2019/08/11 のログ
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──くーわわわ……」
温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
──そんな中の一室で、施術台の横の椅子に座って待機しながら大欠伸をかましているのは、スタッフ用の作務衣に身を包んだ金髪の男。
男は正規のスタッフではないが、スタッフの一人である知り合いの頼みでヘルプとしてこの場に入っていた。
一応、名目としては冒険者としての依頼という形にもなっており、報酬も出すとのことなので、男としては断る理由もなかった。
……というか、そうやって頼まれるのもこれが初めてではなくもう何度目かになるので、
もう半ば非常勤のスタッフになりつつあったりもする。
「……アイツは俺をなんだと思っているんですかねぇ。まああ請け負っちゃう俺も俺だが……──ンン?」
待機し始めてしばらく、客の来る様子もないので男は暇を持て余していた。
が、詮無いボヤキを漏らしたところで、ふと出入り口のカーテンが開かれたので男は顔を上げた。
各個室は廊下に面しているため、受付を経ていない誰かも稀に紛れ込むこともあるらしいが、それはまあさておき。
「──やあやあいらっしゃいッ。マッサージをご所望……でエエですかねぇ?」
男はへらりと笑い、確認するように問いかけつつその来客を迎え入れる姿勢を見せ。
■エレイ > そして来客と一言二言交わすと、カーテンは閉じられ……その後のことはカーテンの奥に秘されて──
ご案内:「九頭龍の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「娼館「山猫亭」」にノヴェ・ルナさんが現れました。
■ノヴェ・ルナ > 王都の一角にある娼館、山猫亭―――。10人ほど抱えられた娼婦たちは全員奴隷ではあるものの、やせっぽちや不潔な者を抱きたくないという客に合わせて常に美しさと清潔さを保たれている。その分少しばかり他の娼館よりも値が張るが、金に任せて次々に奴隷を取っ変える店よりも躾が行き届いているのもメリットだろう。そんな娼館の一室で客を待っているのはミレー族の少女だった。必要最低限の家具や道具などしか無いが、豪華とは言えない物の見映えの良い家具類や飾りを施された部屋で、行儀悪く床―――……ベッド傍に座り込んで背を丸めていた。何かに怯えている訳ではなく、少女は背を丸めて隠れるように瓶に入れられた金を床に広げて丁寧に数えていた。
「11万3千205ゴルド……」
最後の硬貨に人差し指を乗せてトントンと叩くと、思わずにまりと口元に笑みを浮かべる。そして紙切れと鉛筆を取り出して、床に広げるとさらに背を丸めて書き始める。
「えっと……、確か普通の人間が暮らすには1日200ゴルドだから……」
ぶつぶつと言いながら計算するが、計算結果を見れば僅かに落胆したように肩を落とした。それは持って1年と半年と言ったところ。勿論切り詰めればもっと暮らせるだろうが、自分は人間ではない。色々準備がしたいし、出来るなら冒険というものに出てみたい。そう考えればもっと貯金したいところだった。
「……まぁ、でも……、貯まってるよね。……うん。」
小さく呟くとガチャガチャと硬貨を掻き集めて、大きな瓶に落としていく。ジャラジャラととてもうるさい音が響くが、幸いこの娼館は部屋の外にあまり音が漏れない。デメリットにもなるが、メリットでもある。そのまましっかりと蓋を閉じた後、ベッドの下に潜り込んでベッドの下面に指を掛ける。自分で作った隠し棚。そこに瓶をそっとしまうと、蓋を閉じてベッドの下から這い出した。そしてすぐに鏡台の前に立ち、髪や服を整える。いつ客が来ても良いように―――……
ご案内:「娼館「山猫亭」」からノヴェ・ルナさんが去りました。
ご案内:「娼館「山猫亭」」にノヴェ・ルアさんが現れました。