2021/01/06 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にロイスさんが現れました。
ロイス > 彼女が歩いていると、下の方からカンテラの明りが見える事だろう。
それはどんどん近づいてきて、そしてその持ち主が闇夜から現れる。
緑色のマントで全身をすっぽり覆った、おじさんと言った風貌の男だ。

「……こんな所に、子供?」

と、困った様な表情で首をかしげる男。
しげしげと全身を見渡す――警戒しているという風でもなく、しいて言うなら観察しているようで。
泥も土もついていないドレスに、若干の不審を覚えたようだが、

「大丈夫、君?ええと、つまり一人でこの山を抜け出せそうかって事なんだけど……」

と、心配そうに彼は聞いてくる。

グリモワール > 歩いていれば、見えるのは前から近付いてくる灯り。
普通ならば警戒の一つもするものだが、少女は無警戒のままで進み続ける。
その結果、その目の前の相手と鉢合わせをする訳なのだけど。
状況と、格好から言って冒険者だろう。
賊ならば一人で行動はそうそう無いし、どう見ても魔物と言えるものでもない。

と、どうしたものか、と考えていたところで相手からの声が掛かる。
その言葉から、それはそう思うよね、と思う訳で。
だが、それを相手に聞こえるように言ってどうなのか、とも思ってしまうも。
続く心配そうに伝えられる言葉に、軽く首を傾げてみせた。

「あんたさ、いきなり失礼な事を言ってくれるよねぇ?
相手を見た目で判断するな、って教えられて無いの?
一人の女の子が、のうのうとこんな場所を歩いてるんだからさ、大丈夫だって思わない?
……でも、ね、心配して言ってくれるのは、悪くないかなぁ?」

返す言葉は、お前も失礼だろう、と言えるような内容ではあるものの。
後の言葉は、それにフォローを入れるようなもので。
トンッとすぐ前まで近付き止れば、こちらも返すようにジッとお相手…その男性を見上げるのだ。

ロイス > いきなり現れた少女に対して、半ば反射的に言った言葉にそこまで反応されるとは思わなかった男。
とはいえ確かに、相手が人外であり人間でいうところの大人であったなら、怒りを買ってもおかしくはないと思うが、故に、う、と呻く事しかできない。

「ご、ごめん。下に見たつもりはなかったんだ。
ただ、こんな夜遅くに一人で歩いてるから、心配になって……
君が魔術師とか異種族でも、それがイコールで遭難者じゃないって決まった訳でもないし」

魔術や異能――いわゆる、超常の力を持つ者とて、万能ではない。
寧ろ、その力以外の能力については、凡人以下というケースもある。
長年の経験で、男はそれを知っていたが故に、声を掛けたのだが。
とはいえ、その理屈で相手が納得してくれるとは限らない。
怒らせちゃったらどうしよう、せめて困っているかどうかだけでも聞きださないとなあ、と思っていると、

「う、お?」

とん、と至近距離まで近づいた少女に、よろけるように足が後ろに下がる。
とはいえ、一歩下がるとまではいかず、重心が後ろに反れた程度だが。
そして、思いがけずフォローされて、え、と一瞬呆けるが。

「あ、うん。それは……ありがとう?」

少女らしい気紛れさとか、少女との会話の機微とかそういうのに慣れていないのだろう。
良くわからないが、何となく気遣われたのが分かったので、素朴にお礼を言う男。

グリモワール > 色々と思う所もあるのだろう、唸る男性であるのだが。
その理由を述べられれば、抱えていた内の片腕を離し、ピッと指を突き付ける。

「分かればよろしい。
ま、あんたが言う通り、あたしがそうであるとも限らないんだし?
お互い様って事で良いよねぇ?
あんたも一人で大丈夫、あたしも一人で大丈夫、ってさ?」

そこまで言えば、突き付けていた指を戻し、本を抱え直す。

「とは言っても、絶対に一人で居ろって訳でもないんだよねぇ。
このまま、一人で良いって言ったって、あんた変に心配する訳でしょ、どうせさ?
それで、あんたはどうしたい訳?
あたしは、この山を下ろうとしてるだけなんだけど」

