2015/10/31 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 アルシャ自室」からガザさんが去りました。
■アルシャ > 治療儀式で交わった二人の行為は王都の日暮れと共に深く暮れてゆく…
ご案内:「王都マグメール 平民地区 アルシャ自室」からアルシャさんが去りました。
ご案内:「魔族の国/とある屋敷/地下」にハスタさんが現れました。
ご案内:「魔族の国/とある屋敷/地下」にシャロンさんが現れました。
■ハスタ > 魔族の国の何処か。人であるなら大凡知る由もない場所の、何処かの豪華なお屋敷の地下室。
ここに太陽の光が届くことはなく、魔導機械の仄明るくも微妙に拘った暖色系の光が部屋を照らす。
拘束台やらの如何わしい機械が数個と、埃を被った木箱。
先日おっさんがカジノに行った折、所謂身ぐるみを剥がすと言う場面に立ち会った。しかも女の子。
少々というか、かなり胸の方は残念だが、それでも上玉といって間違いはない。
そんな少女に「貴方の希望を一つ叶える」「早くしないと逃げてしまう」等と言われてしまったら、こうして捕まえたくなってしまうではないか。
その後、虚脱の咒いを何度か重ねて、段階的に弱っていく少女を楽しみながら、カジノを後に、人知れず自身の館の一つへと続く道に転移した。
屋敷に入って地下室へと足を運ぶ。何故地下に直接転移しなかったのかと言えば、ここはちょっとした呪圏になっており
転移等の空間や時間をまやかす魔法を出ていくのも入ってくるのも遮断している。
少女の細い腕を後ろで交差させて手錠の様なもので縛り、その交差点も念入りに縄で括っておく。
右足に重りを括りつけて、これで恐らく逃げられなかろう。
魔王たる者が物理的に縛るのは、視覚的に楽しむためと言ったところか。
また、ある程度手慣れた様からこのおっさんがこうして拉致監禁に及ぶことが、何も今回初めての事ではないというのが容易に分かるだろうか。
「さぁて、シャロンたん、御目覚めの時間だよん。」
虚脱の咒いを逆回転させて掛けた呪詛を一つずつ、ゆっくりと相殺して行き―――。
■シャロン > ――体が重い。頭の中がモヤがかっている。目を開くのも指を動かすのも億劫だ。深海に沈んでいくというのはこういう感覚なのかもしれない。足元に感じる重みは、拘束具の類だろう。全く、どうしてこんな、とは思うが、約束を反故にするのは聖女としての高潔な精神が拒絶反応を起こす。故にこうして、人里から離れた魔族の国の、時空間のネジ曲がった部屋の中にとらわれていた。多重術式の虚脱の咒いは少女の体を完全に疲弊させきっている。加護を持ってしても抗えない高位の術式は、相手がそれなり以上の魔族であることを示していた。
「――ぁ、ぅ……こ、こは……?」
声とともに、少しずつ時計を逆巻きにするように体力が戻っていく。とは言え、先ほどの感覚が急になくなるわけではない。目眩に似たふらつきを感じながら体を起こす。手元は動く気配がなく、右足には引きずらないと歩けない程度の重さの枷が嵌っているのが分かった。――全力を開放すればどうにか出来るだろうが、そうするには時間がかかる。故に少女は待つことにした。それは、彼との約束を果たす意味もある。ともあれまずは。
「……たん、はやめていただけませんか?こう、幼い少女だと思われている、気がして……」
などと、呼び名に対する不満をぶつける。なんだかんだで少女はわりと細かい性格だった。
■ハスタ > 「えぇー。」
口を開いて一発目に飛んできた言葉に、少々意外だったが半ばお断りと言いたげに返答した。気絶に疲労困憊させ切っていた、所謂ゲームでいう戦闘不能状態だったのだが、取り敢えず起き上がって話すだけあったら十分だ。困っちゃうよと言いたげな顔で(本人曰く)可愛く口をとがらせ顔を逸らす。
