2017/08/17 のログ
ご案内:「ミレーの隠れ里」にレイカさんが現れました。
レイカ > 『レイカ様……どうしましょうか…。』
「……………。」

現在、私の里は非常に困ったことになっていた。

もともと、この里は私が王都から連れ出した、30人のミレー族のために建てた隠れ里。
防壁も、とある人の協力により予定よりもうんと早く完成し、後は防火対策をするのみとなっていた。

だが、ここにきて新たな問題が発生してしまった。
規模を広げることを想定していなかったので、新しい入植者を入れるということを考慮していなかったのだ。
もちろん、防壁の外に新しい家を建てるのは簡単だ。
だが、そうなると彼らを…近くの里を奴隷商人に破壊され、命からがら逃げだしてきた彼ら。
その彼らに、安全な防壁の外で暮らせなどと、私は言えるはずがなかった。

「…防壁を立てるのは少し早すぎたかもしれませんね…。
かといって、今さら防壁を取り壊すこともできませんし…。」

攻城兵器にも耐えうるだけの、太い幹を持ついくつもの木の杭。
それらをもう一度引き抜いて広げるなんて、そんなことできるはずもない。
敷地の中で暮らしてもらうのが一番手っ取り早いが…ほかの皆と共存できるかもわからない。
ミレー族は、独自の種族があるように独自の暮らし方があるのだから。

ご案内:「ミレーの隠れ里」に火棘さんが現れました。
火棘 > 森の中をゆるり歩いてくる
何度か寝床として訪れた場所、もう見知った場所になっているから迷うことなく目指してこれる

今夜はココで眠ろうかと
彼女のもとにと脚をむけてた

竜で空から降りてもいいのだけど
集落は、隠すように作られているから竜が空から降りるなど
目立つようなことも避けるべきだろう

だから、森の中を歩く機嫌はよくてもその存在感が消えるわけもなく
周囲の獣などは、恐れ離れてしまってるだろう

手に持ってる布袋には、自らの里の木の実(くこの実)やら、煎じて飲める茶などを入れている

レイカ > 「……しばらくこの里の中で様子を見ましょう。
しばらくは追跡者がいないか、警戒を厳しくしてください。
狩りに出ている人たちも、それを怠らないように。
何かあったらすぐに、いつものように合図をください。」

見捨てるなんて、そんなことはできなかった。
ミレー族だからなんていう理由じゃない、帰る場所を亡くしたから。
私も同じ境遇だからよくわかる、もうどこにも帰れないその寂しさ。

その場所が、この場所になるならば…。
私は肩を落とし、決断したことをみんなに伝えた。

そのミレー族の数は5人…。
数にしてみれば大したことはないのかもしれない。
だけど、大した数しか残っていないと思うと…私は目を吊り上げていた。
どれだけの思い出を、奪っていったのだろうか…怒りが込み上げる。

「くそっ……どこまでもミレーを傷つけるのか…人間…っ!」

入口を出て、私は外の空気を吸っていた。
そこに向かっている、友人の事なんか気にする余裕はなかった…。

火棘 > 遠目にも竜の眼ならわかる、気に入ってる彼女の匂いを嗅ぎ取って
前方には人影が見えたから、まっすぐに歩いていく
森の中の小さな集落、自分の遠い里に匂いも雰囲気も似てる場所は居心地がよくて

「レイカー。どうかしたのか?」

なんだか機嫌が悪い様子、なにかよくないことでもあったのかと
近づきながら伺う
ご機嫌で来たものの、対して彼女は怒ってるのを感じ取り

レイカ > 「え………?」

私の名前を呼ぶ声がする。
ドリアードたちが何も言ってこないところを見ると、この里の客人か。
それとも、誰かが帰ってきたところだろうか。

いや、こんな夜更けまで出かけている住人はここにはいない。
さっき確かめたところ、すでにみんなこの里に帰ってきていた。
だったら客人ということは確実か…。
私は、その方向に目を向けて…その人物が、私の友人であることを確かめると、ほっと一息ついた。

「あ、カキョクさん……いらっしゃい。」

この場所を寝床にしているドラゴンであり、私の大切な友人。
その彼女が久しぶりにやってきたものだから…私はできるだけ、笑みを浮かべて出迎えた。
この人ならば、里の皆とももう顔見知りになっている。
警戒することもなく、私は軽く右手を振りながら出迎えた。