こう言ったタイプの性格は、そんなものだ。
そう言わんばかりに伝えながら、もう一度わざとらしい溜息を吐いてみせる。

自分の言葉に、お礼の言葉を述べる男性。
別の意味で大丈夫なんだろうか?と思いつつも、男性を見詰め続けるのだった。

ロイス > 何でちょっと訝し気に見られているのだろう、何か気に障る事を言ってしまったかと少し緊張する男。
だが、どうやら会話を切り上げられるほどの何かをした訳ではない様なので、それには安堵しつつ。

「確かに一人で大丈夫なら、良いんだけど」

見る限り、意地を張ってるとかでもない。
ただ単純に、一人で大丈夫だからそう言っているだけなのだろう。
そうなると、自分はお役御免となる訳だが、しかし女の子を一人で置いていくというのも何となく気が引ける。
実際、それも見透かされているのか、溜息付きで先回りされた。

「う、うん。そうだね、俺ももう仕事は終わったし……良ければ、君の目的地までご一緒させてもらえるかな?」

と聞いてみる。
彼女が何処に向かっているかは解らないが、多分人里だろうと思う。
仮にそうでなかったとしても、野営具は持ってきているので、そこで一夜を過ごせばいい。
どっちにしても、彼女を送っていった方が、自分の精神衛生上良いと、そう思って。

グリモワール > 確信があった訳でもないのだけど、どうやら合っていたらしい。
男性が返す言葉にそれを思えば、少しだけ考えるような仕草をした後。

「あんたがどうしても、って言うんなら、仕方無いなぁ。
それじゃあさ、王都までの道程は分かる?
とりあえず、街道に出れば行けるだろうって思って歩いてたんだけど、なかなか見付からなくってさぁ?」

男性の言葉に承諾の意思を示し、ついでに一つ質問をしてみる。
理由は、伝えた言葉そのまま。
別に急いでいる訳でもないし、いつかは辿り着ければ良いと思っている。
だけど、早く着けるなら、それに限るからだ。
ただ男性の考えと違うのは、野営とかはまったくする気が無かった、と言うところか。
少女には、疲れや空腹感と言うものは大して現れない。

もっとも、のんびりと休憩する事もあるし、美味しい食事をとる事もあるのだが。

ロイス > 「いや、どうしても……いや、でも無理を言ってるのは確かだし、どうしてもって言ってるようなもんなのかな、うん???」

何か違うような、いやでも自分は言ってる事はつまりそういう事だよな……と首をかしげながら、彼女についていく男。
どうやら、ひたすら下りていくつもりのようだ。
大丈夫か、と思うが、しかし自信満々に歩いていく彼女に、異議を挟むのも難しい。
どうするかなーと悩んでいると、少女の方が質問してきた。

「え?王都?」

王都までの道程と問われて、少し考える男。
聞き間違いだろうか、と。何故なら、

「いや、王都って君。此処から王都って歩きじゃ一日二日じゃ着かないよ?
まだ、ダイラス経由で、馬車か船で王都を目指した方が早いと思うけど……」

直線距離はそこまでではないが、海を迂回するのでかなり距離がある。
とてもじゃないが、通常徒歩で歩く距離ではない。

「……いや、普通に馬車とか捕まえるつもり、だよね?」

グリモワール > どうしても、なんて言葉は一言たりとも男性は言ってはいない。
首を傾げるのは当然の事だろう。
それでも、強く否定出来ず付いて来るならば、少女は何も言わず進む訳で。
しかし、自分が向けた質問に、男性はなにやら考え込む。
なぜなのかを口で説明されれば、今度は少女が首を傾げる。

「ふぅん、そうなの?
……馬車、船…なんだか面倒そう」

少女は歩く気満々だった。
だからか、男性から言われた事に、呟いた通りの面倒そうな表情を浮かべるのだ。
乗り物には良い思い出がないし、そもそも、そんなものを乗る為のお金なんて持ってない。
次いで聞かれる男性の内容には。

