2016/08/14 のログ
■アル > 「うん。俺は美味しくないと思うんだ……だから……ぱっくんしないでー!」
何処かは分からないが目が合ったと思った瞬間、回れ右。180度反転。そしてダッシュ。
今まで自分がいた場所に、人間を丸のみできそうな巨大な葉が閉じる気配。
橋の上を駆ける自分を追い掛けるように人間の胴体など余裕で通過できそうな蔦を伸ばす食虫植物。
「俺は火力がないの。捜索メインなの。だから……だれか……た、た~すけてぇ~!」
植物に人間の言葉が通用するとは思えないが、何かを口走りながら石橋の上をダッシュ。時折ジャンプ。
その都度、食虫植物の頭――正確には、巨大食人植物モンスターかとも思ったが、生死の掛かった現状では、細かい事だろう。
今は、命懸けで逃げる。
「どうせ……男なら栄養、女だったら服だけ溶かして触手プレイとだろうな、こんちくしょめ!」
悪態を吐きながらも、足は止めない。止まったらに布が目に見えているのだから。本当、冒険者の命は軽いと、おっさんの冥福は後で祈っておく。
後があればの話だが。
今は生き延びることが先決。門さえ潜れば逃げ切れると思うが――その門までが遠い。
もしかしたら橋が延ばされている可能性もあったが、それを確認する余裕もなし、生き延びるために体を動かす。
■アル > どれだけ走ったか。呼吸を荒げ走り続けた結果、気が付けば目の前に門。
ここまで伸びるなら、最初から待ち伏せなどしなくても良いのにと、ぼやける頭で考えながら、滑り込むように門を潜った。
さすがにここまでは追い掛けてこないようで一安心。後の事は、後で考えるとし、今はひと休みすることにした。
「はぁ、はぁ……さ、さすがに疲れたあ……」
これ以上の迷宮捜索は残念し、帰還する事になったので、特に新しい発見はなかった。
ご案内:「無名遺跡」からアルさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にラケルさんが現れました。
■ラケル > それは当初、ごく普通の―――さして危険の無い『校外学習』の筈だった。
神官見習い、の中でも、ピッカピカの新人ばかりが十数人、引率の教師に連れられ、
遺跡探索とは名ばかりの遠足のようなつもりで―――
それが一気に変貌を遂げたのは、二列縦隊で薄暗い洞穴を進んでいたところ、
突如、ごう、と吹き荒れた生温かい風に、妙齢の女性教師が掬い上げられた、その瞬間。
彼女を巻き上げたのは肉色の『何か』で、洞穴内に長く尾を引く悲鳴は程無く、
雌の咆哮に変わり果てて―――
蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う生徒たちも、きっともう何人もが餌食になっている。
ひらひらした女装姿、申し訳程度に木のロッドを両手で握り締めてはいるものの、
戦う術などひとつも持たない劣等生の身としては、岩陰の暗がりへ膝を抱えて蹲り、
がたがたと震えながら、嵐が過ぎ去るのを待つだけだ。
「…こ、ここ、こんなこと、なら、…ちゃんと、男の子の格好…して、くれば良かった…。
ごめんなさい父様、ごめんなさい母様、……助けて、お姉さ…ま…」
同級生も教師も黙認してくれているからといって、こんな動き難い格好で
参加するのではなかった、などと、今更悔やんでも後の祭りか。
背後にした岩の直ぐ向こう、同級生と思しき少女の悲鳴が聞こえて、びくん、とますます身を縮こまらせる。
ご案内:「無名遺跡」にナルラさんが現れました。
■ナルラ > それは単に偶然であった、無名遺跡の調査に向かう最中逃げ惑う神官見習いの少女たちが助けを求めてきた。
助けを求められた男はそのまま襲い来る肉色の触手を切り裂き、手のものを呼び寄せ、生徒たちを避難させていった。
そして同口に乗り込んでいけば、魔道具を飛ばし生体反応を頼りに、肉の触手に囚われた者たちを次々にと解放していった。
その時に薫るむせ返るような甘い香り。
触手の魔物は発情を促す体液を持ち、そのガスは男女問わず興奮状態にしていく。
「まったく、事前調査もしない場所に遠足とはな」
運良く手遅れになったものはおらず、その身を治癒魔法で癒やし、カウンセリングを受ければ致命的なことにはならないだろう。
肉の触手たちは、奥の方へ逃げていく、この男の手から逃れるために
運が良ければ新たな犠牲者を取り込もうとするために。
触手は洞窟の奥にいる、少女……いや本当は少年なのだが触手からすればそんなことは関係ない、そのまま取り込もうと触手をのばし、取り込もうとした際。
「こいつで、最後か……」
次の瞬間には触手の化物は絶命した、肉体の奥にあるコアも壊され再生ももうないだろう。
「大丈夫か……」
ガスに少し軽くクラクラしながらも、少女の身体に絡みつく触手をはがしながら男は少女に問いかける。
■ラケル > 生温かく澱む空気は、何故だかひどく甘い香りを孕んでいた。
今は恐怖でがちがちに強張っているため、その不自然な甘さを感じとるには至らない。
けれど勿論、乱れる鼓動のままに浅く、忙しない呼吸を繰り返していれば、
その『香り』の成分を、摂り込んでいない筈もなく。
