2018/07/06 のログ
■フェゴール > (眠そうな目に似合わないかっちりとすた軍服。
腕組みしながら眉を潜めつつ軍帽の唾をつまむ少女は)
『のどかな風景……とまではいかんのか……』
(ぽつり呟く少女は不意にそこに現れ呟いた。赤いドレスの女性のいる場所から5mほど離れた位置で農地を眺めている)
■アルテリエ > (それにしても。不死者の、軍隊とは。
…元来多くの不死者は、支配的であったり独善的であったりはするが、
余所への積極的な干渉は…特に、短命種へのそれは、望まぬものだ。
この短期間に、繰り返し砦を攻め、攻めあぐね、それでも尚攻め続け。
…まるで。死人の癖に、生き急いでいるようでは。
それこそ生前その物、人間その侭のようではないか。
そんな者達だから、何をしでかすか分からない。
現に、生前の彼等は、侵攻の為に自国内をすら荒らしたそうではないか。)
まさか、同じ魔族の軍隊を。気にしなければならないとは… な…?
(ぎょ、と目を見開いた。
その、魔軍の服装をした少女が、気が付けば其処に居た。
聞かれたか、も気になるが。それ以上に驚かされるのは。
……記憶が間違っていなければ。彼女は。…彼女も亦、「王」。)
■フェゴール > 『くぁ……。』
(欠伸ひとつこちらを見ている赤いドレスの少女に向ける視線は興味無さげなそれから、不意に少しだけ頬を赤らめて)
『ぁぁ、そこの……服を着てない君……。』
(ちょいちょい、とどこか照れたようなそぶりで手招きする。一瞬、眼球の奥が細かく瞬いて。そのドレスが能力によるものと見抜き照れるという所業を2秒ほどでやってのけ)
『ここ最近で、魔族の国に何があった?
寝ている間に、どうも随分と辛気臭い雰囲気になっている気がしてならんが?』
■アルテリエ > え。…えぇ、あー…その呼ばれ方は。不本意――ですが。
(確かに既製品を着用している訳ではないが、如何なる形にもなり得る、万能素材を纏っているような物だ。
流石にストリーキング呼ばわりされるのは如何な物か、と頬を掻き…
いや、いやいや、と。直ぐに首を振る。
魔王と呼ばれるお方に、己は何をツッコむつもりなのか。)
――失礼。
…お目覚めになったばかりでは、ご存じありませんか。
……人の軍勢が、此方の国へと踏み入りました。
水晶の谷、宵闇の城。彼のお方の御座迄入り込み――討ち取られたようですが。
被害は決して少なくはなかった…という事で。
■フェゴール > 『体液を纏っていることが着衣というのかというと微妙な気はしないかね?
概念的な問題になってしまうかな?
まぁ、視力の魔術解析を少し緩めておくことにしよう。
そうすればお洒落なドレスに見えなくもない。』
(疲れ目のような人差し指と親指で眉間を押さえてぐりぐりする仕草をすれば、緩めておいたことになっているらしく)
『ほぉ?あのキルフリートの城までか……』
(顎に指を添えて、二度ほど首を左右にひねれば)
『それは少々出しゃばり過ぎというものだな……ここ数年人間に甘くしていたせいか……』
(一人ごちながら少し悩む。そもそも人間に嫁入りしているのだ、甘くとかそういう事じゃないレヴェルで人間に寄っていた数年である)
■アルテリエ > ですが、羊毛然り絹糸然り、生物由来の物であって。
似た様な物でhないかと――えぇ。
そうして、頂けると。助かります。
(生まれてこの方当然のように思ってきたが。
唯一の能力を、こうも問い詰められてしまうと。些か不安になりそうだ。
…幸い、此処で一旦、話題を区切る事が出来そうで。
己の方は首を振り、額を押さえ。…もう少しだけ細微に、華美に。
相手が目元に手を遣った数瞬で、ドレス自体も作り変える。
見られ方というのも、気になるもので。)
彼のお方と因縁が在った将――との事で。
その者は討ち取ったものの、人は報復を恐れ、躍起になってタナールを固めているらしく。
……過度な禍根が残るというのも。考え物なのでしょう。
(それも憂慮し、前線にて膠着状態を、不戦状態を維持しようとしていた己である。
魔の王に、甘い、と言われてしまえば。少しばかり目を伏せるか。)
■フェゴール > (瞬間。消える間も見せずに間合いを詰めて、相手の頬を伸ばした片手の指先でくすぐるように撫でようと)
『なんだ?可愛い子だな君は?
