2019/12/22 のログ
ご案内:「無名遺跡」に獣魔目録さんが現れました。
獣魔目録 > ――…そこは月の輝きが天井より降り注ぐ部屋であった。

無名遺跡
迷宮と化した遺跡の中に存在する迷宮一つ、そのとある迷宮。
そのとある迷宮の第一階層にとても不思議な部屋があった。
石で形成された通路を進み、その行き止まりに有る木製の扉を開くと容易く侵入できる部屋。

通路と同じく磨かれた石で作られた冷たい床に幾つか天井と床を繋ぐ柱があり、部屋の中央には崩れかけた天井より月明かりが降り注ぎ、まるで舞台用にまるく床を照らしている。

踊り子舞うためのステージか、それとも生贄を捧げるための祭壇か。
考えようによっては色々と好奇心をそそるような作りの部屋であるが、どれもこれも偶然の産物で特に謎なんてものは存在しない「ハズレ」部屋なのだが、ただその月明かりが描く円の中央には1冊の本と無数の装飾品が落ちている。

もっとよく見れば石で出来た床に本に向って引っ掻いた痕が幾つもある、獣ではない人間の残した爪痕だった。
それを踏まえて本を見れば既に色が黒ずんだ指のあとが表紙に残っている、が……元々黒い表紙の本、気がつくのは中々難しいだろう。

そんな本の表紙には「獣魔目録」と書かれている。
もし調べるために触れてしまったら、本は自然と花開くが如く手に取った主のその手の中で開き、じわりと魔力を放ち僅かに赤紫色のオーラを放ちながら頁がぺらりぺらりと捲れて良く、そして止まった時に手にした者の眼に飛び込むのはどの魔獣の情報か、それにより終りに向かう過程が変わる……悲しいことに結果は変わらない、が。

それとも指先で捲れ行くページを止めるならば「ヘルハウンド」と有り触れた中級クラスの魔獣の頁に止まるだろう、或いは目玉に触手をつけただけの浮遊する目玉だろうか。

ご案内:「無名遺跡」にレフェーリアさんが現れました。
レフェーリア > 遺跡の中に眠る財宝を求めながら、深みに潜るよりも安全かも知れないから。
そんないつ覆るかも分からないゲン担ぎも有ってか、遺跡を一人出歩いている彼女は異常なまでの軽装で中を進んでいる。

「……っ、ん……こっち、か…な……?」

熱を帯びている下腹部を何気なく擦り上げながら、分かれ道を進み、扉を開いて遺跡の中を巡り歩く。
彼女が求めているのは遺跡の中に眠っている財宝や古代の道具ではなかったが、危険性に関しては遺跡へと潜った時点で誰にでも等しく与えられるだろう……
――その中でも彼女が求めているのは、遺跡の中に住み着いている人ではない「何か」であるのだから。

「……あぁ…こっち…に……」

やがて辿り着いた閑散とした部屋の中に漂う雰囲気に、扉を開いた途端にぞく、と身体を震え上がらせた。
月明かりに照らされている装飾品には目もくれる事無く奥へと足を運んでいき、荒らされたけれど興味を抱かれなかったかの様に転がっている本へと手を伸ばす。
下腹部の疼きは間違いなくこの本を求めていた。自分を満たしてくれるのであれば、この部屋の中では一番であるのだと既に知っていたかもしれない。

豊満な身体をしゃがみ込ませれば、ローブ一枚という簡素な衣服からは肉感的な身体の各所がまろび出そうになる。
手を伸ばしてその表面に触れたと同時に、魔力が勝手に取り込まれていく感覚さえも心地よさげに目を細めながら此方からも力を籠めて掌を本の表面に押し付けてやり。

ご案内:「無名遺跡」からレフェーリアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」から獣魔目録さんが去りました。