「ううん、全然考えてなかった」

と、そんな答えをさらっと返してしまうのだ。

ロイス > 男は冒険者としてはかなり経験を積んだ方だ。
だが、それでも山の勾配と、不安定な地面に、時折バランスが危うくなる場面もある。
対する彼女は、まるで平野を歩くが如くであるが、それでも普通に横に並べるのは、歩幅がこちらの方が大きいからだろう。

「いや、歩く方が多分面倒だと思うけど……って全く考えてないの!?」

いやいやいやいや、と誰にともなく呟く男。
この分だと王都がどの方角にあるのか知ってるかさえ怪しい。
否、知ってるからといって、彼女の旅行プランが無謀である事は明らかでしかないが。

「……その、さ」

あまり、面倒ごとに首を突っ込みたくはないが。
しかしここで彼女を放置するのは、あまりに寝覚めが悪い。
下心を疑われるかもしれないが、此処は勇気を出して、

「良かったら、王都まで案内しようか?
俺も王都に帰るつもりだしさ」

グリモワール > 歩幅もあるが、歩く速度もあるだろう。
歩くにしては、ゆっくりな歩調であるのは横に並べば明らかとなるのだから。
それでも、やっぱり足場を考えれば、それでやっと同程度となるのかもしれない。

「そうだね、頂上からここまでも歩いて来たし。
このまま歩いて行ってみようかなって」

男性の反応に不思議そうにしつつも、続けてそんな言葉を伝える。
ここから王都もだが、頂上からここまででも距離は別にしてかなりのものであるのは男性に分かるだろうか?

そして、少し躊躇気味に掛けられる、男性からの提案。
カクンと傾けていた首が男性の方へと向けば。

「それ、さっき言ったよねぇ?
目的地まで、一緒に行くんでしょ?
一度一緒に行くって言っておきながら、やっぱやーめた、なんてのは無しだよ?」

それは、少し前に言った男性の言葉。
見詰めていた少女の瞳がジト目になる。

ロイス > 「頂上から此処まで……歩いて……?」

信じられないものを見るような目で、少女を見る男。
距離もそうだが、頂上からここら辺には魔物も多く出てくる。
それを全部撃退したうえで、しかも彼女の言いぶりでは、そこまで披露もしていない。下手をすれば、不眠不休なのではないだろうか。

「何となくそんな気はしてたけど、やっぱり人間じゃないよね……?」

いやまあ、だからといって今更、敵対するつもりも見放すつもりもない。
ただ、彼女の体力についていくのはキツそうだと、少々憂鬱にはなるが。
まあ、それは最悪、こちらから休憩を申し入れればいいだろう。

「いや、てっきり君の目的地って、近くの人里だと思ってたから……まあ、やめはしないけど、長い付き合いになりそうだし。
一度、自己紹介しとこうか」

この先ずっと君、とかだとやりづらいし。
そう言って、彼女に視線を合わせて、

「俺はロイス。王都の冒険者だ。……君の名前は?」

グリモワール > 「……どうかしたの?」

続けての男性の反応に、またも不思議そうに。
相手からすれば信じられないものでも、少女からすれば大した事でもなかったのだから。

「だ・か・ら、見た目で判断がどうとか、言ったんだけどなぁ?
そう、そうだよ、あたしは人間じゃない。
魔物でもないけどねぇ?」

チッチッ、と人差し指を立てて左右に振りながら答えて。
男性の質問には、そう返しておいた。
それはつまり、逆に相手に合わせて行くと言う事でもあるか。

「ここで会った人に聞いたんだよ。
あたし、地理とか詳しくないしねぇ。
王都でしょ?この辺りで、一番おっきな場所ってさぁ?」

と、その王都さえ、誰かに聞いたものだと答え。
そして、自己紹介をし始める男性に、小さく溜息を零し。

「あたしはグリモア、精霊だよ。
これの、ね?」

別に隠す理由もない、男性へと自己紹介を。
しながら、両手で抱えていた本をポンと示すように軽く叩いた。

ロイス > 「残念ながら、俺は見た目ぐらいでしか人とそれ以外の分別がつかないんだよね……。もっと異種族に詳しい人なら別なんだろうけど」

冒険者としてはやや不勉強だが、見た目に異形が無いと、どうしても人と魔物の区別はつかない。
何時もは困らないのだが、たまに不意打ちなども受けてしまうのが困りものだった。
……まあ、逆に言うと、不意打ちを受けても生きていられる程度の実力はあるという事だが。

