2022/09/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にサロメさんが現れました。
■サロメ >
夜の更けた、闇の中の砦
煌々と天を焼く篝火の散る中、騒々しく怒号が響いていた
夜間の攻城戦
行われているのは魔族の支配する砦を取り戻す戦いではなく、防衛戦だった
主戦場となっている魔族の国側の入口、その広場では激しい戦闘が繰り広げられていた
夜間に魔物の奇襲を受け、一度は押し切られるかに思われたが、今はそこにまで戦線を押し上げ
魔物の群れを撃退するのも時間の問題だった
「──ふん。運が悪かったな」
丁度砦の修繕箇所まわりの確認に、駐屯地を離れ砦を訪れていた
箇所が多くまとめるのに時間がかかったて、そのまま泊まり込もうとしていた、そういったタイミングだったのだ
剣を一振り、二振りと煌めかせれば周囲の魔物は氷像となり、砕け消えていく
その光景と冷気は知能の低い魔物にまでも恐怖を与え、逃亡させてゆく
「…司令塔は見当たらない、か。単なる魔物の襲撃と片付けていいなら楽なものだが」
ご案内:「タナール砦」にテレジアさんが現れました。
■テレジア > 当然、単なる魔物が大群をなして砦に無謀な襲撃を仕掛けることは無い。
司令塔が居なければ、オークやゴブリンの群れなど烏合の衆である。
そして、彼らをけしかけた魔族達がどこにいるのかと言えば…砦の上空であった。
「…………」
鎧姿の女バフォメットが片手を上げると、翼の生えた魔族達は夜の闇に紛れながら、静かに砦へと降下していく。
そして、砦内の戦闘の様子がはっきりと見えてきた頃に、それは始まった。
「さぁ、奏でなさい」
先頭を降下する女の号令で、ハーピーやセイレーンが一斉に歌い始める。
人間の精神をかき乱し、感覚を混乱させる、美しいながら悍ましい歌声。
それをバックに鳥や蝙蝠の翼を生やした魔族達が一斉に砦内へと飛び込み、
手当たり次第に人間達を攻撃し始める。
そう、魔物は囮であり、本命はこちらである。
「…指揮官はあそこね。私がやる」
この軍団を率いる鎧の女魔族は翼を翻し、剣を構えて一気に急降下する。
狙いは勿論第七師団長たる将軍サロメ。その頭上目掛け、切っ先が迫る…!
■サロメ >
「(──とはいえ強力な魔族の先遣でないとも限らんか)」
剣の霜を払うように二、三度振って、周囲を見渡す
怪我人は十数名程度、砦の大きな損傷や被害も現状はとりあえずはない様子だった
防衛有利と見て前に出始める兵達
しかしその足を止める呪歌が、砦へと降り掛かった
「──、ッ…!? …上か!」
肉体にかかる枷、それを呪詛の類と瞬時に判断し、レジストを試みると共に
見上げた空の闇、篝火の照らす上空から迫る気配と音、そして自身を狙う殺気を感じ取り剣を構える
剣と剣が打ち据えられる甲高い剣戟音が砦に響き、サロメは自身に降り掛かった一撃を払いのけた
「本命は上空だ!法術部隊は抗魔術を施し弓兵は空へ射掛けろ!!」
大声でそう叫ぶと姿勢を戻し、自身へと斬りかかってきた存在と対峙する
切り払った衝撃に腕がやや痺れを覚えるが、それを察せられることのないよう、表情は変えず
「この魔物の襲撃は貴様の仕業か」
氷のような表情と声色で、そう問いかけた
■テレジア > 剣と剣の打ち合う音。全体重をかけた一撃が払われれば、
女魔族は追撃を入れずに距離を取って着地する。
そして、サーリットのバイザーを上げれば、
横長の瞳孔を持つ琥珀色の瞳が夜闇に爛々と輝いた。
「あら、お見事。流石にそう簡単には討ち取れないわね…」
テレジアは言葉とは裏腹に不敵に笑うと、片手を上げてさらにサインを送る。
すると、後続の空飛ぶ魔族や魔物達は、狙いを攻撃準備中の魔術師や弓兵に変えた。
頑強な騎士達を飛び越え、脆弱な彼らに四方八方から襲撃をかける。
三次元機動こそテレジア率いる第三軍団の十八番である。
「お初にお目にかかるわ、第七師団長様?
