2017/06/08 のログ
■ルーフェン > おお、そうじゃ、と頷きながら何か足をパタパタさせる様子を眺める
何をしてるのだろう、彼女の一族に伝わる何か秘伝的な動作か?とか思いつつ彼女を見やっていた
そのうちに、転げ回り始めたりするんじゃなかろうか、と思っていれば突然、謝られて…
「いや、別に…テリトリーも何も無いんじゃが…」
元はと言えば、高山に住まい大空をこそテリトリーとする種族…森の一角にたまたま、良い狩場を見つけ、
たまたま、狩りに赴いていた…というだけであって、自分の庭だ、などと主張する気もなかった
恐縮する彼女に、誰のもんでもなかろうが、と苦笑を浮かべて落ち着かせようとパタパタと手を振ってみせ
「おう、わしはルーフェンじゃ、よろしくな
―――いや、そういうわけじゃないが…主の…タピオカの故郷ほどのんびりはしとらんっちゅー事よ
そう、恐れることもないが、気を抜かぬがよいじゃろうなあ…おのぼりさん、なぞはそれこそ餌食よ」
誂うつもりがあんまりにも不安そうにするもんだから、ついつい、彼女にちょっとしたアドバイス
偉そうに語って見せているが、所詮、このドラゴンもおのぼりさんであることを忘れてはいけない
「―――過信せぬこっちゃなあ、主ほどの使い手、王都には吐いて捨てるほどおろうよ
なんせ、人だけは多い…長く逗留するつもりであれば、見物もそこそこに、早めに糧を得る方法を探しておくがよかろう」
彼女の腕前を見て、歳の割に使うようだと思ったが、そこは王都…多くの人間が住まう土地である
そんな風に、アドバイスをして、ぺっぺっ、と口内に残る苦味を吐き捨てようとすれば、差し出される林檎…
「おっ、そうか?悪いの…催促しとるようで…ほんと…」
ひょい、と手を伸ばして林檎を受け取るとシャリシャリと齧る
んまい、と感想を零せば、彼女を王都を目指し行く様子であった
「…んじゃあ、わしも王都に行くかな…
食い物の礼じゃ…道々2人で行こう…2人でおれば、襲ってくるもんもおらんだろ…」
しゃりしゃり、と林檎を齧りながら立ち上がれば
水を補給して片手をあげる彼女にひょいひょい、と付いていくのであった…
決して、深い森で王都への道を見失ったわけではない――――
ご案内:「森」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「森」からルーフェンさんが去りました。
ご案内:「アンネリーゼのアトリエ」にアンネリーゼさんが現れました。
■アンネリーゼ > そこは、どこともしれない場所。空間の狭間とでも言うべきか。
イメージとしてはぷかぷかと浮かんだ一つの島。そこには、小さなアトリエがある。
どこにでも入口があるそこは、とある魔族が趣味で開いたアトリエだ。
何か望むものがあれば迷い込めるというそこは、常にOpenという木の看板が引っ掛かっており、開店休業状態だ。
店主たる少女は、今日も今日とて退屈そうに、木製のカウンターに頬杖をついていて。
「んぅー、だーれか迷い込んでこないかしら。かわいい女の子だとうれしいんだけどー」
今日は何となく、王都に行く気分ではない。退屈な夜は、ジワリと過ぎていく。
ご案内:「アンネリーゼのアトリエ」にシトリさんが現れました。
■シトリ > ガチャリ。やや乱暴にアトリエの入り口の扉が開き、褐色肌の少年が入ってくる。
「……あ、あれ……ここは……」
少年は中に2,3歩入ると、そこでぼんやりと立ちすくみ、眠たげな目を擦りながらあたりを見回した。
シトリはついさっきまで、王都で身を寄せている宿の自室で眠っていたハズだった。
尿意を感じて目が覚め、いつものように廊下にある共用の厠へと向かい、扉を開けたハズだった。
……しかし、目の前にあるのはトイレではなく、どこか店舗めいた建物の中。
店員もいる。年端もいかぬ……自分と同い年くらいに見える、かわいらしい女性だ。
