2022/12/26 のログ
■ゼロ > 階段を降りていく、階段を下りる間さえも、音は殆ど慣らさずに動くゼロは、静かに、静かに、其処に居るのかいないのか、と言わん形で降りていく。
一段、一段、降りる毎に空気が冷えていく。基本的に牢屋というのは寒い物なのだろう、そんな風に考えながら、階段を降り切って。
そして、牢屋に繋がる扉を開いてみる。
建付けが悪いのか、将又、油を指していないだけなのか、ぎぎぎ、と軋む音とともに扉が開いていく。
扉が開き切り、長い廊下と、その右左にある檻の中。
魔族がいないのか、寝ているのか、諦めているのか、静かな物である、物音はかすかにするが、それぐらい。
看守は一応檻の手前で座っているのが見える、問いかけてみるも、問題ないとそれだけだった。
警邏として見に来ただけであり、邪魔する積りも毛頭はない少年兵は、状況の確認にとどめる事にして、階段を上っていく。
次の行き先は―――と、思った際に、時間が来たようだ。
交代要員の二人組が、自分の基にやってきた、引継ぎの時間だ、というので、少年は引継ぎを終わらせる。
特に問題はなかった、ただそれだけだ。
問題が無かったことを確認し、引継ぎが終わったので、少年は足を向ける。
食堂の方へと進み、食事をしよう、と。
夜でもやっている食堂は、流石に時間も時間なので、人が多い。
まあ、この時間まで酒を飲んで騒いでいる奴らが殆どで。
取り合えず、カウンターへと言って、食事を注文。
お盆と、皿に食事が提供されて、それをもって、隅の方へ。
酒を飲んでいる彼らと話しても、面白くなさそうなので。
■ゼロ > 暫しの間食事をしていて。
食事が終われば、後はすることが無くなって。
酒を飲んでいる彼らを背に、少年兵は立ち上がり、宛がわれた部屋の方に向かっていく。
そして、食堂から去って行ったのだった―――
ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > タナール砦
奪い奪われる場所 その砦だけが一切崩されず均衡を保つ
境界線 奪い合い 浸食無き浸食 染みのように広がる処か
その染みが反転し続ける場所。
その闘争の場で、砦の門前 躯が幾つも二つに分かれて転がっている。
亜人 魔族 獣人 染みの多い肌の人間。
その傍には一本の巨剣 いや 巨大な槍の穂先が突き刺さっている。
血 飛沫 どこから斬って どこへ流れたのかがわかるような赤い痕。
それを残す質量武器を残したまま、砦内部では未だ闘争の音が響いている。
「―――シャアアアアアアアアッ!!」
赤い瞳 ギザ歯 黒い鎧
それだけでダンタリオだと知られるくらいに
赤の他人ですら、メイラの重ねてきた忠義の印は知られている。
両手に携えるのは、砦の中でこそ活用されるかのような双子の半月鉈。
肉抜きされた握り柄を正手逆手、交互に握ったそれで建築内の道で 間で
一体と 二体と 三体と対峙しながら剣撃を重ねていく。
攻撃回数が売りな獣のような動き 重なる剣花と共にぶつかり合う硬質音が砦の中
火明りがある場所でも拠り強い剣花が咲けばその飛び散る様が目で追える。
剣を弾き、剣を破壊し、脇腹 首 手首 双剣術で切り取れる場所はいくつでもあるというかのように
駒のように回りながら繰り広げる咲き乱れる剣花が知らせる。
時折赤が咲きながら、防御に回る方向で唐竹割りを受け止める交差。
それと共に、非常に柔らかい関節を開いた、Iの字 真っ直ぐに開ききった靴底蹴り
―――“ガコォッ!”―――
脳を揺さぶるのではなく、下顎の歯が鼻と熱い接吻を交わすくらいに潰れた様子。
浮いた相手を影に、再び俊敏な動きを再開した様子。
武器でなくとも、ダンタリオを張れると言わんばかりに、握るやり方では
まるでメリケンサックを扱うように握りこんだ肉抜きの柄で殴りつける様子。
兜に対し陥没が何かを差し込むような穴が開いていると思えばいいか。
化け物 ケダモノ 魔と人間の境目を無くした化身
トラバサミのような綺麗に閉じた三日月口 ジグザグのそれがカパッと開いた様子。
現在の砦内部は、譲り合えぬ死闘 逃げ道すらない、死闘。
気持ちが折れれば逃げれたのに 端から逃げ道がなければ死闘となる。
覚悟でもヤケでもなく、唯一の択。
ご案内:「タナール砦」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
■アクラ > 「チロチロ、、、」
王国兵の支配する砦
そんな砦の中を一匹の小さなトカゲが這い回っている
先日宴を楽しんだ後、しばらくは魔族に支配されるかと思っていた砦は想像とは違いまたもや人間が支配していた
救援の動きが早かったのはあるのだろう、他が今日は気になる噂を確かめにきたのだ
「(魔族が言ってた化け物はどこだ?)」
黒い悪魔の、、、、何だったか?
