2017/12/30 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > 森に、夕日の光が満ちていく。
深い森の奥にたたずむこの里は、残念ながら朝日や夕日などを直接見ることはできない。
さすがに、森の樹木以上に高く見晴らし台を作ることはできなかったからだ。

だが、それでも木々の隙間からあふれる光は、十分心を奪われる。
子供たちを連れて、里から少しだけ、ほんの少しだけは慣れた広場。
ドリアードに話をして、里の防壁を作るために分けてもらった樹木。
其れの跡地に、私は子供たちを連れて夕日を見にやってきていた。

お弁当はたくさん持っていた。
里の大人たちには、夜までに帰って来いと言われていた。
その約束を守り、夕日の光をしばらく見た後で、私は子供たちを里に返した。

「…………少しだけ、瞑想していきましょうか…。」

子供たちが無事に、里の防壁の中へ入ったのを見送ってから。
私は再度、その広場に足を運んでいた。
この広場は、瞑想するにはいい時間帯になっている。
切り株の一つに、私は腰を下ろして胡坐をかく。
目を閉じて、ゆっくりと息を吸い込みながら、体内にある魔力に耳を傾ける。媒介として使っている魔力で、私は精霊たちに語り掛けた。

「すぅ―――――――………はぁ――――――――――……。」

ゆっくりと、ゆっくりと息を吸い込み、そして吐き出す。
肩で、体全体で息をしながら、私は周囲に溶け込んでいく。

ご案内:「ミレーの隠れ里」に火棘さんが現れました。
火棘 > 里に立ち寄ったとき、小さいのがたくさん帰ってきたのとすれ違う

あの娘はどうしたと、聞けば…あっちーと指をさすばかり
指さされた方向に、ふらっと脚を向ける、まだ夜になりきる前だけど

手に紙袋を抱えたまま、あの娘のいる広場へと近づいていく
視線の先に小さい人影、アレだなとわかると
脚を真っ直ぐ向け近づいていく、いつもより身なりが緩い着物なのは
森の住処からでてきたとこでもあり

レイカ > 「…………すぅ……。」

大きく息を吸い込んだ私は、ふいに風の精霊がざわめくのを聞いた。
木の精霊もどことなく、落ち着きがなくなっているのを感じる。
この反応は、誰か力の強い者がこっちに向かっている証。

敵か、味方か…それを察知するためには、やはり精霊の声。
だが一瞬だけ、騒めいていた精霊たちはすぐにおとなしくなっていく。
どうやら、そこまで危険な人物じゃないようだ。
だったらぎりぎりまで、私は自分の力を高めるために瞑想を続けた。

ゆっくりと息を吐きながら、目を開いていく。
誰が来たのか、その気配で大体の予想はついていたが…。

「……今日は、ずいぶんと早いお帰りなんですね……?
ここのところ還ってこないので、どうしたのかと思っていましたよ。
…あ、少し待ってください…。」

私は、私に友達に優しく声を掛けた。
切り株から立ち上がり、少しだけ力が溢れそうになっているのを抑え込みながら。

火棘 > 「なんじゃ…もう終わりか?」

邪魔をしてしまったか、近づく相手が座って集中してるのは、空気でなんとなく気づいてた。

こちらに声をかけてくることで、自分が近づいたせいではと思いはしたけど…
そのまま彼女の近くまで

「なに森の住処におっただけ、里のことも覗いておったぞ
 特に危ないのは入り込んでなかったようだし」

抱えてた紙袋を差し出して、土産じゃとばかりに

「少し私の里にも戻ったりしたからの、それはレイカや小さいので分けて食べてくれたらいい」

紙袋にいれてるのは、桃まん、小さくもピンク色した桃の形をした生身は餡子の蒸し饅頭
ほかほかの状態で食べるほうが美味しいと教えながら

レイカ > 「はい、おわりです。」

本当のところを言えば、もう少し続けていたかった。
うるさいほどに聞こえてくる精霊の声を、ゆっくりと押しとどめてから私は大きく、最後に息を吐く。

「こうして、時々瞑想しないと精霊の力をうまく借りられなくなるんです…。」

私は、まだまだこの手の技術に関しては未熟だ。
だからこうして、球に力を集中させないとうまく扱えなくなってしまう。
この力は、里の防衛に使っているから、仕えなくなると困るのだ。

住み家にずっといて、里を見てくれていた…。
それがとてもありがたくて、私は深々と頭を下げた。

「ありがとうございます、とても……っと。
すごい……良い匂いですね。」

桃まん……初めて見るお饅頭だった。
王都にいた時も、甘利甘未というものは食べたことはなかったけれども…嫌いじゃなかった。
だから、甘いものは里の皆で分け合って食べるつもり。
ほかほかに蒸して食べるのがおいしいらしいので、今度そうしてみよう。

