2020/07/27 のログ
フィリオソリス >  
「ほっ」

昨日ぶっかけられたお返しとばかりにぶっかけ返さずに済んだことに安堵する。

うるさくしてしまったから起こしてしまっただろうかとのぞき込んでみたがそんなこともなかった。
騒音で起こされるのと優しく起こされるのであればやはり後者がよかろう。

そう思い、気を取り直して

「主様、主様――」

と優しく声をかけるが、それでも主が目覚める様子はなかった。

どうしようか。
もう少し強く声をかけるか、ゆすってみるか

頭を傾げて思案しようとすれば、朝特有の現象が鎌首をもたげているのが否応なしに目に飛び込んでくることだろう。

「……」

こちらをしきりに威嚇するそれになにを思ったのか
抱えた鍋を脇に置くと足下の布団をめくり、もぞもぞと股の間を音もなく這い上がる。

キルド・ニッヒド > 「ん?」

違和感を流石に感じるのか声を上げて。
足がわずかに動く。

もぞもぞと、連動するように動いてーー

フィリオソリス >  
起きないのをいいことにするすると目的の場所へとたどり着く。
身じろぎするのを太ももを抱えるようにがっちりとつかみ込み逃げるのを許さない。

高さがフィリの顔ほどはあろうかというテントを目の前にし

「くるしそう――」

と、ひと思いにズボンを引き下ろした。

ほぅっというため息にも似た吐息がキルドの敏感な部分をくすぐる。

キルド・ニッヒド > くすぐられれば、僅かにふっと息が溢れる。

「んぅ? 」

流石に違和感を覚えたのか、起きそうな気配がして

フィリオソリス >  
だが、布団に完全に潜り込んでいる彼女にそれを知る術はなく――静止するもののない彼女は大きく口を開ける。

人よりも長く少しざらついた舌が竿に触れぞろりと絡みつく。
そしてどこで覚えてきたのか、それをそのままひと思いにくわえ込んだ。


「ん、む、ふほい……」
思わず唾液が垂れる。
精一杯頬張っても半分も飲み込まれないそれがじゅるりと音を立て吸われた。

フィリの口の中は風呂のように熱かった。

キルド・ニッヒド > その熱は確かに肉棒を刺激して。
ぴゅるっとに透明なの汁が口内に滴り落ちる。

そしてーー刺激は。

「なに、してるんです?」

その持ち主の目を覚ましてーーーー

フィリオソリス > to be continued...
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からフィリオソリスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からキルド・ニッヒドさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈/山中」にイーゴリさんが現れました。
イーゴリ > 普段であれば、満月の日は数日に渡って人目のつかない場所に引っ込むなりして過ごしているのだが、今回は如何しても断る事の出来ない依頼が入ってしまった。
幸いにして、依頼自体は早々に熟す事が出来たものの、拠点地に戻るにはタイミングが悪かった。

とは言え、何の予備策も無い訳ではない。こんな時の為の避難場所は幾つも準備してあるのだ。
その内一ヶ所、通常であれば荒くれ共の闊歩している山中を更に深く分け入った場所にある天然温泉。近くに大木もある為、そこに登れば寝泊まりも容易だ。

「―――いやしかし、此処を見つけたのは幸いな事よな。」

殆ど木の上を移動する様な、獣道すらないような所を進んだ末にある場所であるが故、自分以外には誰もいない。
気の緩みからか、独り言を零しながら湯の中で寛いで。

ご案内:「九頭龍山脈/山中」にネメシスさんが現れました。
イーゴリ > 泥臭い仕事終わりに湿気た宿屋で数日引き籠るより、人が来ないである場所で一人悠々自適に過ごす方が良いのは当然の事だ。
湯舟を波打たせながら、ぐう、と両腕を伸ばしやる。

「そう考えると、やはり満月の辺りは引き籠るのが良さそうではあるが――…、」

同じ周期で依頼を受けない傭兵など、何かあるに決まっている。
それは弱みにしかならないだろう。
この現状がバレた所で、傭兵稼業に支障はないだろうが、問題は何処から己の存在が古巣に伝わってしまう可能性だ。
数十年の月日は、人間ではない自身にとっては長い期間ではない。