「―――ひ、っ……!」
ぶよぶよした肉色が不意に視界を覆いかけて、引き攣れた悲鳴を洩らした、次の瞬間。
鮮やかな剣戟に散らされ、おぞましい肉色は瞬く間に霧散した。
―――そうして。
「―――、……」
『王子様だ』
―――見開いた瞳に映るそのひとは、まさしくその呼称に相応しい。
声も無く相手の顔を仰ぎ見るまま、こくこくと小刻みに幾度も頷きながら、
ぎゅ、とロッドを握り締める手指に力を籠める。
助かったのだろうか、このひとは己を助けに来てくれた、のだろうか。
じわじわと安堵が広がり始めるなか、鼓動の高鳴りも呼吸の乱れも、
今は未だ、恐怖の余韻の所為だと思い込んで。
「……も…もう、化け物、居ない……?」
おずおずと尋ねる声は、少年とも少女ともつかない子供のもの。
■ナルラ > 目の前の小柄な少女、その容姿からか男の胸にいつもの悪い癖が見え隠れする。
手でカノジョの身体から触手を引き離すとき、時々その身体にフレたりもしている。
胸は薄いようだが、ととこはそういう未成熟な身体も好みであったりもする。
もうかれこれ何人も助けた、その最後の一人から『お礼』をもらってもバチは当たらないだろう、そう考えていた。
「ああ、お前を捕食しようとした奴で最後だ……大丈夫か?」
そう言ってやさしい手付きで頭を撫で、軽く抱きしめ背を撫でる。
「他に囚われた者も救いだした……一応魔道具で辺りの様子は確認したが、この週h源の生命反応はお前と俺だけだな」
そう言って彼女の顔を覗き込む、まだ子供のようなあどけなさ、可愛らしい顔立ちは非常に好みである。
「私はナルラ、ナルラ・ホーティ・カルネテルだ」
そう名を告げれば手を差し伸べる、もしラケルが本名を名乗るなら、王族の知識からその名を聞いたことがあるかもしれない。
もし告げないのなら、ナルラはラケルを王族の少年と気づくことはないだろう。
先ほどの魔物の体臭のおかげか、ナルラの息は少し荒いかもしれない。
「それにしても、人間を苗床にする種類の魔物か……このガスと体液、やっかいだな、無事に地上に戻れるか……」
■ラケル > べたり、ぼとり。切り落とされた触手の残骸がそこここに絡みつくも、
目の前の『王子様』は丁寧に、それらを全て引き剥がしてくれる。
その手が時折己の身体に触れたとしても、不審に思うどころかとくりと鼓動を弾ませる有り様。
こんな状況であっても、女の子扱いされている、と思えば、嬉しくて、嬉しくて。
「は、…はい、だいじょ…ぶ、です…あの、……」
頭を撫でてくれる大きな掌も、抱き締めてくれる力強い腕も。
何もかも、己の求めていた『王子様』そのもの。
握り締めていたロッドから片手を離し、そっと、彼の胸元へ掌を添わせる。
ほんの少し、ほんの少しぐらい、甘えても良いのでは、と。
「……よ、かった…、こわ、…怖かっ、……」
ほんの少し、と思いながら、ついつい。
彼の肩口へ顔を埋めそうになったところで。
「ナル、…―――か、カルテネル、っ……?」
びくり。
相手が本物の、由緒正しい『王子様』であると気づけば、流石にぎょっとして身を強張らせてしまう。
気易く甘えて良い相手とは思えない、こんな風に言葉を交わしたり、触れたりして良い相手とも。
そして、もし彼が己の、あるいは己の父の名を知っていたら―――。
どきどき、どくどく。
この鼓動の乱れは、緊張のためだろうか。
少なくとも己自身はそう思っているけれど、
―――抱き締められた身体は、明らかに不自然な熱っぽさを帯び始めていた。
「な、…ナルラ、様…あの、……
あの。
ナルラ様、は…フォン・シュトラーセ家の、者を、―――…」
探りを入れるように、こわごわと。
さり気無く彼の腕から抜け出ようとしたけれど、かくん、と膝が砕けた。
自らの足で立ち上がろうとした目論見は失敗し、彼の懐へ深く飛びこんでしまうことに。
どくん、とまた一度、大きく鼓動が跳ねて―――ロッドが、足許に転がる。
両手は無意識のうち、彼の胸元へ縋りついて。
■ナルラ > 触手や肉片はあらかた落とし終わった、己に触れてくる彼女の手も悪い反応ではない。
ああ、コレは食えるな
下世話な話になるが、ナルラはそう頭のなかで考えていた、
だが名乗りをしてしまったがゆえに、野党のように貪るのではなく、紳士的に対応しなければ、となけなしの理性はつぶやいていた。
「まあ、少し休みながら地上に向かおう、他の者達は私の配下の者が学院までお送りしよう」
怖がっていた少女、安心させようと、背を撫で続ける。
まだ胸が薄いからか、ブラ等の下着はしていないのだろうか。
「ああ、カルネテルといえども、鼻つまみ者ではあるがな……」
まあ、王族の名を名乗ったのだからこういう反応は慣れてはいるが
「ああ、フォン・ストラーセの当主殿とは懇意にしている、
彼は王族の中でも善良な部類に入る方で話しがよく分かる……」
いきなり彼女の口からフォン・ストラーせ家の名を聞けば、知っていると正直に答える。
とすると彼女はそのご令嬢か、それにしては年が若い。
まあ手を付けても、妾に迎えるなら政治的にもフォン・ストラーせ家の当主殿は悪い顔はしないだろう。
「おっと、大丈夫か?」
