2016/08/14 のログ
ご案内:「魔族の国/魔獣の森」にハナビさんが現れました。
ハナビ > 「一、二・・・三っ!」

森の中でオークと戦う少女がひとり。一撃、二撃、三撃と掌底を放ち豚の魔人をノックダウンさせていく。
地に倒れた最後のオークを見下ろしてからふぅと息を吐き。

「前に比べて魔族としての力を抑えてるから、向こうに行くのも一苦労だよ・・・」

軽く肩を落としてから呼吸を繰り返し。そして再び森の奥を目指して歩き出す。目指してるのは魔族の国の王都。
目的はただ一つ、セリオンという女の手がかりと近づくための力。
ようは情報収集と修行目的で魔族の国へと潜り込んだ。

かつての庭とはいえ、単身で乗り込むにはなかなかハードな道のりだが、今のところは順風に進んでいるようで。

ご案内:「魔族の国/魔獣の森」にアリュースさんが現れました。
アリュース > 魔獣の森。
様々な魔獣が住むこの森に、アリュースは訪れていた。
強めの魔獣を何匹か適当に見繕い、王都の平民地区や近郊にでも放してやろうという算段だ。
オーク、ドレイクの亜種、マタンゴなど…。
出会うモンスターを、空間の隙間へと封印していく。

「にゅふふふ、大漁ですねぇ… おや?」

遠くの方から聞こえる打撃音。
骨が砕ける音、血の匂い…。

アリュースが現場に急行すると、一人の少女がオークの群れを蹴散らし終えている所であった。

(おや、これは…)

アリュースはその少女に興味を持った。
ベースは獣人のようだが、様々な魔力を内包している。
そして何より…可愛い。

「にゅふふ あなたお強いですねえ。一人でオークの群れをやっつけちゃうなんて~」

ぱちぱちと拍手をしながら、少女の前に躍り出るアリュース。

ハナビ > 「んっ・・・」

アリュースが出てきたのならばやや表情に警戒の色を出す。場所が場所故にこうして自信満々に正面から出てくるのは大抵ロクな相手ではない。

「ふふっ、ありがとう。貴女こそこんな森で一人で出歩いてるなら、相当強いんじゃないの?」

魔王・・・というほどの魔力は感じないが、底も見えないのはたしか。
魔族の大半は肉弾戦よりも魔法戦を得意とするし、風貌からしてこの魔族もまたそうだろう、とはおもいつつも警戒は強めていく。

アリュース > 少女の表情に警戒の色が浮かぶが、アリュースは笑顔を崩さず、明るい調子で話しかけていく。

「あらあら、私なんかまだまだですよぉ~ それに、危ない道を避けて歩いているだけですからね~ にゅふふ」

少女の問いに対し、適当にはぐらかして答える。
ピリピリしたムードが感じられ、戦闘になっても可笑しくはないと思ったからだ。

「あ、そうそう。申し遅れました。私、アリュース・アルディネって言います。よろしくおねがいします~ にゅふふっ」

アリュースは自己紹介をする。
その笑顔はとても明るいが、どこか胡散臭い。

ハナビ > 「むぅ・・・」

怪しい。というか怪しくない人なんかこの界隈にはいないのだが。
とはいえ警戒しすぎても仕方ないし、何より相手が自分よりはるかに格上なら逃げようもない。

仕方なく警戒のレベルを少し引き下げて自己紹介に応じる。

「ボクはハナビ。見ての通り獣人だよ。ミレーとはちょっと違う感じ。ねぇアリュース、ついでに聞きたいんだけど・・・セリオンっていう女の人、知らない?」

ちら、と視線を向ける。
今は強い戦闘をするつもりはなかったので、薄いタンクトップを二枚重ねとミニミニショートパンツにシューズといった格好。
開放的な格好から覗かせる筋肉のせいで性的にむちむちとした感じを見せるかもしれない。童顔の割に胸も大きく平たく言えばエロい体つきで。

アリュース > 「ハナビさん、ですねぇ~ 可愛いお名前~」

次の瞬間、ハナビの口から告げられた思いもよらない名前に、
アリュースは一瞬固まってしまう。

「セリオン…?」

セリオン。
その名前はアリュースの記憶に新しい。
神に選ばれた者を自称し、独特の思考を持つ彼女。
「快楽こそ真実、本能こそ正義」を教義とし、それを真実として広めている狂人。
彼女に力を与えようと接触したが、逆に陵辱されてしまった失態…。

だが、彼女と彼女の教団はやがて訪れる混沌のための布石になるだろう。

アリュースは少しの間真顔になるが、すぐに笑顔を取り戻して、ハナビの問いに答える。

「ええ。私は彼女を知っていますよ。どこにいるかも、知っています。…ですが、彼女をどうするおつもりでしょうか にゅふふ」

ハナビ > アリュースの反応が変わったのを見て、少なくとも何かしらはあったのかな、と察する。
しかしかといって今何かできるわけでもないし、とそのまま相手に合わせることにして。

「前に一度戦って負けちゃったんだよね だから、こんどはリベンジのために今は修業中なの。また魔界に戻ってきたのもそのせいだよ。 ボクは前はこっち側に住んでたんだ」

手についた汚れをパンパンと払いつつ、アリュースに向き直る。
敗北自体は珍しいものではないが、どうしてももう一度戦わないと気がすまなかった。二色の眸の黄色のほう、魔族としての魔力がチリチリと燃える。

アリュース > 「なるほど、リベンジですか…」

魔力を燃やすハナビの様子を見て、アリュースは考える。
果たしてこのまま、リベンジさせてしまってもいいのだろうか、と。
もし、ハナビが勝利してしまったら…?

