2016/02/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にアシュトンさんが現れました。
■アシュトン > (異形の囁き声がそこかしこから聞こえる砦――から、幾分と離れた場所。
物陰の、更にその陰を縫うように、何かが音を立てず移動してゆく)
相変わらずと、本当にここの支配権は慌ただしいな。
(口元を隠す布地の下で、ぼやくような声が。
現在、タナール砦は魔族達の勢力下、である。
奪還部隊の指揮官と契約した結果、得た仕事は偵察任務。
まぁつまり、何時も通りだ)
■アシュトン > 中に入る事が出来れば、一番いいんだが……っと
(補給物資らしき箱の山、その裏に忍びこむと屈みこみ。
微かに身を乗り出すようにすれば、砦の方角を鋭く細めた目で見やる)
少し、厳しいか。
或いは迂闊なヤツがいれば、捕まえて吐かせるのも手、だが……
(どちらにせよリスクはある。
侵入し様にも、魔族は全体的に人よりも優れる部分が多い。
得意分野ではあるとはいえ、少々のミスでバレるかのうせいも十分とある。
捕まえるにしても、余程の間抜けがブラブラと一人で歩いてる、なんて状況でもなければ難しい訳で)
様子を見る、か。
(息を顰めたままに、まずは状況の確認に徹する)
■アシュトン > ――間が悪いな、どうにも抜けられそうな所がない。
(流石に奪われてからそうと日が経っていないせいか、警戒の方も厳重な様だ。
これといって、入れ替わる時に隙がる、なんて風でもない。
思案気に片目を閉じた後に、浅く息を吐き出して)
ひとまず、巡視の配置と人数、交代のタイミング。
後は物資の数量を確認してから戻るか。
(こういう時に焦ると、大概はロクな目に合わない。
現状で出来る仕事を確実に、というのが一番大事なのである。
身を屈めたままに駆けだせば、風の音へと紛れ込むように。
その場を後にしていくのであった)
ご案内:「タナール砦」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にサロメさんが現れました。
■サロメ > 大勢の怒号が飛び交う
魔法の矢が降り、退魔師の結界が魔物の増援を防ぐ
………丸一日続いた攻城戦も過ぎ去れば静かなもの
砦の東側…所謂魔族の国側で馬から降り、剣をつきたて、遠くを眺める
「………」
巡る思考
かつて女傭兵から入手した、魔族が王都に直接的な攻撃を仕掛けられない理由
「旧神の加護、か…」
此処、タナール砦には多くの魔物が押し寄せる
しかし、この砦を越えた場所に魔物が大挙し襲ってくる、ということは滅多とあることではない
…人智を越えた、人を欺くことのできる叡智をもった魔が、街の闇に潜むくらいである
■サロメ > 旧神とやらの情報を集めてみるも、まるで掴めるところもなく
王城に忍ぶ魔族の炙り出しも、連中が警戒をはじめたためかまるで鳴りを潜めた
「(警戒させたとなれば、大きな動きを起こすこともないだろう、が…)」
ひとまずの落ち着きを得たとして、久しく前線へと借り出されたのだが……
そればかりが気になり、戦いに身が入らない部分を感じていた
「…いけないな。雑多な念は剣を鈍らせる」
支えていた剣を、二、三度
色々なものを振り切るように振るうと結露した氷の粒が美しい奇跡を描く
■サロメ > 砦の内部では残っている魔物の駆逐、そして再び砦を運用するための準備が始まっている
こう、手伝ってやりたいところでもあるのだが…
「副官が雑用をすると格が落ちる…とまた言われかねないな」
不本意そうに頬を何度か掻く
こうやって、準備が整うまでの間魔族の国からの侵入を監視する
…という役も雑用の一つといえるのではないかと内心思いつつも、
自分がこの騎士団随一に迫る戦力であるという自覚もある
適材適所ではあるのだろうか、と、自分を納得させる
ご案内:「タナール砦」にエミリーさんが現れました。
■エミリー > 振るわれる剣に切り裂かれる魔物
その悲鳴に誘われるように眼前に全身黒甲冑の男が現れる
「うるさ~いぃ……お昼寝できないよぉ~…」
砦の上層から降りてくる甲冑男よりさらに上、そこから女の声が響く
気怠そうな雰囲気が声で伝わるほど面倒そうな声音が
■サロメ > 「……?」
場にそぐわない間延びした声に怪訝な顔をそちらへと向ける
聞き間違いでなければ「昼寝」という言葉が聞こえたが……
顔を向ければそちらには見覚えのない甲冑、と、女
違和感と同時に勘も働く
第七師団は対魔族・魔物戦のスペシャリストだ
「何者だ?…人間ではないだろう。」
■エミリー > 「む~人間だよ~…」