ネメシス > 山の中を掛ける複数の物音。
聴力に自信のある相手ならそれが地面を蹴る蹄の音と分かるだろう。

先頭を走るのは集団のトップであるネメシス。
遅れて着いてくるのは彼女の親衛隊である。

拠点としている砦からは相当離れているのだが、月夜に魅せられたネメシスは危険も顧みずに馬を走らせる。
やがて、鼻に温泉特有の良い香りが届く。
この辺りから馬を進ませるには不向きな森の中となっていく。
だが、ネメシスが乗っている馬は純粋な馬ではない。
巨大な体躯と頑強な足に物を言わせ、邪魔な木の根を踏み鳴らしながら近づいていく。
但し、護衛とその馬はそれについていけず。後から時間を掛けて辿り着くことになるだろう。

「あらら、先客がいるじゃない。」

湯船の中に浸かる一人の女性を眼にし、遠くから呟く。
どうやら知り合いの類ではなさそうだ。

イーゴリ > 降りかかる火の粉を払うのも吝かではないが、それには途轍もない労力が掛かるだろう事は想像に易くない。
金にもならない事をする位なら、今まで道理多少面倒であっても注意を払って稼業をするべきで――

「―――、」

取り留めなく、そんな事を考えていれば今だ離れた距離から聞こえてくる馬蹄の音。
道ならぬ道を荒らして進んでいるのだろうその音に、思わず溜息が零れた。他者に知られてしまった温泉はもう己には使えない場所となったのだから当然ではあるのだけれど。
音の近さから察するに、上がって衣服を纏って、等とのんびりしていられる距離ではなさそうだ。

「ふむ。」

相手がどう言った輩かがまだ分からない現状で立てられる立ち回りを頭で巡らせる。
取り合えず、と、皮膚に魔力で作った薄い水膜を貼って全身に刻まれる茨の紋様を他者の目から見えないようにし――そうして取った己の対応は、まだ相手に気付いていないフリ、と言った物だった。

ネメシス > 枝や木の根を踏み鳴らす音が次第に大きくなる。
そのうち、ネメシスの耳にも湯の流れる音がはっきりと聞こえてくる。

湯けむりの中にある輪郭に向かって重たい足音が響き渡る。
そのうち、ネメシスの愛馬が踏み鳴らした道を使い護衛の団員達の馬の音が遠方から聞こえるようになり。

「こんばんは、良い夜ね。」

馬上の鎧の騎士は満面の笑みを浮かべる。
先客からすれば溜まったものではないだろうが、気にする性質ではない。
馬から降りると、手ごろな樹に手綱を結んでから女性に視線を向けて。

「初めまして。 私はたまたま近くを通りかかった旅人よ。
ネメシスって言うの。 貴女は?」

相手がどんな人物か、どんな対応をしてくるか。
好奇心にそそられるままに名を告げる。

イーゴリ > 重量感のある馬蹄の音より遅れて複数の脚音を聴覚が捉えれば、表情に渋みも混じると言うもので。
暫しの後、先頭を走っていたのであろう馬の緩やかになる。
ようやっと気付きました、と言う態で振り返り、然程待たずして木々の合間から現れた馬上の鎧姿へと視線を留めて。

「イリーとでも呼んでおくれ。
――それにしても、旅人と言うには随分と頑強そうな姿だね、お嬢さん。」

天辺から爪先まで視線を這わせ、放った言葉には分かりやすい警戒の色を含めさせた。
余程鈍感でなければ、私は貴方を警戒しています、と言うのが伝わるだろう。
その割、逃げる動作も威嚇行為もしていないのだからポーズであると言う事も、相手が聡ければ理解するだろう。

ネメシス > 「あ、あぁ~~~。 そうね。」

まるで全身を詮索するような視線と、警戒を帯びた物言いにネメシスは出鼻を挫かれた。
遅れてやってきた護衛が馬から降りると、彼女たちに背を向け鎧を外してもらう。
腰にぶら下げて居た剣もなくなり、程なくして健康的な肢体を曝け出す。
全身隈なく女性的な身体なのだが、股座に少々異様なモノがぶら下っている。

