2015/11/07 のログ
■イルヴ > そう、こいつは僕の眷属だから、人間のレタルなんかよりよっぽど強いし偉いんだよ。
こいつだってレタルの首に巻き付いて骨を折る程度は一瞬でできるから、ねえ。
(一瞬身体を強張らせたレタルに対して序列というものを教えてやり。)
ふふ、まるで犬みたいだねえ。ご主人様からの褒美のためならなんだってする雌犬だ。
さて、それじゃあレタルにはご褒美をあげなくっちゃ。
(召喚した触手がそのまま鎌首をもたげてレタルの尻穴をねらう。レタルが足を絡めてきたので、そのまま腰を抱えて持ち上げてやるとレタルの体重が全て肉棒にかかって子宮に食い込んでいってしまう。)
(触手はそのままするするりと尻穴に潜り込んでいって……針での注射はレタルにほとんど痛みをもたらさない。もたらさないまま、レタルの直腸を排泄器官ではなくぼってりと肉厚なオナホールへと作り変えていってしまい。)
■レタル > 「触手様も偉大な私のご主人様なんですねっ、気を付けますっ…犬です♪ご主人様のご褒美のためなら何でもする雌犬ですっ♪ふぁあっ♪私のお尻っ♪おまんこに作り変えられてますっ♪」
自らの体重で子宮に食い込む肉棒と、お尻をオナホールへと作り変える触手の乱暴さに嬌声を上げながらまるで犬のように身体を差し出すようなポーズをしてみせるとそのまま跳ねるように肉棒を股間でしごき始めて
■イルヴ > あとでこの尻まんこも犯してあげるから、楽しみにしているんだよ、レタル?
(乱暴な動きにも痛み一つ訴えることもなく、逆に嬌声をとめどなく溢れさせて凌辱を受け入れている。これを可能にするような急激な改造は、そうそう誰の身体でも受け入れられるものではない。見どころがあると言った言葉は決して嘘ではない。)
よしよし、それじゃあそろそろもう一つメインディッシュ。レタル、ここまで念入りに僕が瘴気を染み込ませてきたのは……このためだよ?
(身体を差し出すのにもうひとつの躊躇もないレタルの膣穴でしごかれ、肉棒はますます硬く張りつめて……レタルの体重と腰を両腕で掴んだ自分の腕力でもって、この肉棒で子宮の中さえ犯してやろうと遠慮も容赦もなく力を込めていく)
■レタル > 「楽しみですっ♪お尻もいっぱいご主人様色にしてくださいっ♪」
主の身体に寄りかかりながらその甘美な言葉に酔いしれて身体を完全に作り変えられてしまってもなお後悔の感情は芽生えておらず
「ふぁあぁっ♪子宮の中っ…入って…あああああっ!?」
子宮口を押し広げられてプルプルと震えるようにしながら自らもその侵入を拒もうとしている子宮口を押し広げようとしていたが先端が入り口を突破すると堰を切ったように肉棒が子宮へと侵食してその快楽に表情を蕩けさせながら主の胸元に倒れこんで
■イルヴ > どうだい、レタル。女の身体の一番大事なところまで魔族に支配された気分は?