「まあ、多分一番大きい場所となると、王都かなあ。」

会話はすごく理知的なのに、知識はまるで子供の様である。
何処か遠くから来たのだろうか、或いは何か訳アリなのだろうか……と首をかしげる。
とはいえ、それは彼女の自己紹介を聞けば、何となく解った気になる。

「精霊さんだったのか。本の精霊って珍しい。
それじゃあ、王都まで、よろしくね」

そう言って、二人は山を下りていく。
そのあとは、恐らく問題なく、王都までたどり着いたはずで――

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からロイスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からグリモワールさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアークさんが現れました。
アーク > 「あはー さっっむーーーい 王都どこぉ!」

葉が枯れ落ち、隙間だらけになり差し込んだ月の光の中、薬草取りや狼に追いかけられたり、戦ったり逃げたり、そしてまた戦ったりして書ききれないような冒険をした結果、王都から離れ山脈の中にいる少年。
とりあえず一度叫んでみた。
そう、妖精の道を使うのは何となくずるな気がして、まじめにやってきたらこの状況である。

貴重な薬草や鉱石をげっとしてほくほくだが、人里離れて幾日、気持ちが少しくじけそうになっている。

アーク > とりあえず話したりしなければ寂しくなって、楽な道にながれそうになるのを何とかひとり言でやり過ごし。
死闘の末に得た狼の毛皮を使ったマントを翻す。
何となく、狼の頭をフードにしてみて、良い感じに綿やらなんやらで膨らませたおかげで、
ぱっとみ狼に圧し掛かられているように見えなくもないが、本人はカッコいいと思っているのでセーフ。

山はかろうじて雪はないが、木々の間をすり抜け拭き下ろす風は非常に冷たい。
むしろ痛い。

「ほんとさっむい… ウルフィーがいなかったら凍死してたね。 うんうん。」
と、自分のマントに名前を付けて相棒扱い。
一人賑やかに夜の山の獣道を何となく上へ向かって進んでいく。
もしかしたら、気の隙間から王都が見えるのではないかと期待して…。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタピオカさんが現れました。
アーク > 「え? 錬金術の道具を使えばたどり着けるだろうって? まぁたどり着けるけどなんて言うの?あれ。 遭難ごっこ? ちょっと冬山の薬草とかキノコとか採るの楽しくなっちゃってさ。 あとなんか意地? みたいな。」

寂しいが、それはそれ。
そう、逃げたり戦ったりしている内にハイテンションになった少年は山の中を彷徨いながら素材集めをしつつ、遭難ごっこという、遊びに興じていて。
そう、結局何となくの気分で絶賛遭難中。
闇の中、一人賑やかに進んでいく。

タピオカ > しんと冷える山賊街道に、木の車輪が回る音と蹄の音が小さく響く。
それは一頭立ての小ぶりな荷馬車だった。
下げられたカンテラの明かりと月明かりを頼りに、黒い夜道を進んでいく。
御者席に座りマントに顔を埋めながら馬車を操る褐色肌の冒険者が、懐から地図を取り出し。

「ダイラスを出発するのが遅くなっちゃったな。
ゾス村でいったん休んで……、それから王都にゆっくり戻ろっか」

王都の冒険者ギルドでダイラスへの荷運びの依頼を引き受け、今はその帰路。荷運びのために預かった馬と馬車を駆る手つきは、ひと仕事終わった後なのでリラックスしている。

……と、ふと山肌を見上げれば木々の間をふらふらと歩く狼を見つける。
反射的に腰の武器に手を伸ばすが、よくよく見ると大きなリュックを背負った少年のフードだ。
吊り下げられたカンテラを外し、それを大きく左右に揺らして注意を引き。

