2015/10/31 のログ
オーベ > (しばらくぼんやりとそのまま、草地の地面に寝転がっていたが、ようやくやる気になったのか立ち上がる。服を叩けばパラパラと埃が落ちて、それを顔に受けた老犬が迷惑そうに飼い主を見上げた)悪い悪い…食事にしよう。南で食った煮込みには遥かに及ばないが、俺の料理も捨てたもんじゃない………と、思いたい(基本的に保存の効く食品を鍋にぶち込み、煮込む。気分気分によって山や森で採取できるハーブが入る、と言った程度のモノ。不味くはないが、人に自慢できるほど美味でもない…その程度の料理と日持ちのする固いパン…粗末な食事を作るため、老犬を伴って小屋の中へと歩いて行くのであった)
ご案内:「小屋」からオーベさんが去りました。
ご案内:「マグメール王城内・宴会ホール」にオルヴァさんが現れました。
オルヴァ > フォンローク伯は参列者を次ィ次ィといなしている。
まるで話すことはないのだと言うように。

「これは、これは……、この期に王戦に意欲的な
者を見定めようと思いましたが。あまりコレはという方がおりませんね」

騎士服をかっちりと着用した金髪の騎士が一人。
彼は名家フォンローク伯の三男。今回、足を使えと言われてはいるがつまらなそうにワイン片手で壁際で会場を値目す。

「王位の暫定すらままならないと、やれやれ我が国は先行きが暗い様だ。
一体どうなることやら。」

先日の海戦で得たことは大きい。
相手は巨大な化け物イカだったがセレネル海でそんな魔物が住んでいるなら頻繁に報告があるだろう。
知っていた事だが魔族の侵入が酷過ぎる、航路上はまだしもメグ・メールであんな物が暴れてみろ、周辺の村落は壊滅するのは容易い。

「神聖都市の坊主どもが不安の種ですね。ノーシス主教あそこはどうも
――臭い。」

つぶやき、眉間を解す。今、考えるべきは華美なパーティーだ、気は進まないが与えられた役目を果たすため
会場に戻る。
これならば戦場で剣でも振っていたい。

ご案内:「マグメール王城内・宴会ホール」にナルラさんが現れました。
ナルラ > 会場に一人の男が現れる、礼服姿であるが手には巨大なダガー状の宝剣を持っている
「生きていたか死に損ない、呼ばれたから来てやったぞ、いつまでも青二才の小童と見くびるな、引導を渡してやるから面をかせ」
(意訳:ご老体、ご招待いただきありがとうございます。私めも日々精進を行いそこそこの腕を上げてまいりました、よろしければ一つお手合わせをお願いできますかな?)

それはフォンローク伯独特の言い回し、数年前かの伯爵に武術の教えを乞うた若き王子が現れそのまま剣を構える。

この言葉を聞き、普通ならばダンスの一曲をお付き合いいただけるかという誘いの言葉のニュアンスを感じられるのなら、この宴会の参加者の中で伯と同じような感性の持ち主ぐらいだろうか?

ご案内:「マグメール王城内・宴会ホール」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
オルヴァ > 「ああ、これは殿下。ご機嫌ですね、いやはや健勝なようで
なによりです」

金髪の騎士がナルラ殿下に駆け寄り声をかける。

「覚えていられますか?オルヴァンデールです
いやはや懐かしい、ご立派になりましたな」

にこやかに微笑む

チェシャ=ベルベット > 武芸に秀でた貴族たちでにぎわう会場の片隅。
鍛え上げられた武人が多くいる会場にはあまり見かけない、見目の良い少年がグラスを持ちながら一人眺めている。

マイナーな男爵の子息ベルベットという名前を借りて王城内に潜入したチェシャは
フォンローク伯の催した宴の真意と王城内の情勢を見極め、情報を入手するためにここにいる。
老いてなお壮健なフォンローク伯爵の声は張りがあり、軟弱なものなら声をかけられただけで卒倒しそうだ。
こういう快活な老人は嫌いではない。

対して客人たちが割れる様に引いたその先にはかの有名なナルラ王子が宝剣を携えて傍若無人な挑戦を突き付けている。
彼のその覇道ぶりは王城の事情に詳しいものなら誰でも知っているだろう。