ダン何とかだったのは魔族の噂で聞いていたが今の所黒くて恐ろしい相手など見受けられない
たかがトカゲ一匹砦では珍しくもなく自由に歩き回ってはいるが目的の人物はどこなのやら
噂の悪魔の姿は見えず、好奇心がそがれたせいか飽きと空腹が強くなる
「(、、、ちょっと位、食べても良いかなぁ)」
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からアクラさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
■アクラ > 「(んっ、、、ちょっと寝てた)」
気付かないうちに眠ってしまっていたらしい
暖かさにでも誘われてしまったか
ふと周りを見れば、、、先ほどまでと特に変化はない
居るのは兵士ばかりでいつもと比べれば平和そのもの
■アクラ > 「(結局悪魔とやらも見つからない、眠いしお腹すいた、、、)」
やる気もいまいち湧かず目的も未達成
砦中の兵士を相手にするのも面倒臭い
「(帰って獣でも食べて、、)」
そのまま眠るのも良いかもしれない
幸いまだ侵入もばれてはいない
砦から離れるのに大した苦労もないだろう
ご案内:「タナール砦」にクレイさんが現れました。
■クレイ >
「よう、兵士諸君お仕事お疲れ様」
なんてヘラヘラした様子の男が騎士に話しかけに行く。見た感じ騎士……ではないだろう。装備も違うし雰囲気も違う。実際兵士も話しかけられて明らかに顔をしかめる。
「おいおいあんまりな対応じゃねぇの。傭兵は相手にしたくねぇってか? まぁ良いけどよ。それで、様子はどうだよ……異常なし? ああそう」
それを言えば男は肩をすくめる。そして兵士に鋭い目を飛ばす。
「だったらここから消えろ下級騎士。死にたくねぇだろ」
それだけ言えば剣に手をかける。
「おい、臭うんだよコソコソと……居眠りでもしたか。長くとどまりすぎて魔力が漏れてんだよ」
明らかにそちらに意識を向けながら声を発する。
明確に場所まではまだ未確定だ。だが何かいる。そう感じるには十分な状況だった。
「大人しく出てくるなら何もしねぇ。だが10数えて出てこないなら……その辺りごと吹き飛ばす。10……9……」
カウントを開始する。目つきや動き等からそこに嘘はないと見抜けるだろう。例えそこに民間人が隠れているとしても。この男は躊躇なく宣言の通り隠れている辺りを薙ぎ払う。そう言い切るほどに。
■アクラ > 「(ん?なんだろうあいつ。)」
騎士に近づく少し雰囲気の違う男
統一された鎧ではなく雰囲気もどこか独特なその男は
「(こっちに気付いてる、、、)」
気付かず魔力が漏れ出たらしい
そんな些細な変化に気付いてここまで来たとなればそこらの騎士達とは違う実力者なのだろう
もしかして、、、、
「ォマえ、アくァのダン、、、何とかか?」
天井隅からトカゲが跳び、空中でボコボコと質量を増しながらフードを被った子供に変身する
変身しながら話したせいで少し歪な声になったがかろうじて聞き取れる筈
■クレイ >
騎士が急いで剣を抜こうとするが手で制する。
「消えろって言ってんだろ。仮にアイツが敵だとして。その接近に気が付かねぇテメェらが敵う相手かよ。ここは任せて周辺警戒。本隊が来る可能性がある。行け!!」