いきなり人外扱いされむくれる
なんて失礼な、これでも一応元人間だと言うのに
「そんなのよりー、さっきからうるさいぃ……盗賊さんなのぉ…?」
上階からフワフワ浮いた状態でサロメの方を見やる
歩くと疲れるからこの体勢だがそれは仕方ない事
「それならぁ…お宝はなんにもないよぉ…?」
■サロメ > 「訂正しよう。普通の人間ではないだろう」
緩い応対に僅かに呆れ顔になり、剣を降ろす
敵性存在かどうかはまだわからないものの、今すぐに襲ってくる、という気配は感じない
「盗賊ではない。王国の第七師団の者だ。
騒がしいのは当然だろうな。今しがたこの砦を魔族の手から奪還したばかりだ。
……宝がないのは知っている。以前は何度も来ていたからな」
■エミリー > 「ん~……そだよ~…♪」
一応は人間扱いされたので満足気
ニコニコ笑顔を浮かべて眼前の少女を見つめる
「しだん……?一人じゃないのぉ…?」
師団と聞けば靄がかかった思考でも思いつく
王国軍、つまりは軍団…しかも奪還となれば一人で来たと言う方が考えにくい
「なんどもかぁ~…殺すのが好きなの…?」
かくんと首をかしげる、悲鳴の割に彼女の衣服に返り血が見られない
圧倒的な実力差で蹂躙したのだろう
どうしようかと考えながら…ひとまずお喋りしてみる
■サロメ > 「だろうな…普通の人間はまず浮いて移動するのが常ではない」
甲冑も気になるが、まずはそこである
高位の魔術師ならば造作もないのだろうが、どことなく感じる雰囲気がそれではない
「直属の部隊と共に、だ。他の者は砦の別の場所で後始末と行ったところだ。
…逃げる魔物を背から斬り殺すような真似はしないさ。
この砦を魔族に落とされていると民衆が不安な生活を強いられるからな」
方便だな、と自分でも思う
勿論近隣の町の住人は不安がるだろうが、実際にはこの砦を足がかりに魔族の国を攻めるための保全である
なぜやるか、と問われればそれは命令だと答える他にない立場でもあった
「むしろ訪ねたいのはこちらのほうだな…。
お前が何者で、そっちの甲冑が何者で…そもそも魔族が奪っていた砦で何をしているのか」
■エミリー > 「それは~疲れるから~…」
常に抱きかかえられるか飛ぶのが常なのだからそう言うしかない
歩いて走っては緊急事態にしか使わない…何せ疲れるんだから
「ふーん…仕事熱心なんだねー…
優しいようでーやっぱり怖い人だねー」
つまり正面から切り伏せられるのだろう…しかも仲間が目の前で殺されて背中を晒して逃げられるかというのも怪しい
つまるところ…おそらくこの砦周辺に居た魔物達は根絶やしなのだろう
「え~っと~ここは静かでのんびりできるの~♪
ゴーさんは~護衛だよ~、盗賊さんとか~冒険者さんを~追っ払ったり倒したり~…」
ゴーさんとはおそらく黒甲冑の事だろう
のんびり欠伸が出そうな口調
自分で聞いていても眠くなるが今寝るのは流石に危ないとわかっている
目をグシグシと擦り眠気を追いやる
■サロメ > 疲れるから、というなんとも怠惰な返答に眉を顰めるしかない
つまりこの女性はあれが歩くよりも走るよりも自然な状態ということだ
「そうだな。
魔族や魔物達から見れば、刃物を振り回し大砲を撃ちこむ。怖い人なのかもしれない」
そこは肯定する。立場が違えば見方も変わる
町の人間からは凱旋すれば持て囃され、王城の人間からはお褒めをいただく
それは彼らが味方であるからに他ならない
魔族とて知能があり、言語を解する者も多い
騎士団として魔物を狩る以上、あまり考えないようにしていることではあるが
「そうか、騒がしくしてすまなかった。
が、此処は常々騒がしくなる場所だ。昼寝に使うなら別の場所を選ぶんだな。
魔族が支配していた砦で安息を得ている、など…疑いをかけられることになるぞ」
無論、その疑いは自分も持っている
逃げるならば良し
逃げないならば説得
説得が通じないならば、排除
魔族側の存在であったとしてもこうやって言葉が通じる相手ならば、あるいは…
■エミリー > 「え~と~、一個聞きたいんだけど~…」
何だかとても話がスムーズに進んでいる
この女の人はたぶんいい人、そんな気がする
だから他の誰かに聞くよりもこの人に聞くのが一番手っ取り早い
「ここのお掃除したらー…人が沢山ここに来るのー…?」
彼女の言葉に間違いはない
魔族ばかりのこの砦は周りからアンデットとして扱われるので居心地がいい
良い意味でも悪い意味でも魔族は本能で動くことが多い…そこには人間独特のしがらみやいざこざもない
もしもこの砦に人間が押し寄せたりしたら…折角の平穏が乱される