名を聞きたいが?』
(軽く微笑みを浮かべつつの台詞は。自分が目線を直している間にドレスが少し華美に細微に作り替えられていたことを言っているらしい)
『成程ねぇ、報復を恐れて……ふむふむ。
因縁とあらば仕方のないことか……。
バランスが取れていれば……まぁ良いか……。』
(考え事をする指先は放っておくとアルテリエの顎の辺りを子猫宜しくコショコショと撫でようとしているはず。考え事をしているせいもあるが、好感を持つとスキンシップがアレするようだ)
■アルテリエ > ぅ …!?
な、あ。 そ――の。
…失礼。…アルテリエ。アンヴァクセン三女の、アルテリエ――と、申しま …す。
(そして此方は。一旦ペースを崩されると、なかなか普段通りに戻れないタチだ。
いつの間にか。としか言えない速さで距離が縮まり手が伸ばされ。
猫でもあやすような素振りで、頬から顎へと指が這う。
ほんの僅かな高低差。覗き込まれる瞳が、どうしたものか、と左右に揺れて。)
――――この侭、互い手を出し倦ねる…という形が。
今暫く、続いてくれれば、良かったのです――が。
彼方が恐れるのも当然かと。
報復は既に始まっていますので。
新たに第七軍が創設されました。彼等が、砦攻めを行っており…
(ふと、眉を寄せた。
丁度彼女が現れた際に思案していた事を思い出したから。
ただ、一見沈痛な面持ちも。
顎を擽られ、その感触に、些か頬を染めた状態では。何とも締まらない。)
■フェゴール > 『アンヴァクセンという名はデータベースを当ってみればあるかもしれんが記憶にない……が、アルテリエ、君のことはちゃんと覚えておくよ?なんと呼ばれたいかな?』
(眉を寄せて難しそうな顔をする少女の顔を覗き込むように翡翠の瞳を寄せ、軽く首を傾げながら両手でアルテリエの頬を顎をくすぐるようにうごめかせつつ)
『まぁ、偶にどちらかが突出しすぎた場合に調整するのが私たちのような者の役目でもあるが……今はまぁそのままでもいいか……そういえば今の旦那と会ったのもその業務中だったなぁ……ニンゲンの軍勢をあらかた掃除し終えた後に……』
(アルテリエをコショコショしながら感慨深げに昔語りを始めてしまいそうだ。
2~3年くらい前と、魔王にしては最近の昔話)
■アルテリエ > そう、古くはありません。…だからかと――いえ。…家とは、関係なく。
名で以て呼んでいただければ……
(それは珍しい我が侭だった。自分自身、己個人、を見て貰いたいと。
先程の内容如何はともあれ、彼女のこの瞳が、多くを見透かし見通す事を。
知ったからこそか。)
らしくはないと、承知で言わせていただけるなら。
…出る杭同士を討ち合う事なく。それなりに、やっていければと。
思わないでも――ありません。私は。
(未だ擽られ続けている。流石に、触覚的に辛くなってきたか。
首を傾げた…ような、顎の触れられる位置を変えたがっているような。
僅かに目を伏せ…それから。瞬いた。)
旦那。 です、か。
(いや。別に、外見が年齢と一致しないなど、当たり前なのだから。
彼女が既婚者であれ、それがつい最近であれ、或いは神代の事であれ、別段不思議はないのだが。
それでも、意外だと言いたげになってしまう声。)
■フェゴール > 『確かになぁ……私はここ数年動いている以外はしばらくは寝ていたし…』
(指で擽りつつ、両手で相手の瞳を覗き込むように顔を寄せる。考え事をしているのと同時進行で相手の様子を観察しているという所か)
『君は賢い子だな……そうだよ調和、魔族も人間もそこそこ煽って頑張らせるのは大事なのだけどね、どっちかに優勢が傾きすぎるのは良くない。そうやって文明は発達するし、出る杭はなるべく打ち合わず。出たら早急に打ち……バランスを保つのは……大事なことだよね。』
(撫でる指先がアルテリエの顔を引き寄せ、耳元で吐息を吹きかけるように囁く)
『そうそう、旦那。
人間の子にね、凄い口説かれてね、ほだされちゃったんだけど。
最近はちょっとマンネリ……今そんな感じかな?』
■アルテリエ > ………あぁ。…あー……
(納得した、と。そんな声。
何せこのお方が魔王として冠するのは、「怠惰」なのだ。
日がな一日、どころか。何年寝ていたと言われても、仕方ないよねと思うしかないだろう。
それに。あまり細かく考え続ける事が、出来なくなってしまいそうだ…頬に触れる両の掌。
囚われ、寄せられ、見つめられ。それこそ、瞳と瞳越し。何処迄覗き込まれてしまうのか。)
…煽る、は。考えておりませんでした。
特に人は、余所から煽られる必要もない。…生き急ぐ分、我々よりもずっと、自発的で行動的で。
だからこそ、闇雲で性急でもありますが。
――何時迄、維持していけるやら。出来れば長く、続けたいものです。
(無論。唯均衡状態、緊張状態、膠着状態…その侭だけで良いのか。
考えないでもないが。今は、良いだろう。先ずその状態すら保てない、どうにか其処迄戻さなければいけない、というのが現状だから。)
にしても。…人の子、に。其処迄。私に…は想像も…… っ、っひゃ ぅ!?
