2017/05/09 のログ
シトリ > 「リン、か。よろしくな。
 ……まぁ、オレもまだ冒険者らしいことロクにできてないから、似たようなもんかな。アハハ……」

腰に下げた青銅製のシミターは、まだ新品同様といった具合に刃の腹を光らせている。
シトリが乾いた笑いを上げれば、揺れる鞘が椅子にぶつかってカタカタと鳴る。
しかし、小さい方の楽器についてはぐらかされる口ぶりを察すれば、桜色の唇を尖らせてそのケースを睨みつけ、

「むー……大変なことになるって……ほんとに? どんなこと?
 さすがに殺されるとか、喰われるとか、そんなことはないよね。そんなのをこんな酒場に持ってくる筈もないし。
 ……なんか、そこまで露骨にダメ押しされると、余計に聞きたくなるし。
 いいよ。ついていく。脅しはともかく、どんな楽器かも気になるし、リンの演奏もっと聴いてみたいから……」

決心したようにひとつ頷くと、ギシ、と椅子を鳴らしてお尻を跳ね上げ、軽やかに床に着地した。
その表情はあふれる好奇心……あるいは怖いもの見たさでワクワクと微笑み、鼻を膨らましている。
そのまま、リンの導くままについていくだろう。

リン > 「大丈夫大丈夫、命に関わることにはならないよ。多分(小声)。
 それにきみはまだ子供だから、ひょっとしたら大丈夫かも」

シトリが椅子を降りるのを見て、鍵盤の蓋を閉じると、
楽器ケースを手に階段を登り、使われていない客室へと彼を招く。

二人きりの部屋、シトリを適当に椅子にでも座らせ、自分はそれに向かい合って寝台に座る。
青いケースを開くと、これまた青く塗られた楽器が取り出される。
瓢箪のようなフォルム、艶を宿す木の細工、四本の弦。
提琴、バイオリン、フィドルなどと呼ばれるものだ。

「シタールは爪で弾くが、バイオリンは弓を使う」

肩に楽器を乗せ、左手で弦を押さえ、右手で弓を持つ。
そうして、軽くレガートを奏しはじめる。
楽器の魔力に耐性がなければ、特有の高音を少し聴きはじめただけでも
身体が火照り、意識がぼんやりと霞がかってしまうだろう。

シトリ > 「うん、まぁ死なないんだったら大抵のことは大丈夫だって! なんでも勉強、勉強!」

リンの言葉を話半分程度に受け取り、相槌を打つシトリ。明らかに警戒心が薄い。

そして、招かれた個室。促されるままに椅子に腰掛け、目の前の少年の所作を空色の瞳で追う。
ケースから取り出されたのは、やはり弦楽器。

「おー、やっぱりシタールに似てる……けど。ん、弓?
 指じゃなくて、その……弓?で弾くのか? えっ、どんな音が……」

シトリの中で、楽器とは弦を爪弾くもの。あるいは打楽器もあったが、音階を鳴らせるのは弦楽器くらい。
ピアノも中をよく見れば弦が張り巡らされていたが、音を鳴らすのに使われていたのはハンマーめいた機構だった。
そして、この少年が自分の楽器と呼ぶそれは、弓を用いるという。爪弾くのに使うにはやや不向きな道具に見える、が……。

「………あっ……」

楽器の胴部を腰だめに抱えるのではなく、肩に載せて頬で抑える、不思議な持ち方。
そして弦に弓が宛てがわれ、動き……澄んだ高音がふわりと響くと、シトリは息を呑んで絶句した。
聴いたことのない音色。風鳴りのように連続的で滑らかな響きと、無段階に移ろう音階。
独特の美を醸す演奏スタイルもあいまって、シトリは一気にリンとその楽器に魅了された。当然、耐性などない。
《アクリス》の奏でる音色以外、一切の音が聞こえなくなって。リン以外、一切の風景が見えなくなって。

