2015/11/07 のログ
■ヘルガ > 目の前に、女が居る。しっとりと弾む、服越しの乳房に、思わず視線を奪われかけた。
此処の職員にももちろん女はいた。だが状況からか、自分の中に潜む悪魔が囁くことはなかった。
それまでの間、ずっと「良い子」で居た身体に、唐突にざわりと催す「何か」。
ここから離れて、と言おうとした矢先、意識の隙間に顎をぐいと傾けられて、
呆然と、年齢相応の、あどけなさを残す驚き顔を晒してしまう。
「………ぁ」
続く言葉にも詰まったのは、そう、その金色の瞳が宿す何かしら偏執的な色に、
命の危機を覚えたのだ。自分は、まだ生きていたい…という渇望が、騎士だった女の中に淀む。
待たせている姫君の場所に変えるため、悪魔を引き剥がす。
――彼女の言う肉体から引き剥がす、という部分に、猛烈に嫌な予感を感じて。
解放されて椅子に腰を押し付けると―――。
「勝手に、…話を進めないでもらえる、かな?」
「これがどういう呪いか、まだ、伝えていないよ」
吸い寄せられるように、蠱惑的な後ろ姿に密やかな足取りで近づいて。
背後から羽交い絞めにする。まずは、ブラウス越しに主張された柔らかな乳房。
手のひらに余るそのサイズを、ぎゅむ、と少し強めに鷲掴み。
「…そのことについて話しながら、契約書の内容について教えてくれるかな…?」
――どうせ、男日照りに陥っていそうな研究職の女だ、と。
暴力的な情欲と、防衛本能が、その行為を急がせる。
耳元に熱っぽく囁きながら、恣にした乳房を、服越しにぐにゅぐにゅとこね回した。
■アイリーン > 「ン、な……ん、ぅ…ぐ」
「ーーなるほど……そういう症状、か」
突然発情したような相手に呆気にとられ、慣れていない熱っぽい声が漏れる。
予想外の事態を受けたが、すぐに推論を立てた。
部下の報告にはなかったが、どうやら色欲に対する呪いをかけられたのだろう。
騎士然とし、先ほどあどけなさを残す顔色を浮かべた彼女が暴力的なまでにこうして求めてくるのだから、合点がいく。
ずぼらな出で立ちではあるものの、ブラウスの下にはしっかりと形を整えるための下着が大きな形を支え、それは簡単に彼女の手の中で拉げていく。
男日照りである彼女にとって、持て余した質量を弄ばされれば、焦がれたように身体を捩らせ、掌を机上についた。
「ここへもう一度…ん、戻ってくるための束縛だ」
「此方も慈善業で教えるわけには…っ、いかないからな」
熱っぽい声音ではあるものの冷静に応れば、身体の自由を一旦彼女へ預けるようにもたれかかる。
今まで研究に没頭し、溜まっていた欲を解消するのには都合がいいと踏んだ。
それに、この契約に同意してもらえば、研究は進展の兆しを見せる。
所詮同性同士のじゃれあいだ。際立ったこともないだろう、という油断。
大人びた美貌が振り向き、艶っぽい唇が彼女の側へ寄る。
「この数日その色情を抑えつけてしまったのは悪かったな」
「解消したいのだろう? ヘルガ」
蠱惑的に囁くアイリーンは自らの美貌には自信があった。
ただ、難のある性格がそれを阻害していることも自覚している。
研究者としての高いプライドは持ち合わせていたものの、これは単純な取捨選択。
彼女をその気にさせるために、にやりと唇を三日月に歪めよう。
■ヘルガ > 「…あぁ、……柔らか、い」
「それで、戻ってきた私を、どうするおつもり、なのかな……?」
手のひらが、ずしりと重たい肉を、下着のごわつき越しとはいえ強引に食んでいると、
冷えていた自分の身体が芯からのぼせ上がるような感覚に囚われる。
机に支えを求めた彼女に対しても乳房への愛撫を止めぬまま、