そのまま胸元に飛び込む少女を抱きしめる、もうナルラ自身彼女を喰らおうという意志が強く傾いていっている。
「……失礼」
そのまま彼女の顎に触れ、顔を上げさせるとそのまま唇を唇で塞ぐ
強引なキス、彼女にとって初めてであるかもしれないが構わない。
今は己の欲望を発散するほうが優先だ。
■ラケル > 曲がりなりにも、王族と呼ばれる血筋の己に対して、表立った攻撃をする者は居ない。
それでも、決して暖かく遇されているとは言い難い日常ゆえ、優しさには絆され易かった。
たとえ、その裏側で相手が何を考えていようと―――
「…あ、…ありがとう、ございま…す…、」
本物の、これ以上は無いほど完璧な『王子様』に助けて貰える、なんて、
なんとも畏れ多いことだ。
声が震えてしまうのはその畏怖ゆえか、それとも、未だ自覚できぬままに、
身体が洞穴に充満するガスに侵食されている所為か。
背筋に少女ならば当然つけているべきブラの感触は無く、密着すれば胸の膨らみも、
完全に行方不明なのが知れてしまうだろう。
まだまだ子供に過ぎない、彼、個人の評判など知る由も無い己が彼を仰ぎ見る眼差しには、
純粋な憧憬の色と、それから少しばかり。
どうか、どうか己の正体に気づかれませんように、と願う心の揺らぎがあり。
「そ、そうですか、…御存じ、なので…す、か、―――」
明らかな落胆。
ならばもしかすると、なよなよといつまでも剣技のひとつも覚えない、
嫡男の噂すら聞き及んでいるかも知れない。
ふらつく勢いのままに懐へ飛びついてしまったけれど、もごもごと口の中で謝りながら、
今度こそ、身をもぎ離すつもりだった―――のだが。
「い、…いえ、あの、こちらこそ、しつ、れ、
―――…ん、んっ……!?」
振り仰いだ頤へ彼の指が掛かり、恐ろしく至近に彼の顔が。
唇が熱く、柔らかなものに塞がれた瞬間、零れ落ちんばかりに双眸を見開いて。
勿論初めての口づけである、眼を閉じる、という作法も知らぬほど。
見る間に頬から耳朶まで真っ赤に染め、くぐもった声で抗いながら、
彼の胸元へついた両手で、反射的にそこをどん、と突こうと。
■ナルラ > 甘い、その唇を奪った感想である
男の思考から目の前の少女はすでに捕食対象となっていた、
そのまま胸を強く押されれば、反射的に彼女の手首を掴みそのまま押し倒そうとする。
武術、無論レスリングの類は、王族として嗜みであり、彼女がもし武術の心得がなければそのまま覆いかぶさり押さえつけるのも容易だろう。
「すまないな、先ほどの魔物の体液やガスでもう抑えが効かない」
そう口からは言い訳をこぼす、今からお前を犯すのに紳士的ではないが
それはあくまでも、この媚薬成分のせいだと。
「フォン・ストラーせ家のご令嬢であっても、俺の妾に迎えるとあれば
当主殿は喜んで差し出してくれるだろう……無作法許せよ」
もうすでに何人か妾を娶っている男である、女癖の悪さは有名であろう。
傷物にするが、責任をとってやる、その言葉もまた言い訳である。
そのままナルラは少女のワンピースの裾をつかめば、引き裂くのも構わないとめくり上げる。
その下に少女の体ではなく、少年の身体があるのは、まだこの時点では想像もしていなかっただろう。
■ラケル > 強引に、こちらの意思など無視して奪われた筈の口づけに、『柔らかい』などと、
甘い感想を抱いてしまった時点で、もはや手遅れだろうか。
押し退けようとした手首を容易く掴まれ、硬い岩肌の上へ縫い止められる。
洩らした短い悲鳴は高く、けれど悲しいほどか細く。
「や、―――待っ、…待っ、て、くだ、さ…、
ナル、ラ、様、……お願い、ちょっと、待って…っ、」
薄っぺらい身体を必死にくねらせ、縫い止められた両手の拘束を振り解こうとするも、
覆い被さった男の身体を押し退けることなど出来る筈も無い。
抑えが利かない、という言葉の意味すら掴み切れないまま、―――それでも。
妾、という単語の意味を、一拍遅れて解した。
刹那、悲痛に歪む顔は純潔を奪われると悟った娘のそれと見えたかも知れない、
が、しかし、己が危惧しているのは、そんな艶っぽさとは無縁の。
「ちょ、……ほん、とに、駄目、やだ、…な、ナルラ、様、まっ、
――――――っ、っ!!」
捲り上げた裾から覗くのは白いガーターストッキングを履いた脚、そして、
純白のドロワーズに覆われた付け根部分。
しかし、相手が強引に力を籠めれば、上質の絹はまるで紙切れのように引き裂かれて―――
「やっ、やだ、見るな、ぁっ……!!」
勢い良く顔を背け、涙の滲む双眸をきつく瞑り、可能な限り上体を捻って、
少しでも彼の眼から、暴かれた素肌を隠そうとする、も。
露わになった胸元から腹に至る、あまりにも平らかな有り様は。
―――あるいはまだ、極端に発育不良な娘、という見方も出来るのか、どうか。
■ナルラ > 紳士に振る舞おうと思っても、こうなってしまっては男は獣だ、押さえの聞かない獣ほど厄介なものはない。
しかも目の前の少女は、政治的に手を回せば手に入れられる事も容易な者。
飢えた獣の目の前に、美味しそうな果実、これを食わないのは生物として失格であろう。