えぇ勿論、彼らはよく働いてくれたわ」
押され気味であった魔物達も、テレジア達の襲撃に合わせ再度攻勢をかけ始める。
さながら、サロメの戦力は前面と上空から挟撃される形となった。
「そして、仕上げに貴女を討ち取れば王国軍は逃げ散るでしょう…ねっ!!」
テレジアはバイザーを下ろすと、剣を構える。
黒い刀身に、魔力の電撃が迸る。
そして、女魔族は背中の翼を羽ばたかせ一気に加速すると、
再度サロメ目掛け斬りかかる。
■サロメ >
「一太刀で簡単に殺られて良い立場でもなくてな…」
右腕に残る痺れ
黒い鎧の魔族、上空から襲いかかったそれの力は、単純に人のものではなかった
咄嗟に受け流したものの、影響がないと強がるには些か厳しいだろう
その魔族が片手を掲げれば、支配下の魔族達は統制のとれた動きを見せはじめる
──そうなると、話は大きく変わってくる
第七師団は対魔族戦闘特化の集団である、が
砦を守る全ての兵がそうだというわけではなく…
攻勢だった人間側が砦の中へと押し込まれるのは時間の問題だろう
「ちっ…砦の中へ後退しろ!専守防衛に努め凌げ!」
砦の中ならば多角的に狙われることはないはず
──まぁ、それも強力な個体戦力…つまり目の前のコイツを抑えられれば、の話だが
「流石に、私を後退させてくれる気はないらしい…っ!」
雷を纏った黒い刀身が夜闇を照らす
咄嗟、自らも剣に霧氷を纏わせ、斬撃に向け蒼光の刀身を叩きつける
渾身…でなければ相殺はできないだろう
魔力同士は兎も角、恐らくは人の身では膂力にて劣る
大きく弾かれるように後方に飛び、着地する
浅く息を吐き、頬をひやりとした汗が伝った
──接敵した時、魔族の鎧に刻印された紋章が見えた
「…そうか。空からの急襲。
飛行する魔族に砦を奪われることが増えたという報告こそはあったが…成程な」
地に剣を突き立て、立ち上がり姿勢を正す
さてどうする、ここで討てれば僥倖、しかし空での戦いは人間には分が悪い。自分も例外ではない
せめて夜でなければ翼竜を駆ることもできた、が──
「(こいつが司令塔ならば、討てぬまでも此処から離脱させれば砦は守れる、か)」
さて、運が良かったのか、悪かったのか
そんなことを考えながら剣を構え直し、剣から発する魔力を自身の背後へと収束させる
そして一寸程の間もなく、真っ白な氷の防壁が轟音と共に女将軍の背後に起立する
「これで互いに孤立。私を倒さねば先には往けない──討てるものなら討ってみろ!」
声と共に地を蹴り、凍てつく冷気を纏った刃を振り上げ、斬りかかった──
■テレジア > 「あら、凌げると思ってるのかしら?」
サロメの号令を聞いて、テレジアは言う。
彼女の配下の主力は、全員が空を飛べる。
それは、砦の城壁など何の役にも立たないことを示している。
今も、砦の内部に先んじて飛び込んだ魔族が、
砦の内部の兵士と外から後退してくる兵士、双方を相手どっている。
敵地に飛び込む形ではあるが、空から降り注ぐ呪いの歌声は健在であり、
またその力は人間に比べ高いのだ。
「えぇ、貴女に砦に戻られることだけが私のリスクだもの。
全力でお相手願えるかし、らっ!!」
高位魔族の身体能力から繰り出される一撃は、
馬に乗った騎兵の突撃を思わせる力でサロメに叩き付けられる。
そして、気を緩めれば剣に纏った雷魔法がサロメに流れ、その身をさらに痛めつけるだろう。
「あら、サロメ将軍ともあろう方ならご存知かと思ったのだけれど。
魔族の第三軍団長テレジア・インケル。私の名前よ?」
テレジアは自己紹介をし、再度剣を構えなおす。
しかし、サロメの背後に巨大な氷の壁が現れれば、そちらに目をやって。
「成程…でも残念ね。指揮は私の部下が執ってるわ。
私が居なくても砦の攻略は問題なく…っと!!」
サロメからの渾身の一撃を、テレジアは紙一重でかわす。
しかし、頭を狙ったその攻撃は、彼女のヘルムに大きな切れ目を入れた。
テレジアは舌打ちしながら、それを躊躇なく脱ぎ捨てる。
たなびく青髪と、気品ある顔立ちが完全に露になるだろう。
「流石に油断できないわね…全力で、行かせてもらうわ」
テレジアは小さく呪文を唱える。己の身体能力を更に引き上げる魔術である。
