2018/10/03 のログ
ヴィンセント > 「・・・そうか」

目は合わせたまま。
少女の言葉が僅かに理性を呼び戻し、同時に揺さ振る。
袖を握リ続ける小さな手は彼女の覚悟の表れか。

「そういうことなら、少しの間、この熱の相手をしてもらうぞ
――出来る限り優しくはする、が。無理だと思えば言ってくれ。
応えられるとは保障できんが。
大将、チェックだ。裏口借りるぜ」

言葉の前半は少女へ囁き、後半は店主に向けて。

代金をテーブルに置き、少女を抱き上げる。
その姿は店に入る前と同じで、しかしやはりどこか違い。
“裏口”と呼んだ――先ほどの出入り口とは別の出口へと向かい。

「・・・まったく、こんな予定ではなかったんだがな。
ユールも運がなかったと思ってくれて構わない。少なくとも紳士的ではないからな」

悪態をつくように呟く。
先以って謝罪と、これからすることを言外に伝える。
そのまま店を後に、裏通りから根城とする宿へと向かう。

ユール > 「   は ぃ… これでも。
色々 考えた …ちゃんと 考えた 上での。 結論 です。 」

(只の恩返しだけでもないし、安全策だけでもない。かといって…打算だけという訳でもない。
言葉通り、色々な理由を挟んだ上での、選択だった。
…褒めて貰えたものの。当人からすれば、光を失ったような、ぼやけた瞳。
ただ、それを此方から、逸らしてしまう事だけはせずに。
裾を握る指先が、少しだけ震えてしまうのは。若干は不安を隠しきれないからであり、同時に、力が篭もりすぎてしまうから。
…今、離したら。彼を、離してしまったら。良くない結果が訪れそうと。そんな気がしてしまう為に。)

「 だいじょうぶ ですよ …? わたし の おしごと。…殿方を 受け容れるの …そういうの です。
それに。断って 下さるなら。 それでもう 充分 お優しいか と ……、っ、 きゃ …!? 」

(そう、有無を言わさず、同意も得ず、それこそ相手が壊れても構わないと。
襲い、嬲る、男達とは。決定的に違うのだから。
その点に於いては、心配していないと、頷いてみせるのと同時に。
再び抱き上げられてしまい、矢張り、驚きの声を上げて。
その侭店から外へと連れられていけば。呆気に取られたかのように、こくこく、頷くばかり。
どのみち、街路を歩くには適さない、ヒールの足元。
まして、彼はきっと飛ぶように…本当に、跳んで。兵達の眼を逃れ、夜闇を抜けていくのだろうから。
遠く、攫われていった、その先で。これ亦初めて見る場所で。次は、何が待ち受けているのか……)

ヴィンセント > 夜道を歩く。
疎らだった既に人影も明りもほとんどなく、まるで独り占めするような、
そんな感覚を覚える。

少しすれば着いたのは普遍的な作りで少なくとも令嬢を連れ込むような場所ではない、並みの宿。
抱きかかえたままに階段を上り、器用に扉を開ければ自室へ入り込む。

「何もない部屋だが、まぁゆっくりしてくれや」

言葉の通り部屋の中にはテーブルとクローゼット、そしてやや広めのベッドと最低限な物のみで。
ともすれば殺風景にも見える部屋は無骨というべきか無個性というべきか。
そのままゆっくりと歩めばベッドの上、中央に寝かせるように慎重に降ろしていく。

「確認はしないぞ。ただ、嫌だと思ったらちゃんと教えるんだぞ」

耳元で囁き、その白い首筋へ唇を落とす。

ユール > (やがて辿り着いたのは、一般的な物なのだろう、宿の一室。
…中に入り、階段を上がる際。宿の者は、男に抱かれた少女を見ても、特に何も言わなかった。
そういう事が当たり前だと、認識されているのだろう。この国らしい、と言えばそれまでだが。

階段も、廊下も。直ぐに終わる。
そのまま一室の中、寝台の上に下ろされて…此処まできて、始めて。
掴みっぱなしだった、男の裾を離した。
今の今まで、忘れていた、とでも言うように。)