「この状況下ではもう待てぬ、お前のような美しい娘を目にして手を出さぬは男の名折れだ」
必死にもがき抵抗する姿をみせる少女、だがそれは所詮男の情欲をかきたてるもの以外にない。
目の前にいる少女を食らう、今はナルラの気持ちはそのことでいっぱいであり、ズボンの下、下着の下にあるナルラの男性器はパンパンに腫れ上がっていた。
その様子は彼のモノが押し当てらっれれば、ラケルは感じるかもしれない。
己の身体にこの男が性的に興奮していると。
「観念しろ、助けを呼んでもここじゃ誰も来ない……悪いようにはしない」
野暮ったいドロワ➖ズは今では浴場をかき立てるものである。
ナルラはそれを乱暴な手つきで引きずり降ろそうとする。
薄い胸の少女、まだ成長しきっていない少女、そう彼の頭はまだ信じていたであろう。
その下にある男性器をまだ見ていないのだから。
だが、ソレを見た瞬間、ナルラは理解する、彼女の正体を。
フォン・シュトラーゼ家の待望の嫡男、剣もまともにふれぬ少年
それが女装趣味を持っている事を。
■ラケル > 互いに立場のある者、であることが、この場では己にとって災いする。
相手はいわば、『何をしても許されてしまう者』であり、己はといえば。
「なっ、名折れ、って、そっ、―――…ひ、っ!」
まだ子供、しかも女の子の格好を好むような己に、その理屈は分からない。
けれどいくら子供でも、下肢に密着する雄の反応は、―――同性であるがゆえに、はっきり悟ってしまう。
本気なのだ、この男は本気で―――ああ、でも。
悪いようにしない、というなら、今すぐ離して欲しい。
それがお互いのためなのだ、相手だって男の身体に欲情したなどと、
いささか不名誉な記憶を刻みたくはなかろう。
家名を不用意に出してしまった今、己だとて知られたくはない。
この、今もある意味理想のままの『王子様』に、己が紛い物の『お姫様』だ、とは。
けれど、現実は非情だ。
必死に脚をばたつかせて抗っても、構わずに引き降ろされたドロワーズの下。
幼く淡い色の、しかも恐怖に縮こまってはいるものの、そこにあるのは明らかに、同性の象徴。
それ、を見られてしまった、気づかれてしまった絶望に、眦からはとうとう、大粒の涙が溢れ出す。
―――同時にほんの少し、安堵、あるいは落胆もしていた。
きっと彼は男の己になど、これ以上手出しはしないだろう、と。
■ナルラ > 目の前にある男性器、それは己の物と比較して矮小なソレ。
頭のなかで整理する、ほんの少しの理性が己の冷静な複製体と意識をつなぎ、彼の本当の名を導き出す。
「そうか、貴女はリヒャルト王子でしたか……」
目の前の者が少年であると判っても、まだナルラの物は萎えることはなかった。
ナルラは男の相手をした経験もある、見かけが愛らしければ少年であろうが少女であろうが関係ない。
己の快楽を貪るには、その可憐な容姿だけで十分なのだ。
だが、ナルラの心には意地悪な心とどす黒い欲求が生まれてくる。
少女を喰らおうと思ったのだ、どうせならそのように欲求を満たそうかと
「それにしても随分とお似合いですね、リヒャルト王子、まるで本当に可愛らしい少女のようだ
剣もまともに触れぬ腰抜けと、陰口が耳に入ることもありましたが
ましてやこのような趣味がお有りとは」
そういいながら王子の顎をつかみ、己の方に向かせる。
その顔立ち、悪くはない。
「もしかして、女の子に、『お姫様』になりたいのですか?」
そう言って彼の身体を撫でるように触れていく、そしてナルラは己の固有スキル『変換』を使用し
彼の身体を少女のものへと変質させようとする
無論、これは精神的な強いレジストがあれば発言はしないであろう。
リヒャルト王子の心が、本能が、少女になりたいという強い想いがあれば、
その想いが強ければ強いほど、スキルは、術はその効果をはっきりと表す事だろう。
その平らな胸は、幼い膨らみに乳房に、腰つきは少年のものから少女のものに、
そして男性器は縮まり、次第に女性器を構成していくだろう。
肉体が熱を持ち変化する歳、あたりに漂う催淫ガスは、男性より女性に強い効果をもたらす、
その効果の増強も女性化によってはっきりしていくだろう。
■ラケル > ―――『リヒャルト王子』。
相手がその名を口にした瞬間、背筋に冷水を浴びせられた心地がした。
もう終わりだ、よりによってこんな強い立場の相手に、知られてしまうとは。
どんな罵倒を投げつけられるのだろう、どんな目で蔑まれるのだろう。
そんな、彼からすれば見当違いの想像に涙する己の顎へ、再び彼の手指が掛かった。
―――ただし今回、その指先には有無を言わせぬ力が籠っており、肌に食い込んで痛いほど。
「っ、……が、ちが、……ち、がう、違います、これは、…っれ、は、
―――――!!」
硬く閉ざされていた瞳が、再び、零れ落ちそうに見開かれる。
『女の子に』
『お姫様に』
―――そんな馬鹿なこと、と否定したかったけれど、声は喉に詰まって出て来ない。
嘘は吐けない、だってずっとずっと、姉たちが羨ましかったのだ。
綺麗に着飾って、殿方にちやほやされて、険を学べ、なんて言われなくて。
だからずっと、己もそんな風に―――
心の隙間に忍び入り、緩やかに作用し始める異能の力。