「ごめんねー。ほら、あれよ。おじさんから見たらシャロンたんはどう見たって幼い少女なの。」
エロオヤジという種族は人間であれ魔族であれ、大きい方…とはいかずとも、揉めるくらいが好きなのだ。それはさておき、この少女が嫌に誠実であろうとすることには早くも勘付いている。概ね騎士道精神とやらにでも毒されたのか、何処かの戒律に従っているか。どちらにしても、それらを破る様な行いはして来ないだろうとも睨んでいた。
「…その理由は、自分の胸に聞いてみたらどうかなぁ、あはははー!…あ、そだそだ、シャロンたんは何歳?」
腕を組み、立ち上がった少女の小さな体を見まわす。このおっさんから見れば、誰であっても大体幼い扱いになろうが。取り分け本題に入る様子もなく、閑話を挟む。軽く背中を押してさて何から始めようかと獰猛に舌なめずり。
■シャロン > 「……面と向かって言われると腹たちますね」
じっとり、という表現が最も的確な視線を向ける。この程度の疲れであれば問題はない。もっと苦しい目にあったこともあるのだから、相対的には些事である。芝居がかった様子の彼には、面倒そうな嘆息を見せながら。
「……14。豊満な方が良いなら最初からそういう娘に迫ればいい話かと。――やる気満々ですね、脳味噌下半身です?」
幼い発言でかちんと来ているのか、辛辣なセメント対応である。揉めない胸で悪かったな、と内心毒づくのは少女もまた気にしているから。聖女だが豊胸マッサージは試したことあるし、銅製の相手に揉んでもらったこともあるけどダメだった。――母親も残念だったという話を聞いたことがあるから完全に遺伝である。龍の血でも胸は大きくはならないのだ。背中を押されれば、おもりを付けられた足ではバランスを上手く取れず、前に倒れてしまう。腕は動かないものだから、顔から前に落ちるしかない。柔らかいベッドであればいいが、冷たい石床だったら嫌だ、などと他人事のように思いながら、崩れていく。
■ハスタ > 「…ごめんってば。でも腹が立つって事はホラ、事実って事でしょ。」
口をとんがらせたまま人差し指をひょいと立ててニヤつく。
「そうなんだ、14…14ねぇ。ははははは!それはそうだね。でも、シャロンたん可愛いからね。胸とケツがでかけりゃいいってもんじゃない。ま、ハスタさんはでかい方が好きだけど。」
察しが良いというか、本人も気にしているらしい。概ねさっきの暗に示した言葉の意図も汲んで…何やらカジノでは見られる事のなかった毒舌っぷりが発揮されている気がする。これはあれだ、小さいとか貧しいとか言ったら反応しちゃう子だと脳内で一人合点しつつニヤつく。
「そんなに気にしなくてもいいじゃない。個性だよ、個性。外の世界のイディオムには貧乳はステータスなんて言葉もあるらしいしね。」
明るくニヤついて諭す。男、それも下衆のこのおっさんが何を言っても聞き入れられないだろうが。
「やる気満々って何がさ?脳味噌下半身だなんて失礼しちゃうなぁ。おじさんこれでも錬金術も魔術も算術も極めちゃってるから脳味噌ぱねぇんだけど。」
早い話がどうでも良い自慢であった。胸の話に触れておくがとぼける。地下室。床は勿論柔らかいものではなく、魔導機械の仄明るい光をそのフラットな平面で反射してしまうくらいだった。少女の胸はしかし、少なくともこのフラットな床よりはあるだろうとしみじみと思いながら、崩れていく少女を眺める。まずは地面に横たえようか、それとも拘束台にでも置こうか、なんて思いながら。
■シャロン > 「……構いませんが、捕まえておいてあんまりかと。背と胸の話は遠慮します」
じとり。相手への心象が悪ければ悪いほど毒舌になっていくスタイル。なお、相手がいい子ならちゃんと優しいので、日常生活に問題にはなっていない。正直な所、腕と足が使えていれば、思い切り剣を突き立てているはずである。短期ではないが、胸と背の話は厳禁だった。
