2019/01/22 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 村の拡張を進めながら、私は思う…。
確かに大きくはなってきているし、人口も徐々にだが増えてきている。
技術もそこそこ向上し始めているし、畑だって増えた。
だが、そこまででしかない。
もっと大きくするためには、どうしても敷地が足りなさすぎる。
物見やぐらの上で、私は村を見下ろしながら…ため息をついた。
ここをもっと大きくするためには、どうしてもドリアードたちに話をしなければならない。
ここは、もともと彼らの縄張りだったところだ。
そこに、私たちが入り込んで使わせてもらっているだけに過ぎない。
そこを、さらに広くといえば……もちろんいい顔はしないだろう。
「どう、説明したものでしょうか…。」
これ以上敷地を増やすために、ドリアードにはどう説明したらいいだろうか。
首に巻き付いている守護竜の鬣を撫でながら、私は独り言ちた。
これ以上、村人を増やすためには、敷地をもっと広げなければならない。
だが、それをドリアードたちが良しとしてくれるだろうか…。
それを考えると、どうしても気が重くなってしまうのだ。
ご案内:「ミレーの隠れ里」にリクィスさんが現れました。
■リクィス > 何となく、何となくである。
普段遠距離を移動する時は、影と影を渡ることを連続して移動する。
そうすることで早馬も追いつけない速度で移動が可能。
しかし、地に足をつけてじっくり歩くことをやめると、自分は一体何なのか疑問に思うことがある。
なので、数日かけて旅をすることもある。
今日はそんな旅の1日。なんとなく居心地の良さそうな雰囲気を感じて、脚が勝手にそっちに向いた。
恐らく精霊の気配。
街にいては感じられないもの。
自然の中でもそうそう感じられないもの。
有効的ならいいんだけどなー、なんて思いながら
やたらに小柄な少女は、そびえる壁の前にいた。
「なんだこりゃ」
■レイカ > その精霊から、声が届くのは意外にも早かった。
私の考えを察して、というわけではなさそうだが…どうも様子がおかしい。
おびえているという感じはしないし、怒りというわけでもない。
どれかといえば……まさか、親近感?
精霊である彼らが親近感を覚える相手は、精霊以外にはいない。
だが、その親近感も…すぐに歪むことになる。
確かに精霊の気配を感じる、だが人間の気配も同時に感じる。
通していい者かどうかはわからない、だが悪意を感じるような様子はない。
なので…お前が判断をしてくれ、と。
「……親近感だけど……これは、嫌悪?」
そんな感じがする…だが、森が通した以上私が対応するしかないだろう。
うなっている守護竜の彼女をなだめ、私は物見やぐらから飛び降りて、入り口のほうへと向かった。
里のミレー族が、交代か何かだと思ったのだろう…一人、物見やぐらへと向かっていく。
それを横目に見ながら、私は入り口を開けた。
「……何か用か、ここはおいそれとよそ者を入れるわけにはいかない。
できるならば早々に立ち去ることを願おう…。」
識色眼を発動させながら、私はそういう…。
以前ならば、もう少し言い方もあったかもしれない。だが、今は違う。
ここを村として発展させると決めた以上…もはや隠すことは意味もないだろう。
■リクィス > 物見櫓から出てくる、ミレー……?のような女性。
そして、立ち去れときた。いやまあ、壁でっかいしね。
そうそう人を入れる場所じゃないんだろうとは思ったけど。
「んー。別にあたしゃ用があるわけじゃねーんだよなあ……
森んなかふらふら歩いてて、居心地がよさそうな気配感じてさ」
ちゃんと警備が機能している以上は、それなりの規模の集落なんだろう。
用事をでっち上げようと思えばでっちあげられる。
パン1個くれ。とか。麦粥1杯くれ。とか。水くれ。とか。
なにせこっちはマントかぶっただけの超軽装。旅をするかっこじゃない。
あたしが半分人間じゃないから食べる飲むにあんまり依存してないから。
住むにも。
まあ、理由はあんまり作れないし、嘘だってバレたら面倒くさい。
「んー。この壁のなかに精霊とかそういう連中いる?