(あぁ、しまった。色々意外すぎる話題に、すっかり油断させられていた。
瞬く瞳を通り過ぎ、不意に耳元を擽られ。背筋が総毛て声音が跳ねる。
こんな声、誰かに聴かれてしまっていたらどうしよう……
勿論。当事者たる魔王様には、ばっちり聴かれているのだが。)
■フェゴール > 『偶には微調整くらいはしないとね、煽ったり叩いたり。
とまれ、君は賢いしおおむね正解だ、可愛いしお利口さんだね。』
(たまにはの単位が数十年から数百年なので、本当に働かない魔王である。)
『そう、可愛い声で期待してくれている所悪いけど。
「僕」は…ここしばらくは人の子にうつつを抜かしている駄目な魔王様なんだ……』
(耳元で囁けば吐息が触れて、翡翠の髪が触れ、唇が触れるほどに。その細い指先をアルテリエの唇にあてがい)
『お利口さんのアルテリエ……血はお嫌い?……』
(指先でアルテリエの口内を軽く擽ってみよう。恐らく吸血鬼ではあると思うが。以前キルフリートの彼女は己の血を魔王の血を、美味しいとか力を得るとか、そういうことがあったようななかったような、わすれたけど)
■アルテリエ > 機械のように…と、いければ。良いのですが。
…正直、私には。難しくて――
(複雑精緻な機械がか。混沌極まる人心がか。
苦笑めかせて綻んだ唇は。ただ、其処に指先を差し出されれば。
ひくつき、引き攣り、そして。)
っん、ふ ぁ。……そう仰る割に…
酷いな、こんな言い方、されてしまうと――
(ぞくりとした、悪寒めいた物に衝き動かされる。
その指先さえ間になければ、堪らず唇と唇が、その侭重ねられていたのではないか。
唯、代わりにも似てその指先が、口中にすら与えられるなら。
小さく、弱く。恐る恐る。それでも確かに吸い付いて。)
っは、… それでも。如何なるお方でも――
此処で、耐えろと。お預け、と言われるのは。
……あまりに、耐え難い――――
(彼の方でさえ惹かれる、魔王の血。等級の低い吸血鬼にとっては、さながら、毒。
…あらゆる意味で耐えられず。受け止めきれるかも分からず。
それでも、求めずには居られないような。
与えられた指先に舌を這わせ。許しを請うよう、胸元で手を重ね。)
■フェゴール > 『できることできない事、それらを把握できているなら重畳。』
(指先でアルテリエの口内を弄びつつ、その吸い付く感触に、心地よさそうに笑みを浮かべ、頬を紅潮させる)
『なんだい?嫌らしくしゃぶってくる割には、指じゃあ不満かな?