「………すごい……キレイ……いい、音……」

乏しい語彙で舌をもつれさせながら、シトリはゆっくりと立ち上がった。
視線を楽器に釘付けにしながら、ふらふらと歩き、ベッドの方に歩み寄る。
そして、リンの演奏を邪魔せぬよう、そっと彼の傍らに腰を下ろした。
肩を寄せ、瞬きもせずにリンの指使いをじっと見つめ続けるシトリ。その息は徐々に熱く荒く、赤褐色の頬も紅潮していく。

「……あ、ああ……なんか、いい気持ち………ふわふわする………」

ズボンの見た目には現れてないが、その下では未熟な性器がすでにピンと直立している。

リン > リンが持ち、リンを縛る《アクリス》とは異界の楽器である。
《アクリス》の見出した奏者が奏でることによって、音は異界の魔術の形をとる。
魔法そのものと化した《アクリス》と、それと一体化した奏者の姿は、
相対するものの肉体と精神に変調をきたさせる。

「やっぱりだめか」

小さく呟く。
本気の演奏をしなければこの呪いは発生しない。しかし手を抜くことはしなかった。
それこそがリンが魔性に知らぬうちに取り込まれている証左であった。
弓と本体から手を離すと、それはふわりと浮き上がり、リンの指運びを模倣して演奏を継続する。

「どうしたの? 苦しそうだよ?
 楽にしていいよ?」

甘くささやくような声。上唇を小さく舐める。
傍に座ったシトリの背に腕を回して、藍色の瞳が至近からまっすぐ見つめる。

シトリ > 「……んん、だめ? だめって、何が? こんなにいい音なのに……」

甲高くも眠たげな声で、シトリは呟く。
酒場の個室がまるで防音室になったかのように、聴覚が澄み渡るのを感じる。
弦楽器が奏でる旋律と同様、リンの口が放つ小声も詳細に聞き取れるほどに。

「苦しそう? んーん、ぜんぜん。むしろとっても気持ちいい。
 こんなにふわふわして、心がどきどきするの、はじめて。もっと、リンの演奏、聴きたい……」

リンの手から楽器が離れ、空中にとどまってなおも演奏を続ける。その異様な光景にも、シトリは訝しむ様子を一切見せない。
その目はうっとりと細まり、浅海のごとき水色の瞳の中にふわりと紺の影、白い波が交じる。
桜色の唇は艶めき、端から小さく澄んだ雫がつうっと溢れる。
先程まで楽器の弦を弄んでいた手と指が自らの背に回されると、汗ばんだ背筋がぴくりと震える。
そして『楽にしていいよ』という言葉のとおり、そのまま脱力してしまう。腕に力を込めて支えなければ、ベッドの上に横たわってしまうだろう。

「……あっ……ごめん、リン……やっぱり、オレ、ちょっとヘン、かも。
 眠くないのに、なんだか……身体から力が抜けて……でも、すごい、いい気持ちだから……大丈夫……」

そうして身体が仰け反ったことで、股間の膨らみはなおもズボンの下から主張を増す。小さいけれど。

リン > 「ふふ、そう?
 そう言ってくれると、うれしいなぁ」

リンもまた、陶然とした様子で受け答えをする。
脱力する小さな体を腕で支えると、ごく当然のように唇に口づけして、そこから垂れた涎を吸う。
唇や肌の柔らかさを確かめるように、ちゅうちゅうと音を鳴らして。
音楽の呪いは奏者自身にも作用しているのか、リンの触れる肌も薄らと熱を帯びている。
宙に浮かんだ楽器の演奏は、より欲情を急き立てるようなトリルへと変わる。

