2015/10/10 のログ
レティシア > (男に手を取られ、女は慣れた様子で足を進めてゆく。薦められた揺り椅子に、ふんわりと腰を下ろすと、ゆるっと周囲を見渡した。足元で横になる年老いた狼犬に菫色の瞳を細めていれば、茶を煎れに立った男が戻ってきた。差し出されたカップを自分の方へと引き寄せると、カップの中身のお茶の香りを吸い込みつつ) …ありがとう。…いい香りねぇ…。あぁ、やっぱり…業となのね。まんまと、あたしも罠にハマってしまったと言うわけね。(相手の返答に、クスリと笑いながら、頷いて。蜂蜜のポットを手に取ると、ポトポトとカップへと注ぐ。スプーンでクルクルと掻き回してから、一口、口につけて) …てっきり、こんな森の中で結界なんて張ってるから、どんなご老体かと思ったら…意外と若い隠者だったわねぇ。(人差し指で、つぃっと目の前の若い隠者を指さしてみたりして)
オーベ > 知識のないもの、魔法と関わりの薄いものであれば人払いの効力を発揮し、それ以外は不審に思うものもいるだろうが、好奇心の強いものは確かめずにいられない…そこで、俺は、お茶はいかが?という寸法さ。好奇心の強い者は良くも悪くも様々な経験をしているから、面白い話が聞けるというわけだ(茶の香りを褒めてもらえば、自慢気にだろう?とでも言いたげな満足気な表情を浮かべつつお茶を一口)期待に添えず申し訳ないとは思うがね…色々あったのさ…。しかし、俺も魔族と話をするのは随分と久しぶりだ…淫魔とは、初めてかもしれないな(旅の途中、戦場の近くで幾度か見かけることはあったがこうして、声を交えるのは初めてだった。それも立ち居振る舞い、服装を見るに高貴な身分であろうことは予想できた)
レティシア > ――好奇心は猫を殺す…というのは、どこの国のことわざだったかしら。…まぁ、こちらの隠者は、殺すどころか、お茶をご馳走してくれるのだけれど…(男の説明に、クスクスと笑いながら頷いて。香りの良い、甘くなった紅茶を啜る。目の前の男が、不意に己の正体を言い当てれば、女の菫色の瞳が、スゥっと細められ) …これだけの結界を貼れるのだから、相当な力をお持ちだとは思っていたけど……よく、お判りね?(元々、己の魔族としての気配を消してはいないのだから、バレているであろうと思っていたのだが、女は計算が狂ったとでも言うように、肩を竦めてみせる)――でも、あなたの初めてが、あたしで嬉しいわ?(何やら誤解を招くような言葉を口にすれば、にっこりと笑いかけ)
オーベ > 実際に好奇心が死につながるのであったらあの世は猫と学者と魔術師で溢れかえっていそうだがね…殺すのが目的であったらこんな手のこんだことはしないさ、軍隊でも傭兵で引き連れて向かっていけばいい。その方が手っ取り早いし、判りやすい(両手でカップを持ち、手遊びするようにお茶を揺らす。僅かに走る緊張感に不意に顔を上げ、彼女の双眸へと視線を投げて笑みを浮かべ)………魔族は総じて、気配が強すぎる。人間種よりも遥かに強く気配を潜める必要がないからだろうけれどね…(肩をすくめる姿にほんの少し申し訳無さそうに笑い)…淫魔というのは、当てずっぽうだったけど、図星だったか…少々、君は―――色気がありすぎる(一転して冗談っぽく告げれば笑みを浮かべる。誤解を招くような一言に小さく笑い声を零し)優しくしてもらえれば嬉しいがね(と笑みを深くして)
レティシア > あら、判らなくてよ?…手の込んだ罠を仕掛けて、捕らえて…真綿で首を絞めるように、ジワジワと殺してゆくのが良いと言う連中もいるわ。……あたしは、シュミが良いとは思えないけど。(カップはサイドテーブルへと置き、更に女は肩を竦めてみせる。キツイ視線を相手に向けても、逆に笑みを向けられて、女は瞳を瞬かせる。) そうね、あたしも特には気配を消そうとか考えてないし。……まぁ、見破った訳じゃないの?……もぅ、それもあなたの手なのかしら?(又も、相手の策略にまんまとハマってしまった事に気が付けば、女は不満げな声をあげた。しかし、相変わらずの笑みを浮かべる相手を見れば、スっと揺り椅子から立ち上がり、男の目の前へと立つ。そのまま、腰を屈めて、相手と目線の高さを同じにして、間近になった、その双眸を見つめて) …ねぇ、そんな事言われると…本当に食べてしまうわよ?