(これは面白い見世物になったぞ)

心の内でひっそりそう思いながら事の成り行きを見守る。

ナルラ > 「ああこれはオルヴァ殿、その節はご指導ありがとうございます」
とさっきまでのフォンローク流の口調ではなく、丁寧な口調でこちらも返す。

「おかげさまで、武術に関してはそれなりの練度を詰めました、数年前とはいえまだひよっこだった私に手ほどきを頂いたからですよ」

そう言いながら、剣を構え直し

「久しぶりに、手合わせを願えますかな?」

言より武で示せ、それこそがフォンローク流である

ナルラの敬愛するナルラート王がその武に惚れ込み、貴族へと取り立てたフォンローク家。
幼かったナルラが武術を習うにはこの家しかないと思ったのは、そういう理由だ。

今日の宴会、まだ誰も剣を抜いていない、ならばここは態度で示すべきだ。
無論木剣等ではない、真剣で行うのもフォンローク流である

チェシャ=ベルベット > 剣を構えた王子に金髪の優男が話しかけて持て成す。
事前に仕入れた知識ではあれはたしかフォンローク家の三男坊。
名前をオルヴァンデールと言ったはずだ。

どうやら彼らは顔見知りらしい。
ナルラ王子の相手は彼がするようだ。まぁ確かにあのご老体には少々辛かろう。

にしても覇道の王子に、フォンロークの金獅子、いや好戦過激な貴族の手合せか。
ナルラが構える剣は真剣であり、下手をすればこの会場内で死人が出かねんものだが……
武人の集まりとはいえその奥方も付き添っていればさすがに悲鳴ぐらい上がるだろう。
会場のざわめきに溶け込むように、周囲の人々が二人を取り囲んでみる中でチェシャもそっと混じった。

オルヴァ > 「はは、逞しく、勇壮になられたようで。
然り、武をもって以後の経緯を語りましょうか」

ゆらりと長剣を抜く、静かに離れ円を描く。
周りの招待客に見せるように

「いまだ殿下に手ほどきが出来れば良いのですが。
――っふ」

まずは3閃、頭、首、手首と浅く誘うように剣を滑らす。
王族相手に酷い対応だ。

ナルラ > 「ははは懐かしい、フォンローク伯は始めの頃はよく鉄拳で語ってましたからね」

長剣を抜く姿は流石フォンローク家の者だけあって様になっている。

自体を理解した観客たちは、二人を取り囲むように、半径6メートルの円形になってその様子を伺う。
無論観客に触れるような事があってはならない、それもまた自然とできたルールだ。

「何、オルヴァ殿は現役、こちらが習うことは多いですよ」

涼やかに答えながら剣を紙一重に避け、手首への一撃はダガーを滑らせ受け止める。

「最近はどうですかな、第7師団に入られたとか?」
そう言って剣で防ぎながら近づき、間合いを詰めそのまま腹部へと蹴りを入れる。

チェシャ=ベルベット > 武に通じるものが二人相対すれば自然と客人たちは彼らの邪魔をしない様に離れて遠くから取り巻く。
オルヴァの剣を抜く立ち姿もさすがと言わざるを得ないが、まだ彼は小手調べの段階だ。
誘うような剣の動きにナルラの的確な判断と受け。
時折合間に聞こえる彼らの会話にも耳をそばだてる。

にしても随分と足癖の悪い王子様もいたものだ。く、と自然と口元が笑んでしまう。
まぁ戦場において使えぬ手を使わないという選択肢はおろかなだけなのだが。

オルヴァ > 「昔も手を焼かされましたが……今は足癖が悪く成った様だ」

剣から片手をはずし、拳で蹴りと打ち合い間合いをあける。
ふむ、と言うとひとふたみと数を数える。

「オーギュスト将軍ですね、先日セレネル海で義勇軍として参戦しましたね。
まあ、なに私個人は王国の剣のままですよ。
弟が遠征から戻り次第入団する予定ですね。」

笑みを浮かべながら、食事でもとる様に浅く剣を振る。
今度は4つ、流れるようにひらひらと

ナルラ > 「色々場数を踏み、暗殺者の相手もしましたからね、命を守るには己の全てを使えと教えられましたから」

拳と足が打ち合えばナルラもまた体制を整えながら間合いを開ける

「なるほど弟君が、対魔部隊にもフォンロークの力がはいるのは結構なこと」
そのまま剣を避けながら、再び間合いを詰めようとしていく。
こちらは全長45センチ、刃渡り35センチほどの短剣
オルヴァの剣を避けつつ間合いを詰めなければ、決定打も何もない。

