2016/10/25 のログ
ジャーク > 「……な、何をグズグズしているっ!早く追わないか!追え!その女だ!」

流れが悪くて熱くなったり、目の前の惨殺で寒くなったり、あまり冷静に戦況を見れている者はいなかった。
だが、多少なりたった一人であれだけやったんだから、疲れているかもという憶測はあったかも。
急かすジャークとは裏腹、やる気も抜けた衛兵達はあまり気乗りがしないと言った様子で走り始めた。
後ろの増援部隊はと言えば、倒れた兵士と、血まみれの砦の床に目もくれず、追っていく。

「フン…あれだけ我が兵を傷付け、少なくとも一人殺したのだ……
奴め、魔族である疑いをかけてやる…!おい、行くぞ!」

ただ、衛兵がどうあってもこの男、ジャークは諦める気はない様だ。
でもこの男はここに至っても何もしない。増援の兵に運べと目で示唆すれば、
自分の乗る人力車を運ばせる。
諦めの悪い男は、クラーラの背中をいつしか見ることが出来るだろうか。
どこまで行っても見ることが出来なければ、きっとどこかで撒かれてしまったのだろう。
砦の作りは不明瞭だから、幸運にも隠れる場所や隠し通路だって見つかるかもしれない。

クラーラ > 「口だけは……達者、ほんとに…」

斬り伏せ、惨殺し、引っ掻き回した結果は確りと出ていた。
しかし、戦場とは離れた男にはその凄惨たる現状は伝わらず、兵士達を強引に走らせてくる。
よろよろと逃げるものの、しつこく追い掛け回されれば、次第に速度がどんどん落ちていく。
砦の建物内へ逃げ込み、地形をうまく利用して追いついた兵士を突き落としたり、将棋倒しにしたりとするも、時間稼ぎ程度。
何か使えるものがないかと医務室へと向かい、そこで取り囲まれれば、技と魔法だけの片羽掛けた立ち回りで雑兵とやりあうほか無い。

「っ……」

戦闘不能にした兵士10人、アルコールの瓶を口に投げつけて詠唱妨害した魔術師2人。
囲まれた状態で四肢から血を滴らせながら、朦朧とした状態で剣を構えているものの、息は荒く、震える右手が切っ先を震わせる。
焦点がボヤケた瞳が悪漢…か、もしくはそれと見間違えた誰かに、手元のトレイにあった手術用の刃物を素早く投げつけようとするも、それは地面を転がるだけ。
最後は膝から崩れ、前のめりに倒れてしまう。
不思議なことに、倒れるときに鞘に収める様子がなかった魔剣は、いつの間にか納刀された状態になっていた。

ジャーク > 「ふー……やっと、追い詰めたのか。
はっはっは…なるほど、なるほど、我ながら中々冷え冷えする見物だった。」

満足気に、医務室の現場に辿り着いた悪人は言った。
通りがかった時、一体何人衛兵が倒れているかは、3人くらいで数えるのをやめた。
別に本人は戦っても居ない、指図していただけで、走りさえしていないのに、やってやったと、
それからああ疲れたと、達成感に満ちた顔。
その傍ら車を運ばされた衛兵達は、かなり疲れた様子だ。
後に、命からがら生き延びた運の良い兵士は、倒れる寸前まで、抵抗を止めなかった。文字通り刀折れ矢尽きるまで、戦っていたと語る。
さりとて戦いに疎いジャークはそれがどう凄いのやら、さっぱり理解できなかった。
人力車に乗ったジャークが上から眺めるのは、俯せで倒れるクラーラの体。
周りには、血痕や荒れた手術室の有様が残っていた様だ。

「ああ、キミ達、私は疲れてしまったよ。もう今日は魔族狩りなんて気にはなれん。
伝令兵に茶と菓子と風呂の用意を言っておきたまえ。暫し休養だ。
その女は…まぁ、たっぷりとお詫びしてもらわんといかんな…兎に角、今日はもう帰ろうか、ね?」

ふーと長い長い息を吐いて、砦から引き返していく一団。
それから、倒れたクラーラの行方は―――。

ご案内:「タナール砦」からクラーラさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からジャークさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にハナビさんが現れました。
ハナビ > 「ひーまー」