(その勢いのまま、子宮底まで亀頭を打ち付けて、奥まで響く振動でレタルを痺れさせてやった次の瞬間にはもう子宮から抜けてしまうほど腰を引いて……そしてまた子宮の奥まで亀頭を打ち付ける。)
(レタルの子宮も完全にイルヴを楽しませるためのオナホールに成り下がってしまって、打ち付ける振動が響くたびに麻薬に犯された頭の中まで響いてしまうだろう。)
(倒れ込んでくるレタルの身体を受け止めて額にキスしてやりながら、レタルが絶頂しても絶頂しても動きは止まらない。オナホールを使う側はオナホールの都合など考えない。)
■レタル > 「最高ですっ♪私魔族様に支配されて…家畜に…玩具にされて…幸せだよぉ…」
子宮へ肉棒が侵入するたびに絶頂してしまって感度ももはや人間が感じられる限界以上に達してはいるものの、壊れることはなく被支配欲に体は満たされていていとおしそうな瞳で自らの主を見つめながら答えて
「」
■イルヴ > そうだね。人間は……特に女は魔族に支配されて犯されるのが最高の幸せなんだよ。レタルは分かってくれたね。
しっかり理解できたレタルには、ご褒美だ。魔族の精液で卵巣まで犯されて、人間の子供は孕めなくなろうねえ。
(しっかりレタルと見つめ合いながら自分の身体にしがみつかせて……子宮の奥で爆ぜるように射精を始めた肉棒は、そのまま熱い精液を卵管を遡って言葉通りに卵巣まで到達してしまい……魔族に犯されることに反応して排卵してしまう、苗床専用のモノにしてしまう。)
(当然それが完了したその瞬間から次々と下腹部の熱と疼きとともに、レタルの卵子は次々に魔族の精液に犯されて、苗床としての役目を果たしていくことになる。)
■レタル > 「はいっ♪魔族様に支配されるの…すっごい幸せです♪もう人間の男なんて無理っ…ふぁっ♪魔族様の極上せーし入ってきてるっ♪これで私…ご主人様の専用苗床♪」
子宮を迸る熱い精液を感じて幸福そうな表情でしがみつくと奥に奥にと侵食していく精液を受け入れるように何度も排卵をして胎の中では魔族の種が何体も受精しはじめており
「ふぁあぁ…私ご主人様の子供孕んでる♪ご主人様のオンナ…♪」
■イルヴ > ふふ。魔族の子は、特にレタルみたいに高い魔力を持つ優秀な母体が苗床になれば成長が早い。
2、3日もすれば生まれてくるから、強い子が生まれるようにそれまでたくさん犯して瘴気を注ぎ込んであげようねえ。
(当然と精液を受け止めて受精の感覚に身を震わせるレタルにさらなる堕落の呼び声を囁きかけて)
さ、まずは尻まんこの具合からだ。四つん這いになって……あとは、分かるよね?
■レタル > 「はい♪ご主人様の赤ちゃんが立派に育つように頑張ります♪」
排泄器官からただの魔族専用オナホールへと作り変えられた後ろの穴を主に見せびらかすように両手で開くと期待するような目つきで見つめて。それから一晩中苗床として、あるいは生処理道具として侵され続けるのであった…
ご案内:「ルクロ教会」からイルヴさんが去りました。
ご案内:「ルクロ教会」からレタルさんが去りました。
ご案内:「湖畔」にソードさんが現れました。
ご案内:「湖畔」にロザリーさんが現れました。
■ソード > それは新月の夜。
男は彼女を連れ出した。
堂々と自宅に乗り込んで行って、否も応もなく。その身をひょいと両腕で抱え上げて、上機嫌に夜の闇へと飛び込んだ。
月はないが、雲もなく。故に星は美しい夜。
飛翔と遜色ない跳躍は、野を超え、山を越え。
辿り着いたのは、メグメール。喜びヶ原。
北方山脈の麓である故に、王都などからはかなり離れた場所である。
湖の畔。
月のない真っ暗な夜、真っ黒な水面に星が映っている。
「―――さァて、と。到着到着。間に合って良かったぜ。」
男は相変わらず上機嫌でそんな言葉を漏らし、湖畔の対岸に見える河口付近と、そこに流れ込んでくる河川が通った山肌を見上げる。
■ロザリー > 上機嫌な男とは裏腹にロザリアは不機嫌そうに眉をひそめていた
それもそのはず、居虚を突かれたとはいえ城主をあっさりと連れ去ったのだ
件の鍵を渡してある故にロザリアの知己であることを城のものも把握していることではあるが、