「ここ、窮屈じゃない?
 脱いじゃってもいいかもね……」

白く細長い指がズボンの上を、すりすり、すりすりと
控えめながらも執拗に、円を描く動きで擦り続ける。
互いの息を感じられる距離で、じっと見つめながら。

シトリ > 「ん………ぁ? ふっ………ん、んう……」

ベッドに横たわるシトリに、リンが覆いかぶさって来る。
近づいてくる藍色の瞳に、シトリは故郷のオアシスの水面を想起した。凪いだ夜明け前の、消え行く星空を映した水面……。

そして、唇に暖かく湿ったものが触れる。
口づけ、キス。愛する者たちが愛を確かめ合う行為。当然、シトリはしたことがない。
戸惑いが束の間思考の片隅を駆け抜けるも、すぐにそれは拭い去られる。
圧倒的な多幸感が頭の中に満ち、失ったはずの心臓がトクリと胸を強く膨らませた。楽器の奏でる音色に合わせ、鼓動も早くなる。
こぼれた唾液を吸われ、唇を舐められ、相手の舌や唾液の味を感じると、その多幸感はさらに濃密さを増す。
初めはされるがままだったが、すぐにシトリは相手の真似をし、歯の間から舌をわずか出して、相手の唇や舌におずおずと触れる。

「ん、ん、ふうううっ……んっ、リン……っ……んあ……」

股間を弄られる感覚に、シトリはぴくりと尻を浮かせる。
布地のうえで一つ円が描かれるたびに、その内部の器官が硬さを増し、熱を放つのを感じるだろう。
シトリは喘ぎ声を上げるばかりで、リンの問いかけには答えない。
しかし、その表情は恍惚にとろけ、うなされるようにカクカクと頷いているように見える。脱がされるなら抵抗はしない。
もし脱がすなら、5cmほどに膨らみきった皮被りのおちんちんが、ぴょこんと天をついて飛び出すだろう。

リン > 「ん、ふぅ……っ」

抵抗せず唇を奪われるままだったはずの相手がちろりと舌を伸ばして触れてくれた。
それに気をよくして、こちらも積極的に舌を伸ばし、絡め、濃密な唾液の交換に励む。
シトリの全身の輪郭を味わおうとするように、リンは全身を密着させてこすりつける。
やがて唇が離れれば、その間に銀の橋が光るだろう。

「どうしたの? こういうのは初めてかな?
 うなってばかりじゃ、どうしてほしいのかわからないよ?」

困った子だなぁ、とでも言いたげに。表情は愛おしい相手を見るもの。
不格好に頷くのを見て、股間を撫でていた手が、ズボンを脱がしにかかる。
そうして現れた精通済みかも怪しい幼勃起を、先端を指で転がしたり
陰嚢をつついてみたりと直接弄び始める。

「はぁ……っ、子供なのにやらしいなぁ。
 もっと気持ちよくなりたい? よね……?」

聴くものを堕落させるような粘ついた声。
シトリの下肢に、リンのズボン越しの欲望の膨らみが押し付けられていた。

シトリ > 顔だけでなく全身で覆いかぶさってくる、青髪の少年。
服越しに体温を感じ、全身から汗が吹き出るのを感じる……オアシスのほとりで朝を迎えたときのような心地よい発汗。
自らを見下ろすリンの表情は、とても優しげで、柔和で。彼の奏でた音色と同じように、魅力的で。
どこまでもこの少年に惹かれていく自分を、嬉しく思った。……それが楽器の魔力などとは知るよしもなく。

そして、するりとズボンを脱がされる。ぴんとまっすぐに勃起した未熟な性器に指が這うと、

「………はぁ……あっ……っ!!」

キンと耳が鳴るような嬌声を放ち、背筋で弧を描いた。
痺れるような刺激が背を伝い、胸と頭に広がる。未知の感覚。しかし残響として残るのは、もっと味わいたいという欲求。
その感覚を、何をしてほしいのかを幼いシトリでは言葉に出来ず、ただひたすら何かを懇願する台詞を紡ぐ。

