2018/10/03 のログ
ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」にノウブルさんが現れました。
ノウブル > (――本当に、地域が変われば、こうも何もかもが変わるのかと、そう思う。
遺跡と聞き及び、足を向けたは良いのだが、矢張り其の歴史的文化も、様式も
何もかもが、己の居た場所とは違うのだなと、再認識させられる。
無論、通用する知識も在る。 動植物や平易な魔物等の知識だ。
けれど、例えば文化が築いて来た物は、到底流れ者には理解出来ない物ばかりで。

――例えば。 此の部屋の中。
ゴム質で出来たウツボカズラの様な物体が、等間隔で並んでいる
一種異様な空間も、そのひとつ。)

―――……自然物、では無さそうだな…間違い無く。

(こんなものが自然発生するとは、流石に考え難い。
感心したような、困った様な表情で、其の乱立するモノを部屋の中央で眺めて居るのは
――辺りに、其のカズラの、植物の方であれば、消化液が貯まって居るのだろう部分から零れた液体が
果たして、どんな物かも判らないソレが、地面をひたひたと濡らして
一寸した、浅い水たまりの様になっているから、か)。

レナーテ > 道を進むに連れて、その先が開けていく。
薄暗い先を確かめるように腰元のカンテラを手に取り、翳していった。
わずかに差し込むオレンジ色が異質な植物の並ぶ空間を彩っていく。
呟く声とともに、その中にあった人影は屈強な戦士と言った体躯をしていた。
賊……というには、雰囲気が何処か異なる様子を確かめながらカンテラを卸すと、被筒へ掌を戻しながら彼の方へと向かう。

「…そちらも何かお探しですか?」

手にした魔法銃は斜め下へ銃口を向けた待機の格好。
そのまま彼へと近付こうとしつつ、改めて植物の方を見やる。
確か亜熱帯に住まう植物にああいうものがあると、昔図鑑で見せてもらったものを思い出す。
とはいえ、変わった形ということだけしかあまり覚えておらず、滴る液体を踏まないようにしながら、近付こうとするだろう。

ノウブル > (――毒、なのかは判別が出来ない。
己に知って居る毒で在れば、其の臭いで在る程度判断出来るのだが。
妙に甘ったるい匂いのする液体は、或いは何かしらの蜜に近いとすら思える。
けれど、矢張り本当にそうなのかと疑いが消えないのは、この異様な物体だからだろう。
この先へ進もうとするなら、多少なりとこの水溜りを通って行く必要が在る
少し跳ねた所では、如何にもならない距離を見ては、暫し逡巡して居た、其の最中。

ふと、響いた己以外の声に、ゆっくりと音の方へと振り返っては。)

―――……大した用ではない。 ……ただ、先に進むかを考えていた。

(振り向いた先、見付けたのは女…或いは、まだ娘と言った容姿。
其方にも水溜りが多いとはいえ、まだ通る事は出来るのだろう
此方へと近付いて来る様子を見れば、向けられた問いに応えつつ。)

―――……注意しろ、上から落ちてくる。

(――一言、短くそう伝えた。
この植物、見た目よりも脆い。 或いは、そう作られて居るのかも知れない、が
僅かな振動や接触で、蜜の貯まった器部分が、盛大に落下して来るのだ
下手をすれば頭から被る、と――多分、丁度娘が、植物の傍へ近付いた辺りで忠告するが、果たして)。

レナーテ > 近づくほどに甘い匂いが広がり、すんと鼻を鳴らす。
香水や果実の匂いとは異なり、濃厚な蜜を思わせる甘ったるい香り。
そこらに生える植物の房をみやり、あの中からだろうかと小首をかしげていた。