それでも単なる散歩であると伝令コウモリに伝えたりなんだり、城の者達が動揺しないようにしなければならなかった
とはいえ、口約束とはいえ以前に約束したこと、それを違うほど落ちぶれてはいない
「───ここは?」
見慣れぬ場所にきょろきょろと辺りを眺め回す
■ソード > 自分勝手は相変わらずという事。
よくもわるくも、だ。この場合、悪くしかなっていないようであるけれど。
「んー?見ての通り、ただの湖畔だな。あの山の向こうが魔族の国ってぇやつだ。まぁ、さっきまで居たんだからそりゃわかるか。」
彼女の問いには分かり切った当たり前の答えを返す。
湖畔にはカエデの樹木が立ち並んで、葉を紅に染めている。水面にも、いくらかの紅の葉が浮かんでいた。
光源が星明りばかりでは、さほど映えるようなものでもないが。
何にしても、それだけの場所である。
カエデの生えた、あまり大きいとは言えない夜の湖の畔。
以前言っていた、「色気のある」というにはちと物足りないかも知れない。
■ロザリー > 「ふむ…成程、ここが喜びヶ原と呼ばれる場所なのか」
どうやら初めて訪れた様子で、湖畔の周囲を物珍しそうに眺めている
月が出ていないのもあり、あたりは少し暗く感じるものの、
吸血鬼の眼には特に問題はないらしかった
「でぇと、と言うには些か色気が足りんな、ソードよ」
■ソード > 「おっと、来た事ねぇのかい?まぁ、座標的にはぎりぎり、ってトコなんだろけどな。」
少し意外そうに彼女を見た。
まぁでも確かに、転移魔法だの何だのがある彼女らなら、平原などすっ飛ばして王都等に行ってしまえばいい事である。
なるほどなー、などと感心したように頷いて。
「まぁそんなに焦んなよ。ちぃと待ってくれやな。ロザリア、酒は?」
軽く笑いながら、ひょいと肩を竦めて見せて。
それからゴソゴソと、普段彼女と会う時は持っていないリュックを開く。
中から取り出したのは、ワインの瓶。ひょい、と掲げて見せて、問いかける。
一介のゴロツキが持っているには、ちと高級に過ぎるボトルである。
■ロザリー > チラリ、と酒を取り出したソードを一瞥
ふんっと小さく鼻を鳴らすロザリア
「ワイン<神の血>など吸血鬼が飲むわけがなかろう。
そもそも吾はこの通りの年齢で不死者となったのだ、酒は嗜まぬ」
胸部を除けばその姿は10代前半
どうやらお酒を飲んだことはないらしい
■ソード > 「何だ?じゃあパンも食わねぇのか?
うん?別に、そんくらいの歳で飲んでたぞ俺ぁ。……つーか、お前って歳に対して、乳だけ育ったクチなのか?それとも、乳しか育たんかったクチなのか?」
飲まない、という彼女。
ありゃ?と首を傾げて。神の血がダメなら神の肉もダメなのか、という問いかけ。微妙なところで妙な教養ばかりあるのは、経験の偏りの問題だろう。
つづけて、この通り、という発言を受けて視線が行くのは当然その体格不相応な胸部である。いたって素朴な疑問、という様子で男は問いを重ねた。
「っと、まぁ、無理にたぁ言うつもりはねぇが。
折角なんだ、ちろっとくらい舐めてみねぇか?こいつぁ美味いぜ。」
からり、と笑いながら、もう一度ボトルを掲げて見せた。
表情は、悪戯に誘う悪餓鬼の笑みである。
■ロザリー > 「食さぬ。お前は吸血鬼をなんだと思っておるのだ…」
なんだか呆れたような視線を向けつつ
「そ、そうだが何か悪いか…」
胸に対する言及はその通りだったようで、素直に肯定する
「む…」
正直儀礼用でもないワインは神酒というわけでもなければ、洗礼や祝福を受けているわけでもない
舐めるくらいなら平気だろうが……
■ソード > 「血を飲むのが好きな体質の連中。」
さらっと言葉を返した。
当たり前の事を当たり前に答えただけ、といういつものあの調子だ。
この男にとっては、本当にそういう認識でしかないのだろう。
「うんにゃ、別に。その乳ぁ好きだし、悪かねぇんだけどな。ちょっと気になっただけだよ。―――ただ、割と珍しい体型だよなぁ、ってな。それもあれか、不死者になった影響ったやつか?」
それとも、それ以前からなのか。
子供のように、疑問を素直に口にする。
「いいんじゃねぇの?なげー人生なんだろ?