「いえ、なんでもないです。錬金術に魔術ですか――」
目の前、床に顔からぶつかった。鼻がヒリヒリと痛む。何やら考えているようだが、そんなことはどうでもいい。今はこの状態をどうするか。――打開策は見えてこない。であればここは素直に状況に従うのが一番で。故にうまく体のバネを使って転がると、仰向けの形になって。
「……空腹です、食べ物を所望します」
どうあれ何かされるなら、自分の欲求を押し通してもいいだろう。ひもじい腹を満たすべく、食事をねだってみるのだった
■ハスタ > 「背中…?あー、すまんね。おじさんこれでも部長みたいな役柄でさぁ、胸とかの話をついついしたくなっちゃうの。セクシュアルハラスメントもコミュニケーションの一環ってね。んで良く部下に殺されかけてるんだ。はは。」
不機嫌である。どんどん目付きが悪くなっていくが、しかし幼い少女と認識した相手が可愛らしい顔を如何に歪めたところでおっさんは楽しそうに舌を回すだけ。
「そうそう、錬金術に魔術。あと算術ね。おじさん見ての通り理系なの。知ってるでしょ、魔族の智慧の高さ。」
顔が傷つくと興がそがれるので、そこにだけ回復魔法を咒っておく。語る顔は得意気。
「ほう、良いのかい。こんな所で何食べさせられるかなんて分かったもんじゃないってのに。何食べたいのさ。生憎今おじさんが出せるのは卑猥で苦いミルクだけだよぉ?なぁんてねっ。」
お得意の下ネタを一つ。糞の名が上がらなかっただけマシなのかも。びっと立てた二本指を翻す。特に意味はない。
「さて、冗談はさておいてこんなものはどうだろうか。」
ふっと虚空に息を吹きかければ魔力と空気が固まって、如何にも怪しい黒単色の球体固形物を掌に。…食べ物?
■シャロン > 「はぁ、部下の人と気が合いそうですね。それと、背中じゃなく身長です。背中の話ならいつまでしててくれてもいいですよ、話を聞き流すのは得意中の得意です」
しれっと言いつつ、ジト目続行。正直部下の人が可哀想な気配すらしてくる。さり気なく部下は女性なのかと頭の中に叩きこみつつ。
「えぇ、魔族の知恵の高さは知っておりますよ。人間が手を焼くのも無理は無いですね」
鼻の頭のひりつきが治る。回復魔法だろうか。そして空腹の訴えに差し出されるのは謎の団子のような黒。――突っ込みどころしかない。
「いや、ちょっと待って下さい?何もなくて出すの其れですか!?ちょ、ぇー……其れで知恵高いんですか!?やっぱりその頭の中あんこ詰まってるでしょっ!」
まさか自分がツッコミに回るとは、などと思いながらも、突っ込まずに居られないのが性。手が動いてたらきっと、なんでやねん、と左手で鋭い裏拳を決めているはずである
■ハスタ > 「あ、まぁ。あれ。ツンデレの究極形っていうのかな。別に貴方のこと好きじゃないんだからの勢いで殺しに来るの。実際何回か殺されてるからねー。…背中の話をするからにはまずその素敵なドレスの後ろ側を破るが良いかい?」
よっこらせ、と、掛け声を一つ、ジト目な少女の近くに腰を下ろして、手をわざとらしくわきわきする。ついでに背中を服の上からさわさわと。
「そういう事だ。人間の諦めの悪さも知ってるよ、あと神の邪魔さもね。おじさんも手を焼くねぇ。それがまた楽しいんだけど。」
例にもれず、このおっさんも遊ぶことが大好きな魔族の一人。
「あー。ダメか。いやぁ、思いついたものがおじさんのアレとゾンビーフとこれしかなくって。ごめんね。ここ転移魔法が使えないから何かを取り寄せようにも取り寄せられないワケ。ジュースはあるよ。飲む?」
言い訳を並べながらニヤニヤして頭を下げる。
「あっ!シャロンたんノリ良いねぇ!どう?これを機に魔族側に寝返ってみるとか。歓迎しちゃうよー!」
右掌に謎の黒団子をのっけて、左手でチチチ、と人差し指を右に左に。陽気で能天気なイントネーションで此方側への御誘い。勿論冗談だが。
