2016/06/07 のログ
■オーベ > 短く息を吐き、座ったまま軽く伸びをすると急に眠気が訪れて
くわ、と欠伸を零し、軽く腕を組むようにすればそのまま、静かに寝息を立て始めた―――…
ご案内:「小屋」からオーベさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンフィート 居住区」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 「……え?遺跡から……ですか?」
少し前、何度も何度も体を甚振られた私は、ようやくここへこれるまで回復した。
元々体力があったわけじゃないし、どちらかといえば暗殺や侵入が得意だった私だ。
アレだけ激しく、そして何度も犯されてしまえば……寝込むのは当たり前だ。
でも、幸いミレー族の人たちは、何も知らずに毎日を過ごしている。
それだけが……私の救いだった。
そして、すこし久しぶりにやってきた楽園で、仲がよくなったチェーンブレイカーの団員の一人の言葉に、私は首をかしげた。
少し前から、チェーンブレイカーの何人かが遺跡調査から戻らないらしい。
どうやら魔道装置の調査という話だが、此れだけ長い間戻らないというのは…少しおかしい、という。
その話で、どうやら大掛かりな調査団が結成される、とのことだった。
■レイカ > 遺跡といえば、このあたりなら無名遺跡しか考えられない。
この場所から程近い場所に位置する遺跡は、確か魔道装置がまだ数多く出土する場所。
旧時代の遺品が数多く眠る場所に、チェーンブレイカーがなんのようなのだろうかと問うと、どうやらそこの魔道器具を回収しているらしい。
それらはあの魔法獣にもかかわっているとなれば、確かにこの組織にしてみたら重要な場所だろう。
ただ、そこにはまだ数多くの魔族や魔物が潜んでいるし、時折山賊などにも出くわす。
そこから戻ってこないと鳴れば、確かに大事であった。
「………確かに、それは心配ですね…。」
私は、少しだけ俯き考えた―――。
■レイカ > 「……捜索隊の数は何人と聞いていますか?」
私は顔を上げてそれを尋ねた。
遺跡は広い、どこにいるのか見当もついていないならばむやみに探して、ミイラ取りがミイラになることは避けたい。
ならば、考えられる結論は一つ―――『少数精鋭』だ。
「捜索に適した人材を2,3人。前衛として2人。後衛に一人。これらを必ず一個部隊で探索させるよう助言してください。
あと、捜索時間は長く裂かない様に、とも。」
少し酷な言い方かもしれない、けど現実を考えれば…希望は薄い。
いつごろから行方不明なのかにもよるが、早い段階で打ち切り注意を促すことも、視野に入れたほうがいい。
見殺しにするのかと詰め寄られるも、私は首を横に振った。
「違います、これ以上被害を出さないようにするための最善策です。…酷いかもしれませんが、犠牲者を徒に増やすのは得策ではありません」
タダでさえ、今はい妻族が攻めて来るのか解らないのだから…あまり、長い時間捜索して人員を減らすべきではない。
私は、そう結論付けた。
ご案内:「ドラゴンフィート 居住区」にフォークさんが現れました。
■フォーク > 傭兵に一番重要なスキルは何か、と訊かれればフォーク・ルースはこう応える。
「飯の種を見つける運の良ささ」
その日、フォークは町である噂を訊いた。
どこぞの民間軍事組合のメンバーが幾人か行方不明になったと。
「トラブルある所に、俺ありさ」
鼻歌混じりで男はドラゴンフィートまでやってきた。
そして人づてに聞き、裏技を駆使してなんとか『楽園』と呼ばれる所までやってきたのだが
「参ったな。ここで宛がなくなっちまったぞ」
居住区をうろうろする男。そこに知った顔があった。
正しい名前はわからないが、いつぞや廃墟地区で出会ったエルフの少女だ。
