2018/07/06 のログ
■リス > 「じゃあ、美味しいご飯と、綺麗な笑顔だけ、楽しませてもらいます。
わあ、じゃあその時は、お茶やお酒、お願いしますね。
でも、お酒はあまり得意じゃないので、そこは手加減してくださいまし。」
お酒に関しては、ワインとか洋酒は嗜むが、そうでない酒は嫁の趣味ともあり、あまり飲まない。
むすめたちはよく飲んでいるし、そろそろ私も飲んでみようかな、と思っている程度。
ちなみに、そういうのは恐ろしく手が早い。嫁さんびっくりするぐらいに。
「ええ、必要な時にご利用いただければ。」
手持ちもあるというのなら、無理には言わない。
必要なものを買うのが商店である、求めてきた時に改めて案内すればいいだろう、と彼女の話を聞いて考えた。
「では、少々お待ち頂けると。」
彼女が同意してくれたのならば。
少女は小走りで戻り、引き継ぎを済ませよう。
そして、外に出るための服を着てから、戻ってきて。
珍しい東の食事とお酒に、舌鼓を打つ事になるのだろうことは、想像に固くない――――。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からソウレンさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。
ご案内:「宵闇の城・キルフリート」にロザリアさんが現れました。
■ロザリア >
霧烟る水晶の谷の奥
ひっそりと佇む、いつもどおりの静けさを取り戻した古の城
白い吸血薔薇が咲き誇る庭園の中央で、ゴシック調のテーブルと、チェアが二人分
その一つにゆったりと腰掛けるロザリアの手元には今日はティーカップはまだなく、ただのんびりと、眠るように佇んでいる
ご案内:「宵闇の城・キルフリート」にアザリーさんが現れました。
■アザリー > 古の城、常通りの静寂を取り戻し一時の休息を楽しむ主に。
執事と思しき存在が決して静寂を破らない程度の配慮された声音で語り掛けていた。
『主様……客人が来訪されております。アザリーと名乗る魔族のようですが、此方へお通ししても宜しいでしょうか』
■ロザリア >
「アザリー…? …ふむ、通せ」
一瞬片眉を顰める妙な表情を浮かべるも、承諾
執事は一礼し、その場を去ってゆく
その背に向けて───
「茶の用意をしておけ。城下の町からの良い献上品の葉があったであろう」
そう言葉を投げかけ、再び静かに佇む──
■アザリー > 『御心の儘に。』
恭しく一礼を返して扉の向こうへと音も無く姿を消していく執事。
この城の、いや、城だけではなく領地に住まうもの全てが情趣に抱くのは心からの忠誠なのだろう。
――――そうした遣り取りの後で。ト、トンっと気軽な足音は何か軽やかなステップを踏むかの如く。
階段を直接上るのではなく、階段と踵との間に反発力を生ませて、楽に階段を駆け上がってくる一人の女性の姿があった。
「ロッザッ」
扉をするりと潜り抜けてくる――黒髪を上下に揺らし、城主にすら劣らぬ二つの果実を重々しくも揺らし。
掛けた声は明るく、其処が抜けたような悦びに満ちた物で――
「リッアッちゃーん!」
とーん、と最後に空気の塊を踏んで宙に舞い。そして宙でさらに踵を後ろに蹴り出す事で推進力を得た女性の姿が両手を広げ。
満面の笑みで城主に突進、あわよくば抱擁しようとでも言う様に、無防備に突進してくるだろう。
無防備すぎて、簡単に迎撃すら出来る様に。
■ロザリア >
スコーン!と間抜けな音が庭園に響く
腰を落ち着けたロザリアの脇に大きな黄金のフライパンが姿を現し、飛びかかる闖入者を叩き落として消えていった
「久しいな、アザリー」
そんな応対をしつつも、叩き落とした相手に淡々と声を投げ落とす
その表情は相変わらずの仏頂面であった
■アザリー > 実に素晴らしく良い音がした。フライパンの一撃は甘んじて受けるが、床やテーブル。チェア等に損害が無い様に、迎撃された彼女本体はと言えば間抜けな格好で地べたに叩き伏せられていた。
「ロザリアちゃんの愛が痛いわ…また少し腕を上げたかしら~?」
彼女の力の一端とも言える黄金魔法の精度と迅速な発動を評価しながら起き上がる。
ダメージは無いのだろう、本気で彼女が迎撃したなら別だが。
涙を浮かべることも無く笑顔は其の侭にて少女を見上げていた。
「お久し振り~。うう、昔はお姉ちゃんのスカートの裾を引っ張ってくれていたのに~。」
捏造しながら起き上がると、口調とは裏腹に恭しい一礼。
最低限は礼節を弁えているのか、ドレスの裾を軽く摘み、頭を下げて見せていた。
「お久し振りにございます、ロザリアちゃ……様。変わらずご壮健で何よりです。………ふふ。」
久しい。その言葉がよほど嬉しかったのか、最後にどうしても笑みを浮かべてしまう。そっと先ほどの遣り取りでも傷が付かなかった箱一つをテーブルの上に乗せて、座っても良いかな~?という目線をちらちらと。