契約の仔細を問い質そうとするものの、振り向いたその顔が若干熱を持ち、
甘やかに挑発さえしようものなら、ふつん、と理性が切れる音を頭の中で聞くことになった。
「……ぁ、いい、のかな…?」
「ここは、誰かの、目や耳が、……ある、のでは……ぁむ、んぅ………」
聞くことを一旦横に置き、その唇に吸い寄せられ、自らのそれで塞ぐ。
目を伏せて、目元に影をつくる睫を時折震わせながら、まずは唇と唇を擦れ合わせるようにじゃれついた。
ぷにゅりとした弾力をこね合わせた後、はふ、と熱い溜息を零しながら、舌で化粧気のない唇にグロスを伸ばす。
「……ん、ふ、……ちゅ、る……っ…んむっ……ぅ………」
そして内部に。熱を、暖を求め、理知の香りを漂わせる唇のなかに舌を押し込む。
舌先と舌先を出会わせると、ツン、と叩く。そのまま舌先の円周をぬるり、と舐めまわす。
奥まで入りこむ。溜息を吹き込みながら、にゅろり…舌と舌をこね合わせながら抜く。
歯列の裏から口蓋をも舐め、…ぐい、とたまらず角度をつけて、自らの唾液を流し込む。
興奮に上気した頬、透き通った鼻梁は荒く呼吸する。
そうしている間にも、ブラウスのボタンを外していき、暴いた下着の上から、乳房を捏ねて。
その布越しに探り当てた先端に、硬い指先をこすりつけた。
■アイリーン > 「ふふ。紳士然かと思えば、飛んだ色情魔だな…君は。……んっ」
「何、暫くの間私の横に置くだけだよ。悪い待遇はとらせないつもりさ……」
情欲をその身に受けず、冷えきった熟れた身体は、彼女の愛撫で徐々に熱を帯び始めた。
他人に勝手をされるのは自分でするのと比べて、擽ったいという違和感に陥る。
柔らかな膨らみは程よい張りを持ち、愛撫が行き届けばその弾力はより彼女の掌に跳ね返った。
「ーーこの部屋は私の私室のようなものだ。滅多に誰も出入りはしないし、今は二人だけさ」
「は、ぁ…む、ン……っ」
異性はおろか、同性とも唇を交えた経験は彼女には薄い。
あったとしても、ヘルガが生まれる前に遡らなければならないだろう。
擦り寄ってきた唇は、ぷにゅりと柔らかく、箚さくれた男の唇よりかはマシなものだろうと分析した。
熱に浮かされそうになりながらも、冷静な分析を欠かさずに、口吻を受け止めた。
「……ン、ぅ、ふ……んむ、れぅ……っ…ちゅ……ぅ……っ」
彼女の歳にして、自分と比べるとよっぽど性欲の捌け口には困っていないらしい。
手練た、獣の様な舌使いは遠慮を知らずに唇の中へ忍び込んできた。
ここまでの口吻は初めてのことで、触れた舌先が少々怖気づいた様子を見せ少し引っ込むものの、それはすぐに囚えられる。
知識としては十分頭にあるおかげで、求められるのならば適応するのは早く、
蛇の交尾に似た絡みついた粘膜は深く擦り合い、整った歯列がにゅるりと舐め回されれば、ぞくりと身体が戦慄く。
病的に白い頬は熱に色づき、荒い吐息は彼女の愛撫で一層洗い物に変わり、交じり合った。
曝け出されたそこは、深い谷間を作ったレースの下着姿が顕になり、面積から漏れた指は柔らかな弾力に吸い込まれてしまうほど。
先端を探り当てられたものの、その先は他の女性と比べしこりは返ってこない、空振りに終わったかのような感触。
しかし、入念に押しこむのならば、その奥に潜む存在にすぐにでも気づけるだろう。
■ヘルガ > ここが彼女だけの領域であると知れば、もう遠慮はなくなった。
獣が貪るように久方の唇の感触を味わい、熱を受ける。
経験が浅いのか、深いのか、いまいち判じかねる反応も、すべて煮崩してしまおうとするかのように執拗に、