ワインくらい舐めるくらいの不良っぷり見せたって、誰も文句言わねーよ。」
愉しそうに笑うのはそのままに、どうやら心が揺れたらしい彼女にもうひと押し。
そのまま男は、対岸に向き合うような形でその場に腰を下ろし、またリュックの中からゴソゴソと、木のカップを二つ取り出した。
高価なボトルを開けるには相応しくない酒杯かも知れないが、結局持ち運びできるのはこうした類である。
■ロザリー > 「好きでなくとも飲まねばならん。
ヴァンパイアの持つ不死性は、そういった条件付きの不死なのだ」
人間が飯を喰らうのと同じように
血を飲まない吸血鬼はやがて衰えていく
「そうかもしれんな。…これはもともとだ」
所謂トランジスタグラマー、ではあるものの極端ではあることは自身も承知しているのだろう
特に反論するでもなくそう答えて
「……そういう問題はないのだがな…まぁ良いか。
お前と何かを論議すると吾が一方的に疲れる」
はぁ、と溜息を付いてその様子を見守る
■ソード > 「ほー。んじゃあ、飯の変わりに血を飲む連中、だな。」
彼女の指摘を受ければ、ほうほう、と感心したように頷いて、自らの認識を訂正した。
訂正したところで、軽い認識である事には変わりないのかも知れないが。
「へぇ。世界ってぇのは広いな。はは、んじゃあまた揉ませてくれよ。」
彼女の答えには、やはり感心したように頷いて言葉を返した。
毒にも薬にもならなさそうな会話であるが、基本的に無礼であるのはやはり不変。
「そうかい?ま、いんじゃねーの。俺と喋ってる時ぁ莫迦になるって事でここは一つ。」
冗談めかして冗談にもならなさそうな言葉を返した。
彼女の方へ、空のカップを片方、ぽいっと投げて、ちょいちょいと隣に手招き。
そのあと、リュックから取り出したコルク抜きでボトルを開栓。
そのままボトルを掲げて見せて、彼女に杯を出すように示した。
■ロザリー > 「まぁ、間違ってはおらぬが…」
食物連鎖で人の上にあるもの
そして人間達の恐怖の伝承から生まれし怪物
そんなことは微塵も伝わっていなさそうである
「吾が自らそのようなことの許可をすることはいのだぞ、覚えておけ」
無礼な物言いにむっとした顔をになる
相変わらずプライドは高くガチガチのようであった
「む…うむ…」
ぽんっと投げ渡されたカップを受け取って、いそいそと隣へ
両手でもったカップを差し出した
■ソード > 「別に、普通に飯食ったりできなくはねぇんだよな?」
彼女の懊悩などどこ吹く風。
首を傾げて問いを重ねる。
彼女が、その意味をしっかりと言葉にして口にすればそれは男に伝わるのかも知れないが、多分男自身にはさしたる意味を持たない認識となる事には違いないだろう。
「知ってるよ。けど、別にいーだろー。減るもんじゃねーし。あと、よくするぜー?」
むっとしたような顔を横目に見ながら、答える。
相変わらずと言えば、男もやはり相変わらずであった。
そもそも、最初の夜の事を冷静に考えると、今のこのやり取りやら関係からして、恐ろしく不思議である。
「ボトルに入ってる限り、お代わりは自由だからなー。」
などと言いつつ、木製カップに赤い液体を注ぐ。
彼女が普段好んで飲む、血液とよく似た、しかしまったく異なる液体。
自然の恵みと、人の手と、そして時間が育て上げた滴。
カップに注ぐと、いい具合に開いた状態のボトルであったのか、まず華やかな薫りが立ち上る。
こればかりは、酒、特にワインにしか出せない薫りだ。
彼女のカップに注がれた、ほんの少しの液体がまるで両手いっぱいの花束のように。