「……あっ、う……わかんない、わかんない……っ!
 わっ、わかんないけど……もっと、もっとしてっ……リンっ……リンっっ!!
 ……楽器にっ、がっきに、してっ!!」

……シトリは、ひとつの楽器になった錯覚を覚えていた。
踊るようにピアノを弾き、揺れる波のように弓を操って弦を震わせていたリンの指が今、己のもっとも恥ずかしい部位に触れている。
そこは汚い場所。なのに、触れられると気持ちいい。こすられれば声が出る。今まで出したことのないような声が。
……きっと、その場所はこの少年に奏でられるためについているのだと。混濁する理性で、そう結論づけた。

「あっ、あ♪ はひゃっ……っ!! んっ、………っああああ!!」

そうと決まれば、シトリはもう楽器になりきるのみ。リンの愛撫に合わせ、快楽の声を絞り出す。
背景で奏でられる《アクリス》の音色に負けないように、声帯を澄ませ、舌を震わせながら。

「……ん、ふ、ぁ……もっと、もっときもちよく……。
 わかんないっ、きもちいいのか、わかんないけど、もっと、リンと、あっ、し、したいっ……!」

リンの股間……彼のおちんちんがあるべき部位も、膨れているのが見える。
きっとあのズボンを下ろせば、自分のより大きなおちんちんがまろびでるのだろう。
……ペニスは汚いものという先入観は吹き飛び、彼の股間の膨らみの中に、シトリはバイオリンの弓を幻視した。
指の次は、彼のその弓で、己を奏でて欲しい。
そう思ったシトリは、懸命に腰に力を入れ、尻を跳ねさせた。ズボン越しに、その膨らみをつつくように。

リン > リンの行為はどんどん露骨なものとなり、時には首筋に吸い付いて、浮かぶ汗に舌を這わせ、淡く唇の痕跡を残していく。
また時には耳を食んで、その内側を湿らせて。
回した手の指が脇腹や、胸の先を擦って。

「ふふ。わかんないか。
 わからないのに、受け容れてくれるんだね……」

淫らな知識を持たないが故に、詩的に欲望を表現する褐色の少年。
性棒に絡みつく指がより強く吸い付き、深い快楽を導く。
懸命に、身体をくねらせて自分の雄を求めていることを察すれば、弄ぶ指が下へと潜り込み、
シトリの尻肉の間に割入り、孔を探り当て、愛撫し始める。
もう片方の手は自らのズボンを下ろし、シトリの倍以上に猛り、先走りを垂らす肉竿を露出する。

「じゃあ、きみの求めるとおりにしてあげよう。ちゃんと啼きなよ」

相手の両脚をつかむと、遠慮なく菊門へとその雄茎を押し当て、えぐり入れる。

シトリ > 「だって、う、ぁ……あっ……いいんだもん……気持ち、いいん、だもん……!
 リンがなにかすると、オレっ……どんどん、いい気持ちになって……ヘン、変だけど……このまま……っ!」

唇にとどまらず、褐色の皮膚のあちこちを舐られる感覚に、いちいち甘い鳴き声を上げるシトリ。
すべやかな皮膚を流れる汗は、ほのかにしょっぱく、甘い幼臭を保っている。
胸は性徴途中の女子のようにわずかながら柔肉の層をつけていて、指でなぞればふわりと凹み、それでいて乳首は弾力を秘めている。

舐められながら、おちんちんを弄られるのが気持ちいい。
相手のズボンもはだけられ、膨らみきった陰茎の切っ先がこちらを向くのを見れば、ドクンと胸がひとつ跳ねる。
汚い排泄器官。でもリンのは違う。よくわからないけど違う、演奏に必要な道具のひとつ。
リンにかかれば、その器官は芸術的な所業を成し遂げる一部位に変わり、シトリ自身をも作り変えられるのだ。きっとそうだ。
……もっと、もっと、と心中で懇願する。その思考の数%がかろうじて舌に乗り、拙い語彙で哀願にかわる。