■ロザリア >
「そのような記憶は吾にはないな」
起き上がる様子を眺めて小さな溜息をつく
淡々とした口調は少女らしいとも言えるが、ちょっと冷たく感じてしまうのは否めない
「貴様こそな。……無理に言い直さなくとも良い」
やれやれ、と小さく肩をあげると、手の平を向けて向かいのチェアへと座るよう促す
ふとテーブルの上に置かれた箱に視線を取られ、なんであろうと首を傾げて
■アザリー > 「くすん、お姉さんは悲しいな~。でも、覚えていてくれたのは本当に嬉しいな~。」
少女の淡々とした口調に。冷たさが混ざろうとも変わらぬ笑顔だった。塵一つなく整えられた室内なので、叩き伏せられようとも自分の衣服は汚れ一つ存在しない。
――この城も。この領地も。住まうすべての存在が主を敬愛し、忠誠の度合いが強いからこそとも言えた。
「ロザリアちゃんも……やっぱり成長していく姿を見るのは本当に嬉しいものね~。もう、お姉ちゃんロザリアちゃんには勝てないかも~」
一瞬視線が少女の胸に向った気がしないでもないが。
魔術の腕前が上がったことよりも、一城の。一つの領地の主としての。
器の広がり具合が何よりも嬉しく思う。自分にはないその器の深さが、彼女を好ましく思う一つの要因だから。
「では~失礼して~。あ、このハコは~必要ないのかもしれないけど~。後で空けての、お楽しみかな~?」
箱からは魔力を検知出来るだろう。ただ、それは攻撃をするといった様な物ではなく、何かしらの儀式魔法が封入されているような。
そんな僅かな気配が漂っている。……少女なら、その気になれば全容が直ぐに解明できるかもしれない。
■ロザリア >
「成長などと、我は不死者ぞ。とうに肉体も魂も時間は止まっているというのに」
じとっとした瞳を向けるもそこに敵意といった悪い感情は感じられない
親戚のおばさんに昔の話をされたり、おおきくなったと言われると感じるあのなんとも言えない感覚に似たものを感じる…
故に的を外しているとはいえ、ついつい否定の言葉を発してしまうのだ
「ふむ…土産にしては変わったものだな」
その箱を手にとってみようと
「して、何の用なのだ? 貴様が訪れるなぞ珍しい」
■アザリー > 「うふふ~。肉体も。魂も。時間が止まろうと、ロザリアちゃんは~器が大きくなってますよ~。内面の成長は~近くにいる仲間やお友達の影響もあるのかしら~?」
箱は物理的な意味では軽い。呪符を組み合わせて作り上げたそれ自体が一つの巨大な魔法陣といえる為、魔術的な、魔法的な意味としては決して軽くない物だが。
効能は、単純にして明快。『神罰の受け渡し』――。少女の従者の傷が、もしも少女の魔力だけで治癒仕切れない場合を想定したのか。
はたまたこの先、使うことがある事を想定したのか。
「えへへ~お詫びと~お願いが一つかな~。お詫びは~気付いていたかもしれないけど~。この間の戦争、盗み見してた事と~。お願いは~あの人間さん?の死体を返して上げられないかな~って。」
その場にいた人間の存在は伏せた。そして彼の死体についても。今がどういう状況かはある程度判っていた。一種の答え合わせとも言える言葉だった。
■ロザリア >
「……そういうこともあるかもしれんな」
近くの者の影響、と言われればそれを否定はせずその眼を僅かに伏せた
やがて恭しく執事が二人分のティーカップと紅茶のティーポットを持ってテーブルに現れる
「──あぁ、あの時は……まぁ、良い。
覗かれていようとどうであろうと、結果は変わらぬであっただろうからな」
執事がティーカップに紅茶を注いでゆくと、ローズヒップの良い香りが漂ってゆく
「あの男の死体を、か。…その理由は?」
問には答えず、その問いを返すように
■アザリー > 「そこでムキになって否定しないのが~お姉さんは嬉しいんですよ~。」
ローズヒップの香りが漂ってくる。少女から漂う甘さの残る香りも捨てがたいが、上等なものを用意してくれたのだろう。嬉しそうに鼻を鳴らし、綻んだ華のように笑顔も力の抜けた物になっていた。
「ロザリアちゃんが一人なら~お手伝いにいこうかな~と思いましたけどね~。」
彼女は。少女はもう一人ではないのだから自分の手を貸す事は無い事を暗に告げる。
実際だが、自分が手を貸さない領域にまで足を突っ込み。それでいて好感度も高い存在は、実は魔界でも稀有な存在になっている。
「良い香りですね~。……うーん、じゃぁ簡単な理由から出していきましょうか~。あ、ちなみにその箱は~。お姉さんの思考力で神罰の咎を受けるってだけですから~。」
ローズヒップは独自の酸味が有るが、それの品質が上がると酸味に隠れた糖度が顔をのぞかせていく。
その度合いによりどれほど大切に育てられたものかを知る事位は出来る。