「先に進むか、ですか……」

問に掛かる答えは、特にアテもないと言った様子。
探索に潜って、成果を売る冒険者の類だろうかと思うものの、こうも不気味な様子を前にさせられれば、躊躇うのも無理はないかと思うところ。
そして、続く言葉に、上?と軽く問い返した後、頭上を見上げていく。
壁際に生えていた植物と同じものが、天井からも垂れ下がっているが、振動にその房が震える。
薄い膜の様な表面が破けると、零れ落ちる液体に金色を見開きながら、被筒に当てていた腕を水に翳すようにして庇う。
その瞬間、魔力を圧縮して作り出した盾が形成され、その上を液体が流れ落ちていく。
しかし、全てをかばえたわけではなく、その飛沫や弾いた飛沫の一部が反対の腕や足元に掛かっていった。

「っ……! も、もう少し早く…いって欲しかったです」

危うくずぶ濡れは避けたものの、何か毒素が入っていたらマズイ。
苦笑いを零しながら盾を解くと、肩提げ鞄からハンカチを取り出す。
零れ落ちてきた蜜を最初から全て庇えたわけではなく、形成された盾に千切られた一部は首筋に掛かっていた。
酸や毒がなければ良いがと思いつつ、肌に刷り込まぬように布へ吸い取らせていき、左の首筋を抑える。

ノウブル > ――…この先に、古い物が眠って居ると聞いた。
純粋な興味と、知識の蓄積、だな。

(其れは決して無駄には為らない、文化的知識も、歴史的知識も
或いはこうした、生物、或いは純粋に、罠の様な知識で在っても。
ギリギリ――間に合った様な、無かった様な。
自らしぶきを防いだ娘の、其の盾の様な光を見れば、僅か驚いた様に瞳を見開き。
けれど、もう少し早くと咎められたなら、若干眉尻を下げて。)

――――……悪かった。
………酸、では無さそうだ、干し肉の欠片を落としたが、溶けはしなかった。

(すまなさそうな声音で、謝罪。
蜜めいた液体を拭う姿に、先刻試してみた事を告げては、減らす可能性
かと言って、己もまた下手に動かないのは、今の様に変に振動を与えない為。
上を見れば他にも、蜜が貯まって居るのだろう房が幾つも連なっているのが見える。
其れが落ちてくれば、割と部屋自体が足の踏み場も無い状況に為りかねず。

そうして、娘から一度目を離す。 再び、水溜りの向こうに見える通路へと視線を向ければ
其の先に、せめて何か気配でも感じられるかと集中しながら。

――其の、刹那に。 娘の身体へと、微かな異変が起こるやも知れぬ。
肌に触れた蜜を拭う、その動作自体は素早く適切だったが
触れた場所が頸動脈の付近で在ったのが、不運だったろう
一瞬、眩暈めいた感覚を覚えた、その直後に。 ――ゆっくりと、身体が熱を帯びて行く、異変が)。

レナーテ > 「古いもの? ……魔導機械のことでしょうか?」

古いものと言われ、想像に浮かぶのはここに眠るお宝だ。
古代の人々が作った魔法技術の結晶ともいえるそれは、確かに彼が言う知識の蓄積には良いかも知れない。
ただ、興味と知識を求めてきたという言葉は、冒険者達のような糧を求めた答えではない。
その理由を問うとした瞬間、蜜は降り注いだわけだが。

「いえ……そう、ですか。それは幸いです」

当たった場所が急所の一つだったのもあり、酸ではないと聞けば安堵の吐息を零す。
天井にはまだまだ不気味なトラップが多数吊り下がっており、まるで地雷原を進むかのような心地だ。
彼が部屋の向こうへと視線を向ける最中、ハンカチを卸すと同時に鼓動が高鳴る。
心臓が破裂するような錯覚を覚えるほど、強く胸を叩き、視野が一瞬揺れて歪む。
思わず片膝をつくと、ぱしゃっと濡れた音が響いたことだろう。

「っ……」

体に込み上がる熱、それは毒素によるものか、それとも。
ただ、皮膚から染み込んだ成分が血中を通って体に巡ったことは直ぐにわかると、一旦小銃はスリングをくぐって背中に斜めに背負う。
ふらふらと体を揺らしながら改めて立ち上がるも、金色の視線は少々朦朧と見えるかも知れない。