そして、彼女は更に速さを増した剣で、サロメに何度も斬りかかった。
■サロメ >
第七師団とて魔族との戦闘の専門家
当然飛行する魔族への対策や修練も積んでいる
屋内に誘い込み仕留める者もいれば、不慣れな砦の駐屯兵を逃がすよう先導する者もいる
まともに戦える戦力だけで構成されているわけではない…それがじわりじわりと、均衡を崩す
「それは、重畳。私の部下も一筋縄ではいかない者が氷の壁の向こうに揃っている、さ…っ!」
テレジア──そう名乗った魔族、軍団長
魔族の国の軍勢については不明な点も多く、その存在が確立したのは収穫とも言えた
第三、と名乗るからには他にも軍勢が存在するのが明らかともなったわけではあるが
魔術により身体能力が更に向上したテレジア
その軍団長たる力は肩書きに劣るものでは決してなく
鍛え上げ相当な膂力を誇るサロメであるとて、徐々に押されはじめ──
「っ、く…もう少し踏ん張れよ。ゼルキエス…ッ!!」
己の剣の名を呼ぶ
雷火の如く襲い来る剣撃を捌くので精一杯であったが
アイスブランドの魔力が残る限り、その雷が伝わることはない
しかし剣で受けているうちは良いものの、その一振りですら掠ればその稲妻に身を焼かれるだろう予感は、恐らく的外れではあるまいと
速度と重さで勝る剣、何度も遅いくる斬撃を見切り、払い、逸らし続けるも反撃の隙を見出すことが出来ず
除々に削られた体力と力が、明暗を分けることとなった
金属同士がぶつかり合う大きな音
何度も続いたその音が途切れると、サロメの手から剣が弾かれ後方へと弾き飛ばされていた
「ぐ───ッ!!?」
同時、氷の魔力に守られていたその身を雷が走り──、女将軍は膝から崩れ落ちる
■テレジア > 人間の女将軍の手から剣が弾き飛ばされ、膝を着いたのを見届けると、
魔族の女将軍は彼女につかつかと歩み寄り、その首を掴んで片手で持ち上げた。
「あら、綺麗な顔してるじゃない?」
サロメの首を軽く絞めながら、ニヤニヤと笑みを浮かべそう口にするテレジア。
そして、彼女は翼をはためかせると、サロメの喉を掴んだまま飛び上がる。
タナール砦の上空、この場で戦う誰の目にも見える位置へと…。
「……聞け!貴様等の指揮官はこうして戦いに敗れ、その命は今私の手の内にある。
貴様等の負けだ!これ以上の抵抗はよせ」
テレジアは声を上げる。近くに寄ったハーピーの魔術により、その声は戦場中に響いている。
配下の魔族達も武器を構えたままながらも、その動きを止めている。
「貴様等が大人しく砦を明け渡し、王国内へと退くのであれば彼女の命は助けてやる。
もし貴様等があくまで抵抗しようと言うのなら…彼女のことは今ここで手放す」
勿論落ちれば、人間では命の保証はないだろう。
例え助かったとしても、今の状態のサロメを殺し切ることはテレジアには容易い。
「さぁどうする?将軍諸共ここで皆殺しにされるか、
それとも生きて国に帰るか……」
どの道、砦は落とせる。手間がかかるだけの違いだ。
人間の兵士達が砦を出て退却すれば、テレジアは威風堂々と砦へと入城するだろう。
勿論、その手はサロメを捕えたままで…。
■サロメ >
「ッが……っ」
細頸を軽々と掴み上げられ、その表情に苦悶を浮かべる
剣を手放したことで白氷の防壁も消え去り、その光景は砦で戦う者達の眼にはっきりと捉えられた
その光景を眼にして──
抗おうとする者はいなかった
元よりこの砦は奪って、奪われての土地である
第七師団の軍勢は元より、多くの犠牲を払うならば迷うことなく撤退すること
そう叩き込まれていた
故にその撤退は限りなく迅速なもの
誰一人将軍の身を案じることなく、退いてゆく様はむしろよく統率されていると言っても良い程だっただろう
「──……」
その光景を眼下に見ながら、それで良いと内心で呟く
教え込まれ、冷静な判断を取れる
恐怖に怯え退く者などは一人もいない
…自身の部下を誇りに思う程だった
■テレジア > 「あら、つまらないわね」
そうするだろうと確信しつつも、決断が早いことに少し不満気なテレジア。
もう少し揉めたりだとかしてくれると面白かったのだが…。