まぁ僕からご褒美と言ったんだ……』
(軍服のジャケットの釦を緩め、シャツの釦を一つ二つ三つ、黒い下着がチラリと見えるその白い首元をこっそりと晒して)
『おあずけ……って言ったらどうする?』
(いうつもりはないのだけれど、早くしないと言っちゃうぞと、悪戯めかして)
■アルテリエ > 出来る事は。
今暫し、模索して――もっと、増やせれば、と。
そうすれば……この場所も、もっと…
(今回逃げ出す事も。巻き込まれる事も。無かったかもしれない。
願わくば、次は無ければ、という思いが。一番強いのだが。)
ゆ…び?っ、あ、勿論。これだけ…でも、私には――
――っ、 …ひぅ… ぅ赦 しっ……ごめ …んなさい、…
私は。私……は、我慢、出来ませ ん…
(気を抜けば、その指先に食らい付いてしまいそう。
血の馨がしなくとも。その指に、膚に、躰に……惹かれる、魔。
まして目の前に胸元が、否、首筋が晒されなどすれば。
息を、唾を飲み。覗き込まれた瞳が、欲情にも等しく濡れる。
熱を燻らす吐息を、指に、掌に、吐き掛けてしまう浅ましさに。
恥じ入り身震いしてしまいつつも。)
くだ、さい、 ご褒美…この、浅ましい吸血の徒――に、
王の、ご褒美 ………!
■フェゴール > 『恥ずかしがり屋さんめ……』
(呟く瞬間。2人の周囲から外界の音が消え、色が消える。
色も音も、2人が発する者だけの、限定的な結界のような空間)
『お行儀の良い子だな本当に……。
好きな所から、どうぞ?』
(上着を脱ぎ、羽織ったシャツの釦もはだけ、紅潮した顔で愉悦の笑みを浮かべ。アルテリエの頭を撫でてみよう。)
■アルテリエ > ぁ―― は。
(次の瞬間の、笑みは。
紛れもない獰猛な、血を啜る鬼の物。
処女の如く羞恥に震え、弱者のように恐れ戦き、その癖…与えられたこの機会を。
決して逃す事はない。
撫でられた頭が落ちる。顔を埋めるのは――剥き出しとなった、その首筋へ。)
―――― っ、っ ……!!
(そして。細い牙が、彼女の首に突き立てられた。
熱を循環させ、血が啜られれば…普通なら、吸われる側が溺れる筈。
だが、相手が違う。吸う側も、亦。)
は――ぁ、んぁ は ぁ あ、 …う くぁ……
(餓えて、甘えて、食い付いて。
啜る度、まるで存在その物が焼け付くよう。
気が付かぬ内、腕を回し、しっかりと抱き締め…縋り付き。何も無い世界に、唯、血の馨ばかりが充ち満ちる。)
■フェゴール > 『っ――――くぅっ……っは……』
(牙が突き立てられれば赤い血が溢れ痛みすらある。けれど吸血の鬼の牙というのはそれでも、どこか熱い吐息と甘い声を漏らされるのには充分だ。自分方抱きしめずに、両手はだらりと動かさないままで、抵抗せずに貪られるままに)
『ある……テリエ……んッ……そうそう……そういう感じも、可愛らしい……』
(喋り声には、時折熱い吐息が混じり、与えられる快楽は素直に受け入れているようで。)
■アルテリエ > っふ くふ――はぁ ぁっぁ、っ …ん、くん …
(幾度喉を鳴らしたか。鼓動の侭流れ出す紅い血を啜り、舐り。
間違いなく、過剰摂取。ごく少量で構わない吸血行為が、いっそ暴走めいてしまうのは……
それだけ。魔王の血という物が、甘美極まりない為に。
どちらが与える側なのか。それすら曖昧な程、血に乗った魔力に酔い。溺れ。
しっかりと…しっかりと。いっそ強すぎる程に、彼女の背を掻き抱き続け。)
―――― …っ、 ふ ――ふ ……ぁ …
(きっと。我に返ったのは、随分後。血濡れた牙を退けば、僅かに残した牙痕に舌を這わせ。丹念に舐って出血を止め、痛みを消し。
その上で。)
っ ん …ぁ。……申し訳、あり…ません。
こんな に。……彼の方の言葉も、分かりま――す。
貴方様の、血は。力は。 …とても、とても………
(未だ、酔っている。夢のような、悦のような。とろりと瞳を濡らす侭。最後に、首筋に甘い口付けを。)
■フェゴール > 『ふッ!……クぅぅンッ♡……やっ……っはぁ……んっ♡』
(激しさをます吸血行為に次第に甘い嬌声を上げ始め、すがるように真紅のドレスの布地を掴みながらも、長い吸血を受け入れ、幾度か強く身体を震わせていたのだけれど)
『ぁ……ふ……ふぇ?……ぁ、ぁぁいいんだよ?