……しかし、彼の指が、思わぬところに入り込むと。快感でなく掻痒感に近い震えが骨盤を走った。

「っ……あ! や、やだ、そこ、そこぉ……だめ……!」

むっちりと肉の付いたお尻、その合間に入っていくリンの繊細な指。おちんちん以上に汚いはずの場所。
思わず臀部に力を込めてしまうが、とろけきったシトリでは大した抵抗にはならない。
そして指先が肛門を見つけ、トントンとノックすれば、鈍くも柔らかな快感の波がじんわりと腹を行き交うのを感じる。

「あっ、な、なんか、違うっ……そう、そうじゃなくて……あの………っあ!あああ!!
 …………っわああああああーーーっ!」

アブノーマルさを増していく彼の愛撫に戸惑いが湧き始めるが、シトリには曖昧な否定の言葉を連呼する以外になかった。
そして、リンの逸物が自らの足の間に沈み……腰が押し上げられると。シトリは七割の驚きと三割の恍惚が入り交じった叫び声をあげた。
肛門を捉えてねじ込まれたリンの陰茎は、未経験のはずのシトリの菊穴をスムーズに拡げ、埋没していく。
括約筋は極めて柔軟な弾力を有しており、広げる時はふわりと、そして締める時は痛くない程度にきゅっと。
内部は蒸し暑く、しっとりと潤った粘膜群が亀頭をそっと包み込み、蠢く。

「あっ! く、んぐっ……あ、おし、おしり、なんで、なんでっ!!
 入って来てっ、あ、くるしい、のに、ぽわっって、するっ!! きもちいっ……?
 気持ちいいっ!! 暖かくてっ……ほぉっ……あああああ……!」

未知の感覚に、すっかり脱力してしまったシトリ。
下腹部に精一杯意識を集中し、腹膜や肛門をひくつかせてリンを喜ばせようと試みている。

リン > 「ふっぅ……シトリがかわいくて、ぼくもすごく興奮してるよ……。
 体つきも、女の子みたいにやらしいねえ……」

無垢な少年が、官能の味を知って戸惑いながらも悦ぶ様を、五感で丹念に味わっていく。
舐めとる汗は蠱惑的な味がして、麻薬のように染み渡る。

尻への愛撫に、相手が戸惑いながらの否定の言葉を口にするが、
もちろんそれを聞く耳など持つはずもない。
少年の硬さと、女の柔らかさを持ち併せた肉体。それをリンの武器は侵掠し、強欲に貪ろうとする。

「違くないさ……。男の子のそこはね、これを挿れるための場所でもあるんだよ。
 それを、しっかりと教えて、あげるよ……っ」

シトリ自身の困惑や驚きとは裏腹に、身体は反応して捕食者さながらにリンの雄に食いつく。
狭苦しく湿った肉の洞は、しかし掘る度に快楽をもたらす。
小さな体を組み敷いて、腰を揺らし、より深く柔らかく気持ちのいいところを
ぬちぬちと音を立てて探り当てていく。

「んはぁ……っ、シトリのおしり、初めてなのにすっごくいいよぉ……♥
 ぼくっ、きみのなかでとけちゃいそぉ……っ」

緩んだ口元から涎が垂れる。
取り繕うことを忘れた奏者の顔は快楽に蕩けきり、上げる声も女のように甘い。
指がシトリの胸へと忍び寄り、ピチカートでも弾くように若い蕾を指先で叩く。

シトリ > 「ふっざ……オレ、オレは、オトコ……だしっ!
 かわいいとか、女の子みたいとか、んっ、あ♪ 言われるの、傷つくんだけど……ぉほっ!!」

腹腔内を抉られる圧迫感と括約筋を拡縮する快感に、シトリは瞳を乱雑に揺らしながらも、懸命に耐える。
わずか残った理性でリンの挑発に反論しようとする、が。本能は真逆の感想を受け取っていた。
リンが口にする、シトリを形容する言葉のすべてが、たまらなく心地よく。そうあれかし、と。
彼が女の子みたいと言うなら、そうなりたい……本気でそう思い込んでしまいそうになり、理性が危機感を覚えるも、食い止めるには至らない。
結果的に、悪態をつくシトリの顔は、過剰分泌された脳内物質でとろけきり、艶っぽい笑顔が貼り付いたままになっていた。