ノウブル > ―――…? ……それは知らない、そういう物も在るのか。

(まどうきかい、と不思議そうな表情で、娘を見返すだろう。
少なくとも其の反応だけで、其れが目的では無いと知れそうな、予感
本当に、予備知識も無く、只々興味だけで此処に訪れたのだとは
魔導機械の出現により、慌しくなって居る冒険者の界隈では珍しいだろうか。

――通路の向こう側、何かの気配は感じられる。
けれど、其の気配が此方へと近付いてくる様子は無く、まだ遠くだ。
其れが魔導機械と言う物なのだろうか、と、そんな事を脳裏に浮かべた矢先。

――背後で、水の跳ねる音。)

――――……、……如何した?

(振り返れば、蜜場に膝をつく娘の姿。
声を掛ければ再び立ち上がるも、その足元は覚束ない。
異変を覚えれば、其方へと向けて歩こうとして――一瞬の躊躇
其の躊躇が出足を遅らせた瞬間に、ふと、たたらを踏んだ娘の頭上
更なる蜜の房が、揺れて、揺れて、そして、落ちる。
あ、と思う頃には、或いは娘自身が其れに対応出来なければ
頭から盛大に、其の蜜の器をすっぽりと被って仕舞うだろうか

そうなれば、きっと異変は、一層確かな変調と変わるだろう
全身より染み込み、血中へと廻る蜜が、其の身体の奥から熱を引き摺り出して行く

――発情と言う名の、熱を。 燃え上がる様な、胎奥の熱を)。

レナーテ > (「ぇ…魔導機械も知らずに……ここに?」)

そもそも、それ自体すら知らないという様子に金の瞳を丸くして驚きながら、唇がわずかに開く。
冒険者ではないのは先程の言葉で察し付いたところだが、それ以上に何も知らないというのは想定外だった。

「先程の……液体のせい、かと」

どうにか立ち上がったものの、足元が熱でふらついた。
彼の心配する言葉を朦朧と聞き届けながら、頭上で何かがちぎれる音が響く。
どれだけ零れ落ちるか、どれだけ被るかなど想像する余裕もない。
一瞬、金色の瞳が猫のように瞳孔を変化させると、渾身の力で地面を蹴った。
猫のような靭やかさと俊敏性を見せつけ、落下する蜜を置き去りにして避けたように見えたかも知れない。
しかし、一足飛びで後ろへ飛び退いた後、濡れた地面で足元を滑らせながら、乾いたところへ尻もちをつき、ごろごろと後ろへ転がっていく。

「っ……は……」

体には全く掛からなかったが、地面にぶつかって弾けた飛沫は、バウンドする玉の様に飛び散る。
その飛沫が、スカートの中へと忍び込み、太ももの付け根やビキニラインへかかっていた。
そして、肌を伝って快楽神経の塊となるクレパスに僅かにでも染み込めば、頭から被る必要性もなく熱が溢れ出す。
腰をぶつけた衝撃で、淡い絶頂を覚えながら、うつ伏せに倒れたまま、体が小刻みに痙攣する。

(「罠……? どっちにしても、離れ…ないと」)

彼が仕掛けた罠にしても、そうでないにしても熱に浮かされるまま恥を晒す訳にはいかない。
熱を帯びた吐息を緩く繰り返しながら、両手をついて体を起こすと、来た道を戻ろうとするように動くが、ほとんど這いずると言った様子だった。

ノウブル > ――――……そうか…、……矢張り、普通の人間には毒か。

(――一々、端的で淡々とした声が返る。
再度の直撃を回避した其の俊敏さは、其れもまた驚くべき物だったが
今度は少しばかり困った様に表情曇らせれば、ゆっくりと彼女の元へ歩み寄る。
乾いた場所を踏み、先刻落ちてきた二つの蜜袋ですっかりと水溜りに為った場所まで辿り着けば
娘が、乾いた場所へ着地しているのを見れば、其の水溜りをひょいと飛び越えて――娘の傍に、ひどい重量感を伴って、着地した。)