的確に指示だけはだす。先ほどは傭兵だと侮っていたが、指示に間違いはない為か不服そうながら騎士は従い撤退を開始する。追撃しようにも男が壁になってそれは叶わないかもしれない。
「悪いな、バカの相手を先にしないといけなかった。それで、あくあのだん? なんだって?」
何とかは聞き取れたがそれ以外が聞こえなかった。
なのでそう聞き返してから肩をすくめる。
「ここを抑えてた頭ならここを攻めた奴らが打ち取っちまった。そいつ目当てだったら悪かったな。その辺の土でも掘り返してくれや」
どう見ても人ではない。故に仲間でも探しに来たと判断してとりあえずそう答える。
「で、攻めてきた奴らへの報復が目的なら……それも残念ながら無理だな。俺達は防衛部隊だ。攻撃部隊とは別だよ」
そうのんきに話して入るものの、引き絞った弓のごとく。髪の先に至るまで一切の油断も隙も見せず、魔力は練り上げている。
一切の油断等していないし、下級騎士とかバカとか言い放った言葉通り先ほどまでののんきな騎士とは文字通り戦力に違いがあるだろう。
「さて、俺は質問に……答えたか微妙な所だが、一応は答えた。次はそっちの番だ。お前は何者だ?」
■アクラ > 「あ、、、まぁいいか。
あくあじゃなく悪魔だ、おまえは魔族が噂してた悪魔のダン何とかなのか?」
逃げていく騎士達を追おうとはしない
最初からそこまで興味もない、今は目の前の男の方が重要だ
「頭?別に私は何もされてないから興味ないぞ。
ほーふくとかもよく分からん、魔族が恐れる程の悪魔を探してただけだぞ。
ちょっとあいつ等を食べようかとは思ったけどな!」
あいつ等とは言わずもがな、逃げていった騎士のことだろう
誰だ、と問われればフードの中で表情を整える
仮面のように見えた肉が動き、、、小柄な白髪の可愛らしい少女の顔に変わる
そして自信満々に疑問に答える
「私はアクラだ。人間じゃないが魔族でもない、、、と思うぞ!」
■クレイ >
「あぁ、悪魔のダン何とかって言ってたのな。残念ながらちげぇ。俺はそういう異名みたいなので名乗るなら銀鷲だからな」
一応は魔王クラスを退けた事もある。もしかしたらそっちもそっちで名前が広がっていたかもしれないが。それはとにかく。
食べようと思ったと言われれば目を細めて。
「ドアウトじゃねぇかこの野郎。まぁ敵じゃねぇならどんな趣味だろうと追及しねぇけど」
顔が変化すれは人間でない事は確認できる。とはいえ、態度や発言を見る限りあまりにも素直すぎる。ここまで素直に対応されるとむしろ敵なのかそうじゃないのか判断が難しくなる。
故に顔は更に今朝しくなった。
「親切にどうも。俺はクレイだ。さっきも話したが銀鷲で通してる」
どちらかはわからないので距離はあけたまま、剣に手もかけたまま。
そんな微妙な空気で間が広がる。
「で、その悪魔のダンなんちゃらってのを探してどうしようとしてたんだよ。戦いてぇの? 食いてぇの? ……なんとなく後者な気がするな。お前みたいなタイプはそういうタイプが多い」
当たりか? と首を傾げる。
■アクラ > 「違うのか、、、じゃぁ悪魔はいないのか。」
銀鷲と言う名前に聞き覚えはない
魔族の間ではその名前の意味を知る者も多いのだろうが生憎、アクラはそこまで詳しくなかった
「敵?
