2021/07/16 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 月明かりの野営所」にユウカさんが現れました。
■ユウカ > 「はぁ、はぁ、はぁ……や、やっと戻ってこれたよぉ~……」
暗い森の中、草木を掻き分けるようにして野営所にやって来た……というか帰ってきたのは、やや大振りな短剣を片手に持った女。
物騒なものを持ちながらまるで威圧感や覇気というものがないのは、その童顔のせいか、戦闘用とは思えないほど胸の谷間の開いた服装のせいか。
開けた場所にはテントが張ってあるのだけれど、今回の冒険の目的はこのテントだった。とは言っても、ここに目当てのものが隠されているとかそういうわけではなく、テントの使い心地を試すために山に入った、というだけの話。
せっかくだから珍しい植物か何かでも採って帰ろうと思って探索をしていたのだけど、帰り道を見失い、暗い山中を泣きながら彷徨っていたのだった。
「疲れたぁ~……こんなところで冒険する羽目になるなんて……」
テントを使うだけなら何もこんな山奥まで来る必要はなかったのではないか。今更ながら当たり前のことに気づくと、全身から力が抜けて、テントの前に座り込んでしまった。
ご案内:「九頭龍山脈 月明かりの野営所」にエレイさんが現れました。
■ユウカ > ちなみにこのテントはかなりの大型で、二人なら余裕をもって、少し詰めれば三人でも泊まれるくらいの大きさがある。
値段もそれ相応で、何より設営はかなり大変だった。自分が泊まる場所なのだからゆったりとしてゆとりのある環境がいいに決まってると奮発して買ったもので、だからこそ使い心地を試したくなってしまったという次第。
つまり、このテントこそが今その前で座り込んでぐったりする羽目になった元凶とも言えるのかもしれない。
「……疲れたけど、薬草とかキノコとか、いろいろ採ってこれたし……結果オーライだよね……」
それでも、この頭お花畑冒険者は懲りていないようだったけれど。
■エレイ > 女性が座り込んで程なくして、広場を囲む茂みの一角からがさがさ、と草木を揺らす音が響く。
そちらに目を向ければ、ランタンを掲げた金髪の男が立っているのが見えるだろう。
男は意外そうに目を丸めつつ、先客たる女性の方に目を向けていて。
「……やあやあコンバンハッ。ひょっとして、キミもこれからココで野営ですかねぇ?」
それから、その顔にへらりと緩い笑みを浮かべると、片手を上げながらそう声をかけてみて。
■ユウカ > 「……ふぇ?」
枝葉を揺らし、擦れ合わせる音にぼんやりと視線を向けて、誰が来るのかと目を凝らす。
普通なら、野生の獣や魔物、あるいは賊を警戒して武器でも構えるところなのかもしれないが、生憎そんな発想はまったくなく、
「はぁい、こんばんは~。そうなんですー、ちょっとこのテントの使い心地を試そうと思って……」
男に声をかけられても全く疑ったりする様子もなく、まるで以前からの知り合いかのように返事をする。
表情も当然のようににっこり笑顔。
■エレイ > こんな森の奥で声をかけられても警戒のない様子や軽装から、同業(冒険者)ではない一般人だろうか、
なんて思ってしまいつつ。にっこりと笑みを向けられれば、こちらも笑みを深めて応え。
「──ほう。確かになんかご立派なテントですなあ……いやホントデカイなオイ二人ぐらい入れんじゃね?」
言われて、視界の端で存在感を主張するテントに改めて視線を向けてみれば
凡そ一人用とは思えない大きさに思わず驚きの声を上げ。
「それなら……俺もココで野営をしようと思って立ち寄り手なんだがもしよかったら
俺もこのテントに一緒に入らせてくれちゃったりしないかな?
キミがもし邪魔だってんなら俺は謙虚だから大人しく別の場所を探すのだが……」
それから少し思案した後、人差し指を立ててそんな提案を。
初対面の、それも女性に向かってするような提案ではない。だが彼女の緩い雰囲気なら
あるいは許してくれたりすることもあるかもしれない、なんて考えて。
■ユウカ > 「えへへ、頑張って貯めたお金で買ったんです。色々大変でしたけど……」
ゆっくりと立ち上がりながら、ちょっぴり自嘲気味に言ってみる。まぁ、その意味までは何も知らない彼には通じないかもしれないだろうけれど。
「ふぇ?一緒に、ですか?」
彼の提案に一瞬ポカンと口を開けてしまう。が、それは嫌だとか、何を言ってるんだとかそういうわけでもなく、
「いいですよー。一人より二人、って言いますもんね。えへへ、なんだか嬉しいです、お友達に家に来てもらうみたいで」
むしろにっこり笑って受け入れ立ち上がると、入り口を軽く開けて男性を中へと誘う。
というより、せっかく広いテントがあるのだから断る理由なんてどこにもない、とすら思っていた。
■エレイ > 「やっと許しが出たか! 封印がとけられた!」
彼女から笑顔でご一緒の許可をもらうと嬉々としてそんな声を上げる。何が『やっと』なのかは不明だが。
「フフ、お友達とのお泊りイベントはいくつになってもワクワクしてしまうのは
仕方のないことだった。というわけでお邪魔するます。さ、キミもカモン。二人で入った時の具合も確かめて見なきゃだからな」
ウキウキと、開かれた入り口をくぐってテントの中へ入り込み。
そして中から、彼女に向かってちょいちょいと手招きし。
■ユウカ > 「えへへ、なんだか嬉しくなってきちゃいますね」
ちょっと変わった口調に特になんのツッコミも入れないのは、意味がわからなくてもあまり気にしていないから。
とにかく向こうが嬉しそうで、こっちも嬉しいから問題なし。そんな単純な思考で、彼に誘われるまま自分のテントに入っていく。
「コップとか器はこの辺に置いてて、こっちは本。採ってきたものはここに入れて……ええと、いろいろ用意はしたんですが、二人分の寝床は流石にないなぁ……うーん、どうしよう……」
マジックアイテムで持ち運びしている分のものも含めて、テントの中はそれなりに充実している。が、いくら広いとは言え想定していたのは一人分で、このまま寝るだけでも不便しそうだった。
いくら花畑な頭でも、招いた客を不自由させるわけにはいかないという思考はあるらしく、ここに来て初めておろおろし始める。
■エレイ > 「ン、問題にい。俺は野宿には慣れてるからなスペースさえくれればどこでも寝れるべ」
狼狽し始める彼女にキョトンとしつつも、すぐに笑顔になるとビシッとサムズアップして見せながらそう告げる。
その後の事は、テントの中に秘されて……。
ご案内:「九頭龍山脈 月明かりの野営所」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 月明かりの野営所」からユウカさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアイル・コービンさんが現れました。
■アイル・コービン > (久しぶりに冒険者らしいことをして。と言ってもちょっとした薬草の回収なのだが。その薬草を採取できるのが深夜ということでようやく採取できた後最寄りの宿まで歩いている。という事情。あまり治安のよいところではないのでびくびくとしながらも歩を進めた)