男はまったく悪びれた様子もなく、少女たちの話を聞き
「少数精鋭策には賛成だね。ま、俺とコイツだけでも大丈夫なんだがね」
コイツとはエルフの少女のことである。
とても馴れ馴れしい様子で、エルフの少女の肩に手を置くのであった。
■レイカ > 「……………。」
肩に置かれる手、そのごつくて重い腕。
その腕の主を、私は知っていた。
勿論、本当の名前を教えたわけじゃないし…なにより、この男にあまりいい感情を私はもっていない。
私は無言で、その顎先に鏃を突きつけた。
「……退けてください、重いです。…後、馴れ馴れしい態度で近づかないでください。」
…この男は、私を廃墟地区で散々犯しつくした男だ。
いい感情をもてるはずがない。なにより―――目の前にいる仲のいい組合員は、ミレー族だ。
この子だけじゃない、ここにいるほとんどはミレー族。だからこそ、私はここを『楽園』と呼んでいる。
…この男がここをかぎつけたのは、私にとってあまりにも腹立たしいことだった。
「既に捜索隊の編成は終わっているそうです…。残念ですが、私も貴方も参加はできませんよ…。」
■フォーク > 「おっと、怖いね。俺は臆病なんだぜ?」
臆病者だから長生きができる。戦場では勇敢な奴から死んでいくのだ。
少女が鏃を突きつけてきたら、男は大きな手を肩から外し、
それを下に動かし、少女の尻を弄ろうとするのであった。
正面にいるミレー族には勿論、バレないようにして。
「俺もつくづくラッキーボーイだよな」
正面にいるミレー族をじっと見つめながら、男は呟く。
その呟きは少女にのみ聞こえる程度の大きさだった。
これがただの独り言か、他意があるかを判断できるのは少女だけだろう。
「義を見てせざるは勇なきなりさ。遊撃隊として動くのは昔から得意なんだぜ?」
当然のように男は胸を張る。
別に本隊が出たって、別軍が動くことは戦場では珍しくない。
また、目の前にいるミレー族に対する善人アピールも兼ねてのことだった。
■レイカ > 「……………。」
どこが臆病なのか、と私は軽いため息を衝き、そして―――「ひっ!?」と短い悲鳴を上げた。
私だって女だ、お尻を触られたら上ずった悲鳴くらい出る。
どうかしたのか、と尋ねられても軽く首を横に振って、なんでもないと答えるけど―――。
「……ここのミレー族を脅しに使うのならば無駄ですよ、フォークさん。
ここは第九騎士団福団長の私有地、ここのミレー族に手を出そうとすれば…騎士団を敵に回すことになりますよ?」
それだけではない、このチェーンブレイカーが総出でこの男を抹殺しにかかる。
ゲストとして通ってわかったことがある、ここの皆は本当に仲間意識が強い。
―――手を出した際の報復は、彼や私が思っている以上のものがあるだろう。
逸れに、冒険者ギルドが騎士団を敵に回した冒険者をそのままにしておくとも、思えない。
「………はぁ。」
私は、あからさまにため息をついた。
この男の本性を知っているからこそ、この言葉はあまりにも軽く感じてしまう。
ただ、目の前にいるミレー族は、とても感謝しているようだが……。
「フォークさんも行くならご自由にどうぞ、私には止める権利はありません。
報酬云々に関しては、ここの組合長さんに直訴してください。…期待はできるでしょう。」
■フォーク > 「脅し?」
キョトンとした顔を少女に向ける。
何を言っているんだ、といった表情だった。
しかし、そのごつい手は、前に幾度も陵辱した少女の尻を揉み、
まくり上げ、下着の中にまで突入しようと目論でいる。
「心外だな、君。俺は敵を増やすような真似はしないぜ。『俺が何も知らないと思ったら困るなあ』」
揺さぶりである。
男は少女のことを何も知らない。
が、おそらく少女はまだ男が知らない弱みを持っているはずだ。そこをハッタリで突いてみる。