あたし、そういうのが近いとちょっと安心できんだよね。
別に中に入れろとかいわねーよ。他所様んとこだし。
壁によっかかって半日くらい寝かしてくれない?」
体力など、体のことも人間とは離れている。
けれど、精神的な疲労や安寧は人間的。
ご同輩がいれば安心する。睡眠も、多く必要ではないが、あって悪いわけじゃない。
ということで、折角精霊の気配を感じたのだから、図々しくない程度に声をかけてみる。
■レイカ > 「………精霊?」
…やはりか、彼女もまた精霊の力を感じられる人物…。
いや、違う…私の眼には彼女から、人間を示す青いオーラと…黒いオーラが見える。
黒、いや漆黒といってもいいその色は、人間でも魔族でも、ましてやミレー族でもない。
こんな特殊な色を出すのは、精霊以外にない…。
なるほど、だからドリアードも判断に困ったわけだと、私は納得した。
私だって、なかなかお目にかかることはできない…精霊と、人間のハーフなんて。
「………精霊なら、見えているだろう?ほら、あの背の高い木だ。」
私は、村の中央に座している巨木を指さした。
この里の象徴である、精霊の力を使って育てたシンボル…大樹ユグドラシル。
生命の樹なんていう、大それた名前を付けているけれども…私はその名前に恥じないものだと、自負している。
彼女が、安寧を感じたのも、おそらく周囲のドリアードよりも、あれのおかげだろう。
「…中に入るといい、本当はよそ者はあまり入れたくはないんだが…精霊の力を宿しているなら、悪人ではなさそうだ。」
里なら、ゆっくりと休めるところもあろうだろう。
大樹に寄り掛かっているのも構わない。
■リクィス > 「…………ま、そんなとこ」
へえ。ご慧眼じゃん。すごいな見抜くなんて……体質か、能力か。どっちにしてもだ。
同輩以外に見抜かれたのは初めてだ。
「ん?うわ、でっけーー……でかすぎて木って思わなかった……」
ありゃーたしかに、自然だけじゃ無理だなあ。
よっぽど精霊に愛されてないと、あそこまでは育たない。
なるほど。なんかほっとするわけだ。うん。あれなら、納得だ。
「え。入れてくれんの? え、あー…………
……ありがとうございます」
一応、こういうときくらいはちゃんとしないと。
相手さんが、ちゃんと自分を受け入れてくれたんだ。あたしゃ無頼じゃないし。
ぺこりと、頭を下げる。うう、でも慣れねえなあこの頭さげる感じ。
「えっと、実はぴょんぴょんとんでも入れるんだけど
いちいち開門するのって、人手いるし面倒じゃない?」
相手の誠意に、こちらも正直に。
手を煩わせるのも申し訳ないし。
■レイカ > この能力のことは、ほとんど誰にも言っていない。
私だけしかもっていないらしいから…このことは、私だけの秘密。
能力のことを言うのは、おそらく余程親しくなった時くらいだろう。
「……無理はしなくていい、例の言葉だけで十分だ。
私は……レイカ、この里の長だ。」
私はミレー族ではないし、精霊でもない。エルフだ。
そのことも説明しつつ、私は里の中に入った官女に、好きなところで休むといいと告げた。
「………そうすると、このあたり一帯の精霊にすぐに引っかかるぞ。
ここはドリアードが管理している森だからな、精霊が精霊に喧嘩を売るわけもいかないだろう?」
若干ではあるが、私はそのことを説明しておいた。
ここはミレー族がすむ里だが、その周囲は私が協力を要請してドリアードの守護内に入っている。
もし、何か騒ぎを怒えば…どうなるかは、わかるだろう。
精霊の力を宿している身ならば。
■リクィス > 「ん。……あんがと。レイカ。
あたしはリクィス。一応は冒険者。
今現在、身の振り方考え中のガキだよ」
ああ。エルフ。なんとなーく、みえてきたかな。
だからって、この里の内情とかが、今あたしに関係するわけじゃないし
今ここでレイカの深い事情にふれることもきっと、ないだろうから
心の中で思う、考えるだけにする。
「む。するってーと、飛行魔法とかでの壁超えとかも全部見られるのかな。
うん、別にケンカしに来たわけじゃねーもんな」
わざわざドリアードの森で騒ぎを起こすなんて大馬鹿のすることだ。
そもそもが人んちはいって騒ぎを起こすのが大馬鹿だ。
外敵への警報、警備に関してはほぼ万全か。
絶対に誰一人、中のやつを殺させない。そんな覚悟を感じるが……
そうまでして守りたいものって、なんか、ピンとこない。
■レイカ > 「……冒険者、か…。身の振り方はゆっくり考えればいいんじゃないか?