―――……起き上がれるか。

(声音が、問う。 直ぐに応えが無ければ、這いずる形の其の体躯を片腕に抱えて
――先刻娘が見せた一瞬の敏捷性とそん色ない速度で、部屋の入り口側に向かって、駆ける。
刹那、頭上から複数の蜜袋が落下し始める、か。 何せ、十分に過ぎる衝撃が二度も部屋に伝わったのだ
其れを、出来るだけ回避しながら、部屋の中央より一気に、廊下の側へと
娘の身体を、己が体躯へと抱きかかえるようにしながら、勢い良く滑り込もう

己が身体を下敷きにする分、娘に痛みを与える事は無い筈だ。
ただ、駆け抜けた其の間に、果たしてどの程度飛沫を身体に受けたか
――娘の瞳を、伺うように紫の瞳が、覗き込む、か)。

レナーテ > 「普通の人間……じゃあ貴方は…?」

人でなくば何か、それを等よりも先に今は後ろへと飛び退いた。
体中の熱が重たく絡みつく中、俊敏さを得たのも悪影響を及ぼす。
自身の中にある獣の遺伝子を刺激し、その特性を体に呼び起こす秘術ではあるが、理性が薄れやすい欠点を併せ持つ。
本能が体を支配やすくなるともなれば、媚薬は一気に体に回ってしまい、体中が粘膜に変わっていくかのように疼く。
這いずるだけでも、淡い快楽に体が震え、彼の問いにも答えられない。

「ぁ……」

いつの間にか接近していた彼が、小さな体を抱き上げる。
小柄な割に少々重たさがあるのは、装備と体中に張り巡らされた密度の濃い筋のせいだろう。
それでも、腕には少女特有の柔らかな感触を伝えつつも、動く度に熱で上気した香りが登っていく。
柑橘系の甘酸っぱい香りが、地面を蹴る度に少しずつ弾けていった。
ぼんやりとその様子を見上げながら、スカートの中ではゆらゆらと尻尾が心地良さそうに揺れていく。

「は……っ……」

勢いよく滑り込んだ瞬間、ずぐんと子宮を揺さぶる振動から体に駆け巡る。
それは一気に快楽へと置き換わり、瞳孔を震わせながら体をぎゅっと縮こませるようにして震えていった。
――ぞくぞくっ、と駆け抜ける甘美な刺激に、小さな舌先をのぞかせながら白い喉を仰け反らせると、短く荒ぶった熱を幾度も吐き出す。
とろとろの金色がアメジスト色を覗き込む中、意識は蕩けていく。
朦朧として覚えていられない、その先のことははっきりし始めた頃に思い出すのだろう。

ノウブル > ――――……判らない。 もう人とは言えないが。

(曖昧な返答は、けれど己にも、己自身が今やどんな存在なのか、判って居ないが故の。
果たして、其の返答が今の娘に届いているのかは、判らないが。
ただ、娘の見せる其の表情が、一体何を示して居るのか位は――己でも、判る。

遺跡の冷たい床の上、己が身体を下敷きにしながら覗き込んだ其の瞳は
余りにも熱と、悦に塗れて、とろとろに蕩けた色をしている。
腕の中、震える身体が、僅かに突き出された舌先が、雌の姿を想起させるなら

――舞い上がった掌が一度、娘の後頭部を柔く撫ぜて。)

………連れて行く。 ……休める場所に、な。

(一言、短く告げれば。 娘を抱えたままでゆっくりと起き上がり
其の身体を軽々と支えながら、未だ続く回廊を、歩き、進んで行く。
娘を置いて行く事はしない、通路の向こう、暗がりへと消えて行く姿が
果たしてそのあと、何処へ向かったのかを知る者は
きっと、自分と娘の二人だけ、他には誰も、居ない――)

ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「◆無名遺跡(イベント開催中)」からノウブルさんが去りました。