砦の一番上、屋上部分で平野を見下ろしながら、足をぶらぶらと揺らしている。
階下には魔族だったのか人間だったのかあまり確認していなかったが、多数の人がいた。
最も暇つぶしのついでで全員気絶してもらっていて、たまたま外にいたか倒し損ねた人、もしくは同じように立ち寄った人くらいしか残っていないだろう。
ただの暇つぶしだったので殺生はしていないが迷惑極まりない

「うーん…久しぶりに来たのはいいけど こんな手応えなかったっけ…?」

ご案内:「タナール砦」にカナムさんが現れました。
カナム > 「はぁぁぁ…倒れてるのはほっぽり出しといたよー」

ため息交じりに屋根の上のハナビに報告
砦に居た兵士達薙ぎ倒したままで放置していた所をきちんと砦の外に放り出しておいた
気絶した人間を運ぶのはかなりの重労働だった

「普通の兵士相手なんだから手応えも何もないよ、山に居た妖怪達にも苦戦すると思うよ?」

八卦山で無双するハナビがどうやったら苦戦すると言うのか
兵士の皆はよく頑張った方だと思う

ハナビ > 「ありがとう カナム」
どうやら倒した兵士たちを運んでくれてたらしい 振り返ることもなく三尾の尾を揺らして挨拶代わり。
以前に八卦山にいたときよりも尾が増えている。同時に邪気や妖気も数段増えているが、今は殺戮や破壊衝動はおきておらずただの傍迷惑な悪戯、程度で済んでいる

「前に来た時は結構苦労したんだけどなぁ」
ぼんやりと空を見ながら、足を揺らして死屍累々の平野の上に居座っている

カナム > 「感謝してよねー」

呑気に返事を返す
ゆらゆら揺れる尻尾を見る度尻尾枕の心地良さを思い出して眠くなる
あれは一種の魔具だと思う

「よ…っと、それってかなり前なんでしょ?
今のハナビがてこずる相手とか、僕会いたくないよ」

八卦山での修行とハナビの衝動の改善の日々
その間に自分もかなり強くなった筈なのに未だにハナビに勝ててはいない
ハナビの隣に移動し少し視線を動かせばいまだに転がったままの人、人、人
うん、やっぱ規格外だ

「暇潰しで攻められるのは流石に同情するよ」

手を合わせて気絶中の兵士たちに拝んでおく
これにめげずにこれからもしっかり職務を全うして欲しい

ハナビ > 「まぁね でもこんなに変わったんだなって思ったよ」

もう昔の姿すらうろ覚え。すっかり黒の色が馴染んできて真っ白の毛だった頃がイメージできない。

「もう少し強い戦士とか傭兵とかいるとよかったんだけどね 面白い魔物もいないし…砦に大した秘密もなかったし…軍人さんとか怒って来ないかな〜」

くすくすと笑いながらロクでもないことを考えている

カナム > 「そうかもね…でもその髪、僕好きだよ。」

純粋な褒め言葉
ハナビは昔は髪が真っ白だったようだけど今は今の姿で似合っている
真っ黒になったらどうなるのかなんて事も考えてみたり

「あーそれだけど、前にここで凄い将軍が消息不明になったらしいよ。
だから折角取り返してもそんなに多くはここに戦力裂けないっぽい」

それと何度も人間と魔族の間を行ったり来たりの砦に秘密なんて欠片もない
ベッドの下まで捜索されてるから仕方ないね

「軍が責めてきたら流石に逃げようね?ね?」

ハナビ自身と自分のみの心配もあるがそれより…
万が一ハナビが勝ってしまった場合、その後のトラブルの山を考えると目の前が暗くなりそうだ

ハナビ > 「そう? ありがとう。そう言ってくれるのは君だけだよ」

ようやくと振り返り、笑みを浮かべる。無邪気そうな幼い笑顔。
先日セリオンやレヴィアタンといった同格の強敵と戦ったことで精神状態がかなり落ち着いている模様。
一時的な薬物の影響で狂乱していた時期に一緒じゃなかったのが唯一の幸いだろうか