「ま、貴女を生かし続ければまた来てくれるわ」
死ねば後継を決めればよい。だが生きている限り、
それが手の届く範囲にある限りは、救援を試みることだろう。
つまりは、いい釣り餌だ。
テレジアは砦の内部に降り立つと、彼女の配下の魔族達に手早く支持を飛ばす。
早急に砦を復旧させ、その防御力を高めなければならない。
ここは今日から、魔族の王国侵攻の拠点でもある。
「さ、確かこの砦には牢獄があったわよね。
貴女はひとまずそこに連れていくわ」
魔族が近寄り、サロメに手枷と首輪を装着する。
そうすれば、テレジアはサロメを牢獄へと連れていくだろう…。
■サロメ >
「…お前の、思う通りに、なる、かな…?」
例え師団長が敵の手に落ちたとしても救出目的で軍を動かすな
それもまた第七師団の教え
──しかしそればかりは…守るだろうか
過去のことを考えれば、やや不安が残る
雷に貫かれた肉体は言う事を聞かず、造作もなく手枷、そして首輪が装けられた
───牢獄
砦の攻城戦なので捕らえられた人間、または魔族は大体が此処に投獄される
まさか自分が此処に囚われることになることまでは、考えていなかったが
「殺さず生かす。…手慣れているな」
ようやくまともにまわるようになった口で、吐き捨てるようにそう呟いて
■テレジア > サロメが投獄された牢は、将官待遇の捕虜を収容する目的なのであろう、
その内装は通常のものよりは住み心地に気を使われており、ベッドもそこそこの品質だ。
ただし、鋼鉄の扉は素手で破るのは難しく、窓には鉄格子ががっちりとはまっている。
何より砦内の監獄塔とも言うべき場所の最上階にあるため、無理に脱出すれば墜落死する。
当然、魔術対策の結界も張られている。
「貴女が醜かったら遠慮なく殺してたけど、美しいから命拾いしたわね?」
女魔族の兵士を二人従え、サロメの前に姿を現したテレジア。
彼女が指示すると、女魔族達がサロメの鎧を脱がせ始める。
それは、幾分乱暴な剥ぎ取り方であった。
「貴女みたいな女は好きよ?えぇ、とっても」
サロメの手枷に鎖の端が繋がれる。それは天井の滑車を通り、
もう片方の端はテレジアの手のうちにある。
テレジアがそれを引けば、サロメは無理やり立たせられ裸体を晒すことになるだろう。
「戦いの後は少しむらむらするのよ…お相手してくれる?」
テレジアもまた、鎧を脱いで従者の女魔族に手渡していく。
彼女の豊満なボディラインが露になり、戦闘でかいた汗の香りがインナーからむわりと部屋に広がっていく…。
■サロメ >
「命を拾った、か。
…この先失う可能性もあるのだろう?」
最上階…当然逃げ場はない
何より、この相手は隙を見せるようなタイプにも見えない
牢獄とはとても思えない場所に通されたと思えば、その理由もすぐに明白になる
「そうか。見事な太刀筋と剣撃だった。采配も見事。
私も貴様のような女は尊敬に値する。敵でなければ、だが」
女魔族の兵士によって甲冑が引き剥がされ、引き締まった肢体が晒される
魔族の攻撃に何度も拮抗したした、鍛え上げられた肉体には傷跡一つ残されていない
言葉を返しながら、手枷を吊られ両手を挙げた姿勢を取らされれば、わずかに歯噛みするような表情を見せた
手で隠すことも出来ない茂みもまた顕となり、──当然、羞恥心がないわけではない
しかし魔族に辱めを受けるとあらば、気恥ずかしさよりも屈辱が勝るだろう
「……だったら、男を捕らえたほうが良かったんじゃないのかj」
斜に見るように視線を向け、そう吐き捨てる
自身とは正反対の豊満な肢体を顕にしたテレジア
その言葉は大凡、予想はしていたことだったが
■テレジア > 「貴女が無理やり逃げ出そうとしない限り、少なくともここにいる間は命の心配はしなくていいわ」
相手は王国の将軍である。生かして捕らえられるなら生かして捕らえたほうがリターンは大きい。
最も、逃げ出すか奪還されまた戦場で相まみえる、なんてことになれば次は生かして捕らえられるかはわからないが。
「あら、王国を裏切るって言うならいつでも歓迎するわよ?」
そんなことは無いだろうが、敵ではなければと言われ冗談めかしてテレジアは返す。