火棘 > 「そうなのか?続けてもいいのだぞ?」

自分の影響が少しでもあるとか気にもしていなくて
サラッといってのける

「私が勝手にしてることだ、頭を下げることもない」

頭を下げる彼女の頭に手をポンとのせようと、そのまま撫で撫でもしてしまおうと
手はすぐに引っ込めるけど…

里よりもう少し森の奥に入ったとこの大木の傍に森の住処もある
常に外壁と共にいては逆に目立ってもいけない
なので近くで、見える場所にいればいいだろうと思ったから

「前は肉まんもつくったしの、今度は甘い蒸し饅頭だ」

この手の自らの里のものを持ち込むと
小さいのが喜んでくれる、それが嬉しいらしく…小さいのにはついつい甘やかしてしまうのだけど

レイカ > 「いえ…大丈夫です。
せっかくカキョクさんが訪ねてきてくれたことですしね。」

なので、今日はもう瞑想を終わらせた。
また明日、一からすればいいだけの話だし、第一友達が来ているのに、そんなことができるはずがない。
確かに大事なことだけど、其れよりも大事なことがあるから。

頭を撫でられると、昔を思い出す。
弓の腕が上達した時に、褒めてもらったこと。
たくさんの仲良しに囲まれて、毎日が楽しかったミレー族との暮らし。
少しだけ表情を曇らせるけれども、私はすぐにそれを押し殺した。
もう何年も前のことだ、いまだに思い出しても悔しいし、悲しい。
だけど、気にもしていられない。

「ああ、この間のはカキョクさんが作ってくれたんですか…。
里の子供たちが、大喜びで頬張っていたので…またお願いしますね。」

この里には、あまりそういった嗜好品はおいていない。
なので、時々カキョクさんが持ってきてくれるものは、子供たちの楽しみにもなっていた。

火棘 > 「夜に眠れずにな…ここにきたけど、皆寝ておったから
 勝手に食堂を借りさせてもらった」

門番に伝えてはいたから、怪しい食べ物でなかったはず
喜んでいたと聞けば、嬉しそうに笑って

「そうか、それはよかった
 ちゃんとレイカのもあるんだからな」

小さいののためではあるけど、彼女にもちゃんと食べてもらいたいから

「あの程度でよければ、簡単だからな
 今度はシューマイでもつくってやろう」

ほとんどが蒸しものだけど、この時期は温まるしちょうどいいと思ったから
肉まんもシューマイも具は似てる、皮が違うだけだしと考えてたときに
思い出した、とばかりに顔をあげて

「森から眺めてはおるけど、困ったことはないか?
 なにか危害などもなかったか?」

レイカ > 皆が寝静まっているころでも、門番がいて彼女のことを話してくれた。
どうやら食堂で何かをしていたようだと話してもらい、そこに行くと肉まんが置かれていた。
美味しそうな匂いがしていたので、一つだけもらったのは…黙っておこう。
私も夜衛を請け負っていて…その……時々夜食が食べたくなるのだ。

「ええ、ちゃんといただきましたよ。
確か、シェンヤンのものだと思いましたが…。」

シューマイというものも、肉まんも。
確かもともとはシェンヤンの方でよく食べられている物のはずだ。
あまりそっちの方面には詳しくないので、よくは知らない。
けれども、味は子供が喜びそうなものなので…私は何も言わなかった。

「危害……ですか。そうですね……。
この里には何もなかったですけど…つい先日、またミレー族の村が一つなくなりました。」

本当に、人間というものは欲深い…。
だけど、私は今は…この里の皆を護ることだけが手いっぱい。
ほかの所まで手を貸しに行けるほどの戦力はないのだ…悲しいけれども。

火棘 > 「レイカも食べてるのならいい…うんうん、もっと食べてもいいくらいだ」

じーっと彼女をみても細っこい
里を守る者なのに、これでは心配にもなる

「シェンヤンにもたしかに似ておるけど、まあ同じものだな
 私の里はもっともっと東じゃから…レイカを連れてってやりたいけど
 空を飛んで数日かかるからの…」

さすがにヒトを連れた数日の空は、ヒトでは耐えられないだろうと
それはできないことで

「またか……」

彼女の言葉に表情が曇り、あからさまにイラッとした空気になる
緩い着物をきてるはずなのに、体の熱が上がるような感じ
彼女は悪くないのでなるべく、抑えよう抑えようと
後頭部をかき上げるようにして、息をつき

