2017/04/27 のログ
マティアス > 「君の場合、魔法の力と護衛が在って完結しているのがウリだからね。」

――故にそのどちらが成り立たない場合、転がるように劣勢に転じうる。
杖以外の武器を一緒に持ってもいいんじゃないかな?とアドバイスしつつ、新たな敵を見よう。

一言でいえば、巨大な蛇だ。噂に聞くアナコンダなる種だろうか? 
下手な箇所を打ち据えられたら、折られそうな太さとサイズが脅威的である。そして勿論、その顎と毒も恐るべき点だ。

「……ふむ」

蛇型の敵と戦うのは初めてではない。だが、此処でその出方を改めておさらいすることも重要だろう。
威嚇と共に文字通りに蛇行し、這い寄る蛇の様子を見つめながら溜めた魔力を呪句とともに解放しよう。

「“土に躓き――石を以て挫かれる”」

迫る蛇の顎裏、ないし、胴側を目掛けて迷宮を織りなす石床が鳴動する。
不動であるように見える石床の一か所が突出し、さながら鈍角の杭の如く押し上げる。自分に対して胴をがら空きにさせるように。
その様を見て、再び剣を右手で掴みあげて前に出よう。
まずは軽く一振り。一回切り付けて鱗の強度を確かめ、そしてぐいと剣柄を捻りながら突き上げよう。
身体の構造上、弱くなりがちな顎下から突き上げ、脳髄で刃を進ませてかき混ぜる。そのあとに速やかに退き、下敷きになることを避ける。

エアルナ > 「言えてます、ね」
異論はない、まったく。狼が何かの事情で離れてしまったら、自分だけで近づく敵に対処しないといけない。
が、そのときは…物理的手段は弱いの一言だ。
魔力だけで何とかするのはできなくはないが、そのあとが怖い。

「…ン、『転倒』ですか」
蛇にも効くのかと、いささか斬新な思いで動きを阻害される蛇を見つめーー
その剣が頭を貫き、とどめを刺すのを見届ける。

氷の串刺しと、剣の突きとで、脅威は去った。
しばらくこのままにしておけば、他の生き物が食べてしまうだろう…それが、ダンジョンだ。

マティアス > 「地を進むものなら、踏みしめるべきものを活用した術は有効だよ。
 特に武器の使い手であれば、急所をがら空きした上で後はそこを突けばいい。余計な魔力を使う必要もない」

派生で地面をわざと軟化させ、動きを阻害することも勿論有効だろう。
一見してとても地味ではあるが、地を歩き、時に這って進むものであれば、地面が無ければ動きようもない。
小技を連発して余分な魔力消費をしてしまうところを、知恵と経験を以て無駄を省く。

「……流石に宝箱なぞ、持っている筈もないね。少し先に進もうか」

倒した蛇が最早動かないことを確かめ、切先に残る血を払って前に進もう。
自分たちが討ち倒した敵の死骸は、振り返らない。自分たちが手を下さなくとも、自ずとどこかに消え失せる。そういうものだ。

進みだせば、次第に道幅は広がり、天井も高くなる。さながら、何処かの大広間に繋がりつつあるかの如く。

エアルナ > 「オーガやコボルドなんかに使うのは知ってましたけど、蛇は初めて見ました」
が、確かに有効だ。脚のない蛇でも、空中を泳いでくるわけではない。
なめくじやスライムでも同じかと思いが至れば、少々微妙な表情にもなるが。
素直に経験を積んだ先達でもある青年の言葉に頷こう。

「ええ。たまに、種類によっては玉石の類を飲み込んでるのもいますけど…これは、何もないですね」

手早く蛇のほうを確かめて立ち上がり、頷いて再び前へと進む。
脚音の響きもまた、微妙に変わって来れば。

前方に見えてきたのは天井の高い、広めの空間――奥の方には、なにやら祭壇めいたものと、上に置かれた頑丈そうな小箱。
ただし、だ。
その前には二体、なにやら石でできた大きな人型がいる――
ストーンゴーレム、とよばれるアレ、だ。

さしずめ、祭壇の守護者。宝の番人だろう。

マティアス > 「足がない動物だと、地盤を隆起させて動きを大きく乱すかな? 壁を作って、動きを限定させるのもいいね」

ようは工夫次第だ。うまく嵌れば、乱発する攻撃魔法よりも少ない消耗で事が済む。
巨大なナメクジや不定形生物に対する対処として、思い浮かぶ一例を挙げる。速やかに急所を穿てる方法を提示する。
そして、臨時収入となりうる事物を持っていない様子に肩を竦めて、先を目指す。そして――。

「やぁ、恐らくはこの階層の主……かな?」

開けた空間に出る。其処に待ち受けているものに眼鏡の下の双眸を細め、剣を構えよう。
身に宿る魔力を巡らせる。膂力については筋骨隆々なる戦士たちには負ける。
しかし、鍛錬で鍛えた技に添えるのは力だけではない。

「“定め、纏い、統べる。――破邪の威を示せ”」

魔力による自己強化と加護の付与だ。
手にする剣に宿る力を借りて魔力を高め、その分を身体能力の強化や耐性付与に充てる。

エアルナ > 「相手の動きを阻害して、その隙をつくわけですね」
攻撃魔法一辺倒より、その方が効率的なのは確かだ。
特に、直接攻撃ができる仲間がいる場合は。
まぁ、あまり巨大ナメクジとかには会いたくはないけれど。