カナム > 「そうかなぁ?」

ハナビの髪ならもっと色んな人が褒めそうだが…まぁいいや
最近は大物とやり合ったおかげかハナビはとても穏やかだ
この調子がずっと続いてくれればいいのに

「いつか僕が勝つまでさ…」

ハナビの衝動を正面から受け止められる
それ程までに自分が育つまで持ちこたえて欲しい

「あ、起き出したよあいつら」

ようやく意識が戻ったのか地面に転がった兵士達が立ち上がる
指揮官っぽい人がこちらを睨んだ後王都の方へと兵を引き連れて歩いて行ったけど…

「あれって確実に復讐しに来るよね?」

うへぇ…と声を漏らしながらハナビの方に振り替える
暗にさっさと逃げよう?と伝えてみるけれど…

ハナビ > 「ほら 僕とまともに話す人って少ないからさ この姿になってから余計に、ね」

のびーっと身体を伸ばし、うなじや脇を露出させ、筋肉の動きに合わせて胸が上下する

「…ん 頑張る」

小声が聞こえたのか、こくんと頷く。そしてカナムの声に反応して下部を見下ろせば確かに起き出す人達

「んー逃げてもいいけど…また来ると思う?」
一部の兵士に至っては手を触れずとも倒している
これでまた向かって来る人を勇者と呼ぶか無謀戦士と呼ぶか 判断に迷うところだ

カナム > 「話位なら幾らでも付き合うよ、もちろん話以外も付き合うよ?」

この姿と言われても話をしたくない、なんて程の姿をしてるかな?
手から血が滴り落ちてたり目が10個ぐらいある訳でもないのに
気にし過ぎだとは思うけど変な虫がつかないなら別にいいや

「絶対来ると思うよ、子供と女の子に砦落とされましたなんて普通に報告する様には見えないし」

それにこちらを睨んだ目がゼッタイコロス、と雄弁に語っていた
あれは数で押潰すとか考える奴の目だ

「砦を攻め落とすぐらいの勢いで来ると思うしさ、ここから離れた方が良くない?」

あの無謀隊が戻ってくる前に離れたい
相手にしても得がないのが更にやる気を失わせている

ハナビ > 「うん 期待してるね それじゃ帰ろうか」

カナムのやる気の減少や周囲の殺気 確かにここにいる意味はもう無い。立ち上がり、せめて自分に付き合ってくれるカナムが喜んでくれる場所に行こうと遠くを見る。

周囲には起き上がって武器を手に取る兵士の姿。外見に騙された次は油断しないとでも言いたそうな人々の目。
それに小さく微笑むと砦の屋上からジャンプして兵士たちのど真ん中に降りる。

「カナム、帰ろ」

周りの兵士には目もくれず、上を見上げておいでと手招きした

カナム > 「…うん、帰ろう帰ろう!」

今日はすんなりと受け入れられた
良かった、砦に攻め入った時はどうなるかと思ったが
今日は良い日だ……

「じゃぁ裏から……え?」

砦の屋上から飛び降りた
そこまではまだいいのだが問題は飛び降りた場所
何で…何で兵隊達のど真ん中に飛び降りたの!?

「ああぁぁもう!」

鉈を振り抜き飛び降りる
いきなり自分達を蹂躙した相手が無防備に目の前にやって来た兵士達
号令もなく武器を手に取りハナビに襲い掛かっていく
もういっその事全員息の根を止めてしまおうかと考えながら鉈で1人目の兵士を殴り倒した

ハナビ > 襲いかかって来る剣を寸前で僅かに逸らす
死角から突かれる槍を指で止め
遠くから放たれるボウガンは受け流して地面に叩き落とす
そのまま歩く足は止めない。
襲いかかる人の群れが風のように後方に抜けて行く

「カナム、こっちこっち」
散々挑発されたことで兵士たちは感情が表にですぎており、目を瞑っていても気配が丸わかり。
人外の瞬発力と戦闘技術があればあしらうことなどわけない。
カナムにも集中すればでぃること…かもしれない

カナム > 「こっちこっちじゃなくてぇ!?」

全ての攻撃をいなし躱し
兵士達なんて居ないかのように進んでいくハナビ
それに必死に追いつきながら兵士たちを殴打していく

「あぁもうお前らもさっさと逃げろよ!」

何でここまで実力差を見せつけられても狙うのか
気を体内に叩きこみまた一人兵士が倒れる
鉈と気を十全に使えるからこそこんな力技でハナビについていけている
本当に強くなった…筈なのにハナビはまたその先を行ってしまう

「…イライラしてきた……」

自分の不甲斐無さと大量の兵士達にストレスがたまる
思わず兵士の腕や足の骨を砕いてしまったがそれぐらいで丁度良いだろう
気絶していないおかげで悲鳴があがる
そのお陰で段々と士気も低下、兵士達の攻撃の手も緩まって来た