彼の手指が辿る素肌は、その白さ、きめ細かさはそのままに、ごくごく控えめながら、
柔らかく、嫋やかな曲線を描くようになり。
細い腰もわずかに丸みを帯び、ふるり、震えた性器は見る間に縮こまって―――
「―――ぁ、…あ、嘘…っ……。
ど、…して、…どうして、っ……あ、
―――――っあああ、あ、あ……!!」
彼の掌の下で、滑らかな無毛の恥丘が創りあげられてしまった、その瞬間。
どくん、と一際大きく跳ねた鼓動、背筋を駆け上る暴力的なまでの、官能の予兆に。
びくん、と細腰を跳ねさせ、弓形に背を撓らせて、仰け反った喉からは
甲高い、悲鳴とも嬌声ともつかない声が迸り。
「あ―――…っあ、…あ、あぁ、…あ…、な、に、これ…っ、
……や、だ、怖い、なに、…なにか、来ちゃ…っ…!!」
熱い、苦しい、息が出来ない。
暴かれた白肌はじわりと薔薇色に染まり、明らかな熱を孕んで震える。
先刻までとはまるで違うその反応は、己の身体が内側に至るまで、『変換』されてしまった証かと。
■ナルラ > 予想通り、彼はそういう願望があったようだ。
話に聞いていたリヒャルト王子と、今の姿そこから結びついた想像を
カマかけてみたが見事に的中したようだ
「そうですね、今の状態ではもう王子ではありませんね……姫と呼べばよろしいですか?」
そして形成された幼い乳房、その先端に吸い付けば舌で乳首を転がしていく。
音を立てて吸いたて、目の前にいる少女の味を堪能していく。
己の欲望を満たすための術ではあったが、彼の願望を間接的には叶えてしまった事になる。
「リヒャルト姫と呼ぶより、少女の名で呼びましょうか、私は貴女のことをなんと呼べばいいですか『姫』?」
いちいち姫だと確認するように彼女を呼ぶ、今彼女にかけた術を安定させるためではあるのだが
彼女にとっては心地よい響きかもしれない。
「『姫』私も男です、こうなってしまっては抑えが効きません……ご無礼をお許しを」
そう言ってナルラはズボンと下着を脱ぎ、己の怒張した一物を彼女に見せる。
元男であろうが、女として興奮していると知らせるために。
「貴女は本当は姫だったのですよ、男を望むフォン・シュトラーゼ卿の想いから男として産まれてしまった
運命の相手と出会うまで、男として過ごすことを余儀なくされた」
床は冷たいだろうと、彼女の尻の下にドロワーズを敷き、その幼い割れ目に己のモノを押し当てる。
「ですので、本当の貴女を開放して差し上げます……『姫』」
王子ではなく、姫、もう目の前の少女はそうである
先程からの言葉は己自身に言い聞かせるような暗示でもある。
冒険者、貴族、公爵令嬢と様々な少女を強姦のように犯し、その処女を奪ってきた。
だが王族、『姫』は思えば初めてである。
そう思うとナルラの興奮は強まり、興奮からか彼のものはいつもより固く膨らんでいた。
そのものを、彼女の中に強引に押し込んでいく……抵抗しても構わず、そのまま乱暴に力任せに侵入させていく。
■ラケル > 『姫』と、己を呼ぶ彼は泣き濡れた己の視界にも、やはり完璧な『王子様』として映る。
姉たちに傅く貴族の若者たちのように、穏やかな、丁寧な言葉で―――
「―――や、…ち…が…、―――んぁ、っは……!
ぅん、…んっ、ん…ゃあ、…あっ、あ……きゃああん、あ、っあ……!」
けれど、物事や言葉遣いとは裏腹、創られたばかりの幼い膨らみへ吐息を被せ、
薄桃色の先端を嬲る唇は、舌遣いは、あまりにも淫靡で。
生まれたばかりの『女』の身には、いっそ暴力的なまでの快楽が、
つきりと尖る胸の芯から腹の奥深くへ、繰り返し、繰り返し。
身体の芯が、どろりと熱く蕩け出してしまうような―――あらぬところが甘く疼き、
解れ出してしまうような。
弱々しく頭を振って啜り泣き、上気した肌を波立たせて身悶えつつも、
彼の身を押し返すだけの気力は、既に無く。
名を問われればごく自然に、零れ落ちる熱い吐息と共に。
「……ラケ、ル……。
ラケル、……ほんとは、ずっと、……」
ずっと、嫋やかな女性の名で呼ばれたかった。
目の前で彼が、もはや肉の凶器としか呼べぬような昂ぶりを露わにして、
それで己を犯し、穢すのだ、と宣言しても。
ふる、と左右に頭を振り、か細い声で『いや』『ゆるして』と呟いても、―――ただ、それだけ。
剥ぎ取られたドロワーズを下敷きに、あられもなく曝け出された己の秘部は、
慎ましやかな薄桃色でありながら、とうに淡く綻び始めて。
彼が猛るその切っ先を宛がった刹那、堪え切れぬ、といわんばかり、とろりと甘い蜜さえ滲ませ。
「―――だ、め…だめ、ナルラ、様、ゆるし、て…るして、くだ、さ……。
こ、んなの、…だめ、こんな、……あ、あ、
――――っひ……ぅ、っあ、あ、あああ、…あ……!!」
熱く脈打つ雄の、猛々しい屹立が、創られたばかりの未熟な秘部を、
強引に、情け容赦も無く引き裂き、切り拓いてゆく。
きつく身を仰け反らせ、無意識のうちに逃げを打とうと浮きかける腰を、
無理矢理引き寄せ、刺し貫くように。
柔らかな、脆弱な純潔の証など、ひとたまりも無く引き千切られて―――
高く、擦り切れた絶叫。
眦からは止め処無く涙が流れ、赤らんだ頬を伝い、抑え込まれた身体は悲痛に戦慄いて。