舌と舌を絡め合わせる。普段は意識もしないような腔内の部分にすら舌先を届かせて、
舐りに舐るうち、溢れ零れたどちらのものとも知れぬ唾液がアイリーンの顎を伝い落ちるほどに深く甘く。
「んぢゅ、る……っぷぁ、……ふ、ん……んぅ……?」
没頭しているうちにふと気づくのは、その乳房の頭頂の感触。
知らない、わけでもないが、そうそう味わうことのない体質の気配を感じて、うっすらと瞳が開いた。
濡れて艶めくルビーの瞳が、舌が引き抜かれるとともにすぅ、と離れる。
「……アイリーン……きみの、……ここは……」
ちゅぽ、と音を立ててようやく離れた互いの唇。
じっとりと熱を帯びたそこからささやくとともに、ぐい、とレース地の下着を上へずらした。
大きな白い肉の毬を曝け出させ、両手で直に触れる。
もにゅ、と音でもしそうなくらい、指が食い込む様を楽しみ、その重みを互い違いの円形に動かしてから、
中央へ向けて寄せてから上下に動かして捏ねてやる。
そうして強調した両の先端に指が殺到し、肉のなかに陥没した凝りを暴こうと。
「積極的なきみと違って、恥ずかしがり屋さん、みたいだね……?」
ちゅ、と恋人にしてやるように、その顎に口づけてやりながら、重点的に其処を指で穿る。
直に現れる突起をも、乳肉ごと揉み捏ねてやり、眠れる雌にだんだんと火をいれていこうとして。
■アイリーン > 「ンぢゅ…ふ、っ……ン、ぅ…く、んぅ……ンっ」
彼女の唇が一層獰猛なものに変わる。
歳の離れた相手にここまで欲情してしまうほど、その呪いは強力なのか、それとも堕ちた彼女自身が爛れてしまっているのかそれを見極める。
しかし、元を辿れば彼女の契約の動悸は人助けとのこと。
それを鑑みれば、ある程度手を加えれば問題なかろうと、深い口吻の中、アイリーン一人意識はそちらの外にあった。
しかし、それを引き戻されるように彼女の舌は獣のマーキングの如く、満遍なく自分の匂いを擦りつけてくる。
その情熱さと甘さに琥珀の様に輝く瞳が細まった。
顎を伝った唾液が、溢れんばかりの乳房の上にぽたりと滲む。
「ン、ぅ…ふ、は…ぁ……。ひ、ぅ…んっ」
唇が漸く離れれば、お互いの舌にはじっとりとした熱の線が形成され、曲線を描いて途切れていく。
どれほど長いキスだったのか判断しかねた頭は、些かぼんやりとしていたようで、官女の爪先が陥没した乳頭へ刺激を与えた途端艶のある悲鳴を響かせた。
ずしりと重たい乳房が彼女の掌に沈み、指を開いて揉みしだけば、間から溢れだして割れてしまいそうな水風船のような有様。
後ろから羽交い締めにされたまま、変形し、強調される肉塊は汗ばんだ彼女の掌に吸い付くようで。
「ァ…んぅ、それを…いう…な。好きでそうなったわけじゃ…くぅ……ンぅッ」
余り慣れていない刺激なのだろう。同様にも似た明らかな態度が表れ、身体を揺すれば、その振動が乳肉を揺さぶり掌に伝わった。
圧迫されてパン生地の様に伸ばされて、熱を込められる先端は、ヘルガの望み通りに硬い突起を外気へ晒していく。
慣れない外の居心地に、飛び出した突起は緊張したように硬く、他の女性に比べ、余りある質量もあって幼子の指の様に大きい。
流石のアイリーンでも羞恥が強いのか、身悶えする身体は逃げ出しそうな勢いで。
「ン、ぅ……全く呆れたほどの性欲だよ…ヘルガ。……ぁ、む」
一方的にされるのは彼女の自尊心が許さないのだろう。
挑発する甘い囁きを此方からも塞いでしまえば、ぬらりとした舌先が彼女の腔内に忍び寄り、遠慮すること無くヘルガの舌をぬるりと舐めまわした。
■ヘルガ > 「顔を出してくれたのは…ん、気持ちいい、から、かな……?」