「そろそろ体が温まってきましたか、観客の皆様が退屈せぬようそろそろ速度をあげませんか?」

そう言いながら戦闘狂の二人は笑みを浮かべながら攻防を繰り返していた。

チェシャ=ベルベット > 足技に対するオルヴァもまた随分と手癖の悪い防御の仕方だ。
なるほど、ナルラ王子がフォンロークに師事したのならばお互いの手管はおおよそ把握済みか?
心の底から戦いというものを楽しむ心持はチェシャには理解できない。
この二人は世界から逸脱した狂人のようにも思える。

二人の剣技や武闘もさることながらその会話にも気になる点は多い。
第七師団とナルラの唇が動けば、オーギュスト将軍とオルヴァが返す。
どうやら話の内容ではオルヴァが後々王国軍の第七師団へと入団するらしい。
チェシャの掴んだ情報ではなぜかここ最近王国軍の規模や軍事費が縮小されたと聞いている。
とくに対魔族に特化する団はその余波を大いに受けたらしい。とすると第七師団もそうだろう。
そしてそこに救いの手を差し伸べて支援したのは今目の前で剣を振るナルラ王子だ。

つまり軍備縮小はナルラ王子の意向ではなく別の誰か。
また第七師団に志願するオルヴァも自分が入団する場所に対して締め付けられることを快く思わないだろう。
自然と口元に指を当て、なにやらきな臭いものをかぎ取り始める。

オルヴァ > 「ははは、ばれていましたか?。」

笑ってそう言うと剣速をあげ、上下に剣を走らせ攻める。

「くくくっくはっあははははは――っ」

彼の貴族の悪癖が出始めると短剣でギリギリ守れる様な位置取りを狙いリーチを保つように連続して剣を振る。
斬撃の壁が王子を襲う。

ナルラ > 「はははは何を、剣の速度が以前のままだと、フォンロークの家名を持つものの恥でしょう?」

こちらもまた笑いながら剣を避けるだけでなく、手にもつ短剣で受けていく。
斬撃の衝撃は上手く身体をしならせ、逃しているように見える。

「思い出しますな、こうでなくてはフォンローク伯も満足しますまい」

お互い笑いながら、少しでも避けそこねば命にかかわるような剣舞を繰り返している。
お互い一定の間合いのままの攻防、いやリーチ的にナルラの防戦のままであるが、まるでダンスを楽しんでいるようにも見える。

「ではこちらも、そろそろよろしいですかな?」

そう涼やかに笑えば、ダガーの剣先をオルヴァの剣の腹に当てれば、ぎゃわーんと不協和音のような音が響いていく。

チェシャ=ベルベット > 観客たちが二人の白熱し戦いに息をのんで見守る。
ただこの広間には二人の剣戟だけが甲高く透明な音を立てて打ち合っていた。
突如高笑いを始めて攻めに転じたオルヴァの剣が苛烈を極める一方でナルラ王子も短剣で巧みに受け流す。

唐突にナルラの短剣が相手の剣に打ち付けられればひどく嫌な音がそこから発される。
空気をゆがめるような音に思わず尻尾と耳を隠していなければ全身の毛が逆立つような不快感だった。

(……振動の魔法か)

魔術師としての心得のあるチェシャは耳を手で押さえながらそれを見抜く。

オルヴァ > 「――っふ。」

何合かの剣のぶつかり会いの後、突然に剣をナルラ王子の
前に中空にふわっと放る。正気じゃない。
滑る様に間合いを詰め、片方は剣の柄に拳を当て撃つ。
残る片方の手で短剣を掴もうとする