彼の雄を食い千切らんばかりに締め上げ、きつく絡め取って引き絞る幼い肉は、
破瓜の鮮血だけでは無い、明らかなぬめりを纏って、小刻みに震えており。
■ナルラ > 狭くキツイ肉壁……以前己の素性を探っていた斥候の少年を少女の姿に変え犯したことがあった。
その時にも味わったできたての処女の女性器に突き立てる肉棒に与えられる締め付け
それはたまらなく極上な快楽をナルラに与えられていく。
「違うと言いながら、ラケルという名を口にしたではありませんか」
リヒャルトという勇ましさと優雅さを併せ持つ名ではなく、ラケルという
小さく可愛らしいような名を口にした少女、それこそが少女になりたかった願望ではないのかと
「『ラケル姫』……私も先ほどからの魔物との戦いに、淫毒にやられております
こうして貴女を乱暴に犯してしまっているのは、『貴女が魅力的な女性』だからです、
『ラケル姫』貴女との間に子が産まれたとすれば、フォン・シュトラーゼ家の跡継ぎは私達の子です
貴女がその『責務を負う必要はありません』ですので
安心して『女の子として抱かれてください』」
すカノジョに言い聞かせ、彼女にとって初めての性行為であるにも関わらず乱暴に犯していく。
その小さな乳房を揉み、膨らむことを誘発し、その小さな膣内を己のものでかき混ぜ、その味を肉棒の形を覚えこませていく。
己の性欲処理をする道具へと、リヒャルトを、いやラケルを己の欲望のままにつくりかえていこう。
「お許し下さい、『私は男』です、『貴女のような美しい娘』の前で
発情した状態ではもう我慢できません、獣のように私は貴女を求めているのです『ラケル姫』」
彼女の尻に敷いたドロワーズには彼女の破瓜の証と愛液が垂れ落ちれば染みこんでいく。
リヒャルト王子は、男としての初体験を迎えないまま、少女として処女を散らされていく。
天井を見るラケルの視線の先に、もしかすると二つの水晶球が浮かんでいるのを見るかもしれない。
■ラケル > 「ぃ、…いや、…いや…っ…、―――あ、つ…ぃ、…苦し、……っや、ああ、あ!」
抉られ、貫かれ、無垢な聖域へ続く扉さえ。
いっそ無慈悲なほどに荒々しく、小突かれ、深いくちづけを強いられ、
その奥すら明け渡せ、と迫られているよう。
己の秘めた願望などとうに見通している、今のこの状況は、誰より己自身が、
心の奥底で願った結果なのだ、と。
甘く、優しく詰るように、あるいは、そう在るのが当たり前なのだと、
―――このまま、流され、溺れてしまっても良いのだと、唆すように。
己の身体のなかを、我が物顔に食い荒らす灼熱に濡れた肉襞を掻き毟られ、
泣きじゃくりながら身を捩ることすら許さぬ、といわんばかり、
淡い乳房の膨らみを揉みしだかれて、じわりと新たな蜜が膣肉を湿らせる。
凌辱、と呼ぶのが相応しいような律動のさなか、弾ける打擲めいた音に、
濡れた粘膜の擦れ合う淫靡な蜜音が重なり。
いっぱいに抉じ開けられた秘裂から滴る真紅と、雌の快楽のしるしたる雫が、敷き込まれた純白の下着をまだらに汚して。
「あ、っあ、あ、あ、……は、げ…し、やぁ、も、だめ…、
こ、わ…れちゃ、…ラケル、壊れちゃ、う……、
だめ、お、ねが、ゆるし…て、ナルラ、さま、ナルラ、さ、
ひっ、いや、いや、ぁ、っ、――――も、ゆる、…っ、っ…!!」
まるで人形のようにがくがくと揺さぶられながら、痛みだけ、圧迫感だけの筈だった、
そのなかから得体の知れない、―――男の身では知る筈も無い雌の快楽が、
次第に彼を抱き包む肉鞘の蠕動を激しく、艶めかしく、
闇雲に締め付けるばかりだったものが、少しずつ、彼の肉棒に奉仕するかのように。
変わってゆく自身に戸惑い、怯え、縋りつく者は皮肉にも、目の前の彼だけしか居らず。
涙交じりの哀願の果てに、反らした視界の片隅で―――光る、ふたつの『眼』。
それがなんなのか、何故そこにあるのか、認識するより早く身体が反応した。
即ち、―――秘裂の縁から愛液の飛沫を散らしながら、根元から先端へ、
射精をねだるように、彼の肉を深く、鋭く喰い締めて。
■ナルラ > 「ええ、ラケル姫は乙女でしたから、今は痛いでしょう……ですが次第に良くなります」
辺りに漂う淫毒のガスが、破瓜の痛みを少し和らげてくれているのかもしれない。
もしコレがなkればラケルは耐えられないほどの苦痛の初体験を迎えたかもしれない。
腰を動かしていくうちにナルラはラケルの腰の動きが受け入れるものに変わっていたのに感じていった。
「『ラケル姫』貴女は私のものです」
そう言いながら彼女の肩や小さな乳房に軽く噛みつき、その身体に歯形を、そしてキスマークをつけていく
男による女へのマーキング、目の前の少女は己の物だと訴えかけるかのように
その身体に少女としての性行為を受けたことを示す証をつけていく
「ラケル姫、今は耐えてください、良くなった時貴女は完全に、『私の牝』になれます」
そして己のモノを食いつくようにラケル姫の膣内が絡みついてくる
それを感じれば、ナルラはそのまま射精を歯を食いしばりながら耐えていく
「姫、中に出します……子を孕んでください、俺の子を!!