「いいよ、その声。もっと聞かせて欲しい……私に……」
羞恥に焼かれ暴れる彼女を咎めるように、大きく形を変える乳房を握る手のひらに力を込めた。
下から持ち上げてしまえば、すっかり露出して硬さを見せる先端部を持ち主に見せつけつつに、
その根本から先端まで、剣を振るい慣れた硬い指先がぞろり、と撫で上げる。
先端の頭頂をそのまま指の腹で押し込んで、胸の中にまで戻してしまおうとしながら、
くりゅくりゅと指の関節を動かして転がし、更に乳房を搾るように揉んで先端を更に露出させて、翻弄する。
「…ん、……っ……ちゅ、る……っ……♪」
そうしているうち、彼女からも唇を絡めてきた。ぞわり、と背筋が興奮に粟立つ。
自らも舌を捧げるようにしながら、不意、彼女の身体をぐい、と回転させ、その背中を、手近なソファへ組み敷いた。
ぢゅぷ…と音を立て、しゃにむに唇を貪る。彼女に浮足立たされたかのよう、再び呼吸を奪い。
――そして離れるなり、向かったのは両手が散々なぶった、乳房のほう。
「……アイリーンが、悪い。まるで、私のなかの悪魔を……誘うみたいに」
「きみを抱きたくて、抱かれたくて、……閉じ込められていたからかな……?おかしくなりそうなんだ……ん、むっ……」
ソファに伏せた事で上向く乳房に、両手が。そして、唇が殺到する。
ぷくりと膨らむ大きめの先端を口に含み、乳飲み子がするように強く吸い立て、続いて女を知る舌使いで舐め回す。
広めの面積に丹念に舌の表面の感触と熱を伸ばしながら、乳房を揉み捏ねる手のひらには更に熱が入った。
ぐい、と脚の間に膝をいれてやる。は、は、と荒い呼吸を胸の谷間にぶつける。
明らかに"アイリーンに"欲情している様を見せつけながら、…かり、と歯を立てて。
上目遣いで、切なげに紅を濡らしながら、訴える。
「素敵で、ああ、こんなきみを前にしては、…冷静に話せない、よ……いいかな…?最後まで、しても……?」
■アイリーン > 「そうでなければ…ン、顔は…出さないさ……」
「言ったろう……君のを解消させてあげると、ただ…代わり、に」
彼女の物言いは、随分と他の女性を誑かしてきたのだろう。
剣を握るのと、ペンを握るのとではこうまで差ができるのか、彼女の指先は硬く、
浮き出た先端を奥へ押し戻そうとそれは、与えられたことも、自ら与えたこともない心地。
美貌を苦しげに歪めるのは熱っぽい声を上げながら、搾乳のような心地に甘美を示す有様を隠すため。
「ン、ちゅ…ふ……ンぅ……る♪」
彼女が不意に身体を引き寄せようとしたその時、デスクから何かを強引に掴みとる。
それ以外には特に抵抗するような様子は一切見せない。
自ら送り出した舌先を、迎えられ、彼女の腔内にも自らの匂いを擦り付けるように、ぬるりと舌を這わし、お互い恋人のようなやり取りをした。
ここまで自分が溜め込んでいたことにも驚きだったが、彼女の積極的な熱は、
今後自分にも利用価値があるだろうと新たな検討をつけ、唇が離れれば、甘える彼女の有様にくつくつと喉を鳴らす。
「貴様の悪魔の正体を……確かめなくてはいけないからな」
「ふふ…同性に、此処までの発情している時点ですでにおかしい、さ…ァ、ンぅ!」
「くぅっ……ふ、…ンぅ…んっ♪」
上向きになり軽く潰れた乳房は、彼女の両手が掴んでやればまた元の様相を取り戻す。
ドレスを着込んだ大きな赤子が乳を吸う様に滑稽と思いつつも、痺れる刺激と舌の温かさは嬌声を生んだ。
ぴったりとしたロングパンツの間に割り込んできた。
閉じることを許されない脚は、自ら彼女の膝を閉じ込めて、
