2023/03/05 のログ
幸龍 >
聞こえるのは 風の音 草の撫でる音
冷たい空気が樹と土で温められた鼻先に少しくる熱の匂い。
遠くで聞こえる動く足音は 歪 。

曇り空の昼間
冬を通り過ぎるようにした矢先、声とは呼べない喉鳴り
胎の底に溜まった空気を吐くだけのような気味の悪い発音などが聞こえる現状

森の入口からやや離れた場所にて 複数の蔓や花
菌類が育ち、一種の茸を頭部や肩から形成している者らと対峙するように
幸龍は濡れた石のような色合いのフードマントで頭部を覆い隠すまま、左手に携えるのは居合刀。

腐りきっていない足
巻き付きや腐肉の中に根を伸ばす補完された四肢 それ以って蔓華の躯らは動き出す。
蔓錆びた剣や斧 尖った棒切れによる攻撃に対し、長めに取られた刀身を包む黒鉄の鞘
それの鯉口より下を握りしめながら、逆手に握る刃のように鞘を用いて剣や斧の腹
棒切れを携える腕先などに当てて弾き、軌道をそらし、やりすごす。

瞼を閉じ切った闇の中 心臓の音は一定の間隔で刻まれ、弾いた感触 足を踏む音の爪先の強さ
それを以って造形を思い描き、弾いた先から柄は目の前に延び、右の手のひらが包むやその銀光を覗かせる。

しゅらり と鞘を滑る細かな凹凸が並ぶ刃が、抜ききった直後から右から左と片手薙ぎにし
二つの感触が通り過ぎた後 振るった余韻に逆らうように、逆に腰が廻り、体ごと添えた刃
周囲に通り過ぎたのなら、汚れを掃いきった刃の振りと共に、鞘へと峰を滑らせていく。
流す音 包まれていく音と共に、ゆっくりと眼前で鍔を鳴らすそれが、森の中でゆっくりと伸びた。


         カシ―――ィン


        「ふぅぅぅ…、…。」


意思を感じさせない生存からなる敵対行動
悪意はなく、理由は単純な本能であり希薄。
憑いた類ではなく浸かれた類の独特な感覚は、ドサリ、ドサリと躯が二つに分かれた音
それと共に消えたのなら、周囲に耳を向けるようにした後で、再び歩き出そうか。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 戦士の森」から幸龍さんが去りました。
ご案内:「森の奥」にケイティさんが現れました。
ケイティ >  
―――――少し、日が陰ってきたようだ。

独り住まいの小屋を出て、野の花を摘みに出た時には、
春の麗らかな日差しが、木々の間から優しく降り注いでいたけれど。
近場にある泉のほとりで、瑞々しく咲き誇る花々を幾輪か摘み、
周囲に張り巡らせた結界の様子を確かめながら、そろそろ小屋に辿り着く頃。
ふと頭上を仰ぎ見て、少女はその表情を曇らせる。
家に帰り着く前に降られてしまう、というほどではなさそうだけれど、

「……… 、―――――……」

なんだか気にかかる、思わず足が止まる。
周囲に何か、異質な気配が隠れてはいないか。
そもそもこの森は、こんなにも静かだったろうか―――――?

ケイティ >  


……

………

しばらくじっと、周囲の様子を窺ってみる。
けれど結局は何も感じ取れず、やがては遠く、鳥のさえずりが聞こえるに至って。
少女は溜め息を吐いて首を振り、再び歩き始める。
念のため、なけなしの結界術の重ね掛けをしながら、小屋へと向かって―――――

ご案内:「森の奥」からケイティさんが去りました。
ご案内:「遺跡再奥部」に虹石の獣さんが現れました。
虹石の獣 > (死者にとって、其れは酷く居心地の悪い存在だった
芳醇な自然の魔力を貯め込んだ獣はが、遺跡の奥に唯居付いた
其れだけで、清浄を嫌う死人たちは、ゆっくりと浅層へと追いやられる
結果――遺跡入口から死者が湧くと言う異常が、確認される事と為った

獣にとっては何のことか分からぬ、地上での騒ぎなぞ知りもせぬ
だが、人間にとっては当然其れは危機でしかない
問題は、死人達を討伐し、この遺跡に原因を探れる様な輩が、そうそう居ない事
問題が長引けばそれだけ、付近の村が脅かされる事と為ろう

だが、矢張り、獣にとってそんな事は、知らぬ存ぜぬ事なのだ
遺跡の最奥、本来は死者の首魁が居座って居た筈の、其の場所に
獣が一匹、寝転がって居る。 ――まるで、今は此処が自らの住処なのだと、そう主張するかに)