オーベ > その手の類は殺すこと自体が目的ではないのではないかな。殺す過程を楽しむ類の連中さ、明白な理由があるなら回りくどいことはすべきじゃないと思うがね…良かった種族は違えどこの点に関しては価値観を共有できそうだ(シュミが良いとは思えない、という言葉に安堵の表情を浮かべ)結果として見破った形にはなったけど、確信があったわけではないさ。魔族というのはすぐに判ったけれどね、森の中でドレスというのは流石に浮世離れにすぎる…(不満気な様子に気がつけば、すまない、と申し訳無さそうに詫び。彼女が立ち上がり、こちらに近づき視線が合えば眼を瞬かせて)…名も知らぬ高貴なご婦人よ、出会ってばかりで諌言と言うのも非礼だが、高貴な身の上であれば、あまり下賤な者の冗談を本気に取るべきではないと思うがね?気品に影が差す(間近に見る彼女の顔は、人間離れした美しさに思えた。それが淫魔の性質なのかはわからぬが、抗えぬ魅力とでも言おうか。―――不意に彼女の頭に腕を伸ばせば、ぽふぽふ、と幼子の頭でも撫でるかのように撫でようとした。そうする事によって魅力に抗おうとした。それが叶えば、すまない、と婦人の頭に触れた己の非礼を詫びるはずで)
レティシア > …あぁ、猫が獲物をいたぶるような物かしら。所詮、お遊びなのよね。……あら、だって死んでしまったら、あたしの獲物にならないじゃない?(安堵したような相手に、己の唇に指先を添え、女は二ィっと笑みを深めた。やはり、解釈は人間とは違うらしい。自分のドレスを指摘されれば、身に纏うヒラヒラとしたドレスを見下ろして) …そぉ…では、今度は違う恰好で来ようかしら…。……レティよ。…ねぇ、あなた達にとって、魔族に高貴も何もないんじゃなくて?…それに、あたしは淫魔よ?言うならば、あなたはあたしの獲物なの。獲物に拒否権も何もなくてよ?(己の頭を撫でて、諫めるような言葉を向ける相手に一瞬、瞳を瞬かせたが、首を傾げて、何を言っているんだと言うような言葉を口にして。しかし、相手の言葉が可笑しいとばかりに、クスクスと笑いだす。スッと身を起こすと、食欲を無くしたとばかりに空を仰ぎ) ――お前、本当に面白い事言うわ。淫魔に気品も何もないわよ。
オーベ > ああ、そういう理由だったのか…認識を少し改める必要がありそうだな、これは(深まる彼女の笑みに困り顔で肩を竦めてみせる。何か思うことがあったのか、ドレスを見下ろす彼女。ヒールの高い靴に気がつけば歩きづらくはないのだろうか、と思ったりした)何を着ても似合うだろうから、その点は安心していいと思うがね…。他の人間がどう思ってるかは知らないが魔族も人もそうは違わないさ。人間にだって下衆はいるし、魔族にも話のわかる者はいるだろう?獲物、と言われてしまうと悲しいけれどね(獲物、と言われてしまえば否定はできないのだが肩を竦めて苦笑する。お前、と言われれば彼女は名乗ったにも関わらず自分は名乗っていないことに気が付き)…すまないレティ、俺はオーベという。…いや、俺はそうは思わないね。淫魔というのは有無も言わさず相手を襲うものだと思っていたが、レティを見て考えを改めたよ、俺は(先程、彼女をここへ招いた際の立ち居振る舞いが最たる例ではないか?と告げ)俺もかつては宮仕えしていた身だからね、多少は目端が利くはずさ
レティシア > (何を着てもと…と言う男に、女は空から視線を男に戻し、キョトンとその相貌を見つめる。そして、やはり漏れる笑み) …やだ、ホントにお前は面白いわね。それは、誉め言葉として受け取っておくわ。――全ての人間がお前と同じ考え方ではないからねぇ。そう言われると、食べにくくなるわ…(相手の目の前に立ちつくすのは相変わらず。頬に手を当てて、業とらしく溜息を零すように言葉を吐き出して。相手が名乗れば、口内で相手の名を繰り返し) …淫魔が皆、あたしのようとは限らなくてよ?呑気にお茶なんて薦めて、襲われても知らないわよ?(今度はこちらが、相手を窘める番。再び、腰を屈めれば、相手の耳元へと唇を寄せて) あたしより先に誰かに食べられちゃったら、許さないわ…(フッと息を吹きかけてから、身を起こす。クルッと、ドレスの裾を翻すと、歩き出そうとしながら) 奇遇ね、あたしも宮仕えしてた事があるの。…とっても昔だけど…。
オーベ > (よく笑う人だ。と彼女の笑みを見て思う…いや、正確には人ではないのだが、何となくこういう部分を見ると落ち着くというか安心してしまう気がする)それはそうだ。魔族憎し、と刃を磨く人間も多いね…悲しい事だが、まあそれは人間同士でも変わらないから、生物の営みみたいなものだろうさ…その食べる、と言うのは止めないか?なんというか、そうだな…(しばらく思案するような言葉を絞りだすような間があって)…見目麗しい女性に求められるのは名誉なことだが…食事みたいに言われると、男としての自尊心が些か傷つく…(年甲斐もなく、ぽそりと僅かに恥ずかしそうな声音で零した。彼女は淫魔であるから致し方無い事なのかもしれないが)…肝に銘じて…んっ、レティ、擽ったい…(吹きかけられる吐息に苦笑し、咎めるではないが抗議し)当時は天職だと思っていたがね…そうか、貴女も…お互い、苦労をしたろうな?