んー、、、人間は美味しいからよく食べる、だから多分敵だな!」
少し考え自分が敵なのか考え、、、素直にそう答える
捕食者と被捕食者の関係は少なくともそうなるだろう
「悪魔を見つけたらちょっと戦ってみたかった。
私が勝てないくらい強かったらそいつが居るときはここを使えないからな、弱かったら食べて、、、食べずに魔族に持って行けば何かくれると思うか?」
言葉の途中でそう逆に問いかけた
ただ邪魔者を消し去るのではなく新たな利益につなげる
そんな少し難しいことを思いついたアクラの表情は晴れやかだ
ご案内:「タナール砦」からアクラさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアクラさんが現れました。
■クレイ >
「あっさり認めるなぁ……敵ながらそういう姿勢は嫌いじゃねぇぜ俺」
あまりに素直過ぎて少し拍子抜けする。思わず少し笑ってしまうも、それでも尚警戒は解かず。敵宣言された相手の前で警戒を解くほど間抜けではない。
相手の質問を受ければ肩をすくめて。
「強い奴を自分の支配下に置いて顕示欲を満たしたいって奴は大勢いるからな。少し位褒美貰えるんじゃねぇの? 魔族の価値観はよくしらねぇけど」
自分が1番よく知ってる魔族を考えてみたが、たぶんそういう価値観を持ち合わせていないなぁと考える。
ふぅと息を吐き出す。
「そういえば……戦ってみたいんだったか? じゃあ一つ耳よりな情報がある。そいつはたしかに攻撃部隊だった。つまり帰っちまったかもしれない」
と言えばゆっくりとそっちに改めて目線を向ける。
「でもだ、そいつが帰ったという事は同等クラスの戦力がここには配属されたって訳だ……で、俺は防衛部隊として配属された中ではまぁ最高戦力だと自負してる。その上だ、俺はお前が敵で魔族とつながってると知っているし、あいつら先に行かせた手前手ぶらって訳にもいかねぇ」
眼にチリチリとした火花が灯る。
「強い奴と戦いてぇお前。手ぶらで帰れない上に……勝てば今後ここでの仕事が楽になる俺。戦う理由としちゃ十分だ。まぁ俺は楽に終わらせるのが1番だから、勝利の証の代わりに装飾品のひとつでも置いてってくれるならお互い何も無しで済むんだが」
どうするよと首を傾げる。
■アクラ > 「嘘をついても仕方ないからな!」
そう、仕方ない
嘘をついたところですぐにばれてしまうのは分かっている
巧妙な嘘をつける程賢くないのは自覚している
「そうか、じゃぁやってみるか。
ん、まてまて、、、、という事はお前は悪魔と同じくらい強いのか?」
となれば、目の前の男を魔族達に渡せば大量のご褒美がもらえるかもしれない
笑みが浮かぶ
「よし、お前を持ち帰るぞ!
偶には料理とかを食べたい!」
両の手を回す、穏便に済ませる気はないらしい
■クレイ >
「さぁ? その悪魔ってのが誰かしらねぇけど……魔王をぶった斬った事あるし、下手すりゃ魔族限定で言えば俺のが恨みかってるかもしれねぇな」
ハハハと笑う。相手がその気になっても態度は変わらない。
それ所かニヤリと笑う。
「良いぜ交渉成立だ。お前が俺を持ち帰るつもりなら……俺もお前を持ち帰ってやるか。変身できる奴なんて奴隷商にでも売り飛ばせばいい値段つくだろうからな」
相手が善人だったり普通の兵士ならばそんな事はしない。だがこちらを持ち帰るつもりで襲い掛かってくるのだ、そうされても恨みはなかろう。そういう理論でその言葉を言い放つ。
剣にかけていた手。それは絵を握りしめる形に変わる。
そしてニヤリとした笑みは消えた。
「でも、加減は出来ねぇ相手だろうし……死んでくれるなよ。ボーナスさんよ」
そのまま剣を振り抜く。まだ剣の射程の外。だが、先ほどの宣言”その辺りごと吹き飛ばす”その宣言を今ここで成す。