腹の中をかき乱す、別の人間の器官。それも、おしっこをするための器官のはずの、おちんちん。
それは硬く硬く張り、シトリの熱く湿った骨盤内をあちこちくちゃくちゃに撹拌していく。
そしてその雁首はすぐに、コロン、と丸く弾力を帯びた器官を探り当てるだろう。

「はふううううっ!? うっ、ん、っあああああ!! そ、そこっ、そこおおおっ!!
 そこ、そこだめっ、あっ、だ、だめじゃない、してっ!! 弾いてっ!! あ、な、なにか、来るっ、くるうっ!!」

前立腺に衝撃が伝わると、掴みどころのない快楽の爆発が腹腔内を反響し、両脚が乱雑に踊った。
シトリは狂ったように嬌声を上げ、戸惑い混じりに加撃を乞うた。
しかしあらゆる性体験が初めてのシトリにとって、もう遅かった。一撃で十分だった。

「あっ、あ、ああ♥ らめっ、らめっ!! でりゅ……出ちゃうっ……!!
 おしっこっ、おしっこっ!! お、お願い、見ないで、どいて……っああああ! はああ!!」

クルミ状の器官に熱が発したと思うと、大量の蟠りが臍下に膨らみ始める。それを留め置こうと懸命に下腹部に力を込めるが。
そこにトドメとばかりに、乳首を弾く衝撃が伝わり、シトリは白目を剥いた。
ぼぴゅ、ぶ、びゅ、びゅぷ……と4回にわけて、シトリの小さな男性器ははじめての白濁を射出した。
それはほんのりと薄く、さらさらとして、赤褐色のお腹に長く伸びる。刈りたての若草のような匂いが満ちる。
初射精の間、シトリの肛門はこれまでにない緩急でリンの陰茎を絞り、直腸内壁もざわざわと震えて亀頭を甘く食んでいる。

リン > 反発するような言葉を吐きながらも快楽には抗えない様子のシトリに、淫蕩な微笑みをもって返すだけ。
漲った器官はやがて、シトリの弱い部分にたどり着く。
手応えが返ってくるのと同時に、相手は抑えきれない快楽を逃がそうとしたのか
両脚を無茶苦茶に暴れさせはじめる。
その初々しく、激しく、愛らしい反応が、リンの背徳感と劣情を煽る。

「はふっ、ぼくも、ぼくもだしちゃうっ。シトリのなかにっ、だしちゃうっ」

シトリが絶叫とともに絶頂に至るとき、宙に浮かんでいた《アクリス》も
演奏がちょうど終局を迎えていた。
リンの雄は律動とともに膨張と収縮を繰り返し、性を知らなかった後ろ孔を
マグマのように濃い粘液で染めていく。

「は、はぁーっ、シトリぃ、よかったよぉ……♥ 初めてなのによくがんばったねぇ……
 っふふ、随分と白いおしっこもあったもんだ」

互いの射精が落ち着いたころ、下腹部の精液を指ですくいとり、
自分の鼻先にかざしこれ見よがしに匂いを嗅ぐと、それを口に含んで味わってみせた。

演奏が終了したことで、楽器に蝕まれていたシトリの正気も徐々に回復するかもしれない。

シトリ > 「はふ、はふっ………うう、な、なに、これ……。
 おしっこ……じゃない? 真っ白………ネバネバ………リンも、同じのを、出してるの…?」

鮮烈な精通の感覚に脳を焼かれていたシトリ、次に思考が形をなしたのは、魔の楽器の演奏も終わりきったあと。
自らのお尻の中でリンの陰茎も何らかの熱い粘液を吐き、注ぎ込んだ感覚が遅れて感じられる。
粘膜に粘液がへばりつき、焼け付く熱を放つ。ぞくぞく、と背筋が粟立つが、嫌な感覚ではなかった。