その肉体はサロメとは対照的な高身長豊満。
しかしながら、よく鍛えられ引き締まっているところは似通っている。
テレジアはさらにサロメの身体を引き上げさせ、目線を同じ高さに合わせる。
親子程の身長差のある二人、サロメはつま先立ちすら出来なくなるが、
テレジアが抱き寄せて身体を支えた。
「男は美しくないわ…好みじゃないのよ」
横長の瞳孔の、人外の瞳がサロメを見据える。
戦場帰りにも関わらず、丁寧に口紅を引かれた唇がサロメの唇に近づいていく。
そして、ゆっくりと、味わうように重ね合わされる。
「んっ…噛み付かないでね?」
しばし唇の感触を楽しんだ後、テレジアはそう囁くと、
舌をサロメの口内へと伸ばしていく…。
■サロメ >
「…戯言は酔席だけにしておけ───、っ」
ギシ、と鎖が鳴り、身体が引き上げられる
宙釣りに吊るされる形となり、見上げる相手だったテレジアと目線が合う
視線を交わすなどしたくもなかったが、抱き寄せられればそういうわけにもいかず
「難儀なことだ…っ、ん……ゥ」
憎まれ口を返すその唇を塞がれる
女性同士の、柔らかな感触が重なり合う
噛みつくな、などと
魔族が舌を噛み切られた程度で致命傷になってくれるなら苦労はしない
そう思うなら口枷をつけることも造作もないだろうに、
単純に楽しみのためだけにやっていることだというのがよく理解る
「っ、ん───ぅ、む……ッ」
快く舌が迎える、ということこそなかったものの、抵抗らしい抵抗もなく
今更口吻に立てる操などない、といったような無抵抗
口腔内を柔らかな舌が這い回り、口の端からとろりと涎を零しながら、テレジアの舌を味あわされてゆく
本人の意思はともかく、深い深い口吻は少しずつその肉体に"準備"を施しはじめていた
■テレジア > 「ん…れる……ちゅ…む…」
女が専門というだけあり、テレジアの舌遣いは口内の性感帯を的確に舐っていた。
唾液を送り込みながら、口内の粘膜を舌先で撫で、舌と舌を絡め合わせる。
テレジアはバフォメットであってサキュバスではない。
故に、淫術はさほど得意ではないのだが、それを補ってあまりあるテクニックを有していた。
「んっ……かわいい顔して、もうキスを恥ずかしがる年齢でもないのでしょう?」
種族間の差を差っ引いて考えれば、二人の年齢は近いところにあるだろう。
三十路の女と女が濃厚な接吻を交わしていく。
その間に、テレジアは片手を自由にサロメの肌に這わせる。
その控えめな胸を撫でつけるように、テレジアの指先が這う。
■サロメ >
「っん、は……──ぅ、……」
テレジアの舌先から与えられる、深い快感を与えるキス
自然と、抗いようもなくその肉体は雌としての状態が整ってゆく
むしろ淫魔の行使する淫術のほうが耐性を身体に仕込める分マシだろう
「…魔族とのキスを悦べるわけもない。──ん、ぅ…ッ…──っ」
無論、可愛いという言葉も素直には受け取れない
生娘であるはずもなくキスに照れる年齢ではないが、
与えられる快楽によって頬が上気するのは避けられず、同時に
「ん、っ…ふっ」
鍛え上げられた肉体の上に鎮座する控えめな膨らみに触れられ、固くなりはじめていたその先端に指先が触れると
ぴくん、と身体を跳ねさせその唇の端から色めいた息使いが漏れ出した
そしてじわりと茂みの奥が湿り、つ…と、白い太ももを蜜が伝いはじめて
■テレジア > 一旦舌の動きを止め、ゆっくりと唇を離す。
互いの舌先から、唾液の糸が垂れ落ちていく。
サロメの唇はうっすらとテレジアの口紅に彩られ、まるで所有の証のようであった。
「ふーん……私が人間なら、悦んでくれたのかしら?」
サロメの耳元に唇を寄せ、そう囁いた後、今度は彼女の耳に舌を這わせはじめる。
そのまま、彼女の首筋へと、キスを落としていく。
「でも…身体は正直ね。もう濡れてるわよ?」
サロメの白い太腿の間に、己の太腿を滑り込ませて。
秘所を軽く擦るだけで、テレジアの肌にべっとりと愛液がつく。
彼女は微笑むと、膝でサロメの秘所を擦り始める…。
「こっちも、いっぱいしてあげる…」
己の豊満な乳房の片方を掴むと、サロメの控えめな膨らみに押し付けるテレジア。