レティシア > (背中越しに相手の言葉が聞こえれば、足を止めて、振り返る。己が発する”食べる”という言葉について、相手からの提案を聞いて、女は笑いながら、こちらも思案するよう。んーっと考え込むような声をあげながら) ――では、オーベを頂戴?あなたを頂けたら、ステキな夢を見せてあげるわ……お茶、ご馳走様。また、飲みに来てもいいかしら?(女に下心があるのか、ないのか、また訪ねても良いかと、相手へと尋ねる。まぁ、相手に否と言われても、女には関係なく、また訪れるのだろうが) あたしは、オーベみたいに真っ当な理由で、宮廷に仕えたわけじゃないけど……そうね、苦労した事は一緒ね、きっと。その話もまた次に逢えた時にでも…。(相手の目の前で、貴婦人宜しく、ドレスの脇を摘み、軽く膝を折る仕草をしてから、先程、入ってきた結界の綻びの元へと歩きだし)
オーベ > (笑い声が聞こえてくれば、口をつぐんでいたら良かった、と僅かに後悔した)レティは笑うがな、男なんてそんな生き物だと思うぞ?(これが果たして魔族の男性にも言えることなのかは判りかねる。彼女の提案を聞けば、そうさなあ、と思案顔で)食べる、よりは幾分、男の自尊心に優しい科白だな。それでは、俺は小屋のベッドを大きめに作り変えておくことにするさ………ああ、次は甘い焼き菓子でも用意しておくことにしよう。甘いものは嫌いでは無さそうだし?(彼女がお茶に蜂蜜を加えるのはしっかり見ていた。それに客人を饗すにお茶だけというのも寂しい)…真っ当な理由で仕えると馬鹿を見る場所な気もするけれどな………閨で聞かせて貰えるのだろう?レティの服装共々、楽しみにしておくよ(貴婦人の仕草で暇を告げる仕草に、こちらも恭しく頭を下げる。彼女が歩き出せばそこまで送る、と伴を申し出て)…老犬と隠者の二人暮らしだが、暇な時は遠慮無く訪ねてくれ(老犬と2人、隠者暮らしも人恋しくなる、と苦笑を浮かべ、結界の綻びまで彼女の伴をし、去っていく姿を見送るのであった―――)
レティシア > (男の快諾のような言葉を耳にすれば、本日一番の驚いたように瞳を丸くして、直ぐに嬉しそうな笑みを浮かべ) ――淫魔に身を捧げてくれるなんて、やっぱり、面白い男ね、オーベ。えぇ、あたしも愉しみにしているわ…(結界の綻びまでの僅かな距離だが、女のお喋りは相変わらず。結界から外へと出れば、背中より蝙蝠の羽根を出し、名残惜し気に空に消えてゆき――)
ご案内:「森の中の小屋」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「森の中の小屋」からオーベさんが去りました。
ご案内:「森」にオーベさんが現れました。
オーベ > (森の中を進む。連れ合いの狼犬は水を得た魚の如く、すいすいと四肢に力を漲らせるようにして老犬とは思えぬ速度で森の奥へ消えていってしまった。その一方で、主たる男は鬱蒼とした木々の間を息も絶え絶え、といった調子で進みながら時折、膝を折りその場にしゃがみ込むようにし、野草を採取しては、懐にしまいこんだりしながら進むため遅々として進まない)ふぅ…さて、ヤツはどこかな…(随分と離されてしまった、と思いながら、意識を周囲に向けてみるが老犬の気配はなく…置いて行かれたか、と思いながら手近にあった低木から果実をもぎ取れば、もぐ、と一口齧り)…悪くないが旨くもない…(喉も乾いていたしまあいい、と果実を食み野草を採取しながら進む)