「また寝床を求めてきたんですか…?
ふふっ、でももう城壁が完成したので、その代わりになる必要はありませんよ。
よかったら、今日は中で眠りませんか?」

……怒りを抱いている時の私は、いつになく饒舌だった。

火棘 > 「なんじゃ、もう完成したのか、思ってたより早かったの」

もってた布袋を差し出して、土産だ、とばかりに渡そうとして
残る香りにクンと鼻を鳴らすように気づく

「そういえば…ここにルーフェンも来たと聞いた
 レイカ、よければ空の散歩でもするか?」

レイカは、高いとこが好きと彼は言っていた
ならば体にでも乗せて、この国でも見せてやろうかと提案してみる

彼女が喜ぶことならしてやりたいと、気に入った者なら体に乗せるのも許せることで

「なかで?でも中は住人の生活の場所であろう?わたしなら外でかまわんよ」

誘いはありがたいけど、この集落では外で眠るのが当たり前になってたから
中でというのは、申し訳ない気がして、ちょっと遠慮気味に

レイカ > 「ええ、実はルーフェンさんという人が手伝ってくれたんです。
カキョクさんとお知り合いだって言ってたんですけど…何か話をされましたか?」

渡された布袋の中身は、とてもいい香りがした。
この匂いは確か、王都でも飲まれているお茶の葉っぱか…。
この場所では仕入れていないものなので、これは素直にうれしい。
別の袋の中にも、木の実がたくさん入っているし、乾燥して鋳ればみんなで食べられそうだ。
軽くお辞儀をして、お礼とするととたんに誘われたそのセリフ…。

「えっ……そ、空の…ですか?
あ、アハハ…その……お、お気持ちだけ受け取っておきます…。」

……ルーフェンさん、意外とお茶目な人なんだろうか…。
私が高いところが苦手だっていうのは伝えたはずなのに…。
もしかして、何か私に対する復讐みたいなのを企てたんだろうか。

確かに私は、初対面の時に彼を射かけてしまった。
その復讐に、カキョクさんに嘘を教えたと考えると、すんなりと行く。
これは誤解を招きそうなので、後でしっかりと彼女に、私は高いところが苦手だと伝えておこう。

「別に、お客様を入れないという理由にはなりませんよ。
もちろん、外で寝るというならば止めるつもりもありません。
あ、でも…明日の朝ごはんをみんなで一緒に、って思ってるんですけど。
明日の早朝に、皆で釣りをしに行くので、カキョクさんも一緒にどうですか?」

…怒りを押し隠し、私はカキョクさんとの会話を楽しもうとしている。
怒りの矛先を、今すぐに探しに行きたいという思いを押し殺して。

火棘 > 「ルーはの、小言が多い、ここでの爺のようなものかな
 見聞を広めるために共に居てくれる、まさに里にいるはずの爺がここにもできてしもうた」

彼から話に聞いたから彼女とも面識があるのだろう
自分が話した場所に彼が来て過ごしたというのは嬉しいもので

「その実のほうは、少し苦いのでな子供には好まんかもしれん
 茶は、里のものだが煎じて飲むがいい、体にもよいときく」

布袋を渡せば、嬉しそうに話して説明して
言葉が歯切れ悪く聞こえると

「…空は好まんかったか?」

彼のささやかな仕返しをそのまま信じてたから、彼女が喜ぶかと思っての誘いだったが
なんだか遠慮されたことで、違ったのかと感じながら

「ん、そうも誘ってくれるなら、なかで休ませてもらおうか
 …で、レイカ何かあったのか?」

最近は人の姿でも寝床に入る
外ならば竜で、中ならば人で過ごすことも可能で
朝食の誘いには負けるしかなく、受け入れるように中を選択し

久しぶりに訪れた場所ではあるけど、なんとなく彼女の雰囲気が変わったきがして

レイカ > 「ああ……確かにそんな感じの人でしたね。
でも、とてもいい人…いえ、ドラゴンですからいいドラゴン、でしょうか?」

恐怖の象徴、最強種族と思っていたドラゴン。
最強種族というのは今でもそう思っているが、恐怖の象徴というのはいささか。
いや、かなり間違っているのだろうと、今の私は思っている。
カキョクさんといい、ルーフェンさんと言い、そしてもう一人のドラゴンといい。
皆、とてもそんな風には見えなかったから…。

「大丈夫ですよ、乾燥させて少し炒ってあげれば、この実は少し甘くなるんです。
この里でも、時々とれるのでそうやって、おやつ代わりにしてるんですよ?」

本当は、クッキーの中に入れたりしてもおいしい。
私も好んで食べているので、これは明日皆でクッキーにでもしよう。

空が好きなわけじゃない、けれども…。
まあ、集中している時以外はあまり、高いところに行きたくない…。
昔、私の故郷にいたお兄さんに、高いところに置いてけぼりにされて一晩中鳴いていた時から、トラウマに…。

「えっ………いえ、何も…。」

彼女に、何かあったのかと聞かれると…余計に私は歯切れが悪くなってしまった。
何もないはずがない、何かあったのは間違いない。
だけど…彼女に相談していい物なのか…。
彼女は里の人間じゃない、けれど私の友人……。

「…ええ、少しだけ。」

火棘 > 「ん、いい人ではある…お小言が多いけど」

自分としても気に入ってるし大事でもある、つい先日も説教をされたばかり
お小言も日々ある…嫌そうな顔をしながらも、どこか気を許しあえてるので
本気の嫌悪感ではなくて