貴女は女なのだから!!」
そう言い聞かせるように、こちらもおもいっきり腰を叩きつけ、そして果てる。
ナルラの制覇宣言通りラケルの膣内を熱く満たしていく。
少女になって、形成された子宮、そこはちゃんと子を宿し産むこともできる機能までつくられたが、今回の性行為ではまだ子を宿すことはないだろう。
ラケル姫が完全な女性になるその時までは
「ラケル姫、姫、姫」
そう彼女の名を呼びながら、何度も唇をついばむようにキスをする。
身体が繋がったまま、手はそのまま彼女の身体を女であることを意識させるように弄っていく。
性行為がこの一回で終わるとは限らない、このまま二回三回と繰り返されていくだろう。
■ラケル > ―――良く、なる、って、どんな風に。
そう尋ねたくても、満足に声を発することすら覚束無い。
苦しくて、痛くて、けれどそれらの感覚はいつしか、ただ、等しく『熱い』に変わって。
彼が己を『姫』と呼び、『彼のもの』と囁くだけで、新たな痺れが全身を駆け巡り、
目の前が白く霞むほどの―――快楽が、意識すら奪いかける。
次の瞬間には肌に刻まれる甘い疼痛が、己の意識を現実へ引き戻すのだけれど。
その痛みさえ、繰り返されれば。
「ぁ、……ラケ、ル…は、ナルラ、…ナルラ、さま…の、…雌…っ…?
こん、…ん、なの…変、こんな、い、たいの、苦し、のに、どうして、どう、――――
―――― っや、ぁ、だめ、やめて、だめ、いま、ダメぇ、っ……!
いま、…い、ま、出され、たら、……ごか、ないで、動か、……いやっ、いやあああ、っあ、あ……!!」
ずくん、と生まれたての子宮が拉げるほどに強く、突き上げられて痩躯が跳ねる。
迸るのは紛れも無く甲高い悲鳴でありながら、彼の屹立を抱き包み、
締めあげる肉はしとどに濡れ蕩けて、とうに雌の悦びを知っているよう。
叩きつけられた熱い奔流に全身を激しく打ち震わせ、真っ白い絶望に
意識を手放しそうになりながらも―――
催淫効果のあるガスに侵された雌の肉は、ようやく与えられた雄の精を、
貪り食らうような貪婪さで絞り取りにかかる。
たとえ今、実を結ぶことが無いとしても。
肌に刻まれたあまたの紅同様、否、それ以上に深く、己の子宮へ彼の、
熱い所有の証が刻みつけられて―――
「……ぁ、っあぁ、…あ、…あ……、
ナ、ル…ラ、さま、ナルラ、さ……ぁ、―――」
姫、と繰り返し呼ばれて、身体の中には今も、熱く硬い肉の楔が埋め込まれ、
子宮は彼の、熱い所有のしるしで膨らんでおり。
半ば熱に浮かされたような、恍惚とした表情で口づけを受けながら、
―――刹那、瓦解してゆく己の、『リヒャルト』という名の自我。
彼に愛でられ、犯され、精を注がれる『姫』であるという錯覚が、
紛れも無い現実として、
己を確実に蝕んでゆく程に―――狂宴は、まだまだ、終わる気配が無かった。
ご案内:「無名遺跡」からラケルさんが去りました。
■ナルラ > そのまま淫毒に侵され、肉欲のままに少女を貪っていく。
何度も何度も、精を吐き出していけばそのうちに理性のほうが強くなって行くだろう。
それからどれだけの刻が過ぎただろうか、少女の体には男のつけた痣や歯形、そして体液で汚れきっていた。
ナルラはその身体を綺麗に拭き、傷を治療すれば再び彼女に衣服を着せていく。
下着はこっそりともらって帰るとしよう。
「さて、少々手荒になってしまったが、これからもよろしくなラケル姫」
そう言って気絶した彼女の頬にキスをすれば、彼女をおぶってこの迷宮を脱出するだろう
目覚めた時、彼の自我が戻り、リヒャルトに戻っているかもしれないが
その身体に刻まれたナルラの呪印は残ったままだが、それはまた別のお話である。
ご案内:「無名遺跡」からナルラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にカナムさんが現れました。
■カナム > 「はぁ…はぁ、はぁ……あぁ、くっそ痛い」
怪しむべきだった、傭兵に遺跡調べさせるなんてどうにも変だって
お偉い貴族様の依頼で浮かれてたのが馬鹿だった
依頼料を見て有頂天だったのかな…
「へへ、ケケケ…こうなりゃ一人でも道ずれ……
いや、落ち着け。今はマジで死んじゃう」
流れる血が頭の中を真っ赤にしてくる
遺跡の入り口に居るかも分からない連中を殺す算段より今を生きる手段を考えないと
でも無事に出られたら絶対殺してやる
「止血…しないと…」
気休め程度の治癒魔法と包帯で止血
今は血が流れるのを止めないと
■カナム > 「これで良し…でもないなぁ」
一先ずこれ以上の出血は止めた
けど今襲われたら流石にまずい
「あいつの、縄張りだったら良いんだけど…
あの図体で縄張り無しなんかあり得ないよね…?」
5人で囲んでやっと殺せた化け物
蠍に似ていけどバカでかくて硬かった…お気に入りの細剣もこのざま
あいつの情報を黙ってたなんて、思い出すとイライラしてくる
「2,3時間、休めれば何とかなるか…はぁ、ついてない…」
同じ仕事を受けたメンバーの事は後で考る
イラついてもしょうがない
今は休む、そうじゃないとあとで動けない
■カナム > 「ダメだ、楽しいこと考えよ」
絶望的な状況程そういう事を考えろと教えられたのを思い出した
楽しい事……あのクソ貴族を****
「…色んな意味でダメ、何か別の事…」
血圧も上がり無駄に殺気を漏らしてしまう
もっと別の楽しい事、ここから出てやりたい事…
「はは、そんなものないか…」
ただ生き残りたいだけ、家族も居ないし恋人も守る物もない
けどだからって死にたい訳ではない
生きて生きて生きて生き抜く
それだけで十分だ
「さっさと動くか、じっとしてるのって好きじゃないんだよね」
立ち上がり壁伝いに進む
無事に出られるかは高く見積もって五分ぐらい
心優しい誰かに出会えば確実かな…神様たまには助けてくれてもいいんだけど?