造り手は。きっと少女の為に育て上げたのだろう。雑味もなく、受け入れやすい口当たりのよさと鼻から抜ける香気が心地良い。
「あの死体が返されないと~人間さんに再度の侵攻の口実を与えちゃう点が一番かな~?」
あの戦争においては。少女も、少女の友も。従者も物理的な、心理的な傷を負った。
ただ、それと共に地下に避難していた民達にもまた、不安を与えてしまっていただろう。卑怯な手だと自分でも思うが、一番ありきたりな手札を切って反応を伺う。
■ロザリア >
「吾が独りであろうと、手出しは不要であったがな」
プライドの高い少女らしく、元々不要だったと告げつつ、紅茶の淹れられたカップを手にとって
「近隣の町より献上されたローズヒップである。口に合うかはわからぬが」
遠慮なくどうぞ、という素振りを見せて、自らも口へとカップをつける
鼻を擽るような良い香りと共にほろ苦い紅茶に満たされれば、ほぅ…と息を漏らす
「…ならば、土産はありがたく受け取っておく。しかし……あの男の死体はもうこの城にはないぞ」
箱の中身…なるほど、とその意図を掴むことが出来た
そして、問いかけにはその事実のみを言葉に乗せて
■アザリー > 「いいも~ん。ロザリアちゃんに嫌われても、お姉さんはお姉さんのやりたいように~やるだけですし~。」
少女のプライドの高さは知っている。それが今、良い方に向いて友と、仲間と呼べる存在が増えた事を。
心から祝福したいことと。少女の傍らに居続けようとする彼女や彼には言葉にこそ出さないが感謝をしていた。
「好みの味と香気ですね~。うふふ~。ロザリアちゃんに喜んで欲しくて、心を込めて育てた姿が浮かぶようですよ~。」
マナー自体は慣れているのか音を鳴らさず、口にゆっくりと含み、それを喉で味わうようにゆっくりと胃へと落とし込む。
その後で、ほぅ、と熱の篭る吐息は口に合うどころか至上の時間を楽しませてくれている事を伝えていた。
「あら~そうなんですね~。……仮初の命を吹き込んだりしました~?」
少女の眷属としてか、そうではないのか。死体を誰かに、どこかに譲り渡したりしたのか。…否、後者はないだろう。
領地を荒らして従者……自らの友を傷つけた相手なのだ。
譲り渡す道理が欠片も存在しない。『彼』の尊厳を傷つけ、そして人への復讐の為だけならもっと違う使い道もあるだろう。
その理由で自分の脳内では、譲り渡したという路線は消していた。
■ロザリア >
「相変わらず扱いに困るやつめ…」
好き好きにやる、と間延びした口調で宣言するお姉さんにジト目を向けてやる
こういう言葉を持ち出してくるということはもはや何を言っても子供の言い合いになってしまいそうだ
「…うむ。他の魔王の支配が及ばぬ地ゆえ、戦えぬ者も多い。
こういった形で、吾に報いてくれようとするのはありがたいことである」
再び柔らかな唇にカップをつけ、ゆっくりと味わってゆく
普段は血ばかりを飲んでいる故に、このひとときはまた別のリラックスを齎してくれる
「…吾がしたことは、あの死体にその魂を留めたのみだ。
本来はそれによって吾へ絶対服従となるのだが…稀に在ることだ。自我がそれを拒んだ」
アニメート、魂縛りとも呼ばれる外法
ロザリアが彼にそれを施したのは彼への犯した罪への罰に他ならなかったが…
■アザリー > 「扱いに困らない私って~。ものすご~く気味悪いと思うんですけどね~。」
ジト目で見られるともじもじとした様に肩を竦めてしまう。
萎縮したのではなく、単純に照れたかのように。頬を赤らめたのは空気が読めていない証拠でもあった。
カップに満たされた茶は、程好い熱だ。執事もまた良い素材を無駄にしない様に陰で腕を磨いているのだろう。
誰も彼もが、少女を慕い。それに少女は応えてより信頼と信用。尊敬を集める好循環を生み出していた。
「ふふ…ロザリアちゃんが大人の階段を上っていくのを見るのも、お姉さんの楽しみの一つになりつつありますね~。」
自分に従わない。ならば消そう。そう短絡的に結論付けをせずに居た事。自我で拒んだ相手をそのまま見逃した事。
ロマンを愛する思考の一つが、少女は。『彼』に戦以外の道を知って欲しかったのではないだろうかと――。
仮に服従させる事に成功していても、それは人間の篭る砦への侵攻をさせずにいたのではないか――と。現実は、未来はどうなっていたのかは知る由も無いが
「人間さんにしてはなんというか~執念というか~。人間さん離れしていますね~。う~ん、あんまり人間さんの国を脅しすぎても面倒なんですよね~。なんでしたっけ~。『七面鳥が龍を噛む』みたいな言葉があった気がしますし~。
ただ、ロザリアちゃんの命令で~人間さんを攻めてる訳ではないのが判ったのは~よかったです~。」
それに、あっちの国には。可愛い可愛い妹がいる。妹が傷物になった瞬間うっかり国の一つを消してしまいそうでもある。