ハナビ > 「攻撃がやんだね〜」
あれを攻撃と本当に認識していたのか怪しいが、ひとまず消えて行く気配にのんびりとした言葉をかけて。

「どうしたの?凄いギスギスした空気を感じるけど?」

もしかして攻撃受けた?と兵士たちを一瞬だけ睨む。
その一瞬だけ出した邪気。この姿になってから話しかける人が減った原因の一つとして、強い邪気がある。一般の人なら恐怖を覚えるほどの、邪悪な気配に本能が近づくなと警鐘してしまうのだろう

カナム > 「やっと諦めたか…はぁ、疲れた」

無駄な攻撃が止まりやっとのんびり帰れる
無駄な戦闘なんてする事ないのにと恨みながら周りの兵士を見やり

「え、そんな訳ないよ。ただちょっと数が多くて邪魔くさかっただけだよ」

少し怖い顔でハナビが周りを睨んだ
ほんの少しの敵意を向けられただけでほぼ全員が戦意喪失
最初から歯向かわなければいいのに…

「ほらハナビ、怖い顔になってるよ?
僕はこの通り無傷で元気いっぱいだから安心して」

手を握って先導する
周りの兵士達がどうなろうと知った事ではないが
ハナビのこの状態が長く続くのは良くない
折角抑えられている衝動の呼び水になる前に別の事に意識を向けさせる

「早く帰って一緒にゴロゴロしよ。今日はいつもより寒いから尻尾枕したいなぁ」

ハナビ > 「そう?ならいいけど」

思わず手に込めてた魔力と闘気の融合。砦を破壊するほどじゃないものの、確実に死者が出る技を放つかどうか天秤にかけるほどだったが、カナムが無事なら、と魔力は消し去り手を握る。

「んー、尻尾を枕にしてもいいけど、カナムが随時下に来ちゃうなぁ…抱き枕じゃダメ?」

頭を抱きかかえて胸に押し付けながら、尻尾を体に巻きつかせて寝るのが好みであった ぎゅっと密着するのが好きなのは不安からなのか最も安心するらしい

カナム > 「うん、だからもう行こう。五月蠅いのが多いしさ」

呆然としたままの兵士達をよそに二人並んで歩いていく
視界から兵士達が消えて初めて気を緩めた
平穏無事に事が運んだのでとても満足だ

「ハナビが良いなら抱き枕の方が良いかなぁ。その方が温かいし気持ちいいしね」

抱き枕、尻尾に自分が抱き着くのではなく抱き着かれて寝る姿勢
暑い時は寝苦しく感じるが最近は寒くなってきたのでとても心地よく安心できる
ハナビが良いというなら勿論抱き枕を選択するに決まっている

ハナビ > 「うん、それでいいよ」

テクテクと歩きながらキャンプ地を探す 街まで戻るには相当時間かかりそうだ。飛んでいけばすぐだけど疲れるし、のんびりしたかった。

「ところでさ」

ふと、歩きながら横を向いてカナムの顔を見つめ」

「カナムってよくボクと一緒にいるけど、好きな人とか恋人さんと作らないの?」

唐変木の朴念仁めいた素っ頓狂な事を言い出した

カナム > それでいいといわれ小さく拳を握る

「やった」

思わずテンションがある
帰れば休める上にその休み方も極上のそれに近い
思わず歩く速さが早まり

「すっ………えっと、僕はハナビの事が好きだよ?」

今さら何を?と首傾げた

ハナビ > 「そうなの? ボクもカナムの事が好きだよ。」
にこりと微笑むがどこか弟を見るような雰囲気も感じる。

「いやね 普段一緒にいるし お風呂も一緒に入るし 一緒に寝るし、エッチもするけど ボクとカナムの関係って何かなって思ってさ。ただの師弟?」

手を握ったまま足を止めてじっと顔を覗き込み

カナム > 「ならそれでいいじゃん」

好きと正面から言われれば悪い気なんてしない
ニコリと笑みが強まりつつ次の質問には…少し頭を悩ませ

「師弟だけだと何だかあれだし…折角だから恋人でもいいんじゃない?
やってる事は恋人同士っぽいし」

お互い好きならそれでいいんじゃないかなと答える
もし嫌だと言われてしまえば少なくないダメージとしてカナムの心に刻まれる