「……って、あ、触っちゃ汚い……あ、口に……ええ……だ、大丈夫、なの……。
 ……おいしいの?」

褐色の肌に貼り付いた白い迸りをリンがつまみ、弄び、香りを嗅ぎ、そして口に運ぶ。
その所作はとても背徳的で、扇情的。シトリとリンはいまとても悪いことをしているのだ、という自覚が今更ながらに湧いてきた。
それは《アクリス》の音楽が止んだせいか。

「……ね、ねぇ、リン……教えて。オレたち、なにをしたの」

先程まで快楽に歪みきっていたシトリの顔は、いまや真剣に物事を考えられる理性を取り戻していた。

「オレ……すごい気持ちよくて、白い…おしっこ、出た。これ、何なの……? 病気じゃねぇよな?
 リンも同じのを出したの? その……オレの、け、ケツの中に……。
 ……っつーか、その……おちんちんを、お尻に差し込むのって……よく、やることなのか?」

混乱と狂乱の中で味わった、いくつものアブノーマルな初体験。
それを思い返せば、残るのは数多の謎だ。主導権を握っていたこのリンという少年に、問いかけざるを得ない。
……未だ、そのアナルに陰茎を咥えたまま。抜こうともしないし、相手を突き放そうともしない。
それは、リンに対し、そして魔の楽器に対しても、何らのネガティブな感情を抱いていないということ。

「リン……教えて。オレたち、悪いこと、してないよね……?」

自嘲気味に口の端を軽く上げながら、青臭い声で問う。
もしごまかしたりしないなら、リンはその後も先程の性交について幾つもの質問攻めに合うことだろう。

リン > 「汚くはないよ。きみの出すものが汚いはずはないさ……」

赤い舌を出して、指に付着したものをじっとりと味わう。
演奏が止む前と後でさして変わらないリンの様子は、これが平常であることを示していた。

「そんなにいっぺんにいくつも訊かないでおくれ。
 焦らなくても教えてあげるよ」

悪いこと、といえば悪いことだろう。
何も知らない、年端もゆかない子供の性を欲望に任せて貪ったのだ。
少なくとも性教育を施してやるぐらいはしてやるべきかもしれない。
理性を回復しても自分を拒まない少年への、義理とでもいうべきか。
自分の体に起こったことに混乱している彼の背を、いたわるように優しく擦る。

「安心したまえ。気持ちよくなることは、悪いことじゃないよ。
 まあ、人間は生きているだけで罪、って考えもあるらしいけどさ……」

けむにまくような事を言いながらも、リンなりの丁寧さで
射精やら性交やらについてはかいつまんで教えてやるだろう。
それをシトリが、どれほど受け容れられるかはわからないけれど……

ご案内:「平民地区」からシトリさんが去りました。
ご案内:「平民地区」からリンさんが去りました。
ご案内:「メグ・メール(喜びヶ原) 自然地帯」にメンシスさんが現れました。
メンシス > メグメールの街道から離れた大樹。
その大樹の根本に幹に寄りかかりながら腕を組む男が一人。
木陰にずっと引きこもり、周囲の様子をジッと眺める。

「…クソ、ついてねぇ」

頭を抱えれば、そう呟く。
当初の目的はこの大樹の近くで剣術やら魔術やらの鍛錬をするつもりだった。
しかし、いざこちらに到着してみればどうだろうか。
鍛錬を初めて数分しない内に大雨が降ってきたのである。

せめて雲行きが怪しくなった時に引き返していればと後悔しつつ、雨が止むのを待つ。