「……んー……あの。すみません。トイレ……貸してほしいんですけど」
ぶるる、とひとつ腰を震わせる。乱れた短髪は男の子めいているが、その肉付きのよい腰回りや甲高い声色は女の子にも見えるかも。
未だ現状がつかめていない様子の少年は、眠たげな声で店主へと問いかける。
■アンネリーゼ > やがてやってきた来訪者は、かわいらしい少年だった。
褐色の肌はチョコレートのような色艶で、金に似た黄色の髪によく合っている。
どこか眠たげな雰囲気も中々だ。声音や雰囲気はどことなく少女めいているようにも見える。
ともあれ、客に向ける言葉は一つ。それ以外にはありえない。
「いらっしゃいな、お客さん。何を望みながら、その扉を開けたのかしら?」
微笑みと共に手招きを一つ。それだけでいつの間にやら扉が遠ざかる。
この空間の主たる少女の特権――このアトリエでしか使えない力を、デモンストレーションのように見せつけて。
その後の望みには、頬杖からかくりと崩れつつ。
「ぁー、確かにトイレを望んでも開いちゃうのよねぇ、ここ。
仕方ないわねぇ、退屈な夜に付き合ってくれるなら、お貸しするわ♪」
彼の返事を聞いたなら、とりあえず漏らしてしまう前に、とトイレに直結する扉を作り出す。
その先は彼が元々望んでいた宿の共用の厠なのだが、戻る扉の先は、少女のアトリエに通じたまま。
事を済ませて戻ってくるならば、退屈に飽いた店主が優しく手を振ることだろう。
■シトリ > 「んー……あ、ありがとう~」
目の前に扉ができれば、少年は緩慢な動作でひとつお辞儀をすると、その扉へと躊躇なく入っていく。
何もない場所に扉ができたことや、少女の意味深な発言を訝しむ様子はない。
そして、扉の奥からはすぐにけたたましい水音が響いてくる。……1分近くに渡って、途切れなく。かなり長いといえる。
やがてトイレの扉を開けて出て来る少年の表情は、解放感やら快感やらでうっとりと微笑み、どこか色っぽさもあるかもしれない。
しかし、排泄を済ませたことで意識もはっきりしてきたのか、すぐに真顔に戻り、また店内をきょろきょろと見回している。
そして、少女のほうに向き直り、目の前まで寄ってまた軽く会釈をしつつ、
「……ありがとう。助かったよ。ところでここ、どこ……かな?
オレ、王都の宿にいたハズなんだけど。寝ぼけて別の建物に入っちゃったのかな? 魔法道具の店っぽいけど……。
何か魔法のアイテム欲しくて、王都の店は一通り調べたんだけど……オレの宿の近くにこんな店、なかったよーな気がして。
つーか、こんな夜中にお店やってるんだね!」
寝癖頭をポリポリと掻き、せわしなく店のあちこちに視線をやりながら、やや申し訳なさそうながらも饒舌に喋っている。
■アンネリーゼ > トイレに入り込んだ少年を見送ったのち、取り出すのは小ぶりの水晶玉。
指で突けば自然と中に映像が投影され、少年がトイレで致す姿が鮮明に映し出された。
様々なアングルから観察し、どうやらふたなりではなく、少年なのだということを視認する。
それにしては腰回りが柔らかそうで、胸元も張っているが、それは些細なことだろう。
トイレから出てきた少年は、どこか艶のある表情で恍惚としているような気配。
とはいえ、目は確かに覚めている様子で、礼儀正しく会釈をしてくる。
ならば少女も、優しく微笑みながら一度頭を垂れて。
「いえいえ、ここは望みを叶えるお店だもの。まぁ、トイレを借りに来たのは君が初めてだけどね。
ふふ、そうねぇ、今この店は、君が呼び寄せたから王都の宿とトイレの間にあるみたい。
とはいえ、君以外の人は入ってこれない訳だけど――魔法具がお望みなのかしら?」
饒舌な少年には、合わせるように言葉の量を多く。
こんな夜中に、という言葉には頷きながら。
「ここには昼も夜もないから、常に開店状態よ?