乳房自体が控えめな分、快感に固くなるとよく目立つ乳首に己の乳首を絡め合わせ、擦り合う。
■サロメ >
「っは…」
互いの唇が離れると、漏れるのは熱い吐息
戦場を駆ける女将軍であろうと、熟れた女であることには変わらない
そう如実に語るように、茂みは湿り、乳房の先端は固さを増す
次第熱をもっていった身体は関節部が薄い桃色に彩られ…
「──女に抱かれる、趣味は、ない…な……。 っ、あッ」
耳朶へと舌先が触れ、ぞくりと身を震わせ反応を見せる
キスが順に首筋へと降りてゆけば、小さく震えるように、快感を示す
「──……」
身体は正直だなどと言われてしまえばそれを否定する言葉を持たないというように口を閉ざし、視線を外す
生理的な反応を抑制する術をもたない、という言い訳などしても意味がないことだった
「く、ふ…んっ……っ」
くりゅ…と互いの固さを帯びた乳首同士が擦り合わされ、指とはまた違った感覚に震え
太腿から伸びる膝に圧される己の秘部から溢れる蜜が増えれば増える程に、呼吸は熱く浅くなり、その頬にもより紅が差してゆく
身体を火照らせる熱は早く終わること、を望んでいた思考をも次第に熔してゆく──
■テレジア > 「あら、凛々しくてモテそうなのに、勿体ないですこと…」
冗談めかして伝えつつ、サロメの顔から首筋まで、至る場所に口付けし、白い肌に舌を這わせる。
その間にも乳首同士を擦り合わせ、膝はサロメの秘所を攻め続けて。
彼女の身体のスイッチをどんどん入れていき、絶頂へと導こうとしていた。
「もう…ここもとろとろよ?どうせこれからしばらく
退屈な牢獄暮らしが待ってるだけなのだから、素直に楽しんだらどう?」
テレジアはサロメに最初の絶頂を与えようと、膝の動きを強めていく。
同時に手の動きもさらに激しく、サロメの乳首を摘み、快感を与え、
首筋に口付けていた唇は再びサロメの唇を奪い始める。
「ほら…イッちゃいなさい?」
■サロメ >
軽口には言葉を返さず、抗議の目線を送る
第七師団の仇敵でもある魔族と談笑に興じる気はないのだと、視線で示したつもりだったが
その間もテレジアの手指は休まらず、柔らかくなった肉を切り崩してゆくように、サロメの肉体の快感の扉を開けてゆく
「──、誰が、そんな、あッ、う…!」
素直に楽しめという言葉には否定の言葉を
向けようと口を開いた時に丁度快感の波が沸き起こり、色めいた声が漏れてしまう
それを皮切りにか、固く突起した乳首はテレジアの指に弄ばれさらに卑猥に突起し、秘部を擦られる圧もまた激しさを増してゆく
「ぅ、あ! ぁあああッ!?、ひ、ぐ───ッッ」
がしゃん、と鎖がなり、その背を大きく逸らして身体が跳ねる
達した証である生暖かな淫水を茂みの奥からぷしゅ、ぷしゃっ♡とテレジアの膝へと吹き散らし、ぱたぱたと牢獄の床を汚してゆく
「は……、ぁ───」
──じゃらりと、再び鎖を鳴らしてその身体から力が抜け、項垂れて呼吸を荒らげ…視線を床へと落としていた
■テレジア > 「いっぱい出したわね…でも、一回じゃまだ足りないでしょ?」
己の親指で、膝をびしょびしょに濡らすサロメの淫水を拭い、
その手で項垂れるサロメの顎を手に取り顔を上げさせると、
その親指で唇に彼女自身の愛液を塗り付けていく。
そして、それを味わうように彼女の唇に舌を這わせ、愛液を舐め取った。
「もうコレも必要なさそうね?」
テレジアがそう言って片手を差し出せば、従者の女魔族が鍵を差し出す。
サロメを吊り上げていた手枷が解かれ、解放された彼女をテレジアは抱き上げ支える。
そして、そのままベッドまで運び仰向けに寝かせると、自身はその上に覆いかぶさった。
ベッドは柔らかく、それでいて二人分の体重を難なく支える。
恐らく、最初からそういう目的で置かれているものなのだろう。
「私も、まだ全然満足できないの……ね?」
言うがいなや、サロメの身体に自身のそれを擦り付けながら、
先ほどより幾分激しい口付けを始めてしまう。
両手が自由になっても、見た目に明らかな体格差、そして魔族と人間の力の差により、
彼女に逃れる術は無い。
■サロメ >
「──、な、に…。そんな、ことは…む、ぷっ…?!」
自身の蜜を唇を塗りつけられ、そのまま口吻に転じる
