2020/09/08 のログ
燈篭 > 鬼は機嫌がよかった

美味い酒を飲んだんだ
なんてったって、わざわざ鬼を襲いに来る人間を呑んだ
小鬼と言えど、鬼の傍にまで近寄ってきた淫らな女だって抱いた

―――中でも月があんなにも遠かった、星があんなにも詰まった空を肴にした酒が美味かった
その余韻は未だ消えない

美酒の余韻のままに鬼が、戦場の匂いをかぎ取ってそこへ、脚を千鳥にさせながら
鬼の中に流れるものは酒だと言わんばかりに、道中人を酒に変え、躯を酒に変え、飲み干した
戦場の遠くは躯が転がり 半ばを過ぎれば呻いた半死 近くへ寄れば未だ健在

あらゆる兵(つわもの)の酒を飲んだ
酒が無くなるたびに変えてやった
ああ、辛い 鬼の好みの味だ
なんて酒だ こんな酒は人を選ぶに決まってる
あの泣き喚いて、この酒に代わることを拒んだ童の兵
その涙を舐めてみろ この辛い酒に比べれば きっと甘露なほどに甘いぞ

「嗚呼、ここか こんな辛い酒を造ったいけずな場は。」

鬼は辿り着くころには、もう頬は朱を帯び、吐息は酒気と共に熱を帯び
ふはぁ、と吐いたその吐息が、この湿った気温よりも白く濁って吐かれた

「ひっくっ……! うぃっく……♪
 嗚呼、辛い 辛い 口直しが必要だ
 鬼にこんな酒を飲ませやがって なんてたまらない連中だ……」

そう言って、近寄る鬼に砦の今を仕切った勢

人だ 魔だと関係ない

鬼はどちらであろうとも、変わらない
どちらであろうとも鬼の赴くままにふるまう

「なぁ皆の衆! この場を空っぽにしたらどうなるんだ
 その前に私が陣取ったらどうなるんだ。」

大ぶりな酒瓢箪を携え、鬼は謡う
空席にしてしまったとしよう
そうしたら、こんな極上な場なら
めがけてくる奴らを全員鬼に向かわせてみせよう

鬼は酔いしれ、おろかにも鬼らしく
全員を敵にひっくり返すと宣った

燈篭 > 鬼は語った以上前に進んだ

後退なんて能になし
矢が 奇々怪々な力が奮われる
鬼の首をとろうというのに、ぶつけるだけでは能がない

「なんだ 連中 鬼の殺し方すら知らないか
 どおりであんな辛い酒になるわけだ」

集まる矢が曲に描いて、降り注ぐ
酒を飲み、熱を上げ、見上げたそれ

「おう、矢の雨とはまた不思議だ」

額に手をかざし、そうだ 静かな雨が降るどこぞで酒を飲もう
いいことを思いついたと言わんばかりの、女童のような鬼の笑みときたら
頬を酒で染め、機嫌よさげにしたそれ

周りは一層恐れと不気味を抱かせる

矢の雨だぞ なぜ悦ぶ 彼奴はなにに笑みを浮かべた
矢じりを番えた兵の弓の玄が、ぷっつりと切れたかのようにすら思える冷えた刹那


「すぅ」

鬼が息を吸った
盛大に あれだけの人を変えて飲み干したのだ
その腹の底は行方がしれない

吸い込み、矢の雨が迫る 迫る 瞬間

「―――■■■■■っっ!!」

鬼の黒く染まった雄叫びが、周囲に響いた
獣か 雷か 矢が震え、地に落ちて刺さる

何だ今の声は 人じゃ、ない

兵が耳の奥 脳が震えたのは声のそれだけじゃない
恐れで震え、冷えた汗が沸いたころ

鬼は地力で地面を殴りつけ、砦の中へたどり着く
なんのことはない 殴った力で飛び出しただけのこと

周りと鬼がぶつかり合うまで ひの ふの み

周りの強い気を被せて叫んだ拍車のかかった声とぶつかり合った鬼の痕

燈篭 > 鬼が一人、酒を飲む頃には周りは また道中のように 呻き と 躯 と 逃げた兵の痕で満たされる
赤い血が華のように 周りにこびりつく砦

もう人も魔も ここにはいない 鬼が一人、酒を飲むばかり

腕に、肩に、額に流した血のままに、それらの傷を悦ぶように、鬼は想い返して酒を傾く
嗚呼、美味い あんな一魂が篭った一撃 久しぶりに浴びた
酒が辛口なせいか、傷に響く
それがまたいい 益荒男の一撃は鬼が血を流すのにふさわしい
こいつらは大事だ あとで丁寧に酒に変えてやろう