「……おーい!こんばんは!
こんな夜に山の中でどうしたのー?」

見たところ1人のようだ。冒険者という風体でもない。
不思議に思って声を投げかけ。

アーク > 近づいてくるガタゴトという車輪の音と、蹄の音。
そして、人の声が聞こえてきて、小さな体はびくりと小さく跳ねる様に縦に揺れた。

トクトクと早鐘のように打つ心臓はびっくりしたからである。
そして、山の中でどうしたのかと問うやや高い人の声が聞こえた方に目を向けると己の注意を引く様に左右に大きく揺れるカンテラ。

お化けやら、魔物やら、山賊の類ではなさそうで小さく胸をなでおろす。


「こーんばーんはー。
王都に向かっている最中にあれやこれや色々大冒険があって、今ここにいる感じ?」

等と、小さく頭を左に振り首を傾げながら、光と久しぶりの会話に飢えていた少年はふらふらと近づきながら最後になぜか疑問符を付けて。
振り返れば、妖精の目には月明かりでも十分相手を視認して、観察すれば自分より少し年上っぽい少年?少女、尚警戒心は薄く、足場の悪い山道を大きなリュックを背負いひょこひょこと歩み寄っていく。
狼の頭の被り物はかなり精巧にできており、目の部分に入れたガラス玉がきらりとカンテラの光に妖しい光を浮かべるが、なんら特別な効果はないが、
少年が齧られているように見えるかもしれない。

タピオカ > 山賊がいつ現れてもおかしくない山の中を1人で、
冬の夜に進む者の台詞としてはノリの軽い物言いに。ピエロが大玉の上を歩きながら言うような首を揺らす仕草にくすくす肩を震わせ。

「あは……!
それなら、その大冒険を僕に聞かせてくれない?
今ちょうど、この馬車は王都に行くところなんだ。
話し相手になってくれるなら、タダで乗せても良いよ。どう?」

縄を引いて、馬の歩みを遅くさせる。ゆっくりと彼の前で馬車を止めた。
まとった雰囲気からしておそらく魔物ではなさそうだ、と思った。
そして当然、盗賊でもない。
それなら旅の道連れにと誘い、ゆるく手を伸ばした。

「僕はタピオカ。……名前、聞かせてもらっていい?
キミの名前と……、あと、キミと仲が良さそうな、その狼さんの名前も」

名を聞くついでに、彼の頭にかぶりついて仲が良さそうな狼頭のフードにも名前を尋ねる。
もちろん冗談めいた物言いだけれど。その造形の良さは目を引かれた。きっと彼の連れなのだろうと見当をつけて、そんな冗句を言うもので。

アーク > ひょこひょこと近づきながら、王都いきと聞けば、少年はぱぁっと満面の笑みを浮かべて。

「商談成立―。感動長編スペクタクル?だからハンカチの準備はわずれずにー。
話し相手というか、もう、僕の大冒険語っちゃうー」

相変わらずノリというか、ふわふわした会話を交わしながら、ポコポコ蹄の音を立てて歩いてくる馬をキラキラと目を輝かせながら見つめて。
ぺらっぺらな冒険譚を聞かせる気満々、小さな胸を反らして所謂ドヤ顔。

のばされた手に小さな手を重ね、隣に引っ張り上げてもらうが、リュックがかなり重く馬車が少し軋むかもしれない。

何はともあれ御者席に座るとリュックの肩紐から片腕を抜いて、荷台に転がし。
自分より背の高い相手を見上げてニコリと笑みを向ける。

「僕の名前はアーク。 旅の新米錬金術師だよ、よろしくねタピオカ―。」

と自己紹介をしてから相手が触れてくれた相棒?
の狼を撫でて。

「ふふ。 この子はウルフィー。 
そう、出会いは王都に向かう際中、道を外れて薬草取りをしてた時に出会ったんだー。 
そして、それが僕の大冒険と悲しい別れの始まりだったんだ!」