「 だいじょうぶ です。 そういう事 は お気になさらず に… 」

(慣れているから、とは。流石に、口にしなかったものの。
何も無い、と言われた部屋だが、これから行う事は、決まり切っているのだから。
物が足りなくて困る、という事は、多分起こり得ないだろう。
その侭、横たえられた上から。仄かに熱っぽさを宿した首筋に。肌に、口付けられて。
ぴくん。肩の辺りが小さく震えて、見上げる目元を竦ませる。
…掴まる所のなくなった両手を、しっかり、胸元で重ね合わせるまま。)

「 ……、っ ……っっ … 」

ヴィンセント > 触れた肌は白さに反して温かく、まるで自身の熱が移ったかのよう。
どきりと心臓が跳ねるのを覚えつつ舌を伸ばし背で伝うようにゆっくり
下へと辿る。
肘はベッドへ押し付けつつ、開いた片手を少女の髪へ、頬へ。
残る片手は脇腹を腰を脚をと掌を優しく押し付け滑らせる。

少女の吐息をちらと見ては舌先と手先に意識を戻す。
しばらく続ければ体勢を替え逆側を同じようになぞる。

「緊張するか?それとも怖いか?」

少女がどういった立場なのかはなんとなく感づいてはいるものの、
扱うのは“一人の女性”として、理性を総動員して丁寧に及ぶ。
それは男にとっての作法のようなものであり、信念でもある。

首を喉を項を――腕を脇腹を腹を腰を・・・

デリケートポイントにはほとんど触れない、緩やかな刺激を続ける。

ユール > (首筋を舌が這い続ける。
彼のそれも熱いから、二人分の熱を足し合わせて与えられると。
熱い、そう感じてしまうのも、何も不思議な事はなく。
確かな熱気は、そのまま、触れられる箇所全体へ、じわり、拡がっていく。
…頭、頬、顔。喉。見える箇所の肌は、熱を帯びるその侭、次第に薄紅に色付かされて。
ドレスの内側もきっと、同じ。脇腹、腰、腿、と。
繰り返しなぞり上げられ、擽られていく感触は、着実に快いもので。
男の腕の下、くすぐったげに、心地良さげに、何度も身体を震わせて。)

「 いつだって。 …こういう 事は いつだって 緊張 しま……す。
 怖くは ありません けれど…… 」

(少なくとも、怖がる必要のある相手だとは、思っていないと。
彼に告げた、自分の言葉を。…確信を。変えるつもりはない、と改めて。
…引き続き。柔く、優しく。撫でられ、擦られて、擽られて。
細やかで優しげな。代わりに、間接的で、どこか焦れったいような。
繰り返されるささやかな刺激に身動いで。
…ほんの少しだけ。躊躇うように。…それでも確かに。
片膝を僅かに浮かせて、ドレス越しとはいえ、此方からも太腿の内側を。
覆い被さる、彼の身体へ。添わせ、触れ合わせるように。
同時に…握り締めるしか出来ずに居た両手を。やっと、力を抜いて、身体の両脇へ投げ出すように。
…少なくとも、怖がっている故の、強張りではなかったのだと。
目に見える形で、主張する為にも。)

ヴィンセント > 徐々に赤みを帯びていく白を面白そうに眺める。
自身の愛撫で快感を覚えているのならばやはり嬉しいことである。
ぴくり、ぴくりと震える身体を優しく撫で。

「いいぜ緊張してくれて。そういう姿も中々にそそる」

途切れ途切れに応える少女にそれもよしと応えれば、遠慮がちに添えられ触れ擦れる内腿。
ドレスの内を優しく焦らすように刺激する。
撫でて擦り押し当てる。
あくまで触れるのは局部を避けた、絶妙な位置。
それも微かな声が漏れるのであれば喜びを目に宿し。

ぽす、と体から投げ出すようにベッドへ墜ちる両腕が見える。
さっきの言葉が引っかかったのだろうか、素直さと人のよさが見える所作も可愛らしく見えるもの。

「可愛いな、ユール」

耳元で囁き、その耳梁を舌でなぞるように舐める。

ご案内:「王都内 居酒屋」からユールさんが去りました。
ヴィンセント > 【継続予定です】
ご案内:「王都内 居酒屋」からヴィンセントさんが去りました。