「どうも、この国は愚かな者が多すぎるようだの」

レイカ > 「………単純にこの体形は生まれつきですっ。」

私だって望んでこんな細い体に生まれたわけじゃない。
彼女の視線に、何を意図しているのかすぐにわかったのでちょっとだけ口を尖らせた。

シェンヤンに似ているけれども、違う場所。
そこでは、ミレー族はいったいどんな扱いを受けているのだろうか…。
気になるけれども、あまり話そうという気にはなれなかった。
ここではここの、よそではよそのミレー族の扱いがある。

それに、空を飛んで数日なんて、絶対に体よりも意識が持たない。
わたしはたかいところがだいっきらいなんだ。

「…腐りきっているこの国ですからね、何を言っても…。
…でも、こちらから攻めるつもりは毛頭ありません。」

そんなことをして、こっちに因縁をつけられたらたまったものじゃない。
平穏に暮らせているのだから、それを自分たちから壊すのは愚の骨頂だ。
彼女のいう通り、この国には愚かなものが多い。
だけど、その愚かな者から守るのが私の役目なのだから…。

火棘 > 「…ふん、そうか…もうちっと…」

ヒトのことは言えないけど、こういう時だけは
ちょっと上から的に言いかけてやめる
うちの爺に少し似てきたようなことに気づいたから

「…いやいい…やめた」

里に彼女を連れていきたいけど
普通のヒトでも無理だろう、竜の速度と高度に耐えられるとは思えず

「まあ…レイカの里になにもなかっただけよしとするか」

イライラもするけど、どうにか抑えようと息を深くつく
嵐の竜からも言われたように、全てを守れるはずもないし、深入りするのを良しとしてないようにも言われてるものの…
彼女のとこだけでも自分がいる間は、あの小さいのも守ってやりたくて

「何かあれば、すぐ呼ぶように…そのために渡してあるのだから」

指さしたのは彼女に渡した自らの鱗で作られた笛
愚かな者を後悔させてやるとばかりの意気込みで

レイカ > 「食べても大きくなれなかったんですから、この体形が私にはベストなんです……たぶん。」

私も、本当はこう…もう少し欲しい。
だけど、望んで食べてもやっぱり駄目だったので、何も言わないようにした。
この体形が一番いいと自分に言い聞かせていた。

「私の里には、誰も手出しさせませんよ…ああ、させないとも。
私とカキョクさん、それに傭兵もたくさんいるんだ…絶対に。」

ついつい、私は口調が荒くなってしまう。
人間への憎しみや、ミレー族を苦しめる者への敵対心。
その心が、どうしても私をこうして…荒々しくさせてしまう。
子供たちの前ではそういうところを見せることはない…けれども。

「…ふぅ……。
カキョクさん、よかったら里に来ませんか?
何か、おいしいお茶でもご馳走しますよ。」

彼女に渡してもらった鱗から作った笛。
それはいつも、肌身離さず持っている。
何かあったときに、すぐにでも彼女を呼べるように…と。

火棘 > 「じゃあこれからもっと食べればいい
 たくさんつくるシ持ってくるから」

自分たちを知ってる、あの嵐の竜からしたら2人とも似た体型かもしれないけど
彼女にもたくさん食べさせたくなる
あの里の大人たちにも

「ふん、命知らずがきたとしても、要らぬことしょうものなら焼き殺してくれるわ」

自分も先に手を出すことはしないようにと決めている
彼女と彼女の里の小さい子らは守ってやりたく、どうしても思ってしまうから
入れ込んでると、呆れられるかもしれないけど
自由にさせてもらってるぶん…先に手を出さないということは守るつもりで

「ん、ぁあ…
 熱いお茶をもらおうかな」

髪をさらっと手で払うようにして、広場からまた彼女の里へと向かおうと
方向をかえて

レイカ > 「……少食ですので、お手柔らかに…。」

ふとれ、と言われてるような気がするけど…。
もともと私はそんなに食べる方じゃないし、何より脂っこいものを受け付けない。
ほとんど、野菜と水だけで生活できるのであまり食べられないのだ。
実際、あの肉まんだって半分が限界だったし…。

「ええ……お願いします。
ここのところ、どうも王都の動きが気になるので…。」

そう、気になるのだ…。
何かを仕掛けてくるかどうかなんて読めないし、精霊がざわついている程度。
だけど、私にはわかる…必ず彼らは、何かを仕掛けてくると。
その時には必ず、彼女だけでなくあの人の力も借りなければならない時がやってくる。
だからその時まで、彼女には耐えてもらうつもりだった。