男もまた、手酌で自分のカップにドブドブとワインを注ぎ入れた。
そして、カップを軽く彼女の方へと掲げて。
「んじゃあまぁ、初デート乾杯。」
適当な事を言って、笑う。
■ロザリー > 「そうだな、人間と同じように食を楽しむことはできる。
生きるための糧とはならぬというだけだ」
事実、城での晩餐などを楽しむ機会も多い
それでもやはり生き血という美酒には到底及ばぬものなのだが
「吾の威厳とか尊厳とか目に見えないものが色々減るのだ!」
デリカシーのない言葉に思わず声を張るロザリア
まぁ、この男にそんなものを求めても無駄なのはわかっているのだが
「………」
カップに紅い液体が満たされていく
神父たちが神の血などと称するだけあってそれは血によく似る
この芳醇な香りは嫌いではなかった
「あくまでも吾の遺跡の探索を手伝ってもらった礼であるからな」
デート、という言葉に一言だけそう釘を差して、カップを合わせる
木製らしい静かな音が鳴る
■ソード > 「味覚ってのはあるわけだぁな。んー、消化しても栄養にならないで出ちまうって事なんかね。」
妙なところが引っかかるのは、相変わらずであった。
顎に片手を添えながら、少し首を傾げている。
「乳揉まれたくらいで、そんなバリバリ減るもんじゃねぇと思うけどなぁ。―――あー、そういうのが減らん誘い方でもすりゃいいんかね?」
それがどういうものなのかは、わからないが。
まぁ落ち着けよ、と自分で声を荒げさせておいて、男は暢気に片手を出しつつ彼女に言葉を向けた。
自業自得であるが、やはり怒鳴られてばかりいる気がする。
「拘るねぇ。別にいーだろ、ンな事どうでも。」
釘を刺されると、ひょい、っと肩を竦めて。
それでも素直に乾杯が成されれば、男は嬉しそうにカップを口元へと運んだ。
カップが鼻を覆うだけで、感じる薫りは更に強くなる。口に含めば、それはもっと顕著である。
軽めの舌触り。しかし深い。赤らしい渋み。遠くに感じる甘味。酸味。
複雑な味が口の中一杯に広がる。
飲み下す。
臓腑に落ちて尚、香りは鼻孔に抜ける。
「あー……うめぇ。―――さて、そろそろかねぇ?」
満足そうに眼を細めながら一言嘯いた後。
視線は再び対岸の河口、そして河口に流れ込む河川の通る山肌へ。
よく見れば、山肌の上の方がほんのり明るくなっている。樹々に阻まれていてしっかりとは見えないが、それでも夜を照らす灯がそこにあるようで。
■ロザリー > 「お前はもう少しいろんなことに気をつかえ…」
言っても無駄なのだろうなと思いつつもそう言って
「………」
じーーーっとカップに向き合って、ちび、と一口つける
「(渋っ…)」
思わず目を細める
よっぽど普通の血のほうが地味である
「む…?」
そろそろ、と言ってソードの向いた方向をつられるように見て
■ソード > 「なんか、似たような事毎回言われてんな。何をどーすりゃいいんだ?」
首を傾げて、彼女の言葉に問を返す。
と、ワインとにらめっこして、ようやく口をつけたのを横目に見ていたが。
まぁそりゃ初めて飲む赤ワインなど、渋いに決まっている。
その反応に男にしては珍しく、声を挙げて大笑い、という事はせずに。
「ま、のんびりだ。のーんびり、な?」
男は彼女と共に上方を見ながら、そんな言葉を向ける。
そしてリュックをゴソゴソと漁って、今度は何やら箱を取り出して。蓋を開けて相手の方へと差し出す。
中身はチーズである。鼻がきけば、燻製薫を感じる事ができるだろう。
このワインに限って、その味を劇的に変化させる代物である。
