2022/08/06 のログ
シスター・パッサー > 神が教えているのには こういった理由がある
それが宗教というもの。 神の言葉は絶対だからと 素直に人は言うことを聞きやすい。
生活の確立 生存率の上昇 無駄な浪費 分け与える慈悲 いろいろなことが絡めば神は確かに便利である。
しかし神を理由に様々な言葉が付与されていく。 献金 素敵なアイテム 洗脳。

しかも一度教義を造れば曲げられないから性質が悪い。
だからそこから分派が出来上がり、思想を変質させて取り戻そうとする。
神の像だけでなく本当の神様がいたりする場所もあるらしい ヤルダバオートならそれは、あり得る。

余計な事柄を取り払い、その意味だけを現実でリアルで言い訳できないシスターの身を置く宗派
本当なら煙草や酒だって禁じられるべき事だろう 金はかかるし、内臓は痛めるし、性格だって変わる。
しかし細く長く生き続けるより 太くほどほどの長さで生きているほうが、無難である。
死に際の言葉が 奥方が欲しかった 友達になりたかった あれを食べた味を共有してみたかった などと
それを死に際のベッドで嘆く老人を見たことがあれば、皆そうなる。

大勢に看取られて死んでいく幸せ大家族の大往生など 現実を生き抜いて金を持てた家族だけだ。


「らからひょうも、わらひはたわこをふーのれふ、と。」


教会という集まる場所 内部の礼拝堂の清掃
畑の整備 武器の手入れ。 興味本位で来てはお布施をくすね様としたチンピラへのサブミッション。
いろいろと終えようとも、流石に堂々と煙草と酒を内部でやるのは聊か不合理。
ヤニ臭い中でお勉強など、誰もしたところで脳がとろけてしまう。

シスターは畑の裏手から出る出入り口。
今は誰もいない無人の、清掃が行き届ている裏口で挟みあって出来ている薄暗がりの道の壁に寄りかかり
懐から黒巻の煙草を咥えるなら、上の言葉を呟いた。
セイレーンが彫刻された金のジッポライターの蓋が キンッ と開く音
歯車を回す、火石がおろされる音 小さな火花 着火される軸 ボッ という緋色の炎で咥える先端をじりじりと燃やすと、修道服のまま
堂々と喫煙休憩時間へと入っていった。


「―――ふぅぅぅ~…、…。」


どこの宗派も、お掃除をサボりましょうとは言わない。
裏路地はきれいなものだし、浮浪者もいない。
煙草を咥えたまま日の光を見ると午後を過ぎた頃合い。
日陰になっている裏路地の壁の群れ 湿度を除けば、充分過ごしやすい外だろう。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 裏路地」からシスター・パッサーさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」

そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。

「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」

個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。

「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」

ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
各個室は廊下に面しているため、稀に受付を経ていない誰かも紛れ込むこともあるようだが、それはさておいて。
現れたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。