そして…このあたりのボス、という判断に一つ頷く。
石の身体は、見た目通り堅そうだが…ここは魔法の使いどころでもある。

「その剣に鋭さを、その足に素早さを――エンチャント・ヘイスト」

青年が魔力を使うのを見れば、自身はその補助を唱える。
彼と狼に風がまとい、その素早さを一時的だが格段に引き上げる――加速、そして先手をとらせようと。
単純に剣を振るう速度が上がれば、威力も増すだけに。
そして、先手を打てば、天秤はこちらに傾く。

マティアス > 「つまりは機先を制することが肝要ということさ」

理想なのは敵に良いように動かされるのではなく、敵を逆に己が手の上で転がすことだ。
実現するのは難しいが、レベルの差と戦力の数がある状況であれば、きっと難しいことではあるまい。

「ん、有難いね。……そうそう、もう一体の方に注意だね。僕はこちらに掛かるよ」

さて、講義の時間も最早ない。

付与されるさらなる加護を身に纏い、風に背を押されるように石でできた人影のほうに挑もう。
生物相手であればある程度のセオリーが出来るが、ゴーレムなどのような類には注意が必要である。
凝りに凝ったダンジョンマスター等の作品だと、奇矯極まりない仕掛けが凝らされている場合もある。

「まずは、一つ、二つ……!」

聖性を帯びた刃に魔力が変じた白銀の光を重ね、切り込む。
飛び上がりつつ、まずは敵の左肩から右腰まで通る様に刃を通し、その後地を蹴って胸部を横薙ぎで切り裂きにかかる。

エアルナ > 「ん、先手必勝、ですね」
後手後手に回るのは、時と場合にもよるが、被害も大きくなる。
マティアスの言葉に了解です、と一つ頷いて。

「氷の刃よ、来たりて打ち砕け、かのものを!」

風に乗り、素早い動きを繰り出す狼が先陣を切る。
青年の手にする剣に共鳴するかのように、その牙が煌き、ゴーレムの足を砕いて動きを封じる――
そこへ打ち込むのは、硬い氷の刃。ゴーレムの頭上から勢いよく落ち、その頭を砕く――片足と頭を砕かれた番人は、動きを封じられその場に崩れ落ちて。

マティアス > 「剣よ――我が声に応え、刃金の威を示せ!」

魔力を回す。巡らす。血脈と巡る力は円環となり、呼吸を重ねるたびに純度とその勢いを増す。
切られつつも、抵抗を示すゴーレムの豪腕を横にした剣の横腹で受け止めれば、ギィン!と高く軋む音色が響く。
一瞬の停滞。質量の差で云えば、明らかに自分よりも敵の方が勝る。

一抱え以上もある石の塊を、ただの人間が支え切れるものか。まして、それがヒトガタを為しているならば尚の事。
それをぐいと剣の柄を押し込み、刃に宿る白銀の光を燃え立たせながらくるり、と身を回していなす。
ゴーレムの脚部の膝の辺りを舞踏めいた動きで深く切り裂き、ローブの裾を翻して背後に回り――。

「これで……!」

ゴーレムの中枢部と思しい部位を目掛け、深々と剣を突きさして高めた魔力を注ぎ込む。
内部で炸裂する魔力の波動がその構造を文字通り砕き、守り人たるものを瓦解させる。
余分な力を使ってしまったか? 否、そうではない。適切な力の使い方であろう。脅威が失せたということを確かめれば、剣を下ろして。

エアルナ > 「ゴーレムの。コア、を砕いたんですね?」
さすが、とその動きを称賛のまなざしで見届けて。
もう動く気配がないのを確認すれば、お見事です、と頷こう。

脅威がなくなれば、あとは――祭壇とその上の小箱が残る。
今回の探索の報酬、のようなものだ。

その中に何が入っていたか、どんな意味を持つのか。
小箱と祭壇に秘められていたもののことは、また別の話の始まりに繋がるかもしれない――

マティアス > 「その通りだよ。もう少し、うまく遣りたかったのだけどね」

魔力の流れを見切って、狙うべきを狙うことができればもっと良かった。
用の済んだ剣を腰の鞘に戻し、ゴーレムの残骸を検分した後に祭壇の調査にかかろう。

小箱の鍵開けの前に罠の有無の鑑定もしっかりやらねばなるまい。

ささやかな冒険の報酬として得たものは、何か。それはまた別の話にて――。

ご案内:「無名遺跡」からエアルナさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からマティアスさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 「んー…ここかぁ、町の人が言ってたいせき、ってのは」

遺跡内部をを歩くのは小さな影、栗色の髪に青い瞳をした小柄な少年。しかし、その肩には、少年自身よりも大きな大剣を担いでいる。背には小さな羽根、服は頭からすっぽりと被る白いローブ、どうやら天使のようで

「まぞくやーい!でてこーい!」

こーい、こーい、こーいと遺跡の中に声が響く。少年の周りに舞う、周囲を照らす光の精霊がかすかに揺れただけで、声が反響して戻ってきただけであって。むぅ、と困ったような顔で、周囲を探索し始める

シャルティア > 「むー、今日はハズレかぁ」
落胆したように肩を落とす。少年の目的の相手は此処にはいない。
ここには魔族が多いと聞いていたのだが運が悪かったらしい。2時間ほどの探索を終えて、遺跡から出る。そして、そのまま翼を広げて空へと消えていって

ご案内:「無名遺跡」からシャルティアさんが去りました。