ご案内:「無名遺跡」にレン・レイトさんが現れました。
■レン・レイト > 「…くそったれめ」
割れた額から流れる血はほとんど乾いていたが、酷く殴られた
頭は未だには締め付けられるような鈍い痛みがまだ残り、かすかに眩暈もする。
「どいつもこいつもくそったれめ」
ある冒険者に依頼されたの遺物の回収。
この依頼で初めて顔を合わせた冒険者たちと指定された歯車を見つけたまではいい。
しかし、報酬ほしさか後ろから頭を殴打されて先ほどまで気絶していた。
当の冒険者たちは魔物に襲われたのか、先ほど死体を見つけて歯車を回収できたのはいいが、それでも溜飲は下りない。
悪態をつきながら壁にもたれるようにして痛む体を引きずり歩く。
■カナム > 前の方から何か来る
足音…二足歩行か
暫くして見えてきたのは赤髪の……男かな?
「神さま、どうせならもう少し活きの良いのが良かったんだけど…」
どうにも手負いの様子
魔物にでも襲われたか?
でもまぁ取りあえず…
「そこのあんた、大丈夫?」
鉈を握り直しながら尋ねる
手負いに見せかけて~だったらいつでも対応できる様にしておかないと
■レン・レイト > 相手が気づいた頃にこちらも気づく。
自分と同じような背格好。
自分と同じように手負いに見える相手。
こちらも肩にかけていた槍をすぐに構えられるよう握り返すが。
「大丈夫に見えるのならあんたの目を疑うね」
相手が話しかけてくれば、睨みつけるようにしていつも以上にいらだった調子で皮肉を返す。
よっと壁から手を放ししっかりと立ち上がれば。
「そういうあんたはどうなんだ。結構しんどそうだけど?」
■カナム > 「五体満足、それに目立つ怪我は頭ぐらいでしょ?」
皮肉を言えるぐらいには元気らしい
にしても自分に負けず劣らずなクソガキだな
やっぱこういう所に居ると皆こうなるよね、うん
「しんどいし今にも倒れそう。よかったら一緒に出口に行かない?」
1人より2人、今はよく分からない相手でも協力者が欲しい
断られるぐらいならいいけど襲われたらどうしようとか考えながら見つめる
■レン・レイト > 「そいつは重畳」
師の言葉を真似ながら、全く無感動に返す。
それでも自分と同世代の冒険者は珍しいのか、態度はやや軟化して。
「そいつはありがたい提案だと普段ならまだ思うんだけどね。
俺さっき同じ以来受けた冒険者たちに報酬ほしさに殺されかけたのよ」
口が切れていたのか、口にたまった血を唾と一緒に吐き捨てながらやれやれと肩をすくめる。
ただでさえ人間不信な少年は、また裏切られた直後で相当にいら立っていた。
それでも明確には断らず、思案するように一度顎に手を当てて。
■カナム > 「あっそう、それで?」
報酬欲しさに殺されかけた、つまり今は金目の物無し
それに冒険者でもない自分には依頼の品とやらもどうでもいい
いい具合に人間不信になってるなぁ…と、ここで別れるのは都合が悪い
「ちなみに僕は傭兵、依頼の品を横取りとか考える事は無いよ。
それに君を殺しても僕の死ぬ確率が上がるだけ…無事に外に出たいだけなんだけどなぁ。」
断ると言われていないので誘ってみる
これでもダメならまぁ諦めるけど…相手だってこんなところで死ぬのはつまらないだろ?
たぶんいける…筈
■レン・レイト > 「ハッ!」
彼は物の例えで言ったのだろう。
ただそれでも少年は笑わずにはいられなかった。
自分を殺してもとそういうのだから
「殺せるんならいっそ殺してほしいぐらいなんですけどね」
それこそ自分の望むところなのだ。
先ほどまでとは違い相手を小ばかにするというよりは自嘲気味なつぶやき。
「まぁ、いいさ。傭兵ってのは信用商売だろう。
あんた俺なんかよりも手馴れてそうだし、
職にあぶれたチンピラみたいな冒険者くずれよかよっぽどましだろう」
生きるか死ぬかなんてどうでもいい。どうせ死ねない。
そんなことよりも魔物に襲われ、ここから出られずに何度も
死と再生を繰り返す方がよほど恐ろしいから。
少年は提案を飲むだろう
■カナム > 「うわぁ…死にたいなんて頭おかしいんじゃないの?」
殺してくれだなんて舐めたこと言われたなぁ…
それに死にたいなんて本気で言ってたら馬鹿だよ
こちとら絶対に生きたいんだから
「よく分かってくれてて嬉しいよ。
そうそう、信用大事大事…じゃぁ、短い間だけどよろしく」
信用のない傭兵は仕事もなく仲間にも疎まれ死ぬか仕事を続けられない
冒険者崩れなんかと一緒になんてされる事もない
ま、僕は比較的自由に過ごしてる気はあるけど根は真面目だよ?ほんとだよ?
「僕はカナム、出口まで頑張って行こうか。」
呼吸を整え歩き出す
いざという時の戦力が増えて気も少し楽になった
この調子なら二人とも無事に遺跡を出られる筈だ