きっと澄んだ甘い味がするに違いない いや、ひょっとすると、水のような酒というものに
変わってしまうかもしれない 嗚呼、そうしたらきっと素っと喉を通り抜けてしまうのだろう
きっともう終わった話と言わんばかりに、いけずな態度を酒にだって見せてくれそうだ

他の有象無象はとっととこの辛い酒に変えて干してしまえ
あとにくるあの酒に比べれば、きっと今沸いている唾だってもう辛いぞ

「ぷ、はぁっ!」

鬼が戦をする気になれば、殺されるまで殺し 殺されるまで呑む
この砦が、鬼の気まぐれで今一時だけ 鬼ヶ島 のように。
 

ご案内:「タナール砦」にミヤビさんが現れました。
ミヤビ > 「ああ、やっと見つけましたよ、トウロウさん」

そんな殺戮の現場に、不釣り合いな女性二人が訪れる。
一人は巫女服の意匠のレオタードを着た狐娘のミヤビである。
もう一人は橙色の、ミヤビよりも濃い髪色の狐娘である。こちらの女性はミヤビよりも背が高く、また肉感もむっちりしていて、二人並ぶと彼女の方が姉か母親に見えるだろう。

血なまぐさい殺戮後だからこそ、山賊も何もなく平和に砦までこれたのだが、ニコニコしながら近寄る姿はそれはそれで異様だろう。

「んー、ひと月ぶりぐらいですかね?」

月のない月夜の逢瀬からしばらくたっているため、そんな挨拶をする。
鳥での中でも持汚れていなささそうな場所に、女性二人で座るだろう。

燈篭 > 嗚呼いい気分だ

傷跡を思い返して酒を飲むなんざめっきりなかった
昂りは消えず、傷がふさがっていくまでが早い
昂りは身体を起こし 傷を塞ぎ 鬼に歓喜を続けさせた

酒を造り飲み干そうとせんばかりなだけだった
此処という場を鬼が占領してしまったなら、壱勢に周りは群れるだろう
酒樽に群がる鬼や天狗のように 飲み干そうとするだろう

鬼が飽いて放るまでの間のはずだったのに

益荒男との殺し合った思い出がなんて花火のように弾けるのだろう
これを辛い酒で済ませるのは駄目だろう

私の身体に傷を負わせた男の身体はどこだった
どこか高い場所で 花火でも眺めるように空を見ながら酒を呑んで馳せようとしたのに

「ぁあ~……?」

この土地で鬼の名前を呼ぶ者は少ない
故に酒を造ろうとする手が止まってしまった
見える向こうで、見覚えのある小娘が一人

「おーおー……ミヤビ、そうミヤビだ。」

丘の上で子種をせがまれ孕ませた小娘
なぜここにいる
草摘みには似合わない場へ来たのに首を傾げ、酒を飲む手は本当に止まってしまう
鬼は、一人ではなく二人により不思議にした

「ん~?」

でかい女を連れている
肉付きの好い女だ

「……おっ!」

合点がいくように、鬼は手のひらに拳を叩く
この小娘、土産に私に娘を持ってきたのか!
なるほど、酒に変えて飲んでしまえというのか!

粋な奴だ、よしよし、と身体を起こし、前へ進ませると

「おう、ミヤビィ 手土産とは気が利いてるな
 お前にも鬼の酒を飲ませてやろうさ なに、すぐに出来上がるぞ。」

そう言って瓢箪の中身が空になり、さて、といったところで待ったの声
ミヤビ、手土産を否とし、じゃあこれはなんだと鬼は返す

「……は? すまん、もう一度言うてくれ
 この女が私のなんだって?」

耳を穿り、ミヤビの口元に、耳に手をかざし再度答えを求めよう

そしていうのだ

私とあなたの 娘 だと

ミヤビ > 「手土産はちゃんとお酒をもってきてますからそれで我慢してくださいな」

そういい持ってきたのは薬酒。桃色が美しく、甘くて香りもよいものだ。
ただ、純粋な酒の味ではないため、もしかしたら好みではないかもしれない。

「この子は、ボクと燈篭さんの娘ですよ。名前はまだ付けてないので、燈篭さんがつけてあげてくださいな」

ひと月でこれだけ育つのは血のなせる業という奴だろう。
背は170cm近く、かなりの美女だが、ミヤビの雰囲気も、燈篭の雰囲気も、それぞれ併せ持っているので、娘だというのは疑いようもないだろう。
服装はミヤビと同じ、痴女巫女レオタードだ。

