2020/04/15 のログ
ホアジャオ > 男の後ろの方の人影は、女の方からはまだ容易に視認できない。
ただ小柄な人物だ、とだけ確認して更に視線を凝らしていると、面倒そうに言葉を返してくる男に、三つ編みの女の唇は段々と尖っていく。
じろり、と視線だけをまた男に戻して

「――だから、アンタがどッから来たかなンてアタシが知るわけないでしょ
 アンタこそ相手みてモノ言いなよ!」

それは女のほうにも言える事なのだが兎に角、言い終わるが早いか
すぱん!と音でも立てそうな速さで男の顎向けて脚が跳ね上がる!

男の背後から見ている立場からすれば、ちょっとした痴話喧嘩にみえる、かもしれない。

ソラム > 「.......まぁ....言葉に甘えるよ」

そう言うと翼を広げ羽ばたかせて空へと舞い上がり、ある程度の高さに達してから再び男に視線を向け

「......面白い奴」

女性にその一言だけを告げると砦の方向へと飛び去った。

アスベル > 「理解しろよ、説明すんのもめんどくせぇ。
にしても、その翼は龍か?
こんな人間如きの国で、逃げるやら何やらビビッてんじゃねぇよ」

女達の方を今度は見もせずにいいながら、立ち去ろうとするのだが。
不意に跳ね上がる、場に残っている女の脚。
パンッと音を立てて、しかし、その脚は無造作に翳した男の手に防がれた。
だが女は気付くだろう、防いだ腕の感触は人間のそれではないと。
癖のようなものだ、攻撃が当たる寸前にその場所を竜鱗で覆ってしまったのだ。

「相手見ろ、っつただろ?」

前髪に隠れた瞳が女に再び向けられる。
さっさと脚を引かなければ、空いた手が伸びて脚を掴もうとするだろう。

ホアジャオ > 相手はなんだか背後の人物に向かって喋っているようである。
また視線を向けようとすると、その当の相手はふわり、舞い上がって……

「哎呀(あらま)……」

そのまま飛び去って行く姿を、細い目をめいっぱい丸くして見送る。しかない。

それも跳ね上げた足が思わぬ感触と共に防がれれば、目の前の男に意識が戻る。
丸くなっていた目がすうーとまた、細くなって男に注がれて

「――…ちゃんと、聞いてたよ、ッ!」

もう片方の手が伸びて、掴もうとするその数舜前に
跳ね上げた右足を下ろすと同時、伸びあがるようにして放った左の掌底が、掴もうとした腕を掻い潜るようにまた男の顎を狙う!

ソラム > 「.....竜の鱗.....ねぇ...」

一人ごちてどうしようか迷う。逃げるか彼奴に会うか。二つに一つだ。

「本当は.....正面は嫌い」

そう言って急降下してある程度翼で羽ばたいて減速、男の近くの地面に着地する。

アスベル > 力を解放するまでもないが、相手をしないと五月蝿そうな面倒なタイプの女のようだ。
それでも、タナール砦で相手した兵士達と比べれば十分にマシなのかもしれないと考えた方が良いのか。
そんな事を頭の片隅で考えながら、伸ばした腕を掻い潜り顎元へと狙ってくる女の掌底。
狙い所が見て分かれば対処はそう難しくもない。
その腕を伸ばす動きから振り払う動きへと変え、掻い潜ろうとする女の腕を弾き飛ばそうか。

「聞いてたんなら、あんまりおいたすんじゃねぇ。
俺様に熱が入ってからじゃ、遅ぇんだぜ?」

それが叶うとも叶わずとも、そう目の前の女に言い放つ。

「行ったり戻ったり、何がしてぇんだ?テメェは。
用があんなら言いやがれ、俺ぁ面倒なのが嫌ぇなんだよ」

何やら始まった側に改めて降り立った女にも、視線は向けぬまま同じようにそう言い放った。

ホアジャオ > 放った掌底は掻い潜ったはずの腕にあっさりと弾かれる。
割と早く打ったんだけどなーなどと思いつつ、弾かれた手を何となくさすりさすり。
近くに降り立った人物には気付いているけど、取り敢えずの獲物は目の前の男だ。

「解ってないなァ……
 わざと熱、入れたげようとしてンでしょ?」

にまあ、と赤い唇が笑って、ざ、と足を軽く開いて腰を落として――――見上げる男の先の、空の太陽の位置に目が留まる。

「――哎呀!怎么办!(やばい、どうしよ!)」

細い目がまた丸くなって叫んでから、下唇を噛んでえも言われない苦い顔というか悔しいというか嫌そうなというか、兎に角それらを全部合わせた表情を見事に作ってみせる。

「……勝負はおあずけ。早く戻ンなきゃ――
 アタシ、ホアジャオてえの。覚えててよね!」

『おあずけ』なのは女に取ってだけだし、勝手に名乗って勝手に去っていくくせに、きっと次ぎ会う時に忘れてたら猛烈に怒りそうな執念の光を見せて睨み上げて
構えの体制を解くと、びし、と男に指をつきつけ、くるり背を向けると、一足先に街に向かって駆け出した。

三つ編みを揺らす背中は、軽く砂ぼこり立てつつあっという間に街道の向こうへと……

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からホアジャオさんが去りました。
ソラム > 「.....別に、龍の気紛れ」

そう言うと少し離れて腰を下ろして二人の戦闘を見つめる。

「どのみち介入の余地......ないし」

そう言うと翼の他に尻尾も出してじっとしている。

アスベル > ただ腕を弾こうと、直ぐに次が来るのが体術の面倒な所だ。
いい加減に力で一度潰してやろうか。
そんな考えが浮かんだところで急に女は叫び声を上げた。
さっきから気になっていたが、偶に聞きなれない言葉が出ている。
何を言っているのか、それを聞こうとするのだが…

「時間ねぇのに挑んできやがってたのかよ、あの女…」

勝手に挑み掛かり、勝手に駆け去って行った。
少し呆気に取られながらも、一難去った事に安堵すべきなのかと考えてしまう。

「で、だ。
介入も何も終わっちまったが?
テメェはどうすんだよ」

どうしたもんかと肩竦めながら尻尾も出した女へと向き直る。
こっちの女は、さっきの女と違って絡んで来る様子は無い。
何も無いならさっさと先を進みたいんだが?との仕草を含めて女を見遣る。

ソラム > 「.....あんたも竜なの?」

ボソッと言うと立ち上がる

アスベル > 「見てたんなら分かんだろ?」

初撃の受け止めを見ていた筈だ。
いちいちそれを含めて聞くのも面倒と、先ずはそれだけを。

「ま、だからっつってもな、同じなんて思うなよ?
格の違いってのはどうしようもねぇもんだ」

続けてそう付け加え主張はしておいて。

ソラム > 「......竜に同じとかあるの?......あと、街は少し先」

そんなことを言ってから街の方向を指差して付け足す。

アスベル > 「別に何だって良いだろうが。
俺様が違うっつったら違うんだよ。
ったくよぉ、あんまり鬱陶しいとテメェで今の鬱憤晴ちまうぜ?」

それで理解しとけといわんばかりの物言いで。
駆け去って行った女の方向を親指で指しながら、軽く脅し文句を投げ付ける。
だが、街のあるらしき方向を指し示されれば。

「んだよ、そうならそうとさっさと言え。
なら今のは許してやらぁ、もう行っていいぜ?
それとも、ここまで何も無かった分でも俺様の相手でもするか?
しねぇだろ?今なら見逃してやらぁ」

指した方向を向き、何も無いならば歩くのを再開しようと。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からアスベルさんが去りました。