専門的に言うなら、マリアージュ、というやつだ。これがあれば、彼女にも少しは呑み易くなるだろう。
「とりあえず、これでも摘みながら、な。―――お。」
箱を差し出したまま、カップを口元で傾けた。
と、そこでまた山肌で変化。ゆっくりと、ぼんやりとしたいくつかの光が、河の流れに沿うようにして山肌からこちらへ降りて来始めた。
見ていれば、その数はどんどん増えて行って、見る間に河は水と共に光の流れる路へと変わって行く。
■ロザリー > 「相手の立場や事情、気持ちを考えて行動しろということだ。
好き放題思うがままに生きるだけではそれこそ野蛮なドラゴンと変わらぬぞ」
ソードは人であり竜でもある
その半分が人間であるならば、ある意味では自分よりも人に近い …はずだ
言いたいことが伝わってかどうかはさだかではないが、
吸血鬼に説教されるというのもなんだかな、であろう
齢数百歳になるとはいえ、見た目はこんななのだし
「ふむ…」
言われるままにチーズをつまみながら、再びワインを口にすれば、僅かに渋みが緩和されたきがする
程よい酸味が口の中に広がる
なるほど、悪くはない
「もしやこの景色を見せたかったのか?」
光の流れ
それはある意味幻想的で、美しい光景であった
時間が停まっているとはいえど人の心を残したままのロザリアには、僅かにだがそれを感じることができる
■ソード > 「ああ、そういう。……別に考えてねぇって訳でもねぇんだけどな。
けど、俺ぁ俺の好き放題思うがままに生きてねぇと、足元だっておぼつかねぇよ。」
理解したように、頷いた。
まず返したのは、意外というか、ツッコミ待ちとしか思えない言葉であるが。
続く言葉を紡ぐ眼はどこか遠く、虚空の闇を見つめているようでもあって。
ともあれ、少しでもチーズがお気に召したなら、上場。あとは、口がアルコールの刺激に慣れてくれば、渋み以外のものも感じ取れるようになるだろう。
「ん?ああ、これも、そうだな。けどまぁ、まだこっからだよ。」
問いかけに、ちらと横目で彼女の貌を見て答えた。
だんだんと光が河を降りて来る。
ゆら、ゆら、ゆら、ゆら、と。
灯篭、あるいはランタンと呼ばれるものだ。
素材は、安い薄い布と木材だろう。
それはまるで、山の上から魂が降りてきたように、河口にたどり着いて湖に広がって行く。
水面に星を映すだけであった湖に、広がって行く魂の灯。
流れ流れて、後から後から、湖へとそれらは至る。
先ほどまでとは打って変わって、二人のいる湖畔も揺らめく幾つもの火に仄かに照らされる事になる。
先ほどまでは暗がりに立ち並ぶだけであったカエデも、水面に浮かぶ落ち葉も、今はその紅を彩るように炎に照らされている。
他に光源などない、自然地帯の闇の中であるからこそ、それらは一層に生えた。
今なら、傍らの彼女の顔も、先ほどよりよく見える。
■ロザリー > 「実践しなければ考えるだけ無駄というものよな」
苦笑しているが言うことはキツいロザリア
「これは…?」
なぜこんなものが川を流れているのか、ロザリアにはわからないようだった
カップを手にもったまま、ワインを口につけるのも忘れてその光景に見入っている
■ソード > 「俺ぁ、十分配慮してるつもりだぜ?」
けけっ、と笑って見せて答える。
その貌は、先ほどの遠い目とは違ってただのいつもの笑みであった。
「あそこのよう―――。」
男はワインに口をつけながら、視線を山肌へとやる。
「村ぁな。今日、収穫祭だったんだと。宗教行事ってぇより、風習なんだろな。実際昔は、宗教行事だったのかもしんねっけど。ほれ、今はや、や、……や何とか教だろ?それでも、風習として残ったんだろな。