ネメシスはお湯を手で掬い、身体を流してから湯の中へ。
イリーと名乗った女性からは少し離れた位置に座ると、お湯の気持ちよさに体が弛緩する。

「この辺りの山って物騒なのが多いから、用心よ用心。
貴女こそこんな所を一人でうろつくなんて腕に自信があるのね。
格好いいわ。」

イリーの整った顔立ちを眺めては、口元に笑みを浮かべる。

その間、護衛達は湯船から距離を取った位置で寛いだり、周囲を警戒したり。
皆鎧や甲冑を着けているも体つきから女性であるとわかるだろう。

イーゴリ > それこそ山賊すらも入って来ない様な場所に、鎧姿で旅人と言われれば訝しむのも当然である。
その上、単身どころか複数で、だ。
相手が身に纏っていた鎧を外す所を見て、遅れてやってきた鎧姿達は護衛か部下か、少なくとも彼女よりは下位の者である事は間違いないだろう。
素知らぬ顔で推測を立てていき――視界の端に映った、一般的な女性には付いていないであろう部位に取り繕った顔の儘、眼を瞬かせた。
他者の裸体をまじまじと見るわけにもいかないし、その上、あまりにも自然なものだから見間違いか何かかと一先ず見て見ぬふりをしたけれど。

「いやなに、物騒なのが多いからこそ、人目につかない所まで潜ったんだよ。
まあ、お嬢さんに穴場は見つけられてしまったみたいだけどね。」

普段の老獪染みた口調は控え、想像しやすい『傭兵稼業の女』の顔で謙虚な言葉を口にして頭を左右に揺らし。

ネメシス > 「てことは、ここはお気に入りの秘湯だったのね。
悪いことをしたわね。 次からは近づかない様にするし、部下達にも寄らない様に言っておくわね。」

湯の中でなるほどとばかりに手を叩くと、イリーに向かい頭を下げる。
ネメシスは当たり前のように過ごしているのだが、股座から生えている剛直は平常時でさえ目を見張る大きさである。
馬並みと呼んでも差し支えない巨大な剛直は人によっては羞恥や劣情を刺激してしまうだろうか。
少なくとも彼女が連れてきた護衛達は皆その逞しさを存分に味わっている。

「でもこの山の中で人を見かけるのはほんと久しぶり。
城塞都市の連中が出張ってきてからこの辺りって特に物騒じゃない?
ひょっとして、今日も依頼の帰り道とか?」

湯に浸かりながら、世間話。
さり気なく相手の腕の程などを探るような話題を入れてみたり。
周囲の護衛の中には元冒険者や傭兵も居るが、今の姿のイリーに見覚えがある者はいないのか。
誰も気づかない。

イーゴリ > 「構わないよ。私の土地と言う訳でなし、好きに使うと良い。
まあ、次からは道を作らない様に来た方が良いかもね、奴らは目敏いから。」

思いもよらぬ謝罪に、作りではなく瞳がきょとりと瞬いた。
数拍の後、笑いを含んだ呼気を逃がして片手をひらつかせる。
そも、今回この姿でいたのを他者に見つかったのが初めてではあるが、ここが本当に己以外知らない場所と言う保証はないのだ。
山を根城にする荒くれ共を暗に指して注意を促して。

視界端、やはり気の所為ではなかった彼女の股座に鎮座――と言って良いのか悩む剛直には然程反応のない銀色の女。
元々の性欲が薄い事もあるが、羞恥に駆られる程初心でも無いのが一番の理由だろう。

「最近は特に物騒だね…阿呆共がはしゃぎまわって困るよ。
そんなだからね、私は今日の所はただの療養さ。」

嘘と真実と誤解を招く物言いが綯交ぜになった言を、しれりと返す。
明確な答えは出さない儘、続く問いに肩を竦めてやる。
今の姿を見た事がある者がいるとすれば、満月の日の前後、王都を離れた宿泊地で、だろう。
この姿で傭兵稼業を熟す事はほぼ無いのだ。