「まあやってもいいですが、ちゃんと責任取ってあげてくださいね。この子たちは、ボクやあなたと違って、お嫁さん志望ですから」

食べるならちゃんと、最後まで責任を取ってもらわないとと忠告する。
近親相姦は気にしないらしい。
責任といっても、そこまで色々求めるわけではないが、ちゃんと特別として最後まで見てあげてほしいらしいのだ。

ちなみに娘ちゃんもまんざらでもなさそうではある。

燈篭 > あっけらかんという狐娘
鬼も空いた口がふさがらない

あんぐり だ

「……?」

嘘とも思えず真とも思えない
いや、鬼も、鬼子として虐げられた
直ぐに歩くも喰うもできる身体だって不思議じゃない

じゃあなにか
この娘とやらは、鬼の鬼になった由縁をそのまま使っているかのような身体だと

「む、娘ぇ? ミヤビよぉ
 私の子って……認知させるためだけにこんな果てに連れてきたっていうのかい?」

なんて無茶苦茶な
酒だ、酒を飲まんきゃやってられない おうそれでいい寄越せ
薬酒だろうが酔えればいい

瓶に詰まったその酒を、まるで切り取ったかのように圧し折って

「あばばばばばば。」

甘ったるい酒を口の中に注ぎ込み、香もいいせいか
良い口直しになった。
酔いは覚めずとも、意識は覚める

「ぷぁ まるで果汁だ 甘ったるい」

舌を覗かせ、空の瓶を放ると腕がぬぐった口元
改めて見ると、名付けてほしいと言う生みの親

孕ませた親はゴリゴリと、角を掻くように頭を弄り

「おいおい、実子とやるなんざ鬼からしたらなんでもないさ
 しかし急ぎすぎるぞ」

手で制し、ミヤビと実娘を見比べて

「あー……そうさなぁ。」

名前をくれと言われると やれ悩む
鬼だって学があるわけではない
四季景色を楽しんで酒を飲み 暴れ 人を干す
鬼を語れる行為がそれに嵌っているだけなのだ

顎を撫でながらに、子を作ったのは月の無い丘だった

空を見上げ、酒を自然と欲するように、近場の呻く人が、酒瓢箪に吸われる
雑に振るって溶け行った辛口酒を口に付け

「無月(むつき)でどうだい」

言葉通りの名
秋口の句も隠れた月を思う季節の言葉ながら、鬼はそこまで深くない
しかし向こう側の月を思うというのなら 遠い場で親が子を思うようなものだろう
そう思うとこの言葉 しっくりときた

「よし、お前は無月だよ
 この燈篭と雅の子だとさ 鬼子と名乗るも、狐と名乗るのも好きにするといい。」

ミヤビ > では、わたしは鬼の子で、狐の子の無月です。よろしくお願いします。燈篭おかあさま♪
と、ちょっと茶目っ気を出しながら挨拶をする娘。
では、ミヤビお母様との交わりを見学させていただきますので、お気になさらず。
そんなことを言いながら、布団の用意を始める。砦に置いてあった中で一番良い布団を引きずり出してきたようだ。

「単にボクが燈篭ちゃんと交尾したかっただけだよぉ♡ ただ、まあ娘も見てみたいかなって思って」

いい経験でしょ?かわいいでしょ?
と言葉を重ねていく。

布団の上に仰向けに寝転がり、上体を起こして誘うミヤビ。
足を開いて、レオタードをずらせば秘所は簡単に丸見えである。指で開けば、狭そうなそこには処女膜も残っていて。

「あ、ボクの体、一番いい状態が維持されるんだよ。処女もいくらやっても戻っちゃうんだぁ♡」

そんなことを言いながら、相手を誘う。

燈篭 > 「おうおう 愛い娘でいておくれよ
 なにせ産みがこんなんだ」

鬼、まるで渋梨でも口にしたような顔で親指で指す雅
名づけるとなったことだし、身内も同じ

どれ、酒で親子の杯でも、と鬼、少し浮足立ってみた
嘗て山姥だって、熊に勝つような斧子を育てたのだ
鬼が匙な情くらい、湧かせてもいいだろう

しかし酒を手に、無月に声をかけようとするや、いそいそと寝床の準備
おい無月 何をしている 何? 閨の準備だ?