因みにこの謎の物質は胎内で謎の生物、触手の卵胞となる、いわば魔物の卵みたいなものである。
「だーかーらー!おじさんの事をシャロンたんはなんだと思ってるわけなのさ。あんこが詰まってるのはコッチだよ。ほら、御団子だよ!アンコロモチ、っていうじゃない?あれだよあれ。まぁ「色に似合わず腐ったゾンビの味がする」って評判だけど。どうよ、これ。」
無臭の黒光り。不自然に丸くてツヤツヤな光沢を放つそれをゆっくりと口に近づけていく。
■シャロン > 「どこがデレているのか聞きたいですね。明らかにツンなうえに殺しにかかってる当たり完璧にアウトなやつじゃないですか――どうぞ、今はこのドレスも貴方の資産ですので」
お気に入りの服ではあるが、破かれることに関しては特に感慨を抱かない。服ならまた買えばいいのだから。背中を触られると、鋭敏な感覚が刺激を捉える。思わず身を震わせながら
「――そうですか。其れならばぜひに手を焼くが良いでしょう。骨の随まで焦がしますから」
めんどくさい奴に捕まったなぁ、と段々やさぐれていく心。黒聖女ここに極まれりである。食事にありつけないと分かると嘆息しながら。
「魔族の中にも人間と同じく美食を学ぶ者が居るというのに……理系過ぎてずぼらすぎませんかね、そこの所」
せめてちゃんとした味のものください。ぞんびーなやつじゃなく。まだ精液のほうがマシである。
「――ぁー、其れわりと難しい気がしますよ?どうして只の人間に多重術式の呪文を使わないといけなかったかを考えて見れば自明かと」
腹の上にうっすら刻まれた白竜の龍紋が全ての要因である。そしてやっぱり謎の食べ物を口元に押し付けられると流石に慌てて
「ちょ、ゾンビの味とか絶対に経験したくないんd――んぶっ!?んぐ、んむぅうううっ!?」
突っ込まれてしまった。不味い、死にたい。そんなダウナーな気持ちになりながら、息が出来ないので仕方なく黒いツヤツヤを嚥下していく。
■ハスタ > 「いやでもね。あの子何だかんだで自分で誘ってくるからね。胸を押し当てるわ引っ張るわ抱きつくわ。おじさんも男だからね、可愛い女の子に誘われたら我慢できないわけよ。良いのかよぉ?!じゃあ剥いちゃうよ。…おや?おやおや?くすぐったかったかな?」
まさかこれで感じているだなんて思いもしない。媚薬を投与したわけでも催淫魔法を使ったわけでもない。触っただけだから。薄い布に爪を立てて、小さな黒い衣服の背を引き裂いた。
「…ははは。強気だなぁ、シャロンたん。例え全身灰になっても燃えてより強くなって甦る魔族の強さを思い知るが良いよ。」
不死鳥らしい。最初は上品な御嬢様だと思っていたが、目付きと言い最早敬語で喋ってるだけではと思うおっさんであった。
「あのさぁ。理系をなんだと思ってるのシャロンたん。理系男子はモテないとかずぼらだとか言うけど。じゃあ文系はどうなんだい!…色とりどりの食事なんて非効率でしょうが!必要な栄養分と満腹感が得られる薬剤飲めば!…って、考えが理系なのかね。どう思う?シャロンたん。」
ビシ、と人差し指を彼女に向けて文系へと反論する。
「結論!シャロンたんは只の人間じゃあないってことだね。いいじゃないの、人間と魔族の違いって何?同じ様な人の形してるのも多いしさ、その辺何が違うか、おじさんよく分からんね。人間と魔族の違いが力と智慧だけってんなら、人間も魔族になれるし、魔族も人間になれるよ。」
冗談ではあれ、何処かしらこの辺は本気で疑問に思っているらしい。というか使った魔法がバレているあたり、やっぱり只者じゃなさそうだ。
「オラッ、飲み干せっ!」
やってる事は非常に残虐で無慈悲であるのに、ノリノリで楽しそうにこれが言いたかったとばかり言ってのける。舌触りはツルツルだが味は本当に腐ったものがさらに腐った様な実に宜しくない味がするだろう。不味いのでせめて飲みやすいようにとついでに手から水魔法と催淫魔法を混ぜた複合術式…要は媚薬の様なほろ苦い液体もついでに合わせて流しておく。白龍の加護を持つ少女にそれが効くかは不明だが、そこまで強力なものではなかった。