「そうなのか、その食べ方は知らなかった」

焼き菓子に使うという、少し珍しい使い方に意外そうに驚くものの
子供でも食べやすいと聞けば、安堵もする

「少しだけ、何があったのだ?」

この集落の壁は完成したはず、攻められたような跡や火薬の匂いはしなかった
考えてもわからないから、彼女が話してくれることでしか知ることができず

話してくれるのであれば、少し黙り待とうと

レイカ > 「フフッ……明日作ってあげますね?」

そんな食べ方を知らないというのであれば、ぜひとも味わってもらわないと。
ちょうど材料はそろっていることだし、明日にでも作ろうか。
里の皆も、また明日は「泥遊び」をしなければならないんだし。

ルーフェンさんには、あまり人とのいざこざに彼女を巻き込んでくれるなと言われている。
だから、本当は彼女に相談するのは褒められたものではないのかもしれない。

だけど、そうでもしなければ…私はまた、狂戦士のようになってしまう。
そんな風になりたいとは思わない…からこそ、誰かに話して、すっきりしたい。

「…実は、この森のもう少し奥に行った場所の、ミレー族の集落が人間によって滅ぼされたんです。
その生き残りが、この里に逃げ込んできたんですが…。」

そのことで、私は悩んでいた。
できれば受け入れてあげたい、けれども彼らを追ってきた人間がここに攻め込んできたら。
もちろん、この里はそう簡単に防御を破られることはない。
ただ、その人間を見て私がどうなってしまうのかが…一番恐ろしい。

「……人間が赦せないんです、どうしても。
殺したいと、憎いとずっと思ってしまっていて…それを素直に受け入れている自分がいるんです。
…ほんと、愚かですよね……。」

火棘 > 「それは楽しみじゃ…2・3枚でいい、少し分けれもらえぬだろうか
 ルーにも食べさせてやりたくての、苦い実のまま食べておったのだ」

お土産と以前渡したら、そのまま食べていたのを思い出し
自分も知らない食べ方なのだから、持って行ってやりたくて

軽く腕を組むようにしながら、話始めてくれたので黙って聴いていたのだけど

「…ふん、人間か…でその生き残りの者たちは今どうしておるのだ?」

憎いと素直に感情を口にする彼女に、腕組を少し緩め手を伸ばす、
そのこめかみの上くらいを軽く撫でてやろうと

「レイカは、素直だな…わたしにできることはないか?」

困った時は助けてやりたい、できることは限られるかもしれないけど
それでも気に入った者が感情を伝えてくれれば、どうにか、何かと求めるのなら応えてやりたくて

レイカ > 「ええ、かまいませんよ。ぜひ持って行ってあげてください。
其れと…この間弓を射かけてごめんなさいと。」

いくら警戒していたとはいえ、やはりいきなり射かけてしまったのは悪かった。
彼には直接謝ったのだが、やっぱりもう一度。
今度はちゃんと、誠意を見せる形で謝っておこうと。

「…今は里の中で眠っています。
皆幼い子供だったので…このまま外に出すわけにもいかず。」

だが、この里だって無限に受け入れられるわけじゃない。
一人でも大人がいればよかった、けれども子供ばかりではどうしようもなく。
食い扶持や、その他のことを考えると受け入れるとすぐに決断ができなかった。
ほかの里に助けを求めようにも、彼らも一度人間の匂いがついてしまったミレー族は、警戒して受け入れようとしない。
だからこそ、困っていたのだ。

「………ルーフェンさんに止められていますから…。」

そう、彼女を巻き込まないでほしいと、ルーフェンさんに頼まれている。
だから、彼女に相談することはできても、力を借りることはできなかった。
できるだけ、自分たちの力で何とかするべきだろう。

人間や、私たちのいざこざに彼女を巻き込むわけにはいかない。

火棘 > 「わかった、伝えておく
 すまぬな、レイカは忙しいのに」

自分以外のために動いてる印象の強い彼女
今も、新しく1つ作業を増やしてしまったのに

「幼い子ばかりか、それでは外では暮らせぬな…
 怯えてはおらぬか?ちゃんと眠れておるのか?」

そのようなことの後、幼子が泣いてはいないかと耳を澄ますが
静かで聴こえない、恐ろしい夢も見ないで眠れてるのなら、ひとまずは安心なのかも

「……どうしてルーが止めるのだ、私がしたいと言っておるのだ
 それでも、だめか?」

ここにいない者に自分を止めることはできないと、名前だけで気が収まるわけでもなく
彼女と彼との間に何があったかは知らない
自分がしたいことを止めようとする彼にイラッとした気持ちを向けながら
彼女には極力、イライラを出さないようにしたいけど、気性的に無理
内なる熱に細長い髪が風もないのに熱気を含むように揺れてて