女だからという理由ではなく、完全に自分を見ているヘルガの痴態には思いもよらない興奮を生み出し、硬い刺激に呻く声は女のそれで。
「ふ、ぁ…♪ ひゅ、ふ……う。ああ、いいよ……ヘルガ」
「ーーけどその前に、君の名前を、ここに書き給え。血の判でも構わない。そしたら……」
「最後まで、しようじゃないか」
上目遣いで見つめる紅い瞳へ返す金色は企みの色。ここまで堕ちてしまえば、仔細を聞く余裕もない筈だ。
先ほど咄嗟に掴んだ、契約書とペン。ここに名前を血判を刻めば呪いは成立する。
我ながら悪魔じみているなと自嘲しつつも、その実、ヘルガとの行為に浸りたい欲があった。
ーー彼女に刻まれた呪いにあるもう一つの症状に、策を講じた故の奢りから、気づくことはできなかった。
ご案内:「第十三機関」からヘルガさんが去りました。
■アイリーン > (中断となります)
ご案内:「第十三機関」からアイリーンさんが去りました。
ご案内:「第十三機関」にアイリーンさんが現れました。
ご案内:「第十三機関」にヘルガさんが現れました。
■ヘルガ > 「そう…なんだ、おかしく………なってしまう」
「きみのような魅力的な――ん、ン……女性を前に、するだけ、で……こん、な……ふ…ぅ……」
隆起した胸の先端に唾液のてかりを幾重にも広げていく。
がっついて夢中になるような、執拗な愛撫。肥沃な乳房を両側から挟み込み、
むにゅりとたわませて浮き彫りにした先端を、ぐっと寄せて、ふたつ同時に舌を絡ませもした。
熱い溜息が、そこに振りかかる。年下の娘の発情の様に見えるかもしれない。
「…悪魔を喚ぶ前は、こんなのではなかった。自業自得、とはいえ、……でも、元に戻る、なら……」
「だって、私の身体は――、……ん、ぅ……?」
腿の間に挟み込ませた膝を、ぐ、と上へ押し込みながら。
彼女の眼前に乗り出し、再び唇を貪ろうとしたのを防ぐように、書面を見せつけられる。
すでに火照って蕩けた表情は、濡れた瞳でぼんやりとそれを眺める。
彼女は確か、さっき、なんと言っていたか。要するに、見えざるリードをつけるようなものだろう。
彼女が望めば引きずられ、ここに戻される。自分は呪いを説く方法を探して、姫を迎えにいかなければならない、のに。
「――、…ぁ、……ふ、………、………っ……」
思索する。自分の所有権を明け渡すようなものだ。これは駄目だ。
駄目なのに、いま目の前に居るアイリーンの身体を求め、気づけば自分の親指の腹を噛み、…ぶつ、と血を滲ませた。
彼女の唇に、契約書ごしに押し付けるようにして、血判が押される。
――ああ、ごめんなさい、ごめんなさい、と、幾度も主に謝りながらも、
「これで、…これでいいんだろう?」
「もう、我慢出来ないんだ。…アイリーン、きみと……」
ぐい、とその書類を横にどけさせ、床にほうらせようとするように手首を掴んだ。
そうして露わにしたのは、餌を欲しがる狗のように必死な有様―――。
…で、あればよかった。アイリーンほどでないにせよ肥沃な胸元の下、ドレスが奇妙に広がっている。
のしかかっている姿勢であってもわかるだろう。
アイリーンの臍と、ヘルガの臍を結ぶようななにかが、ドレスを押し上げて盛り上がっている。
…どくん、布越しに軽く跳ねてみせたそれは、悪魔がもたらした雄根である。
■アイリーン > 「ぅ……く、ゥ……ふ、ンっ……」
「は、ァ……なに、悪魔とは弱っている相手に選択肢のない手段を選ばせるのさ」
白い乳房の中に隠されていた隆起を起こされ、歳に似合わず鮮やかな色をしたそこは、艶やかな色に染まってしまっていた。
執拗に揉みしだかれた質量には薄っすらと赤く彼女の指の跡で色づき、娘の発情にアイリーンも悦を孕んだ様相を浮かばせる。