「ってセリフ、言ってみたかったりしたんだけどー。あれはね、素敵な栄養剤だよ。女の子にしか効かないヤツだ。サプリメントってのかな。体の栄養素を管理してくれる妖精さんが…まぁそんな話はいいか。兎も角御腹が膨れると思う。…色んな意味で。」
といっても、孵るまではそんな事もなかろうが。一通り説明するが、寄生虫の様な働きもするらしい。
「…さて、食べて寝ているだけでは太ってしまうよ。食後の体操でもするかい?色々体操器具もあるしね。」
食事と言えたのかも分からず、また体操器具といっても如何わしい物しかない地下室ではあるが。
■シャロン > 「……人間のように脆弱な体を持つ存在は鋭敏になるんですよ。貴方達のような殴っても効かないとか、そういうのじゃないので」
ましてや其れが戦いに赴く存在であれば余計である。危険を察して、事前に策を打ち、万難を打ち払うのが人間なのだから。絹を裂くような甲高い音には、背筋が震える。布を裂く音はすきじゃないのだ。
「強気ですかね?人間も捨てたものじゃないですよ?――まぁ、私はあまり強くないですが、騎士の中には傑物もおりますしね」
実を言えばこの少女こそ、魔族の討滅すら容易い聖女なのは秘密である。――其れをするには全能力を開放して龍化した上で、なおかつその後に反動として起こる一月近い発情期をすごさなければいけないという制約付きなものだから、面倒すぎてしたくない。そして、少女が敬語を話すだけの存在なのは、ご明察である
「理系のイメージですか?理論先行で融通が利かなくて頭が固くて遊びがなくてズボラ、ですかね。まぁ、文系も冗長で旗色を見るのが得意で蝙蝠のようで遊びがすぎるという見方もできますが――正直、娯楽は大事です。文明とは娯楽ですよ。最優先かと」
個人的なイメージではあるが、少女としては余裕があるから娯楽が有り、娯楽があるから文化ができ、文化があるから文明が出来る、という思想がある。それ故の言葉を紡ぐ。どちらにも属さない聖女はしいて言えば娯楽大好き系で。
「まぁ、其れで良いかと。後は意志の問題です。魔導を極めれば人間も魔族の世界に足を踏み入れますし、魔族でも人間を大切に思う存在が入るのは知っております故」
口の中は酷く不味い。美味しくない。こんなものを食べる世界などありえない。酷評である。とは言え押し付けられた以上は飲み込んでしまって、不思議と腹はそれなりに膨れた。しかも不味い上に苦い液体とセットだ。文句の一つや二つも言いたくなる。
「……手が自由になったら手料理ふるあってあげるわ。カルチャーショック受けて文転しなさい」
ジト目で反駁。媚薬についてはまだ効かない。――淫らな責めを続けて、少女の中のヤルダバオートの力が強くなれば、次第に薬や呪いの効きも良くなっていくことだろう。体操については無言。好きにすればと視線が言っていた。
■ハスタ > 「ほう。おじさんのことなんだって思ってんのか知らないけどおじさんだって殴られたら痛いよ。さて、背中についての話だったね。単刀直入に言えば…すべすべだね。」
殺されてもヘラヘラしているので真っ赤な嘘である。人に対して魔族は享楽的で準備を怠る傾向も強いし、遊びに興じる傾向も強い。背中が露わになったら擽る。
「ははは。そうかいそうかい。サルも悪魔も、愚かなものだねぇ…おじさん皆強すぎて、ついていけないよ。」
そういうわけで楽観的なおっさんはやっぱり彼女が持つそんな危険因子に気付かない。興に耽って弱くなって隙を晒すのは、悪役のお約束だ。
「あーっとっとぉ!さっすがにそれは言い過ぎだよ。シャロンたんはほら、文理両方に喧嘩売ってるじゃないですかー。ほんと強気だね。おじさんは理系だけど遊びは好きだよ。ホラ、カジノとかね、お酒とか女の子とか。最優先にしてるであります!」