美味しかった?……うん、それなら良かったんだ……ひゥっッ!?』
(どこかぐったりとした上の空な、呆けた顔で愛想笑いを浮かべて、赤い顔。最後の口づけに、生娘のような声を漏らしてしまい。しばし腕の中でぐったり、どうも、何度か果ててしまったようで。クセになってしまいそうだな、とか)
■アルテリエ > く――っ、ぅ あ……は――っ ぁ、 …美味しぃ……
い…え、それどころ ですまない程 …に…… っぁ、 や、 ま …だ、……まるで…
(何処迄も吸い続けて、吸いきってしまったら、と。
僅かな理性が、どうにか、吸血を中断させたものの。
雪崩れ込んだ力に、血に。快感としか言いようのない感覚が渦を巻く。
力の抜けた彼女の躰を、しっかり支え続けられる程、此方にも余裕はない。
緊張と弛緩が不随意に繰り返される両腕よりも。掴まれたドレス、その裾が形を変えて。
褥の如く、彼女も己も支えるように。
…吸い付いた首筋に。肩口に。額を預け目を伏せて。)
…気持ち、良い……よかった、ですか?
もし。そう……感じて頂けたなら――――
(勿体なくも、嬉しかった、と。甘える声。)
■フェゴール > 『そ……だね……またお願い、しちゃいたい…ハァ…くらい……には。』
(微妙に顔を背けて表情を隠しているのは、偉そうにしておいて結構イカされちゃったから照れているとでもいうくらいだ。支えられるままに、呼吸を整えるようにして。)
『だから……その………もっと欲しいなら……吸ってくれても……いーんだけど……ま……満腹だっていうなら別に……。』
(相手の頭を薄い胸元辺りに引き寄せ。素直じゃないねだり方、その後どれくらいそういうやりとりを続けていたかは外界から閉ざされた空間にいる二人だけが知っていることで)
■アルテリエ > ―― それは。 ……その、 …良いの、ですか。
もっと…はしたない、浅まし い所を。 ……見せてしまいそうで …すが……
(これは、反則だ。同じ魔として。偉大なる王として。…等ではない。
一人の少女としても亦。
抱かれた分抱き締め返し、此方からも、離れる機を逸してしまい…否、離れようと思えない侭。
果たして本当に、再び食らい付いたのか、それとも。
…事の次第を知る者は居やすまい。
ただ、叶うなら。今暫しその場にと…その願いだけは確実で。)
ご案内:「魔族の国」からフェゴールさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」からアルテリエさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」にゲイゼリクさんが現れました。
■ゲイゼリク > 魔族の国――殊更に国の中央部からは近くは無く、辺境と言うには少々内部に入り込んだ一角。
一人の旅装束に黒いボロの外套を纏い、ぶらりぶらりと目的地も何も無く歩いている。
年の頃は人間で言えば20代前半程度。170半ばの身長に黒髪、そして金眼。
別に珍しくも無い…ただ、旅の者にしては武器も道具もロクに持たない無用心さ。
ただ、その身が発する魔力や気配は魔族のそれで分かる者には魔王級だと察知出来るだろう。
(……なーんて、書類雑務から解放されたくて息抜きも兼ねて来てみたけど…うん、迷ったなぁ、こりゃ)
幾ら、【魔王化】の能力を得て魔王となっていても、この辺りに土地勘がある訳ではない。
空間転移などを用いれば帰れるのかもしれないが…使い方がいまいち分からない。
この魔王の力については、追々とちゃんと検証しなくてはいけないが…。
「うーん、街か村でもあれば一休み出来るんだがねぇ。…どーしたもんだろ」
この地に知り合いが居る事はまず無いだろうし、例えそうだとしても今の自分は外見も何もかも違う。
魔王化を解除すればいいだけの事だが、ソレをするのは自殺行為だろう。
そもそも、”息抜き”で魔族の国に来るという感覚がかなりアレなのだが…。
■ゲイゼリク > ちなみに、第六師団長として魔族の国の内情視察など……欠片も全然考えていない。
本当にただの息抜きであり、魔王化がどんな感じなのかも確かめる為。