そんな事になればまたあちこち動き回る忙しい身となる…それはあまり喜ばしくない
■サロメ > 「…そうだな。此処は魔族の国との国境に等しい。
守り続けるのは難しいだろうが、奪う以上は最善を尽くして守るべき場所だ」
既に直衛の一人は早馬で王国に報告を挙げに向かっている
半日後には駐屯部隊が到着するだろう
「そういうことだ。
それに不都合があるならば早いうちに此処から去るんだな。
私の部下にも気の荒い者はいる。見つかって余り良いことにはならないぞ」
■エミリー > 「ん~そっか~…」
つまり沢山来るんだろう、間違いない
彼女の表情をよーく見ればこれはここで話したところでそれは変わらないだろう
「じゃぁ~皆にはさよならしてもらうよ~…」
気だるげに木の杖を掲げ黒甲冑の男は大剣を背中から引き抜く
杖をユラユラ振っているだけの様に見えるその光景…数秒後には怨嗟の雄叫びがそこかしこから湧き上がる
「早く逃げてね~…」
言っても無駄かもしれないがそう告げる
■サロメ > 「こうやって言葉が通じる相手ならば、双方理解しあうことも可能…。と、陽の目は捨てたくなかったのだが…」
肩を竦める
これでまた、師団長から甘いだの舐めてるだのと説教だのが確定である
「我が直衛部隊に雑兵あらず。
……そのデカブツが氷像になる前に逃げたほうが懸命だ」
諦めの表情から、一転、騎士の面構えへ
切り替えの早さも手慣れたもの
話をし、交渉し、そして決裂
魔族相手にはもはや慣れたものだ
蒼鋼の長剣に左手を添え、魔力の波を奔らせてゆく
刀身が結露するだけに留まっていた魔剣は、その周囲に強烈な冷気を放ちはじめた
■エミリー > 「納得はしないよ~…」
言いたい事は分かるが理解と納得は違う
お互い譲れないのだから削り合うしか他にない
「数は力だよ~みんな起きて~」
全ての死体が起き上がる、全てはただ命令に従うため
骨だけになろうとまだ肉が残っていようと氷の中であろうと全ての死体が目を覚ます
「ゴーさんも頑張れ~…」
甲冑は大剣を引き…駆ける
一息で距離を潰せば力任せに剣を横なぎに振るう
剣術ではなく獣の様な力任せに相手を殺す為の一閃
■サロメ > 「話した上で双方納得できる結果にならないならば、仕方がないことだ」
どちらにも譲れないものがあり、妥協点に辿りつけないことなど珍しくはない
そうなれば後は───
「(……迅い)」
見た目ほど鈍重ではないことにまず驚かされる
咄嗟に後方へ転身し斬撃を回避するが、このままでは捕まるだろう
避けてばかりはいられない
魔物や、魔族たちの死体が起き上がるのを目の当たりにすれば、時間をかければかけるほど不利にあるのは明らかだ
ならばどうするか、逃げる?逃げるにしても砦の"こちら側"は魔族の国だ
「……召喚士、屍術士を相手取るならば…定石を取らせてもらうぞ」
駆け出す
おそらく甲冑は反応してくるだろう、しかしその前に、
距離を詰めながら、剣を持たない右手に魔力が収束
魔剣によって増幅されたそれを撃ち出せば、鋭く大きな氷の槍がエミリーへと襲いかかる
■エミリー > 「仕方ないよ~…」
避けられればまた一閃、相手に呼吸を整える時間は与えない
鎧を着た人間がこんな県の振り方をすれば数分もせずに型と腕が壊れる
しかし剣を振るうのは人外、疲れを知らず常に最高の一撃を振るえる
「お~……これは無理かなぁ…」
フワフワと浮いている状態で避ける
そんな急制動は不可能。
だから少しだけ軌道を剃らす、風の魔術の初歩
風の塊をやりに当て少しだけ角度を下げる
後は少し高く浮かび上がれば…
「ぐっ……」
くぐもった声と共に腹部や深々と槍が突き刺さり後方の壁へ吹き飛ばされる
生きていれば絶命は必至…しかし今となっては
「冷たくて気持ち~…♪」
動けはしないが自分が動く必要はない、隙を突くように大剣の刺突が迫る
■サロメ > 人間が剣を携え、駆ける以上は斬撃が来ると大体の魔族はタカを括る
加えて魔剣を使用した詠唱破棄、にも関わらず対処行動は的確に見てとれた
それでもなお、当たるタイミングだった
想定の通り氷の槍はエミリーの胸を貫く
心臓がそこにないとしても大きなダメージを与え、動きを奪うことができる
が…
「(ダメージがない…?)」
ほんの僅か、その呆気な反応に気を取られた
「ッ…しまっ───」
すさまじい大剣の刺突、受ければ魔剣であろうと折れかねない
転身し回避を試みるが……
「ぐうッ!!」
右の太腿に大剣が掠る
掠る、と言うには深いが…もう少し反応が遅れていれば脚をまるごともっていかれたことを考えれば掠ったという表現が正しいだろう
姿勢を維持できず、床に転がる