敬礼。
「ほうほう。成程シャロンたんは達観してるねえ。14歳の女の子とは思えないね。あー、でもアレだわ。こう、14歳って反芻してるとおじさんあれ、幼子を弄ぶ背徳感がじわじわにじみ出て興奮しちゃいそうだよ!」
誰がそんな事を聞いたか。いらん報告を嬉々として告げながら、どんどん不機嫌になるだろう少女とは対称に益々喜悦の色を強める。
「遂に敬語までやめたねシャロンたん?!」
ドム、と少女が横たわる目の前に掌を突き立ててジト目に抗議。顔は笑っている。
「シャロンたんの手料理も楽しみだなぁ。手は自由にならないけど。…おじさんがいつ文系科目が出来ないと錯覚していたんだい?」
どうにも媚薬が効いている様子がない。体温が上がったりとか、呂律が回らなくなったりもしていないみたいだ。といって、効かないのは、大体予想は出来ていた。軽い呪詛が効かないから、一通り外部からの害悪に耐性は持っているのだろう。それも、オートで発動するパッシブスキルの様なものを。
「何だい。急に釣れなくなっちゃったじゃないか。ははあ、分かったぞ。おじさんが揉んで大きくしてあげても…と、思ったけど。体を温めんと、駄目だよ。…どうしよっか?」
手のひらサイズの六芒星を円で囲う白い魔方陣。横たわった彼女にと肉体感覚だけを気絶させる「金縛り」の咒いを行使する。軽く咒うだけでは効かないから、これもまた多重術式。足につけた重りを外して、その背中が肌蹴た身体を軽々と持ち上げる。
■シャロン > 「痛くても余裕で立ってるでしょうに――うぐ、そういう褒め方はセクハラかと」
くすぐられると声を噛み殺しながら身じろぎする。苦痛には強いがこういう責めには弱いのだ。
「嘘つきですね――随分と強そうですけれど。そもそも、無詠唱で多重術式の時点で人の魔法使いが何十年かけるかわからない領域でしょうし……まぁ、天才は往々にして居ますけれど」
嘆息しながらも、お互いに好機をつかめない状態。少女の場合は力を解放する踏ん切りが付かないのだった。
「……正直どっちでも良いです。美味しい食べ物と程よい休養さえあれば。音楽や書は好みですが、なくてもどうにかなりますし。――酒が好きなら何故料理がわからないのですかね」
敬礼には苦笑を持って応じ。
「達観、ですか?――ふむ、そう言われればそうかもしれませんが……反吐が出るほど下衆ですね。魔族ここに極まれリですよ」
なお、脅しには屈しない。死ぬなら其れまで。そも、今は彼のものなのだ、彼が玩具をどうするかは自由だ。死など怖くないし、そもそも、その程度で怯えるつもりもさらさらない。目の前の拳にも微笑みを返し。
「では、聡明な貴方は美食に理解を持ってくれるはずですね。良いでしょう、魂の髄まで教え込んでみせます。死しても蘇るのであれば、永遠の傷跡ですね」
敬語を忘れたことはさり気なくごまかし、媚薬は無意識キャンセル。下腹部の龍紋が僅かに輝く。
「――つれないのではなく、そう言った経験がないのでリアクションのしようがないのです。話としてはしっていますが――」
途端に声が出なくなる。強力な肉体的金縛りだ。動かせないし、動かない。不随意なものが止まらないのは幸いだ。かけられた呪術を龍紋がわずかずつ食い破る。その最中に、少女は運ばれていく
■ハスタ > お風呂の様な壁に囲われた場所へと到着。空っぽの浴槽に三角座りさせて置き据えれば、一旦行って戻ってくる。両足に付けるための鎖と錠付きの拘束具を付ければ、龍紋が食い破りきる前に、使った術式を相殺する。既に食われていたので先程より手間がかからなかった。
「痛いってのはそもそも体が上げる危険信号の一つだよ。余裕で立ってられるなら痛くないの。おじさん痛いのはやだもーん。セクシュアルハラスメントもコミュニケーションの一環だって。皆で楽しく遊べる職場を作るのがおじさんの役目さ。…くすぐったかったみたいだねぇ?じゃあ次は御腹から行こうかな。」