…結果、見事に迷子になりかけているのはどうしようもないが。これでも一応師団長です。
「…取り敢えず、以前クラリッサちゃんから貰ったあのお茶は手に入れたいんだけどなぁ。
…あと、美味しい食べ物とかあれば言う事無しなんだけど…。」
人間の国と文化も食生活もまぁ違うだろうが、多分今の自分なら問題無いだろう。
…多分。魔王化といっても、中身は変わっていない…酷い言い方をすればガワだ。
魔王の核を某女魔族のお姉さんに調整して貰ったからこそ、このような姿になれているのだけど…。
「……うーーん、ガワとはいえやっぱり人間とそんな変わらないしなぁ。
…っていうと魔族さん達に悪いかな。…俺からすればどっちも同じなんだけどなぁ」
争いは世の中に付き物で、そういうのは幾らでも見てきたしそれで文化文明が発達する側面もある。
別に平和主義者を気取りはしないし、戦うべき時はキチンと戦うけれども。
「…憎悪とか差別意識とか優劣とか種の違いだとか、他にも何だかんだ…うーーん。もうちょいみんな肩の力抜こうぜーと、言ってみたいねぇ」
…で、肩の力を抜き過ぎた結果が今の男の現状にも繋がっているのだけれど彼に反省の色は無い。
流石にこれ以上歩き回ってもしょうがないので、丁度湖畔らしき場所に出たのもありそこで小休止を取る事に。
■ゲイゼリク > 「…あーーいいねぇ、この湖畔。……静かで落ち着くなぁ」
湖畔に一人座り込んでボーーッと湖面を見つめる。生き物の姿は伺えないが、魔族の国特有の魚などが居そうだ。
釣りでもしてみたいが、生憎と道具が無い。自作する程度の工作スキルはあるが…。
「…やー、むしろ帰れなくなったらどうしようかねぇ…現状かなり迷子だし。」
それに、王国に戻ったら書類仕事やら何やらで色々と扱き使われるのが目に見えている。
いっそ、”こちら側”で過ごすのもいいかなぁ、とちょっぴり思ったりしないでもないけれど。
(…それじゃ、意味がないよなぁきっと。人間側に居るからこそ…ってのもあるし)
人も魔も関係なく、どっち付かずでどちらにも寄り添える。傍観者というより俯瞰の視点。
何かを変える歯車には足りえないかもしれないが、その一助くらいはしてみるのもいい。
完全に傍観を決め込まない、というのはそれなりに思う事は色々あるからで。
「…やめやめ、小難しく考えると大抵はみょーな方向性になっちゃうしな…っと。ふぅ」
その場にゴロンと大の字で寝転がってみる。…魔族の国だろうが空は全く変わらない。空に国境は無い、とは誰が言ったのだったか。
■ゲイゼリク > 「個人的に魔族さんとは色々交流してみたいんだけどねぇ」
それが打算や駆け引き、欺瞞や猜疑に満ちていようと構わない。相手を知る事は相互理解の第一歩…だったか。
もっとも、一応は王国の師団のひとつを束ねる立場だ。そういう態度を迂闊に出せはしないが。
魔族に限った話ではなく、ミレーだろうとシェンヤンの者だろうと種族性別何のその。
「…この辺りはアレかなぁ。お前さんの影響かもしれんねぇゲイゼリクさんや」
当然か。彼の全てを契約により譲り受けて今のゲイゼリクという男が居るのだから。
ならば、”中身”関係なく彼の影響を受けていても不思議ではないのだろう。
その、彼と相打ちになった魔王の残したモノを更に纏っている、というのは皮肉じみているだろうか?
「……しっかし、どう帰ろうかねぇ。そもそも、ここ何処らへんだろ?
どっかの魔王さんか貴族さんの領地とかだと不審者扱い待ったなし!になりそうだけど」
寝転がったまま周囲を見渡してみる。慣れない魔力感知などもやってみるが反応は無い…逆だ、あちこち魔力がありすぎる。
魔族の国だからだろうか?本当、なまじ知らない分色々と好奇心を刺激されてしまうものだ。
「…っていうか、魔力ってこんな感じなのかぁ。初めて感じ取るけどすげぇ新鮮だねぇ、これ」
元より”魔力を一切持たない身”なれば。魔王化した事と、連動した魔力炉で感じ取れる魔力、という概念は面白い。
…面白いのだが、情報過多過ぎて処理に困る。人生初だから仕方ない…徐々に慣れていくしかないだろうか。