まるでたっぷりとそれを味わうように、卑猥な水音を響かせながら…
手枷が外され、ふわりを身が落ちるような感覚は豊満な肢体に抱きとめられ
続くのは背なへの柔らかなベッドの感触
荒い呼吸に控えめな胸を上下させるなか、影が覆い被さった
ゆさりと揺れる、たっぷりとした乳房が目に入る
それはすぐに自身に向け、落ち始め──
「や、やめ…ぅ、んむッ…ん、ぅ───!」
達したばかり、ということもあったが押しのけることも満足に出来ず
じゅる、ちゅぷ、と粘ついた水音を響かせながら激しくキスを落とされ
無理矢理組み敷かされていることが余計に、その身体が雌のモノだという認識させられる──
■テレジア > サロメに、今からお前の身体は目の前の雌にたっぷり犯されるのだと分からせるような、
長い長いキスが終わる。
テレジアは上体を起こすと、サロメの両脚を抱え、
秘所を上向かせるように、膝を上げさせて。
「じゃあ…次は、一緒に気持ちよくなりましょう?」
そしてゆっくりと、己の秘所をそこに近づける。
既に濡れているそこから、サロメの陰唇目掛け愛液が一滴垂れ落ちる。
それを合図にするかのように、テレジアは腰を沈み込ませ、秘所と秘所をぐちゅり、と絡ませた。
「んっ…♡」
思わず声を漏らすテレジア。
二人の使い込まれたそこは、陰唇同士で口付けをするかのように絡み合う。
テレジアが腰を振り始めれば、愛液同士が混ざり合いサロメの尻に垂れてくる。
「あっ…♡体の相性…いいのかもね貴女とは…!」
雌の身体で雌の身体を押し潰すように、テレジアはまた上体を倒す。
そして、サロメの手を取り、指を絡め、握りしめながら、
上の口でも口付けを再開した。
■サロメ >
これも己の判断ミスが招いた結果か、と
冷静な自分がいる一方で、身体の熱に引っ張られる雌が鎌首を擡げる
がくがくと震え、満足に力の入らない脚を抱え上げられる
──不思議そうな顔を一瞬浮かべたのは、女性同士のそういった行為に全く無知であったから、だろう
「っっ、ぅ、ん、───ッ!?♡」
ぬりゅん、と
指と舌とも違う、ぷるりとした柔らかでぬめりを帯びた…
得も言えぬ感触の触れ合い
ぐちゅ、ぷちゅ…っ♡と卑猥な水音が互いの接触点から耳に届く
溢れるような、快楽も
「あっ、ひあ…っ…?!♡ んむぅっ…ちゅ、ん、ぷ…ッ♡」
小さな嬌声をあげはじめた唇を塞がれ、その肩をびくびくと激しく震わせて…
■テレジア > テレジアは次第に、腰の振りを激しくする。
その度に重なり合う陰唇同士から混ざり合った愛液がベッドのシーツにまき散らされる。
それでも、互いの愛液が膣の奥底からどんどん湧き出て、まるで潤滑剤かのように湿り気を保っている。
「んっ…はっ…!あら…初めてだったかしら?」
唇を離し、抱き寄せるサロメの耳元で囁く。
彼女の初々しい反応に、女性相手の経験は本当に無いのだろうと察して。
ならば自分が身体に教え込もうという欲も、むくむくと沸き起こる。
「人間だろうが魔族だろうが…女の気持ちいい場所を一番分かってるのは女なの…あっ!んんっ!!」
身体を密着させ、舌を絡め合わせ、全身をもってサロメに快楽を与える。
そんなテレジア自身もまた、多大な快楽にどんどん昇りつめていく…。
「そろそろ…んんっ!一緒…に…!!」
そして、スパートをかけるように、腰の振りをさらに速めた。
■サロメ >
性交自体の経験もあれば、この王国の女らしく凌辱の経験もある
しかして、こうやって女相手にこんなにも甘く蕩かすような攻めを受けた経験などこの女将軍にはなく──
わざわざ一度絶頂に導かれ、全身が敏感になったところに未知の快楽を与えられ…
「ふぐっ♡ うっ♡ んむ…っう、ッ♡♡」
顔を真っ赤にし、びくびくと身体を跳ねさせて
テレジアの操り人形のようにまるで生娘のような反応を返す以外のことが出来なかった
敵に──、魔族に、こんな──
そんな心情すら熱に上書きされ白く霞む
下胎の奥に熱が出現し、一気にそれが全身に、雷のように広がる感覚が再び──
「っ、あ゛───」
淫猥な音が互いの接点から止め処無く溢れ、濁った互いの愛液の混合物がべたべたに太腿を濡らす