等と、今まで一人で山を彷徨っていたために人と会話?できるのが嬉しくてノリノリで話を膨らませていく。
何処までも楽しそうに無邪気に、そして、別れの話という時は少し寂しそうに少年の表情はころころと移ろいゆく。

タピオカ > お話の前からドヤ顔に胸を張る様子は、自分に弟でも出来たような気分だ。にこやかに自分の馬車に迎える。
かなり大振りなリュックが荷台へ転がるのを見てぱちぱちと睫毛を弾ませた。荷馬車の軸受けが少し沈んだような。
そこまでの重さなら、彼自身よりも重いかもしれない。

「うん!よろしくアーク。
この山賊街道で山賊以外の出会いがあるなんて思ってもみなかった!
ウルフィーも、ふふ、どうぞよろしく!」

狼頭さんの名前を聞くと、彼自身へと向ける笑顔と同じ笑みを向けて挨拶する。
相手がフードであっても、きっと彼の大切な相棒に違いないからだ。狼の頬に触れて握手の変わりとし。

しばらく、少年のお話に夢中になって頷く。
役者のように表情や仕草でその物語を生き生きと語る様子にひとつひとつ頷いて。静かに目を伏せ。時に笑って、または悲しげに眉根を下げ。

「……ん。
……雪、降ってきたね。寒いでしょう?
ほら、僕のマントの中にはいっておいで」

ひとつの物語が帰結を迎え、その後日譚をあらかた語り終える頃。夜空に分厚く雲がかかっていた。ふらりふらりと冬の白い精が馬車のまわりを包むと、少年の軽い身体を抱えて自分の膝の上に重ねる。
裏打ちで毛皮が備わっているマントで相手を覆えば、ほのかに甘い雌の匂いとぬくもりで少年を包み。
彼の背に触れる、ふたつの小さな胸の膨らみ。

アーク > 錬金術師のリュックには色々なものが詰まっているため、非常に重い。それを運ぶのもまた錬金術師のお仕事である。


「え、なにその物騒な名前… コワイ。」

なにやら、物騒な名前の街道にいたと知り、少しショックを受けながらふるりと体を震わせる。
ウルフィーは言葉を返す事は出来ないが、かわりに丁寧に鞣されている為、生きているときと遜色のない少し硬い手触りを返し撫でた指先を擽る。

そして、少年は語り始める。
最初にウルフィーと目が合ったときの震えと恐怖。
そして、とりあえず逃げてみるが、追いかけられ、なんとか撒いたかと思い安堵すれば油断した頃に襲われ、意を決し勇気を振り絞って闘い、死闘とさらなる強敵(熊)の乱入と、一人と一匹の連携による勝利。
そして、強敵の肉を分かち合ってから始まる最後の戦い。
芽生えた友情も自然の摂理の前に再び始った闘いと苦い勝利。出会い方が違っていたら本当の相棒になっていたかもしれない。そんな切ない幕切れと、
友との思い出の為にマントにしてお肉はしっかりと燻製にした事を少し悲し気に呟き、少年の冒険譚の一幕が閉じた。

そんな時にふらりふわりと舞うカンテラの明かりによって浮かび上がる白い精。
掌で受け取れば、それは形を変え冷たい水に。
小さい体はひょいと抱えられ少女の膝の上に。
相手が抱き上げた小さな体はぽかぽかと高い体温が穏やかな温もりを返し、少年もまたマントで包まれ仄かに香る雌の匂いと背に当たる小さな胸のふくらみにちょっとドキドキしながら、すりっと身を寄せ自分を抱える腕を撫でて小さな手で覆い暖めようとした。

「んー タピオカぬくぬくー。」

ふわふわとした微笑みを浮かべながら、相手の温もりを感じようと後ろの相手に身を委ねる。

タピオカ > 「知らなかった?このあたりには人を人とは思わない怖い山賊さんたちがよく出てくるんだよ。アークがそんな人たちにさらわれちゃう前に合流できて幸運だったよ」