「おい雅」

鬼、渋柿を口にしたかのような顔でジロリ

「無月がどこぞの奴とヤりあうなんざ知ったことじゃないが
 私の寝床を見せる趣味まで認めた覚えはない。」

鬼も流石に度が過ぎた行為に、雅を布団ごと茶巾のようにひっつかみ、雅をつれて砦の一角へ

「無月、お前はこっち。
 いい子だから言う事聞くよな? ん?」

砦の一室で大人しくさせ、隣室で雅ごと布団を広げ、仁王立ち

「このド変態がぁ……そんなにしたいならやってやろうさ。」

鬼も舌を巻くような変態っぷり
顔をひくつかせ、娘を抜きで襲い掛かり、衣服は股の部分が引きちぎれ
袴の広がった衣のまま、着衣の行為に入ろうか

繋がる部位が、衣で見えない中での情事
けれども鬼の力と狐の淫れなら、それでも十分すぎるほど

ミヤビ > 「せっかくの性教育だったのにぃ」

とブーブーと文句は言うが、逆らうことなく連れていかれる。
無月は、ならば、お二人のお風呂を用意しておきますね。と離れるだろう。気の利いた娘である。

見えない中、ぶちぶち、メリメリ、と秘所の中に凶悪な鬼の棍棒が入ってくる。
ぬるぬると愛液で濡れそぼった中を、無理やり広げるように入ってくるそれに、ミヤビは悲鳴を上げた。

「今日の方が、元気ありませんか?」

力を抜いてどうにか受けて入れているが、すでに限界ギリギリまで広がっている膣に、体が悲鳴を上げている。
そのまま腰をゆっくり振るが、なかなか限界のようだ。

燈篭 > 「なんだい、この程度で悲鳴を上げるなんて
 月のない夜の威勢はどこへいった そらっ!そらっ!」

何もかも前倒し
鬼も気に掛けず狐を犯す
脚衣の袴スカートの内側で、鬼の猛りは直ぐに現れ、狐の割れ目を貫いた
処女の膜がちぎれようがお構いない

この淫乱が求めたことならば、両手を掴みあい、布団の上で肉壺を荒らす
突き入れるそれが、以前のように奥を抉り、広げ、反り返りが天を動くたびにこすり上げる
擦れば擦るほどに、火が付くように熱くなり、蜜を掻き出して溢れさせ

「どうせ次も孕むんだろうさ 遠慮なしない、よっ!」

より一層、奥へ押し付け、軽くめり込む鬼の肉棒
蜜で滑る肉壺洗い 音も間隔も普通じゃない

ミヤビ > 「だって、ぜったいおっきぃい♡♡♡」

子宮まで使い、どうにか全部飲み干すが、子宮の天井まで激しく突き上げられて、すぐに絶頂させられてしまう。
ぬるぬると体全部で締め付けつつ、早く精を出してとおねだりするように搾りとっていく。
衝撃を逃がすこともできず、両手もふさがれてただただ、力いっぱい凌辱される狐は、嬌声と悲鳴を上げながら絶頂を繰り返すことしかできない。

「はらむぅ♡ はらんじゃうぅ♡♡」

ぐちゅっ♡ぐちゅっ♡ と卑猥な音が響く。
見た目だけは只抱き合っているだけにしか見えないが。

ご案内:「タナール砦」にミヤビさんが現れました。
ご案内:「タナール砦」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」から燈篭さんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にステファニーさんが現れました。
ステファニー > 其の砦が幾度目かの攻防の末、人間たちの支配下に置かれたのは、昨晩遅くのこと。
砦内の最奥部、捕虜を捕らえておくべき石造りの牢獄には、武装解除された魔族の女騎士であったり、
呪具の類を剥ぎ取られた、半裸の魔女などの姿。
―――――其の中に一人、戦闘要因とは如何見ても思えない、一人の童女が繋がれていた。

「ふ、む………此れは、少し困った、ねぇ」

彼方此方破けたワンピース一枚、両腕は後ろ手に拘束具を嵌められ、
右足首には頑丈な鉄の鎖で、重い鉄球が繋がれている。
其処までせずとも逃げられないし、抵抗する気も無いし、
そもそも人間と争う気など無い、ただの通りすがりなのだと言ったが、
当然のように信じて貰えず、今に至る。

童女の姿はまやかしと見たか、額の刻印を怪しんだか。
何にしても、童女には迷惑極まりないことであった。

「尋問は後で、とか言われたが、責められて吐くことなど無いし、なぁ。
 ……拷問は、ちょっと嫌だな……」

呟く声も表情も、呑気なものではあったけれど。
顔に出難いとは言え、困っているのは事実だった。
そろそろ日も高くなる頃、尋問官だか拷問吏だかが、到着しても可笑しくない。

ステファニー > 本当に、本気で困っていたのだが、如何せんのんびりした性質である。
一人で置かれている現状では、緊張感は長続きせず。
暫し後には、実に健やかな寝息を立て始めていた、という。

―――――濡れ衣が無事晴らされたかどうかは、今は未だ、謎、とも。

ご案内:「タナール砦」からステファニーさんが去りました。