「──ッ♡ かひゅ、───ッッ♡♡、ッ♡」
テレジアに導かれ二度目の絶頂は一度目よりも激しく、弾けるように
弓なりに背を逸らし、金色の瞳は天を仰ぐように焦点が上へとブレて…くたりと、憔悴したようにベッドへと沈み込む
ぴく、ぴくんっ、と余韻に四肢を痙攣させ、浅い呼吸に胸を上下させ──
■テレジア > 「私も…そろそろ…んんんんっ!!!!」
目の前の女が絶頂すると共に、テレジアもまた絶頂を迎えた。
互いの秘所からは潮が吹き出し、相手のそこをずぶ濡れにしてく。
サロメの身体の上でびくり、びくりと痙攣し、そのままぐったりと彼女に体重を預け倒れ込む。
そして、ゆるゆるとサロメに口付けを続けながら、余韻をたっぷり味わって…。
「……気持ちよさそうだったわね。そんなに良かった?貝合わせ」
ようやく余韻が収まれば、微笑みながら耳元でそう聞いて。
そしてまた、サロメの性感帯を指先でさすりはじめる。
「でも…まだまだ女同士の気持ちいいこと、いっぱい教えてあげる?」
女同士に射精のような終わりはなく、体力がある限り無限に続く。
そして、テレジアは人間以上の体力を持つ魔族である。
テレジアはまた、サロメを組み敷き、腰を振り始める。
「まだまだ、終わらせないわよ…!」
その後も、誰かがサロメの救援に成功するか、
あるいは捕虜交換などで帰国の機会があるまで、
女将軍による女将軍の凌辱の日々は続くのだろう……。
■サロメ >
「──………」
気持ちよくなどなかった
そんな嘘も、こんな姿を晒しキスを受けながらでは言いづらい
しかし魔族に気を許す、などということも許されず
どのみち、これで今日のところは終わりだろう、と思った矢先である
「な、まだ…!?」
その体重と共に柔らかな感触を齎していたテレジアは再び動き始め…
「や、め…っ! もう…っ! ──ッッ♡」
サロメ自身も体力には自身のある女だろう、が
不得意な局面、更に人間以上に力と体力のある魔族とあっては、先に根尽きるのは明確で
そのまま空が白いで来る時間まで、快楽にその意識を遠くに連れされるまで…
あるいはそうなった後ですらも、甘い凌辱は続いてゆくのだろう──
そしてやがて日が昇る頃、王国にタナール砦での敗戦と、一人の将軍の捕縛が伝えられることとなっただろうか──
ご案内:「タナール砦」からサロメさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からテレジアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にアンスさんが現れました。
■アンス > その日、タナール砦は危機に瀕していた!
魔族の領域から、大型の魔物やそれを使役する魔族の軍勢が押し寄せてきたのだ。
タナール砦を我が物に!と、敵軍の士気は高く、普段なら容易く陥落し、魔族によって砦の人間たちはおぞましい目に合わせられるだろう。
だが...彼らは、運が悪かった。
「ふむ、今回は魔族ども、魔獣の質量で力押しする気か」
今日の砦には、この男がいたのだ。
「純粋な力による力押し。成る程。非力な人間には有効な攻撃だな」
その男は、右手の魔法の本を閉じると、空を鋭く見上げる。一雨来そうだ。
「ならば、こういう反撃はどうだろうな」
ーーーオイリーレイン
水とは、酸素と水素でできている。それ自体は燃えないが、分解すれば、炎を強める。
アシッドレインは、空気の中の二酸化炭素から、酸を作る。
俺は、これを応用し雨を可燃性の液体にすることに成功したのだ。
...理解、できたかね?
「...あぁ、理解できずとも、空から降る、燃える雨の味。堪能できているようで何よりだ」
砦から少し離れた場所に降る油の雨。
それは相手が燃やしていたかがり火に着火し、大きな炎になった。
「さて、魔法部隊!なにをしている、大規模攻撃魔法の詠唱急げ!」
そう味方に激わとばしつつ。
「やれやれ、年はとりたくはないな。少し疲労感がうっとおしい。俺は後方に下がるぞ」
そう言って、男は砦の屋上から、砦内の部屋へと戻っていこうとして…
ご案内:「タナール砦」からアンスさんが去りました。