2021/09/16 のログ
ご案内:「闘技場訓練室」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 闘技場の訓練室に、男が一人いる。
彼は、脇目も振らずに素振りをし続けている。
ひたすらに。そのひたすらさは、既に彼の足元に汗の水たまりが出来る程のひたすらさである。
だが、それでもなお、彼は止めない。回数さえ数えず、

「ふっ……!ふっ……!」

そのリズムは一定で、フォームにもまるでブレというものがない。
滝の様に流れる汗さえなければ、人の形をした機械がやっていると言われても違和感はないだろう。
それほどに、彼の動きは正確だった。

一応、水の入った瓶を近くに置いているところを見ると、脱水などには気を付けているようだが……、

クレス・ローベルク > 彼の素振りは、唐突に終わった。
それは、彼が自発的にやめたのではない。
剣が、手元から滑り落ちた事による強制終了である。

「う、お、っと……!?」

そこから、剣を取ろうと屈むと同時、自分の足元の汗に足を滑らせて派手に転ぶ。
顔面こそ強打しなかったものの、もはや立ち上がる気力さえないらしく。
せめて、近くにある水瓶を取ろうとしているが、その動きは亀の様に鈍重緩慢である。

「あ、あー……」

喉が乾ききっているのか、疲労しすぎて億劫なのか。
意味のある言葉を発する事も無く。
もがくように、瓶に手を伸ばしている

ご案内:「闘技場訓練室」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「魔道具・調合薬販売店」にルーミスさんが現れました。
ルーミス > 平民地区の一角。
小さな二階建ての建物の一階に店を構える錬金術師は、先日持ち帰った材料を元に薬を作って早速売り出していた。
棚に並ぶものは色々と種類がある。冒険時に使えるような回復薬、筋力増強薬。
変わり種では媚薬も勿論あった。この王都で変わり種と言うかどうかは兎も角…

「………暇だ」

カウンターの内側に座り、ぼうっと頬杖をついている。
いつも暇にならない程度にぱらぱらと客は来るのだが、今日は大して収穫もなかった。

仕方ないから次の調合薬でも考えとくかと紙を広げ、ちょこちょこと何やら書き始める。

ルーミス > 「………よし。いい感じ」

やがて調合案をしっかり書き留めると、その紙を片手に奥へ引っ込む。

…が、すぐ戻ってきて店の入り口に「閉店」の札を提げ、
再び奥へと引っ込んでいくのだった。

ご案内:「魔道具・調合薬販売店」からルーミスさんが去りました。