帰巣本能の契約。
呼び出しに応じなければならないこと、そして定期的に顔を出すように本能の中に刷り込まれる契約。
彼女の意志がそこにあるのならば、その効力は絶大だ。
たとえそれが、快楽に堕ち、正常な思考が働いていなくとも、成立してしまう。
「ンっ……ふ……。上出来だ、ヘルガ。ふふ、私も悪魔みたいなものだな」
彼女が躊躇いの後に契約書へ血判を押し付けたのを確認すれば、深く熱い溜息の元、唇が喜悦に歪んだ。
手首をつかむまでもなく、はらりと書類が床に落ちる。
アイリーンの許可無く、ヘルガはその書類に触れることさえできない縛りを設けられていた。
いよいよ我慢ができないというヘルガを前に、自らの憂さを晴らすためアイリーンが答えようとしたその時
ーー漸く異変に気づいた。
「ああ、勿論だ……。じゃあ最後まで……っ?」
「ーーお、おい…。ヘルガ、何だそれは」
震えた声。
直視した目の前の異変を捉えて、アイリーンに動揺が走った。
彼女の呪いは情欲が強くなる程度に認識していた詰めの甘さに、緊張が走る。
女性であるならば、ありえない存在。白いドレスだからこそ、際立った奇妙な盛り上がりの正体を理解するのに時間がかかってしまう。
考慮するべきだった。情欲だけに囚われていなければ、ここまで思い悩んだりするだろうか。
角度をつけて、布越しで主張する脈動に言葉が詰まる。
そこにあるのは紛れも無い、雄根。
予想していなかった事態に、火を見るよりも明らかな動揺が見て取れた。
「ま、まて…ッ!ヘルガ、どうしてそれを先に…ッ」
咎め、止めようとした所で、事態は既に遅すぎた。
手首を力いっぱいに掴まれ、押し倒された状況で骨格に差がある相手には抵抗は不可能。
自分の詰めの甘さに後悔する余裕も、アイリーンには持ち合わせていなかった。
■ヘルガ > 「これ…、これ、が…悪魔の呪いだよ、私をおかしくしてしまうん、だ……」
「欲しい……いや、…きみを奪いたくなる、いいだろう?最後、まで………ッ……」
クロッシュを取り払うように、じれったげにドレスの裾をたくしあげた。
支給された簡素な下着に到底収まりきらぬ、長大な肉の剣。
竿の部分に黒ずみもなく、包皮から完全に露出した桃色の亀頭は大きく膨らみ、どくりと跳ねてアイリーンを威嚇した。
大きく盛り上がる血管と精管のいびつな凹凸は、あからさまに、性欲のみなぎりを見せていた。
動揺し、身悶え、抵抗しようとする彼女を、その持ち主が乳房をきつく握りしめて制する。
「はぁ、…ぁ、…ッ―――は……焦らさない、で……もう、限界なんだ……」
「アイリーン、きみだって、……飢えているんだろう?研究して、だいぶ敏感だったから、……」
相手も欲しているのなら、自分が負う罪悪感も少ないだろう。
そうすれば、暫くの禁欲に飢えた身体はもう止まるという選択肢を頭から放棄してしまう。
目の前で震える熟れた肉体を求め、絞り上げた柔肉の先端を指で捏ねながら、
カーゴパンツのボタンを外して、降ろされたジッパーの中に潜り込む。
露出させたショーツの中に滑り込んだ手が、直に彼女の中心に触れた。
「したいんだ、――満足、できない、アイリーン、きみと…っ……」
「満たしてあげる、…良くしてあげる、から、…あまり意地悪を、しないでくれ…っ…!…ね……?」
甘えるように蕩けた瞳。それは、ほぼ初めてと言える強引ではない行為への予感と期待か。
さっきまでの姿勢を無にしようとする彼女を咎めるように、切なげに訴える、普段の気取りを忘れた甲高い女の声。
怖気づいた彼女の意思など、もう見えていないかのように。