「ああ、ちょうどよかった。
実は、いい茶葉が手に入ったので、ご馳走しますよ。」

お茶菓子は何がいいだろうか…。
甘い物でもいいし、なにか適当な…ちょっとしたご飯でもいい。
だけど、彼女が里で何かを食べていくのがなんだかうれしくて。

彼女も、朝食以外はあまり食べない人だから。

火棘 > 「任せておれ、王都にもたまにはいく…買い物程度だけど」

人の多い場所は好まないけど、調味料やちょっとした買い物には脚をむけるようになった
ちょっと歩き回ってみるのもいいだろうけど

共に里にむかい歩きながら

「それは楽しみな…それなら、桃まん温めて皆で食べるか?
 小さいのも集めて皆でな」

先ほど彼女に渡した紙袋の中身
軽く蒸せば暖かく出来立てと変わらなく食べられるから

レイカ > 「…そう、ですか…。じゃあ、お願いします。
もし、何か妖しい動きを見つけたらすぐに知らせてください。」

できるだけ、危険な目は早めに摘んでおきたい。
彼女に力を借りるのは少し情けないかもしれないけど…私は王都には近づけない。
もととはいえ、騎士団に所属していた私だ。
私のことを知っている人が、そこにいてもおかしくはない。

「ええ、もとよりそのつもりです。
皆も、晩御飯を食べ終えた痕でしょうからね。」

ミレー族の中には、職を作れる人も何人か。
もともと給仕として働かされていた人もいるので、そのあたりは人材も豊富だった。
今頃は、子供たちに食事を与えている時間のはず。
だったら、食後のデザートに、この桃マンを出すのも悪くないかもしれない。
子供は皆、甘いものが好きだから。

火棘 > 「わかった…楽しみにまっておれ」

彼女の頼みごとをされるとは、なんだか嬉しい
王都の中で竜が暴れるわけにもいかないから、なるべく抑え気味に気を張るだろうけど

「ならば、もってきて良かった
 あの小さいのも食べてる時は大人しいしの」

まだ幼く小さい子供らが、喜ぶのは自分も嬉しい
隠れながら暮らしてるのだから、なにか喜ぶことをしてあげたかったから

他にはなにがいいだろう
シューマイ、餃子、など東の食べ物は他にも多い
彼女にも一口くらいの小さいものなら、食べてもらえるかもしれないと
いろいろ考えながら歩く

レイカ > 「…あんまり楽しみにしたくはないんですけどね。」

私だって、一人で何でもできるとは思っていない。
なので、できるだけ人に力を借りれるのは、借りようと思っている。
特に、彼女の力と信頼はとても大きな戦力だった。
王都も、まさか一個大隊と渡り合えるようなドラゴンは、敵に回したくはないだろう。

「遊び盛りの子供が多いですからね…。
食べてる間だけは、私も気が落ち着きます…。」

どういう因果か、わんぱく盛りな子供が多くこの里にはいた。
本当に手間のかかる子供たちだけれども、それだけに可愛い。
私は里の入り口を彼女と一緒に通り、軽く目につく人たちに会釈を送る。
その後ろにカキョクさんがいると知れば、子供たちは喜び勇んで飛びついてきた。
私にもだが…もちろん、カキョクさんにも。
今や、この里ではカキョクさんはお姉さんのような扱いになっていた。

火棘 > 「まあ、私に出来る範囲な…」

王都の中では人の姿でいるしかない
不利になることも人ならばあるかもしれないから

「小さいのは、よく食べて遊んで寝ておればいい」

前に夜中に様子を見に入ったときも
大勢でごろ寝してた、親のない子供ばかりだけど
寝顔は穏やかにも感じたのを覚えてる

里の入口を通れば
先ほどの子らが迎えに出てきた

「まだお腹に入るか?今温めてやるから、待っておれ」

レイカに渡した紙袋に手をつっこんで1つ1つ手にのせて出してくる
軽く手のひらで温め、ほかほかになった手のひらサイズの桃まんを
1人づつ手渡してやりながら

「ほら熱いぞ、自分より小さい者にさきに渡していくのだ」

レイカ > 「できる範囲でかまいませんよ。
でも…本当なら、何もないほうがいいんですけどね。」

そう、本当なら何もないほうがいいのだ。
人間とミレー族は隔離されてしかるべき、互いに干渉しないほうがいい。以前この里を訪れた親子のことを考えても、そのほうがいいのだ。

受け取った紙袋から出てくる桃マンを、子供たちは物珍しそうに見ている。
こんな食べ物は、見たことがないのだろう。
それが温まって、小さい子から順番に受け取っていく。
皆、ご飯を食べた後のはずなのに、やっぱり甘い物には目がないみたいだ。
結局、私はこの桃マンを食べることはできなかった。

食堂で、カキョクさんにお茶を出しながらいろいろと話をしよう。
王都のこと、そしてこの里の今後の方針…。
この里の守り神には、まだまだ頼ることになりそうだった…。

ご案内:「ミレーの隠れ里」から火棘さんが去りました。
ご案内:「ミレーの隠れ里」からレイカさんが去りました。