強化を施されたその1振り。否、両手に握ったそれによる2振りは空気を揺らし、暴力的な衝撃波を生み出す。
小手調べ。そう言っても差し支えない程に単純明快な正面攻撃。しかしその小手調べは喰らえば文字通り瓦礫と共に吹き飛ばされる破壊力と、並の戦士ではかわせないほどの速度を持って迫る。
■アクラ > 「それは良い事を聞いたぞ、クレイ、クレイ、、、よし。
ちゃんと覚えたぞ!」
目の前の男の事を改めて認識する
彼はエサではなく狩る対象だと
「奴隷商?よく分からないが勝てばいいっ、、、、!」
と、言い張った所で素振りをする男を見つめ、、、衝撃と共に瓦礫となった壁ごと吹き飛ばされる
直接触れていないのに何かに吹き飛ばされる、こういった攻撃には覚えが有った
瓦礫を押しのけ立ち上がったアクラは、、、
「魔法が使えるのだな、なら本気だぞ!」
瓦礫を蹴る音と共に真っ直ぐ、男に向かい駆ける
近付けば何をしてくるか、、、アクラの両の手が顔の時と同じように蠢いている
■クレイ >
「わかってるじゃねぇの、勝てば良い、その通りだ」
お互い様。こっちだって負ければ連れ去られるのだ、だがそれだって勝てば良い。
相手が簡単に吹き飛ぶ。その程度で終わるとは思っていない。予想通り瓦礫を退かして相手は這い上がってくる。
「魔法、まぁ魔法っちゃ魔法だな。魔法で身体強化して空気をぶっ飛ばしただけだ」
たしかに魔法と言えば魔法。だが相手に与えたダメージ自体は文字通り物理攻撃。つまりあれは攻撃のついでで発生する程度の物であり本命ではない。
それをあえてぶっちゃける。実際強気な発言を繰り返してはいるが、こちらは純粋な人間。魔族ほどタフではないし長時間の戦闘も行えない。つまり相手が旗色悪しと判断し撤退させることが最大の狙いなのだから。
「本気ねぇ、良いぜ乗った!!」
こちらも乗っかる。初速からトップスピード。迫る相手とこちらの距離は一瞬にして縮まる事だろう。
だが、剣は飛んでこない。剣を印象つけておいてからの不意打ち。剣を振らずに走り込んでくる相手の顔にむかって膝蹴りを放つ。
■アクラ > 「よく分からん!」
物理的な理屈どうこうは分からないが魔法であるならそれでいいと割り切る
相手を襲う時にごちゃごちゃと考えるのは得意ではない
今はただ、近付けばそれでいい
「ごぶっ、、!
ばっば、じゅがまえだぞっ!」
避ける気は無いと言わんばかりに顔面に食らう膝蹴り
普通の相手であれば鼻や歯は折れ最悪目玉も潰れていたかもしれない
魔族と言えども顔面にそんな一撃を食らえば怯むだろう
だが、そうはならない
最初から自分へのダメージ等気にしていないアクラの両手、、、鋭い爪と岩のように固い鱗に変化した両の手が顔を潰されながらも男の身体を掴む。
手に力をこめればコート越しに爪が喰い込んでいく
■クレイ >
「だぁもう魔族はこれだから戦う相手としちゃ嫌いだクソっ!!」
普通であれば戦闘不能。最低でもしばらくは攻撃が行えない程度のダメージのはずだ。お互いにトップスピードで強化を入れた膝を叩き込んだのだから。
だというのに相手は普通に反撃してくる。膝を叩き込んだ自分に相手の攻撃を回避する余力はない。
「ックゥ……!」
体を絞められる痛みが走る。このまま大人しく捕まっていればサンドイッチになっておしまいだ。
ならばと無理やり後ろへと下がる。横腹とコートが引き裂かれるが、サンドイッチは回避する。
「まぁでも、少し安心した。タフさは厄介だが……防御を疎かにする相手ならまだやりやすい」
こちらは元から攻撃特化。相手が防御を気にしないのなら、先に削り取ればいい。
剣から青白い魔力が噴き出す。人造魔剣の効果を発動させる。
地面を踏みしめると地面に罅が走る。そしてそれに見合う加速。
矢のような速度で迫り、間合いに飛び込んだ瞬間に剣を振り抜く。
横一閃。相手の腹部を切り裂くような狙いで。