肉の割れ目を硬い指先が繊細に探って、秘核をぐりぐりと押しこむ。
内部を慣らすように入り口から丹念に触れていく指使いは、その、体躯に見合わぬものを収めさせるための準備そのもので。
■アイリーン > 「……ッ。だ、だが……これは……ッ」
抑えつけられた姿勢は抗うこともできずに、目を伏せたくなりそうなありのままを魅せつけられた。
勃起した男根を知らないわけでもない。しかし間近で目視したのは初めての事だった。
男性のよう浅黒くなく、彼女の肌同様に白い竿。薄明かりの中でもわかりやすくてかりを帯びたピンク色は、穢れない粘膜のように綺麗だった。
その脈打ちに呼応したようにアイリーンの心臓が、身体の芯が跳ねた。
30年間、ろくに女性としての生き方を知らなかった、心に火をつけられる。
柔らかな乳房を握りしめられ、拙い熟れた声で呻き、熱のこもった様相を伺わせた。
「私は…ちが、研究を続け……私の、ために……ッ」
「飢えて、なんか……ッ」
自分で言葉にする度に、周りから取り残された屈辱的な過去が蘇ってくる。
同じ研究者や魔術師は若くして女性として色づき、開花して、幸せな生涯を送ることもあった。
その有様に、毒気づき、妬み、研究者としてのプライドを無くした木偶の坊だと罵った。
自ら、男を漁ろうと躍起になったこともあったが。
しかし、どんなに靡こうとも、結果は報われない。報われたい。
報われたかった。
震える熟れた身体は熱を帯び、求められるがままに浅い反応を示す。
有無をいわさないヘルガの強引さに孕んだ、幼さが媚を売る様が、アイリーンの抑制してきた気持ちをこじ開けていく。
硬い指先が触れた中心は、少女のものとは異なる弾力の乏しく、指を軽く押しこむだけで、粘膜のぬめりが迎えた。
「ンぅっ…♪ くぅ、ふ……ァ」
「ーーヘルガ。本当に、私と……ンくぅッ♥」
蕩けた瞳に映るのは、同じく期待を孕んだ潤んだ瞳。
甘く囁く艶を帯びた唇が震え、自分の中の自尊心との葛藤は、
熱を求める彼女の指使いに終りを迎える。
さんざん雄を待ちわびていた雌の本能が、そんな自らを求めてくれるヘルガの期待に、母性のような心が打ち勝った。
次第に湿りを帯び、彼女の指を熟れた粘膜を濡らしていく。
そんな彼女をただ赦すように、震える腕を持ち上げて、彼女の首へ回り、引き寄せた。
ーー最早その金色の瞳には、彼女を実験動物として扱っていない、純粋な気持ちが浮かんでいた。
「ーー満たしてくれ、私の事。ヘルガお前になら……。私を」
「我慢させた分、私が、良くしてあげるから……。ヘルガ」
■ヘルガ > ぬめる肉の谷間で細指が泳ぐ。ふにりと柔らかい恥丘は成熟を感じるなれ、指を呑ませた時の若干の硬さを感じた。
それをわかってじっくりと、襞の一枚一枚に優しく触れるように慣らしていく。
そこにあるものに気づきながら、カーゴパンツの中に仄かな水音を響かせつつ、抱擁に抱き寄せられたことで唇に再び吸い付いた。
「ん、ちゅ……っ…うれしいよ、アイリーン……」
「もう、みてわかるだろう?はちきれそうで、…全部ぶつけたい、でも……」
「……無理はしなくてもいい、良くしてあげる、なんて」
弾力に富む唇に、舌を、唇を擦りつけ、そして唇の間に舌を滑りこませた。
甘く食みながら、彼女の腹部に肉棒の先端を、熱と硬さをごりごりと押し付ける。
受諾の艶を表情にのぼらせたアイリーンに、甘えて媚びるように触れながらも、
その唇から反れて、耳元に運んだ口が、そっと耳朶に
「……初めて、なんだろう?」
囁いた。
純潔でも処女でもなく。「初めて」というのは、今から成されるという事実を裏打ちするもの。