私が居ない時は、流石にお休みとなるけれども」
何かご入用ならば、在庫を探すわよ?と首を傾げつつ、少年をぼんやり眺めていた。
■シトリ > 「『望みを叶えるお店』……ふぅん? やっぱり王都では聞いたこと無い店だなぁ。秘密のお店ってやつなのかな」
店主とおぼしき少女の言葉遣いは、どこか難解だ。シトリは半分わかったつもりになって、頷きながら会話をしている。
つい先程のトイレシーンを舐め回すように遠視されていたことなど知る由もない。
「オレ、王都で冒険者やってる、シトリ。よろしく。……そうそう、最近魔法具が欲しくなってきたんだよ。
周りの冒険者、だいたい何かしらの魔法道具持ってて、事あるごとに自慢してるからさー。
……といっても、まだあまりお金溜まってないから。あちこちお店見て回って、安くて面白いモノを探してるんだ」
用心深いシトリは、就寝中も身体から財布は離さない。腰に下げた巾着を手に取り、ジャラジャラと中身を手の上に取り出して見せる。
その金貨の嵩は……消耗品のポーション等やちょっとしたガラクタは買えたとしても、魔法の武具等にはやや足りない、といった程度の量。
「ねーねー。このくらいのお金でも買える、面白かったり便利だったりする魔法道具ってないかな?
あとは何か、このお店のオススメのアイテムってある? もしいい感じなら、頑張ってお金貯めるから!」
そう話すシトリの視線はなおも、あちこちに移ろって慌ただしい。
冒険者たるもの、魔法道具に囲まれてテンションがあがらないはずはない。自然、店主の動きにはやや無警戒になる。
■アンネリーゼ > 「えぇ、秘密といえば秘密ねぇ。なにせ、この世のどこにもないのだから。
私が気に入った人には鍵を渡すのだけど、そうでなければ気まぐれに巻き込まれるか、強い望みを持っているか――。
君は、どっちなのかしらねぇ?トイレに行きたいって思いが強かったのか、気まぐれに巻き込まれたのか」
くすくす、と思考を読ませない微笑みと共に、彼を見る。
先程の映像は、酒の肴にでもするとしよう、などと悪趣味な思考を働かせているのは秘密だ。
「ふふ、シトリ君ね。私はアンネリーゼ。アンネでもリーゼでも、好きに呼ぶといいわ。
魔法具――そうねぇ、最近は冒険者にも流通するくらい安価な魔法具が増えてきたみたいだけど……。
とは言え、安物は直ぐに壊れてしまったり、使う魔力の割に効果が弱かったりするのだけども」
魔法具にも当然のように上等下等がある。質の良いものを見極める目利きなども重要だ。
巷に出回る魔法具はちゃんとした職人が作ったものもあれば、魔法を齧った程度の自称魔術師が作ったものもある。
玉石混交とはまさにこのこと――そしてそれは、この店でも当然のように当てはまる。
目の前、少年が逆さにした巾着からは、それなりの量の金貨がこぼれ出た。
魔法具には少し足りないが、少年が持つには多い金額――一生懸命に貯めたのだろう。
努力の姿を感じた少女は、少しばかり心を動かされたのか、ふむ、と悩むような素振りを見せる
「まず言っておくけど、この金額で魔法具を買うだなんて言ったら、普通の店じゃ鼻で笑われるわよ?
きっかり額面通りを払えなければお客としてみてくれないんだから。
――ただ、そうねぇ……これ、どれだけかかって貯めたのかしら?結構な量だと思うのだけど」
少年はすっかり無防備だが、今は店主としてのビジネスが優先だ。
軽く机の上を撫でれば、木目が自然と脈打って金貨を計算しやすいように十枚ずつ積み上げる。
出来上がったいくつかの塊を計算し、こほんと一つ、咳ばらいをすると。
「そうねぇ、条件付きでもよければ、この金額で魔法具を売ってあげてもいいわよ?
シトリ君が欲しい物が何かにもよるけど、武器やら装飾品やら、色々あるわ♪
目利きに自信がないならば、これだけためた努力に免じて、私が目利きまでしてあげる」
だから、かわりにと覗き込むように視線を合わせて、僅かに魔眼を発動させる。
わずかな発情を覚える術式と、少年がこのアトリエに来られるようになる鍵を、視線を通して彼へと映して。
「――ふふ、足りない分は、シトリ君の体で払ってもらうから♪
労働と研究とエッチなことも含めてね……だって、君、普通の子じゃないでしょう?」
人間はあんなにも多量の小水を溜め込めはしない、と鎌をかけてみる。
実際どうなのかは知らないし、調教を重ねれば可能になるものもいるかもしれない。
とはいえいま必要なのは彼から言質を引き出すこと。ただそれだけだ。
故に少女は、甘い餌を見せながら、同時に牙をも突き付ける。
逃げ場はないから、条件を飲め、とでも言わんばかりに。