んでさ、収穫祭の夜はこうして、あれを流すんだそうだ。
死んじまって山に登った魂が、また地上に戻って生まれ変わるように、ってよ。
だから、あのランタンの火は、魂の火なんだそうだ。」
己もまた、つい先日知った事である。
たまたま立ち寄った村で、聞いた話だ。
魂の火は、湖に広がり、湖畔を仄かに照らす。
魔道の達人である彼女には、そこにはいわゆる魔力の気配など微塵もない事が知れよう。
それは本当に、ただそういう名目で光を流すだけの行事だ。
であるが、彼らは祖先の加護を信じ、感謝し、そしてその感謝と弔いの念を込めて、光を流す。
「騎士は主の為に戦って、軍人は国の為に戦って、傭兵は金の為に戦う。―――んでもって冒険者は、ロマンの為に戦う。
って、まぁ昔世話んなった冒険者のおっさんに言われたんだがよ。」
男は立ちあがって、湖に軽く背を向けるように彼女を見て。
「こーゆーのは、ロマンがあんだろう?」
親指で湖を示して、やっぱり男は笑った。
■ロザリー > これだからこの男は言っても無駄なのである、と言った顔で肩を竦める
「…吾の生まれた小さな街にもそういった祭りがあったな」
ソードの言葉を聞いて、僅かに目を細めてカップに口をつける
こういった祭事を残す習慣は珍しいものでもない、が…確かにこう見れば綺麗であるしロマンなどと言うのもわからなくはない
「お前は何のために戦い生きるのだ?」
目の前の男は騎士でもなく軍人でもない、生粋の傭兵というわけでも、根っからの冒険者というわけでもないだろう
だからこそ少しだけその答えは気になった
■ソード > 「死んじまった奴の事を想って、それに対して生きてる奴がやる行事、ってのは、形こそ違っちゃいても世界共通なのかも知んねーな。」
彼女の言葉を受けて、視線を湖へと戻した。
湖の上を揺蕩う無数の火は、そしてまた湖を抜けて海へと向かう河の流れへと運ばれて行く。
その間に、魂達は平原へと散って行くのだ。
彼岸たる山と、彼岸たる海の狭間で。
問いかけが男の横顔にやって来た。
男は振り返る。
彼女を見る。
「俺が、俺である為、……いや、俺がここにある為、かね。」
少しだけ、眼を細めて、男は答えた。
笑みはなく。
視線を再び湖へ。
■ロザリー > 「くだらぬことだ。
死した者を思い続けるくらいならば死なせぬほうがいくらも楽であろうに」
不死者らしからぬ言葉といえば、そうだったかもしれない
どうも口をついて出た言葉だったのか、それ以上は言葉を続けずにワインを呷る
「戦い続けることが自身の肯定とは、
連れ添い共に生きる者でも見つけたらどうだ?」
その言葉からは孤独を感じた
孤高ではなく、孤独を
■ソード > 「そうじゃねぇよ。」
振り返った。
「そうじゃねぇよ。死んだ人間を想い続けるのはそうかも知れねぇけど、こういう行事は、そうじゃねぇ。
死んじまった奴を、きちんと死なせてやる為に、やるんだ。」
言葉を返した。
魂の火を背中に受けながら。
ランタンは、もうずいぶんと湖から流れてしまい始めている。
再び闇が、湖畔を覆い始めていた。
「別に、戦じゃなくても同じだ。戦は、そのうちの一つだよ。
はは、連れ合いとかは関係ねぇよ。
俺の事は、最終的には俺が確かめねぇといけねぇ。他の誰かがそれをしてくれたとしても、それは俺が自分を確かめる助けになるだけだ。」
彼女の受けた印象は、きっとひどく正しい。
男は再びその場に腰を落とした。
男は孤独だ。力があるから?半竜だから?
