2020/03/09 のログ
エレイ > その後、先客とどのようなやり取りがあり、何が起こったのかは当人たちのみが知る所で──
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」からエレイさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > トゥルネソル商会、王都、マグ・メール店……そこは、平民地区と、富裕地区の境目の、大通りに有る大きな店舗である。
 地上4階層、地下は1階層の店舗であり、それぞれの階層にテーマごとに分けられている店舗で、煉瓦造りのその建物はとても大きく、広く、並みの貴族の邸宅を超える広さでのんびり歩けば一時間かかっても回りきることはできない場所となっている。
 地上1階は馬車での陸運、船便、ドラゴン急便、武器防具の修繕依頼、道具の鑑定、売却、店舗案内などの、サービス系の業務が集中している。店長のリスが居る事務所もここにある。
 2階は、一般的な食糧や、ポーションなどの衣料品、ロープやカンテラ等の一般的な生活に必要な物がまとめて売られているフロアとなる。一般的な奥様とかは此処をよく使う場所。
 3階は、武器や防具、冒険者の人が良く使うであろう装備は此処に集められている、最近は魔法の武器や防具も扱うようになってきて、居るものの、まだ、数は多いとは言えないが、偶にとんでもないものが出てくる場所とも言われている時折店主が持って来るらしい。
 4階は基本的に高級品で、服や宝石、魔法の道具が所狭しと置いてある、高級品のフロアとなっている。

 そして、あまりなじみのない人が多いが、地下1階では、金貸しと、ミレー族などの奴隷の販売をしている。
 物が物なだけに、おおっぴらとして売る事や貸すことはないので、基本的に予約して、の場所となる。

 そんな大掛かりな店、大勢のお客様を受け入れて、ミレー族で、奴隷の店員たちが綺麗な服を着て、笑顔でお客様を出迎え、送り出している。
 少女は今日も、その店の中を歩き回り、店員に指示を出したり。自分でお客様に対応したり、と忙しくしている。

 ミレーの店員の手には負えない様な商談があれば、直ぐに呼び出されることも有り、ぱたぱたと歩き回ることになるのだ。

リス > 1階で呼ばれれば、1階に降りて説明し、2階に行けば奥様達にセールの売り込みをして、3階では、在庫の確認をして、4階では、品質の確認をする。
 上に登ったり、下に降りたりする少女は、金の髪がぷらりぷらり揺れて、小さな桜色の唇からは小さく疲労のこもる吐息を一つ吐き出そう。
 見た目の小さくぽっちゃりとした肉体とは裏腹に、少女は人竜なので、体力的な疲労は殆ど無く、精神的な疲労から零れる吐息でしかない。
 そのうえ、頭の片隅では部下のドラゴン、ドラゴン急便を行っているドラゴンや、お店の警備のドラゴンなどと、適宜念話で会話を繰り返してその都度指示を出して居る。
 それ故の疲労は、少女には心地よい物であった。
 額にうっすら浮かぶ汗をそっと拭って、ぷぅ、ともう一度深呼吸めいた呼吸をおこない、少女は3階へと移動する。

「うーん……」

 階段を進んだ理由は簡単で、最近手に入れた売り物、魔法の武器防具、むろん、今現状では少女の店では一番高価なものとなる。
 魔法の杖に、魔法の剣と槍と鎧。値段は張るものではあるが、魔法師団の副団長お墨付きの高性能装備だ。
 この店の他の武器防具と比べてもはるかに強靭で、これに比肩するのは―――竜の装備くらいか、あれは売れるものでは無い、と売り物としてはほとんど出さないけれど。
 売り場の場所を変えるべきかしら、とそう考えるためにやって来たのだ。
 もう少ししたら、在庫を確認に行かないとな、と、顎に指をあてて、首を傾いで、その武具を眺める。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にシャルティアさんが現れました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からシャルティアさんが去りました。
リス > 「……うーん。そう、ね……。どうしましょう。」

 武器には明るくない、一般の人に比べれば、流石に知識はあるけれど、それはカタログスペック……つまり、説明書の説明を覚えているという程度の物で、どういう場面に持って行くならいい程度ぐらいの知識で、それを職業にしている者に追いつけるようなものでは無いのだ。
 基本的な知識あり、鷹揚はちょっと難しいな、という感じであるがゆえに、これを、上手く売るにはどうするべきかと悩むのであった。
 安易な値下げは武器の価値に失礼だ、おまけをつけるというのも同じだ。とは言え、これを死蔵するのは問題外だと商人として思う。
 嫁は……大剣を使う剣士だから、剣は兎も角、槍とか魔法の杖の使い方は解るだろうか、と考える。
 第一で言うなら、今冒険に出ているから訊けないので、今度家に戻ってきたときに訊く事にしましょうと、脳内にメモを。

「久し振りに、あれ、しようかしら。」

 あれ、というのは簡単に言えば行商の事、少女の修行時代――そういっても2~3年ほど前の事である、店の店長にしてもらう前に修行として、持てるだけの道具を持って売り歩いていた。
 店を構える売り方と、そうでない売り方、父親は元々は船を使っていたし、店を構えていたわけではないのでそのやり方も知っていた。
 商人として大事なのは、信頼でもある、人と人出会って、会話をして売るのも、大事な事なのだ。
 其れも、良いかしら、と考えてから、よし、と少女は踵を返す。

「在庫、確認しないと。」

 ここにずっといるわけにはいかないから、少女は倉庫へ在庫に確認に動くのだった―――。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。