ネメシス > 「そうだけど、やっぱりお気に入りってあるじゃない?
都の子供達でも勝手に秘密基地とか作るくらいなんだし。
あまり他人のテリトリーに入るのはよくないと思うのよね。」

鳩が豆鉄砲を食ったような表情に見え、ネメシスも首を傾げた。
元々蛮族のような暮らしをしていた騎士団の頭目も最近は社会性を身に付けてきた。
見た目とギャップがあるのか、こうして笑われてしまうのもご愛敬。

「大丈夫よ、私のとこはそういったのをやっつけるのが仕事だから。」

相手から警戒する空気が少しは抜けたように思えたのか、口が次第に滑らかになるネメシス。
旅人であったはずが徐々に素性を曝け出していく。
しかしまあ、この表現には多分に美化が入っている。
本当は社会性を身に付けた山賊集団と言うほうがぴったりくるのだが。

「折角の休日に悪いことをしたわね。
泊る所は決まってるの?
お詫びに私達の別荘に着て貰ってもいいよ。」

どれがどれとははっきりと分からないが、何となく煙に巻かれた気がした。
ネメシスは湯船の縁に頭を載せたまま、何気なく月を見上げる。
彼女の普段の姿を知らない一同はどれが虚でどれが実かを掴みかねた。

イーゴリ > 「まあ、それは確かにお嬢さんの言う通りだね。」

血族達程縄張り意識が強い訳ではないが、己にも間違いなく群れを作って領域内で生きる事を良しとする血は流れている。
彼女の言に幾度か頭を上下に揺らし。
そうして、次いだ言葉には、成程、と幾つか立てていた推測を確かにしていく。

「おや、そうなのかい? 旅人のお嬢さん。」

何処か揶揄う様な笑みを浮かべながら、同じ色を含んだ声音で、業とらしく告げてみる。
無論、彼女らの実態を知らない己は装備や馬数やらで騎士団等の集団であるのだろう、と算段をつけるのだけれど。

「―――んん、その申し出はありがたいんだけれど、泊まる所は決まっているんだよ。別荘だなんて縁遠い単語、久々に聞いたよ。」

申し訳なさそうな調子は真実ではある。
今日は手近な大木の上に泊まる予定だったのだ。
木の枝と寝具であれば、間違いなく寝具の方が魅力的である。
然し、少なくとも明日の昼近くまではこの姿だろうが、後はどのタイミングで普段の幼い体躯へと戻るかは未だに掴めない。
常態であれば喜んで世話になっただろう事を考えれば、多少渋い顔にもなると言う物で。悲しげな表情にも見えたやもしれず。

ネメシス > 「でしょ? だから気になった時は早めに謝ることにしてるの。
特に初めての人とはね。」

湯に浸かり、温まったのか。
湯船の縁に上がり、そのまま座り込んでは外気に裸体を曝け出す。
湯気が上り、ほんのりと頬が赤く染まり。
パタパタと手で顔を仰いでいる。

「旅人も最近は物騒だし武装する者なのよ。」

こちらも口元に笑みを含み、仰ぎながら肩を震わせる。
到着時の格好で身分などとっくに看破されているだろうが、こういった遊びも楽しい様で。

「う~~~ん、そう。
貴女の事はとても魅力的に見えたからお酒でもお出ししようかと思ってたのに。」

ネメシスもまた、唇を尖らせ残念そうに肩を落とす。
イリーの表情から何かしらの事情があることは多少伺えた。
容姿もそうだが、なにより話しぶりが気に入っていた。
フリーの傭兵か冒険者なら供に加えたいと、貴族らしい欲も芽生えてくる。

イーゴリ > 「こう言う稼業をやっていると、そんな風に謝罪が出来る相手と会うのも少なくてね。お嬢さんはそのまま成長しておくれよ。」

傭兵も雇われて金を貰うか如何かと言う違い位しか無い荒くれ共の集まりが殆どだ。
詰まる所、プライドが馬鹿高い奴もそこそこ多い。
単身で傭兵を――それも少年の様な見た目でやっていれば殊更。
ほんの一瞬、吊りがちな双眸の眦が柔らかさを増すのだろう。