そうではなく。
男の根本的な世界認識が、現実認識が、そうなのだ。それは、今の会話の中にも滲むものである。
■ロザリー > 「死を知らぬ吾には理解の及ばぬものだな…」
思えば、人間だった頃もこのような祭事に参加した記憶はない
ただただ、魔女の家の人間だと蔑まれ続けていたから、外に出なかったというのもあるが
「寂しさを感じないのか?お前も半分は人であろう。
既に人を捨てた吾でさえも、いなくなると寂しさを感じる者がいるというのに」
■ソード > 「でも、お前さんを残して死んじまう奴ぁいんだろ。」
首を傾げて問いかける。
彼女が不死でも、そうでない者もいる。
「人かどうかは知らんけどな。
俺だって、寂しいだとかって感情はあるさ。エルじゃあるめぇし。
俺は、世話んなってる店のやつがいなくなっても、実験見せてくれた錬金術がいなくなっても、一緒に肉食った奴がいなくなっても、何か知らんうちに仲良くなってた女がいなくなっても、感情知りたいとかヌカす人形がいなくなっても、んでもって、おめぇさんがいなくなっても、寂しいと思うぜ。
けど、それと俺以外が俺を認められねぇのは関係ねぇさ。」
視線を湖へ向ける。
もはや魂は、殆ど全て流れてしまった。湖面には変わらず、星空が映る。
だってそうだろう?
と男は前置いた。
「俺なんてもんを証明するもんは、この世界にゃどこにもねぇんだから。別に、俺に限った話じゃねぇけどな。
だからこそ、少なくとも俺は、俺を感じている俺自身は、俺はここにあるって『決め』てやんねぇとだろう。」
こんな事でもなければ、きっと口にはされない、男の根底にあるものだ。
男が常に持ち合わせている、「我」と「己」の正体。
■ロザリー > 「吸血鬼が人の血を吸うのは生きるためだけではないのだ。
長く永く生きながらえる自身と共に在ることができる、そんな同族を増やしてゆくのだ。
それに……」
一度言葉を切って、星々の瞬く虚空を眺める
「死が、共に在る者達の関係を別つことほど恐ろしいものはない」
「寂しいと感じるならば繋ぎ止めれば良い。自らの元に、決して離れぬように。
自らを自らで肯定し続けることが出来ているお前が、吾はすこしばかり羨ましい…」
言いつつ、視線を湖面へと落とす
賑やかな灯りは消え失せ、静かな星々がどこか寂しげに煌めいている
■ソード > 「ははーん、ああ、吸血鬼はそうか、そうやって増えるんだっけか。」
顎に片手をあてつつ、ふむふむ、と頷いて。
続けて彼女が漏らした言葉を聞けば、一瞬だけ黙る。
そしてぽつりと、そうかねぇ、と嘯いた。
「俺には、もっと恐ろしい事があるような気がするけどな。」
恐れなど、ない、と。
そんな風に生きている男の口からは、そんな言葉が続けて零れた。
「はは、まぁ、それなりに繋ぎ止めてるつもりだけどな。ンでも、そいつらだってそいつらの現実生きてっからな。―――ああでも、うん、だからこそ、おめぇとはこうしてデートしてるわけだ。
そうかい?でも、みんな、結局生きてる以上、自分で自分を肯定してるだろ。じゃないと、ジイシキなんてもんは一秒だって保ちゃしねぇ。誰かに依存してるっつっても、その誰かの存在を認める為にも、まずは自分の感覚を肯定してやらんとならん。」
故に、人は皆孤独。
その孤独の上にこそ、縁がある。
少なくとも、男はそう信じていた。
湖面から、もう一度彼女に視線をやる。