私は君に対して、何かしらのアドバイスができるとも思えないしな。」
自分の身の振り方は、自分で決めるしかない。
私がずっと考えて、今まさにようやく、形にでき始めたところなのだが。
首に巻き付いている、不機嫌そうな守護竜の鬣を撫でながら。
リクィスの言葉に、私は無言の肯定を投げかけた。
元々、ユグドラシルを中央に飢えたのは、外からの飛行による外敵の侵入を察知するためだ。
外の壁を飛び越えてきていたら、すぐに見張りにも見つかってしまうだろう。
だから、あまり進めることはしない。
できるならば、唯一の扉から入ることを推奨している。
「喧嘩しに来たわけじゃないのなら…一つだけお願いをしたい。
ここの里のことは…できれば王都に戻っても、他言無用で願いたい。」
身の振り方を考えている真っ最中の彼女に、そんなお願いは…少し間違っているだろうか。
だが、この里はできればまだ、誰かの目に留まることはないほうがいい…。
そう、できるならば長い間…攻めて、私が生きている間は。
■リクィス > 「ゆっくり……
んー。まあ死なねー程度に生きてれば、その時間はあるか……」
幸い、10年20年ぼーっとする程度の蓄えはある。
その間に適当な仕事で繋いで、考えればいい、か。
幸か不幸か、半精霊の命は永い。
大人はどうきめたのか、聞いたこともないけれど、冒険者仲間からはろくな答えが返ってこないだろう。
「ふうん、つえーなあここ」
全てドリアードの領域である森。
ろくに行軍ができないだろう。ろくな装備も残らないだろう。
普通の兵隊で攻め落とすのは無理だなこりゃ。
首にいんの、ドラゴンだし。
英雄とか担がれるやつが何人も必要かな、これは。
「ん。精霊のフリした悪霊とかならバッサリいくけどさ
ここの奴らって真っ当な精霊だしさ。ケンカなんかしねー。
…………? なんで話すのさ。わざわざ隠れてるのに」
うーん?あれ?んん? これはあたしがまだガキで馬鹿なのか?
えーっと。あたしはレイカたちとケンカしてねえ。
レイカたちはわざわざこんなとこに住んでる。
そいつらをホイホイあの治安の腐れた王都でいいふらす。
する理由がねえ。全く。いや、え。 しないよ……?
自分の中の悪意というものが一切萌芽していない子供であった。
■レイカ > 命は粗末に扱うものじゃない、私はそう思う。
精霊の血を引いているならば、おそらく私…エルフ並みに長寿であるはずだ。
斧命を無駄に使うことさえしなければ、きっと考える時間はいくらでもあるだろう。
だが、闇……夜の精霊は悪落ちしやすいとも聞く。
できるならばこのまま、悪意を知らずに大人になってほしいと思うが…難しいだろう。
あの王都に住んでいる以上…悪意に染まらない可能性なんて、これっぽっちもない。
強い、と言われても私は苦笑しか出なかった。
英雄といわれている人物は、あの王都には何人もいるだろう。
どういうことなのかはわからないが…あの王都には、強者を引き付ける何かがある。
この里を滅ぼせてしまう何かがない、と言い切れない私がいる…。
だからなのだろう、毎日不安なのだ。
「……ミレー族の里だからさ。リクィスは知らないかもしれないけれど。
ミレー族は、王都では高値で取引されている。」
そのミレー族を狙って、奴隷商人が傭兵を雇ってここに攻めてくる可能性。
それをできる限り排除したいからだと、私は説明した。