2015/10/27 のログ
レティシア > (男の元へと蝶が辿り着くより早く、相手の行動の方が早かった。眼下の死体の山が動いたかと思えば、放たれる矢と共に、こちらへと向かってくる人間の死体。しかし、女は、クスっと笑みを零せば、指先をくるっと動かし、途端に凍りついた死体は真下へと落ちてゆく。続いて、男が弓矢をつがえるのが見え、こちらへと、それぞれの放物線を描いた二本の矢が届く寸前に女の姿が一瞬で消える。次の瞬間、女が姿を現したのは、地に足と付けているであろう男の直ぐ背後。その首筋に、指先を長い刃物へと変えたそれを、ピタリと当てて) ――レディにいきなり、矢を放つなんて、マナー違反ではなくって?(にっこりと笑みを浮かべながら、この状況に不釣り合いであろう、甘い声で囁いて)
アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (迎撃されるまでも想定内、あとはそっちに気を取られたうちに二射目の対応が遅れれば一矢報いれるかと思うわけだが)…っ!?(消えた。姿を消す魔法か何かかと思えば、気配を探ろうと意識を集中しつつ、矢をつがえようとするが…首筋の刃に手が止まる)酒場か市場なら…矢の代わりに口説き文句を放って、仕事に引っ張り込みたいところだが(少しだけ首を動かし、視野の端に彼女を捕らえようとする。怜悧な瞳をした男の顔が見えるだろう)仕事上、敵同士だからな、これが挨拶だ(さてどうなることか、ここで殺される可能性もあるだろう。緊張に高鳴る心臓に逆らうように表情を変えず、頭の中を冷やしてここから逃れる方法を考え続ける)
レティシア > ……は?口説き文句?…仕事?(男の首筋に指先の刃物当てていれば、スゥっと朱い線が引かれ、じわりと滲みだす人間の血液。しかし、男の正体を知らぬ女は、相手が口にした言葉の関連性に、眉を顰めて首を傾げる。相手が微かに首を動かせば、初めてお互いの姿が間近で認識できる。女はまるで、値踏みをするように目の前の男の瞳を見つめ…しかし、向けられる相手からの言葉に、女は苦笑を漏らし) ――勝手に決めないで頂戴。あたしは、どちらにも肩入れするつもりはなくってよ?(今、目の前で繰り広げられている戦には、自分は無関係だとでも言うように、女はひょいっと肩を竦ませた。もう興味が失ったとでも言うように、男の首筋から指先を引けば、フルっと頭を振って、銀の巻き毛をユラユラと揺らして佇んで)
アーヴァイン・ルグゼンブルグ > 傭兵斡旋と宿の経営、あとは自分が戦いに出たり…色々やってる。いい人材は多いほうがいいからな(刃を突きつけられつつも静かに語る、首筋の僅かな痛みに瞼がぴくりと跳ねるも、男は視線をそらさず彼女を見つめる)…何?(予想外の言葉に瞳が驚きに満ちる。首筋から刃がなくなれば、佇む姿へ振り返る)じゃあ何であんなところにいたんだ?(散歩に出歩くような場所ではない。彼女の格好は戦う格好ではないのはわかるが…理解しきれないと、訝しげに問う中、空に花火が上がる。赤い信号弾は、彼の仲間が無事逃げた時のサインだ。空を見上げ、表情が少し緩む)仕事が終わったらしい。
レティシア > あらあら、随分と働き者なのねぇ…感心するわ。(相手の身の上をざっと耳にすれば、口元を指先で押さえつつ、クスっと笑いながら頷きを返す。片手を夜空へと伸ばせば、先程、飛んでいった幾つもの瑠璃色の蝶がその細い指先に集まりだす。ごくろうさまと一声かければ、蝶の姿が霧散して。相手から、問いを向けられれば、くるっとそちらへと振り向いて) …お散歩と狩り…かしらね?(笑う女の返答は、男が否定していたそれだった。ふいに上がる赤い花火に、チラリと視線を向けてから、再び相手の表情を見つめる。そのまま、スっと両腕を伸ばすと、相手の首筋へと絡ませようとして。相手が抵抗しなければ、爪先立ちになり、己が傷つけた首筋へと唇と寄せようとして)