指先に捉えた彼女の真実とともに、耳朶に吸い付いてリップ音を立てながら。
彼女の内部から指を引き抜き、ショーツとカーゴパンツを引き下ろしていく。
脱がせたものを床に投げてしまえば、ソファの座面に座らせてやった。
肉付きに富む脚を開かせて、その中心、肉の割れ目に、肉剣の穂先を触れさせる。
「元、であるけれど…騎士として」
「きみのことを、きちんとエスコートさせて欲しい、…できるかぎり、優しくするから」
「……私こそ、確認してもいいのかな?…ほんとうに、私で……いいの?」
その瞳を覗き込み、まじまじと、熱く濡れた目で見つめながら。
幾度も唇を吸い上げ、それを真似るように、互いの性器の先端も触れては離れてを繰り返す。
伺わしげに許可を取ろうとする、内面――この女性の心を支配できるという予感に、
燃え上がる情欲が、肉剣を一層固く、その付け根の太腿に、透明な愛蜜の筋を伝わせていて。
■アイリーン > 硬い細指がカーゴパンツの奥に潜んだ正体を暴こうと、探りを入れてくる。
飲み込んだ指を、熟れた襞が出迎えた。少女のそれよりも柔らかい内面は、緊張のあまり硬く、
しかし、次第にその様子は解れだして、窮屈な吸引を与えた。
塞がれた唇を貪ること無く甘く吸い返した様相は、未だ羞恥と緊張が残る。
「ン…ちゅ……ぅ…。そんな顔で求められれば、な」
「私だって女さ……ッ。ふ、ぅ…それくらいの興味は、あったよ……。ン、なんだ……改まって」
唇の間に割り込んだ舌へ軽く吸い付き、様々な女を知っているであろう彼女の唇の奉仕に女としての優越感を覚えた。
自分が卑下する女を色目でしか扱わない男と、今の彼女は変わらないのかもしれない。
そうだとわかっていても、ここまで情熱的に求める姿勢がアイリーンの心を刺激した。
彼女の唇へ視線を追い、未だ冷静な思考能力は訝しげに追いかけた
「……っ!」
ぞわり。
ヘルガの言葉に、裏付けされた事実が湧き上がり身体が震える。
初めてを悪魔に呪われた同性に捧げることに彼女自身、躊躇いはもちろんある。
純潔以上のものを捧げてしまう懸念もあった。しかし、媚を売る彼女の姿勢に心を打たれていた。
30年間焦がれ続け、焦燥を生んだ肉体と精神は自分でも嘲笑したくなるほど、呆気無いものだと自嘲し、促されるまま、座った姿勢で彼女を見遣る。
恥丘を守るように生えた、頭髪と変わらぬ銀色は、少し縮れ、彼女の掌を受けて、むちりと弾力を返した脚が開かれる。
割れ目から露出した熟れた襞の入り口。性器として役割を果たすことのなかったそこへ、硬い熱が火傷を齎した。
「く…ん…っ」
「どう、だろうな……。今の君に、そこまでの抑止力が残っているかどうか……」
「ーーだが、優しく出来るのなら。してくれないか。……あまり確認するな、馬鹿者。ヘルガでいいと、私は言ったんだ」
覗き込んだ赤色へ、不機嫌そうに眉を顰めた金色で弱々しく威嚇した。
無愛想な言葉遣いは、羞恥を煽られた有様を隠すため。
そんな不機嫌な言葉遣いや表情も唇と大切な場所が啄みあう度に、緩んだ。
とんだ拾い物をしたものだという内心、もしこのまま彼女を自分の手元に置けるのなら、と思考が巡る。
露払いもなるし、最悪素体にすることも、ある。なにより昔から望んだものが手に入るとわかれば、一層情欲が疼いた。
一見して、成人男性よりも大きく太い、彼女の歪な形。
互いの体液が交じり合い艶を帯びた様に息を呑み、高圧的な態度のまま、こちらから唇を塞いで、腰をずらして、にちっともう少し深く肉剣と肉鞘を出会わせた。
「光栄に思え、ヘルガ……。私の、アイリーン・テスラの初めてなのだからな」