しばしの思考の後に、アリュースは微笑みを称えながら口を開く。

「なるほど。わかりました。
 …では、私から一つ、アドバイスを。
 あきらめなさい。
 あの人は人間であり、人間ではない。物の怪の類です。
 また、オモチャにされてしまうのが関の山、ですよ にゅふふ」

ハナビ > 「むっ・・・」

ピクピクっと耳が逆立つ。相手が強いのは百も承知だが面と向かって言われるのはやはりプライドに触るようで。

「やってみなきゃわかんないじゃない。それに、諦めるって嫌いなのっ! 以前に一回諦めたことあってすごく後悔したんだから。 負けっぱなしでもいいやって思えるなら冒険者なんかやらないでお家でお嫁さんの修行でもしてるよーだっ!」

半ば拗ねたような物言いでぷいっと顔を背ける。子供のような反応だ。

アリュース > 「…ふ、うふふ… ふふふっ」

まるで子供のようなハナビを見て、
アリュースは思わず笑ってしまう。

「ああ、ごめんなさい。ハナビさん。
 …なんていうか。最近では珍しい考え方ですね。
 そのようなガッツのある人、嫌いではありませんよ」

そして向き直り、アリュースはある提案をする。

「そうですね…。
 では、ハナビさんの培った力を私に見せてください。
 そうしたら、セリオンさんの事、私が調べた範疇の事でしたら、教えて差し上げますよ? にゅふふっ」

無論、これは建前である。
ハナビの魔力を調べるのに、直接ぶつかってみるのが最も手っ取り早いと思ったからだ。
…勿論、魅力的な肢体にも興味があるのだが。

ハナビ > 「むー、笑わないでよっ!」

こっちは真剣なのに笑われたと思えば、余計にむぐぐっと悔しさがこみ上げてくる。
力を見せろと言われたらこの鬱憤を晴らすついでだし、どこまで本当かはわからないが対価も貰えるなら願ったり叶ったり。

「わかった。行くよ・・・!」

左右の手に巨大な爪のようなガントレットが2つ、形成される。
魔法で召喚するのではなく、魔力を固めて生み出すという魔法装甲に近いもの。ただまとっているものは魔法ではなく、闘気、気功といったもの。

そして地面へ指を食い込ませるようにして蹴り出し、一気に間合いを詰める。相手は魔族だし多少は強引でも問題ないだろう、と。

「五行十二形・・・崩虎っ!」

虎の連撃のように不規則な位置から急所を狙って放たれる爪の連撃。姿勢を低くしたり高く飛び上がったりと上下の動きまで含めて四方から斬撃を放つ。その勢いと魔力はオークを倒した時の比ではなく、魔法的な障壁を貫通しながら襲いかかってくる

アリュース > (ほう、これは…♪)

ハナビが見せた具現化魔力に、さらに興味を引かれたよう。
咄嗟に魔法障壁を張るが、ガントレットはそれを紙屑のように引き裂く、アリュースに襲い掛かる。

「しまっ…」

気功を纏った四方向からの連撃。
それをまともに受けたアリュースは吹き飛ばされて、背後にあった木に打ちつけられる。
体の前面には爪痕が大きく残り、ドス黒い血が溢れ出して。

「んんっ…♪ なかなか… 面白いですね… にゅふ、ふ…」

口端から血を流すも、微笑みは崩さずに。

ハナビ > 「直撃したのにその余裕ってことは、見た目ほどのダメージはないって思っていいかな」

手応えはあったし、ダメージもありそうだったが、向こうの余裕は変わらない。よほどの再生力を持つのかそれともこれは本体ではないのか。

「なんにせよ、まだ足りないみたいだからもっと行くよっ!」

背中からピリッと服が裂けていき、盛り上がっていく。
そこから生み出されるのは体内で使役している触手。ようやくと使いこなすことができたそれを背中から出現させ、先端に鋭い針を纏わせていく。そして自身の格闘攻撃に合わせてその隙を埋めるように触手が自律行動して敵を攻撃していく。

「一、二・・・三っ!」
上段蹴り、触手の針、下段突き、触手の針が左右から挟み込み、大上段からのかかと落とし、下段からの触手の追撃。
本来淫魔用に作られた触手は完全に武装の1つとなってアリュースに襲いかかる。
流れるような連撃がアリュースを包み込み、そのまま縛り上げていこうとするだろう。

「ふぅ・・・こんなものでいいかな?」
ひとまず捕まえたと思って勝負はついただろう、と判断する少女。
ここから怒涛の反撃がくるのかそれともこれで十分とするかはアリュース次第で。