そして少女の言うことは事実だろう。ここに来るまで少し見て回ったからだ。
今はまだ個人なのだ。一定規模以上の団体を敵に回すのは嫌だ。
「この勇敢な傭兵様にまかせておけって。俺と、コイツでなんとかしてやるからよ!」
と、無理やり少女を巻き込もうとした。
男は馬鹿だが、無能ではない。行方不明者の捜索に何が足りないかは理解している。
遠距離攻撃ができて、精霊との繋がりが深いと言われているエルフほど、
この仕事に相応しいパートナーはいないと思っているからだ。
「人間、こういう時に本質って奴が出るもんさ。
普段はどうだか知らねえがイザという時に動けねえ奴はろくなもんじゃねえ。
安心しな。俺とこいつの二人で、みんなを見つけてきてやっからな!」
と、ことさらミレー族に向かっての善人アピール&少女があからさまに同行を拒否できないように布石を打った。
■レイカ > 「…………っ。」
私は、遠慮もなく触ってくるそのごつい手を無言で蹴り上げた。
確かに以前は、30人という大勢のミレー族の命一つ一つをこの体で買い上げた。
口、耳、髪、腹、お尻、秘所―――ありとあらゆる場所をこの男に穢された。
別に、体が汚れたところであれアバいいだけの話し出し、実際に気にしてはいない。
だけど―――私も女だ。遠慮なく触ってくるその手に、いい気分はしない。私は、痴女ではない。
無遠慮に触り、下着の中にまで触ってくるその手の甲を、私は足を折り曲げ手の甲にぶつけた。
「あの、レイカさん?さっきからどうしたの?」と聴いてくるけど―――なんでもないよ、と首を振った。
「………そうですか。それで?」
……見え透いた張ったりだ。私は自分のことをむやみにばらしたりはしないように徹底している。
この場所ですら、私の過去を知っている人は少ない。知っているのはただ一人―――マスターだけだ。
そのマスターと、こいつに何か接点があるなら話は別だが……あの人も口は堅い。
私のことは、無闇にばらしたりはしない。
「…………………。」
巻き込もうとしているのは明白だった。…だが、理に適っている。
エルフである私は、遠距離を射抜く力もあるし、なにより精霊の声を聴くことができる。
何かあれば、すぐに察知できる私をパートナーにしたいのはわかる。
だけど―――私はいくつもりは毛頭ない。
実際、「レイカさんもいくの?」と、ミレー族の子が聞いてくる。
「………。そうですね……、もし何も知らせがなければ、私も協力はしましょう。」
―――本隊が編成されたならば、私が取り急ぎ動くことはない。
遊撃隊とはそんなものだ、有事の際以外は動かないにこしたことはない。
「1週間……何も音沙汰がなければ、私も参加しましょう。」
あからさまに断ることを阻害されたが、私は遠まわしに遺跡に行くことを拒否した。
■フォーク > 「き……器用な真似をっ。痛いんだぞ、ここって!」
手の甲を襲った鈍い痛み。するりと少女から手を離し、ミレー族に背を向けてうずくまる。
ヒーローは泣き顔を見せてはいけないのだ。
「ふっかぁーつ!」
まだ手の甲はヒリヒリするが、頼りにしてくれているミレー族を前に弱気にはなれない。
気合いを入れて立ち上がった。
ミレー族は秘された存在だ。だからこそ目立つ。
なのでミレー族を相手に名前を売れば、通常よりもネームバリューが高まると踏んだのだ。
(レイカさん……レイカさんねえ?)
少女の本来の名前も、聞き漏らさなかった。
ハッタリに乗らなかったことは別に構わない。
手段はまだまだいっぱいあるからだ。
どうやら遠回しの断れているようだ。他に助けの宛がないこともないのだが、
他の人に助けを求めれば、分け前が減ってしまうではないか。
ここは悪巧みを絞り、少女を引きこもうと思う。
「よし、せっかくだ。君も来たまえ。仲間を救いたいんだろう?