ニヤニヤと肩を揺らして笑う。
「酷いなあ!…魔族ならわけないって。ってかチミもおじさんがそんな魔法使ったって分かる時点で相当だと思うけどなぁ。そうそう、どいつもこいつも馬鹿みたいに強くって、おじさん参っちゃうなー。」
少女のジレンマめいたものを見落として、ああだこうだと思いついたことからやって行く。卵を孵すのには体温を上げたり栄養だとか、色々必要な事があるのだが、ともあれそれも享楽。
「酷いですね。…んまぁ、そういうわけであんな所にうろついてたのね…女の子が。可哀想に、こんな残酷なおっさんに捕まってしまうだなんて…っ!ごめんアレはたとえ話だよ。おじさんステーキも食べるしピーマンは嫌いだから。」
食事もまた、享楽の一つ。三大欲求である一つなのだから仕方がない。
「そうそう、ほんとに14なのかなって、思っちゃうね。…あははは、おじさん下衆だけどさ。シャロンたんも料理を食べるでしょ?あんな感じだね、おじさんから見たら全ては脆弱で儚いのだよ、ふはは。」
不死者の目線。あくまでも死を恐れたりしないのも、また騎士道精神だとか戒律だとか、そういう根元に強い何かがあるのだろうと思っている。尚、今の拳は脅しとかではなく、軽いツッコミである。敬語やめたよね?!的な。
「おおっと、流石のおじさんも魂までダメージ入れられたら駄目だわ。いや、生命の概念とかよく分からんけどね。不治の病に付き合うみたいで嫌じゃない?美味しい料理は好きだけど。」
輝きには気付かない。衣服をさらに肌蹴させていたなら気付いていたろうが。
「ほうほう。つまりシャロンたんは処女と言うQEDに辿りついたよ!ヒャッハァ!あ、運動の前の御風呂の時間だよ。なんか冷たいけどゆっくりしていってね。ついでに上も脱ごうか。下は」
何の脈絡もなく、少女の胸元に手を掛ければ布を裂く音と共に引き下ろして破いていく。それから先刻より少々濃い目の媚薬を作る複合魔術で浴槽を満たした。口に水が入り込むかどうか、くらいまでの深さ。
■シャロン > 「――風呂場、ですか。お湯のない浴槽に入れるとか、瘴気ですかね。もてなしの心がなってません」
術を相殺された後、真っ先につぶやくのは不平。風呂は温かいのが好きだ。拘束具については拷問訓練で似たようなものを付けられた記憶があるので特に感情が動きはしなかった。
「えぇ、そうでしょう。ですがあなた達の場合は危険信号を受けるのがそもそも人より遅いはずですし……私はその職場に入る気ないんですけどねぇ。お給料がどんなに良くても、正直くっそ不味い団子なんて食いたくないです」
ズバッと切り込みつつ、笑いには微笑みを返して。
「さぁ、どうでしょうね。私は偶々詳しいだけの一般人――というのは流石にバレバレすぎますかね。一応神殿騎士団の所属ですが、今日はオフなので魔族退治をする気はないので」
休みは休むもの。神がそう言ってますから、などと言ってのける。安息日は絶対だ。認めない職場など糞食らえである。
「あれは同僚に勧められて、遊ぶついでにちょっと調べ事でもしてきてって言われただけなんですが……ま、その前に捕まってしまったんで、ミッションは失敗ですが」
ミッションがあるうちはそれなりに調べる気だったが、其れが無理なら休む気満々。切り替えの速さには自身があるのだ。
「で、捕まえたおじさんが何言ってるんですかね。すみませんね、ピーマンに近い方で。胸なんて運動の邪魔じゃないですか、全く――14ですよ。其れを疑うのなら、原因は経験ですね。そこいらの14歳の娘が絶対にしないような経験をしてきましたし」
経験を思い返して嘆息しながら、見上げる。服は少しずつ脱がされているようだが、龍紋に気づかない当たり結構目端は効かないのかもしれない。