アーヴァイン・ルグゼンブルグ > かもな。一団の主が前に出るなとたまに叱られる(苦笑いをうかべて答える。紫色の蝶が集うのを見やると、魔法の一種だろうかと思うが、詳しいところまでは理解し得ない)…そ、そうか(まさかの答えだった。散歩と言われれば、否定する要素がなくはないが、本人が言うんだからと困ったように笑ってしまう。先ほどの蝶もあり、彼女も魔族と思えば酔狂な娘なのだろうと思うことに)しかし、狩りと(散歩は共存しないだろうといいかけたところで、不意の接近。首筋を擽る刺激と痛みにビクッとしつつも、驚きのまま彼女を見下ろす)何を…?(悪さではないとはいえ、唐突な行動の理由を、静かに見つめながら問う)
レティシア > …そうね。主がいなくなってしまっては、下の者達が困ってしまうわ?…でも、時には先頭に立つ事も必要よねぇ…(まるで、相手の立場を判っているというかのように、同調するような言葉を返す。己の返答は思いがけないものであったのだろう、相手が困ったような笑いをもらせば、「えぇ、散歩なの」と更にダメ押しをして。相手の首筋へ両腕を回しても、抵抗される素振りが見えない。何をと問われれば、口元へ、静かにと言うかのように、人差し指を立てて) ……っ………(相手の傷へ、舌先で触れたかと思えば、滲む血液を吸い上げる。暫し後、血が止まったのを確認すれば、両腕を解いて、解放して) …これで止まったかしらね…。
アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (自分がいなくなっては統率もなくなり、ほんの一握りの場所に築いた平和も崩れてしまう。そのとおりだと思えば頷くも)…上に立つのは大変だな(たまには前に出ないといけない。さじ加減に苦笑いを浮かべる)…?(静かにと仕草で告げられれば唇を噤み、様子を見つめる。首筋に舌先がふれるとこそばゆい刺激が強まるも、邪魔したら悪いと体を動かさないように、おとなしくじっと我慢していた)…(どうやら血を止めてくれたらしい。予想外の連続にキョトンとしつつも、首筋を軽くさすって)…ありがとう(頭に浮かんだのは礼の言葉。傷つけてきた彼女へうっすらと笑みを見せて告げる)
レティシア > あら。その大変な事をなさっているのでしょう?…あまり捨て身の攻撃とやらは控えた方がよいわ。(先程の自分の攻撃をさしての言葉か、相変わらずの笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。相手の首筋へと唇を寄せ、流れる血を止めてやれば、相手から礼を告げられて、こちらもキョトンとした表情を浮かべる。しかし、直ぐに可笑しいとクスクスと笑いだせば、一歩、後ろへと身を引いて) 礼なんていらなくってよ?…さて、あたしはまだ散歩を続ける事にするわ。では、ご機嫌よう、ミスター。
アーヴァイン・ルグゼンブルグ > あれは…あんなにあっさりと避けられたのは予想外だ(あの動きは想定外だったのもあり、相変わらずの苦笑いで答える。自分でも彼女に礼を言うのも妙だとは何処かで思っていて、クスクス笑う彼女に釣られ、こちらもしっかりと笑みを浮かべた)そうか…君のことだから何も問題はないと思うが、夜道に危険な場所だ、気をつけてくれ?(攻撃をあっさり避けれた自分が言うのも妙だがと思いつつ、女として扱った言葉)チェーンブレイカーのアーヴァインだ、宿はカラーレス、王都にきたら寄ってくれ(簡潔に名と場所を答えると、また会おうと手を振る。それから信号弾の上がった方角へと向かっていく)
レティシア > (こちらを気遣うような相手の言葉に、女は瞳を丸くする。申し訳ないと思っていても、つい小さく吹き出して) …あ、ごめんなさい……えぇ、ありがとう。急に死体が飛んでくるかもしれないから、気をつける事にするわ。(口にしたのは、聊か意地の悪い言葉。相手から名乗られれば、ふと考えるような表情を浮かべるが、相手へと表情を向けて) …レティよ。(一言、己の名を告げてから、「変な男」とひとごちる。新たに上がった花火の元へと相手が歩きだせば、女は背中の翼を羽ばたかせて、宙へと舞い上がり…漆黒の夜空へと消えてゆき――)
ご案内:「タナール砦」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」から アーヴァイン・ルグゼンブルグさんが去りました。