「―――…、」

揶揄の言葉を続けようとして、彼女の口から出た、酒、の単語にぴくりと獣の耳が揺れた。
それを自覚して人間の姿に完全に湯につかる前から擬態しておくべきだった、と今更ながら後悔して渋い顔へと表情が僅かに崩れて。
何を隠そう、この銀色の女、大変な酒好きなのである。
それこそ、依頼の報酬に一等良い酒を所望する事がある程に。

「……いやあ、それもありがたい言葉だけれど。」

慎重に、と考えていた理性が一瞬揺らいだのは言うまでもない。
集中でもするよう、瞳を伏せて頭を振ってみせ。

ネメシス > 「ふふ、なんだか気持ちいいわね。」

見た目に反して生後間もないネメシスは人の温もりに触れると顔がほころぶ。
今のように褒められると稚児のような表情を浮かべてしまう。

日頃ミレー族を多数引き連れているネメシスは耳の動きを見逃さなかった。
茶色の瞳を動かすでもなく、心中でほくそ笑んだ。
ひょっとして、釣れるのでは?と言いたげに。

「私達に気兼ねは必要ないわよ。
うちは常に手練れを求めているし、脛に傷があってもとんでもない秘密があっても隠せるしね。
ま、それもこれもそんな連中が山ほど居るからってことなんだけど。」

木を隠すには森の中と言うことなのだろう。
僅かに見せた隙を逃さなかった。

「うちには遠くから取り寄せたお酒もあるしね。
東方の冷酒なんてこの時期は最高よ?」

イーゴリ > 年相応とは言い難い彼女の表情に刹那の間、気を取られるも、それが悪感情から生まれた表情ではないと理解しているからこそ、敢えて言葉にはしなかった。
緩やかな吐息のみ、一度逃がして。

見た目以上に年を重ねている己ではあるが、それでも酒に対して感情を抑えるのは難しい。
相手が己にとって不利益を生みかねない相手ならまだしも、だ。
酒の魅力に抗いがたい心情の儘、ううん、と悩まし気な声を逃がし、

「――お嬢さん方が一癖も二癖もある集団、ってのはよく分かったよ。」

東方の冷酒、の言葉にあっさり陥落した理性。
軽い調子で肩を竦めて見せた。

「今夜だけ、その別荘にお邪魔しても良いかい?
私も硬いベッドより、柔らかいベッドと酒が好きなんだ。」

ネメシス > ネメシスは穏やかな表情を浮かべたまま、じっとイリーの表情変化を見守っている。
何せお互い初対面であるし、このご時世である。
こちらがその気で無くても、ふとしたことで相手の警戒レベルを上げてしまう事なんてよくあることだ。

ただ東方の冷酒と言うのはそこそこ決め手になったようだ。
肩を竦める様子に笑みを浮かべ。

「むしろ曲者だらけよ。 だからってわけじゃないけど。
お姉さんみたいな面白い人は大歓迎。」

「ええ、今夜だけと言わず何時でも泊ってくれて構わないわよ。
それじゃあ、上せてしまう前に別荘に移りましょうか。」

あとはイリーが出発の準備を終えるの待ちつつ、こちらも鎧を着こんだり。
互いに用意が終えた所でイリーを後ろに乗せ、馬を進ませたことだろう。

イーゴリ > 見知らぬ人間――それも相手は個の集まりではなく、集団として存在している者に囲まれる、等、出来るだけ避けるべき状況ではあるが、あまりにも毒気のない彼女の様子と珍しい酒の魅力には抗えなかった。

「まあ、タイミングがあればもっと面白人間な状況を見せる事になるのかねえ。」

昼前にはお暇するつもりではあるが、万が一と言う事もある。
独り言めいてごちつ、相手の言葉に一つ頷きを返して己も湯舟から上がれば、近場に置いていたタオルで水気を取って身支度を手早く済ませ、誘われる儘、彼女の後ろに乗って別荘へと向かう事となるのだろう。

ご案内:「九頭龍山脈/山中」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈/山中」からイーゴリさんが去りました。