「入れようとすればその魂をえぐるぐらいは出来ますが、恐ろしく疲れるんで勘弁です。――はぁ、神に仕える身だから純潔ですが、ぁー、そういえば、男性は純潔の娘をうらやましがるんでしたっけ?って冷たい風呂とか嫌です、絶対嫌ですー!……ぶくぶく」
媚薬の満ちた浴槽に沈む。口元に僅かに甘い液体が入ってきたので慌てて口を閉じた。鼻で呼吸はできるが、如何せんこのままじゃどうしようもない。徐々にしみる媚薬は、しかし普通の娘よりは遥かに進行が遅くて。普通の娘が気を狂わせてしまいそうな時間をかけてようやく、僅かな火照りを感じる程度。腹の中身の卵を孵化させてからのほうが、嬲るには向くのかもしれない
■ハスタ > 「おじさんは瘴気のカタマリみたいなもんだよ。」
あれ、なんか会話の齟齬が起きている。上を全て破り取って、乱暴に胸をはだけさせようか。
「外から見て分かったけど、小さいね。…ま、どんなに小さくても乳首はある。ついでにおじさんにもある。」
言いつつ、二三度つっつく。
「くっそ不味いって…食いたくないって…シャロンたん…チミ、あれだろ。可愛い顔してるくせして物ッ凄ぉい毒舌。ああ、嘘嘘ぉ!冗談だから本気にしないでって!あんなもん食べさせるブラックな職場じゃないよ。おじさんの職場についたからにはもう安心だ!週休8日と給料として美味しいステーキとハンバーガーとコーラとおじさんの部下が買ってきた御菓子を約束しようッ!あとお風呂。」
口角歪めて親指ぐっと立てお風呂ちゅうの少女にニッと笑う。最早何処から突っ込めと言う話だ。
「ほう。神殿騎士団の。こりゃあまぁ嫌な人だねぇ。おじさんの天敵じゃん。やばいじゃん。オンにはならないでねっ。」
穏やかな声で宥める。―――やさぐれている。彼女、間違いなくやさぐれている。
「なんと!遊ぶついででこんな幼気で可愛い子が捕まってしまうだなんて!人間界は恐いなぁ。」
お前が怖いと言われたいらしい。
「ピーマンに近いっていうかピーマンでしょうシャロンたん。んふっ!」
胸なんて、という言葉を聞くとぶっと噴出。
「あはははは!!やめてくれよシャロンたぁんっ!!!胸なんてっ、んふっ、あはははは!!運動の邪魔っ、あああ、そっかそっかぁ!そうだねぇ。」
貧乳の定型文がここで聞けるとは思わなかったらしく、自身の膝を叩いて仰々しく笑う。
「成程どうりで媚薬も効かない。あっあー、でもゾンビの味を経験したことはないでしょ。あと男性経験もないっぽい?14だから無理もないだろうけど。これから男性でも女性でも中性でもない酸性の経験が、出来るよー。…魔術紋。」
何を言っているのやら。上半身を肌蹴させたところでようやっと白龍の紋に気付いた。身体に刻まれたそれを見て、呟くにとどめる。
「おじさんは不滅だ!例え死んでも何度でも蘇るさ!蘇るたびに強くなる!おじさんはきっと御嬢ちゃんのトラウマになるよ―――なぁんてねぇ。嘘嘘。なんか男性について盛大な勘違いしてる気がするけど…そうだね、女の子の初めてを奪うのも良いと思うよ。痛がってる姿がたまんないねぇ!背徳感でゾクゾクしちゃうぅっ!…はぁぁあ、まだ感じないのかなあ。もう少し浸け込もうか。おじさんカレーとか作れるんだけど。ああいうのも煮込むのが大事みたいだよ。」
実に媚薬に耐性があるみたいだ。ただ、そっちの方が楽しいと言えば楽しいし、まだまだ余興も余興。体を火照らせて孵化させるのに良い体温にして。どれくらいで孵らせられよう。気長に待とうか。
「はいじゃあ上に参りまぁす。じゃあ―――ゆっくり死んでいってね!!」
人差し指を上に。浴槽の水位が上がり、金髪の頂点を濡らすまでに水が張る。全身媚薬付け。お薬と言う液体に全身を浸して、手を振って何処かへと去って行った。
―――と見せかけて。30秒くらい後に木箱一つ持って戻ってきて。
「下に参りまぁす。さて、今の気分を率直にどうぞ。」
水位が口元まで下がる。それから縛られた彼女の前に拳をやる。エアマイクでのインタビューらしい。