ウルフィーの思いの外に良いさわり心地に瞳細めながら、彼自身がどんな危うい場所に居るかと知らせ。偶然の出会いに感謝する。
そしてウルフィーとの物語もまたドラマチックで、敵同士から共闘からさらに再戦という急転落下を経て彼の頭上に収まるまでの顛末にこの世の無常を感じずにはいられなかった。
ウルフィーの燻製は絶対に美味であろう。

「へへ。僕はあったかいよー?
アークの、ぽかぽかベッドになってあげよう。
ほら、ぎゅー……っ」

まるで小さな弟のように自分の腕に触れ、背にもたれる様子にふにゃりと相好崩し。
手綱から片手を離せば、彼の胸を抱いて自分と密着させ。

「ね。アーク。……アークのここは、冷たくない?
僕があっためてあげよっか……?」

ふと、母性ならぬ姉性のようなものが浮かぶ。
悪戯っぽい声音になると、胸を抱いていたその手先で彼の股間に膨らみに触れ。やさしく、衣服の上から撫でながら顎を彼の小さな肩に乗せ。覗き込みながら囁き。

アーク > 「んーふふ そんな怖い人たちにはしゅっしゅとやっつけちゃうから大丈夫だよ」

等と、小さな手を握りシャドーパンチ。
迫力は一切ないが…。本人は自信満々。
そして、揺れる少年の体と頭、頭をすっぽり覆うウルフィーのガラスの目がきらんと光る。

「たぴおかポカポカベッド? それともタピオカソファー?」

むむむと悩んでいると、胸を抱かれてギューとされれば、腕の中に納まった少年くすぐったそうに笑って足をぱたぱたと揺らし、相手の首筋辺りにウルフィーの頭を擦り付ける様にすりっと頭を寄せじゃれていると、相手の手が下へと滑り、服の上から股間に触れられて…、胸に抱かれた体はぴくんっと小さく揺れ小さく甘い声を上げる。

「んっ… タピオカのエッチ…」

自身の肩に載せられる顎に完全に包まれた少年。
覗き込まれれば、少し困ったようなでも嬉しそうな表情を浮かべながらも、相手の唇にキスを強請る様に頬をタピオカの顔に摺り寄せていく。

タピオカ > 「そっか、頼もしいなあ。
僕がさらわれそうになったら助けてね?アーク!それにウルフィーも!」

まるで、騎士物語を読んできかせたらすっかりその主人公になりきったように力強く拳繰り出す様子を眩しそうに見つめて。
なにやらやる気が出てるウルフィーのガラスの目にも向かってお願いしてみたり。

「じゃあ……。タピオカの、揺りかご。……なんてどう?
タピオカの……、えっちな揺りかご……」

少年が響かせる甘い声にきゅんと下腹部に甘い痺れが走る。それが漏れ出たかのように、声音にも甘いものが混じり出して。てのひらで押し上げるように陰嚢と肉棒を撫でていたそれが、指先で肉茎のかたちを探るような手つきになって。

「アークは……こういうの、くすぐったい?痛い?いやな感じ?……それとも、……気持ちいい……?」

粉雪の道の先に道標が見える。
ゾス村まであと少し。王都まで夜通し馬を歩かせるつもりはないから、ひとまず今夜の目的地の近くにたどり着いたことになる。
しかし、すぐに村へと急がずに。馬をゆっくりと歩かせると、手綱を馬車の金具に固定して両手を自由にし。
左手は、衣服の内側に忍び込んで肉棒を直に触れ、優しく上下に指で扱く。右手は布の服の中へ、胸板の右乳首を指先で撫でる。
擦り寄せられる頬、小鼻と小鼻が触れ合う距離で微笑みかけると、……ちゅ……っ。少年の唇を覆い、静かに舌を忍ばせて舌同士を絡め合わせ。その間にも、彼の身体を刺激して勃起を促し。