなし。店主の気まぐれでやっているならよくある話だが――。
「――どうしたものかな。」
あまり、店の前に留まっているのも気が引ける。
見た目だけなら魔法人形がうろついているようなものである。憲兵を呼ばれても文句は言えない。
■スー > 老婆がゆっくりと眠りについたころ。
看板の文字が変わっていく――……
”開店 安売り中 薬試験者募集 日給2500”
しずかなしずかな店内。
木製の扉の中からは決して音は聞こえず。灯りはもれず。
静かに静かに、佇む影の国
ひっそりとした店構えだからか、人通りも少なく。
その姿を指摘するものも居ないようで
■ドロシー > 中の様子を伺おうにも、漏れるような光もなければ聞こえる音もない。
流石に出直そうか、と思った矢先。
「――おや。」
目の前で看板の文字が書き換わっていく。閉店から開店へ。
試験者募集、というのも気にはなるが。それはともかく。
開いたというなら入ってもよいのだろう。
浮遊する篭手が扉を押し開き――するり、と中へ。
■スー > 中は薄暗く、ぽつぽつとあるランプが灯すだけ。
けれどいくつか気になる商品は目を引くもので、不思議な店内。
扉を開けた拍子にベルが鳴り、ふわりと碧の文字が奥に奥と進んでいく。
そして。
「おや、お客さんかい?」
ゆっくりと、体を起こし。あくびをする。
しゃがれた声の、しわしわな肌をした老婆がそこに
■ドロシー > 「へぇ――」
なるほど、と思う。
店内は店とは思えないほど暗い照明だが。置いてあるものはちらほらと目を引く。
多少の知識があれば価値があるだろう、と推察できるものも幾つか。
――その、好事家とかが好みそうなものもあるが。
「……ぁ、ああ。冷やかし――になるのか?」
と、店の奥からの声に返答を。
見た目がこんなのであるから、驚かれなければよいが。
■スー >
「おや……?」
そっと、糸目から金色が覗く。出で立ちは不思議。
人の街では珍しい。魔族と間違えられても可笑しくはない。
だが――
「いらっしゃい。冷やかしかい? それは困った。なら目を引くものを出さないとね。なにをお探しだい?」
ふんわりと微笑んで。しかし、醜い顔が歪み
しゃがれた声が優しげになれば不気味にも思う、かもしれない。
「何を探しているのかな?」
自分にも事情はある。きっと目の前のものにもあるのだろうと納得しつつ。
商売で客を選ぶのは大事だが。
今はそうじゃないだろうと、思いつつ接客に務める
■ドロシー > 昨日今日しつらえたかのようにタイトな鎧は、骨董の知識のある目には奇異に映るだろう。
かなりの根が張る『骨董品』のはずだからだ。
「何を探している、か――んー……」
ほぼ唯一、人間らしさの出ている顎に手を当てる。
悩んでいる様子では、ある。
「あるにはある、が特に当てがあるわけではないのだが――」
ないこともないが、いきなり話すわけにもいかない類の話。
とはいえ、流石に店主に聞かれて目当てがない、と言えば本当の冷やかしである。
だから話は濁しつつ――
「ああ、逆に、おすすめの品、とかはある、のか?」
聞いてみた。骨董品にお勧めもないだろうに。
事情も話さずにモノを見繕え、とは難儀な客だとは自分でも思う。