さすがの俺も一人じゃ無理だ。しかし君の助けがあれば……きっと何かが変わる!」
勧誘の矛先を、少女から同席しているミレー族に代えた。
ミレー族の団員相手に情熱を以って語る。そして若者を無謀に駆り立てる魔性の一言を放つのであった。
「やれるかやれないかではない。やるか、やらないかだ!」
そして少女に言おう。
「もし俺とこの子が一週間戻ってこなかったら、助けに来てくれよな?」
まるで前世からの繋がりがある友人に向かって頼むような、表情と口ぶりだった。
■レイカ > 「……弓より蹴りの方が得意なので。」
私はよく勘違いされているが、実は弓よりも接近戦のほうが得意だ。
ミレー族に教わったからだのこなし、それらが本来の私の武器だ。
……タフネスは相当あるらしい。まあ、見かけどおりといっておこうか。
ミレー族に名前を売るのは構わないが…憶えておいて欲しいのは、彼らは人間不信だという事だ。
この子はそうでもないけれども、大多数のミレー族は少なからず人間に嫌悪感を憶えている。
名前を売ることで人間への信頼になるのはいいことなのだが…いかんせん、この男には私の中で前科がある。
ミレー族を信頼させて、奴隷ギルドに売るなどという事があるなら…この場で―――。
どうやら、男は私からこっちのミレー族にターゲットを移したらしい。
彼女を引き込んで、私を焦らせようとしているらしいが―――。
『あの、私……ストーク班なんですけど……。』と、この子はやんわりと断りを入れた。
「この組織のストーク班は、主に医療や物資輸送を専門にしている班です。
残念ですが、戦闘は不向きですよ……。”夜の相手”は、させてもらえるようですけどね?」
若干皮肉を米、私は夜の相手、というところを少し強調してこの男に言ってのけた。
実際、この組織ではいろいろな班を分け、役割分担をしている。私は―――ゲストだから、主に医療や物資運搬を手伝っていた。
遺跡調査に乗り気でなかったのも、その部分が理由だ。―――正式な団員ではない私が、首をやたら突っ込むわけにはいかない。
「……一人で行くのがいやなら、本体の第二派にでも入れてもらえばいいでしょう?
何故私やほかの人と一緒に行きたがるのですか……。」
あいにくだが、私は偽善者ではあるけどお人よしではない。
助けに来てくれるよなと言われて首を縦に振るような正確はしていない。
なにより、秘密を知っているこの男が消えてくれれば、私はむしろ願ったり適ったりだ。
■フォーク > 「へぇー。知らなかった!」
拗ねた子供のようにぷっと頬を膨らませる。
正直、全く可愛らしくない。
幼少のみぎりはかなりの美少年だったらしいが、それは自己申告なのである。
「ふぅーん。そういうもんかい」
エルフの少女の説明を聞いて、なんとなく気の抜けたような声で応える。本音だった。
冒険者ギルドに入るまで、男は傭兵以外の組織に属したことがない。
なので、運搬も戦闘も調理だって自分たちでやってきた。役目を分担するという概念が頭にないのだ。
そもそも自分は戦えないから襲わないでくれと言って見逃してくれる相手を戦ったことがない。
「知らない奴とつるむのは、いちいち面倒臭いだろ。戦場でもあるまいし」
実力未知数の相手と組む程、恐ろしいことはない。
極端に実力差があればどちらかが足を引っ張ることになる。
自分と同じくらいの実力者がちょうどいいのだ。そしてお互いの弱点を補えれば尚いい。
「それに、お前。わからねえわけじゃないだろ?」
少女の胸元にトンと、指を当てて諭すように言う。
なぜ自分が少女を連れていこうというのか。戦闘時のカバーや、実力差の問題。
そういった戦術的な問題がわからない少女ではないだろう、と言っているのだ。
「お前、助けたくないのかよ」
男は少女に小さく囁いた。
別に男は酷薄ではない。色々と腹にかかえている企みはあるが、できるなら助けてやりたいと思う。
正直、ミレー族に関しては大して興味もない。しかし乗りかかった船という言葉もある。