2019/08/04 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──ほう……」

夜の山中を、ランタンを携え散策していた金髪の男は、その道中で小さな山小屋を発見して足を止めた。
男は顎に手を当て思案するような仕草をしながら、その小屋をジロジロと眺め。

「ほむ……ちょうどいいから今日はココに泊まるとしようかのう。どうやら誰もいない感じだしなッ」

そう言っておもむろに近づけば、一応軽くノックをした後扉を開け、中へ。
明かりの灯っていない小屋の中を、ランタンを掲げて照らして眺め回す。
中には木製のテーブルが一つに椅子が2脚。
壁沿いに設置された木製の幅広のベンチのようなものは、布団のような寝具こそないが、おそらく寝床だろう。

「──ふーむ……ちょっと埃っぽいが全く誰も来ていない、というふうではないようだな……ウム、上等上等」

などと満足気にウンウンと頷き、テーブルの上のホコリを軽く払うと、ランタンとバッグをその上に置く。
椅子のホコリも払ってから、ゆっくりと腰を下ろし。

「さて……寝る場所を見つけたはいいがまだ眠気は来ていない感。それまでどうしてようかのぅ……」

そう呟くと、なんか暇つぶしになるもんでもあったかな、とバッグをゴソゴソと漁り始める。
ピーヒョロロ、と下手くそな口笛なども吹いたりしつつ。

──小屋の出入り口のドアは、男が閉じ忘れたのか薄っすらと開いていて、
ランタンの光はもちろん、男の口笛さえも外に漏らしていて。
中の様子を外から密かに覗き込むことも、もちろん容易な状態になっていた。

エレイ > 「……ン? おや、閉め忘れていたようだったな」

不意にきぃ、とドアの蝶番が軋む音が響いて、男もそれでドアが閉まり切っていないことに気づき。
やれやれ、と少し面倒そうに立ち上がった男の手で、ドアは今度こそぱたむ、と閉じられ。

翌朝男が出ていくまで、そのドアが開けられることはなかったらしく……。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にフィリオソリスさんが現れました。
フィリオソリス >  
とある昼下がり
九頭竜山脈山中、竜の巣の入口近くに昨晩まではなかったはずの一軒家が突如として現れていた

なかなか豪奢な作りであり、どこから持ってきたのか大理石を利用した床材や
巨大な一枚板で作られたのであろう扉まで見受けられる

しかしながら壁面は丸太を組み合わせたログハウス風で若干のちぐはぐ感とそして何より場違い感があった

その眼前には黒髪に茶褐色の肌の少女がそれを胸を反らして見上げている
そして

「まぁこんなもんじゃろ」

むふー、と満足げな息を吐いていた

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にキルド・ニッヒトさんが現れました。
キルド・ニッヒト > 「――……あれ」

起きればそこに、彼女はおらず。
どこに行ったのかとダンジョンを探索し――

結局、入口近くまで来て
ようやく見つけた

「…………やっと、いました。なにして――」

目をパチクリ。
当然目に入った建物のせいである

フィリオソリス >  
本来そこは麓の住人が作った龍を奉る小さな社があったはずだが――
たたずまいを見るに数十倍の大きさがあるだろうか

「起きたかぬしさま。お寝坊さんだぞ」

と胸を反らしそのままほとんどブリッジになりそうな姿勢で顔を合わせた

倒れそうに見えるのになぜか謎の体幹で微動だにしないあたり奇妙である

「我が家だ」

その姿勢のまま紹介するように手を広げてみせる様はふふーんと大変自慢げにみえる

キルド・ニッヒト >  
「すみません」

表情はそのままに謝罪して

「……?」

胸を反っている姿を見て不思議に思い

「倒れますよ?」

そっと腰を抱き、引き寄せる
まぁ、重いので。自分の体がよる、みたいになるのだけれど

「……一人で、作ったんですか?」

フィリオソリス >  
引き寄せ(られ)てはわわと赤面する
赤い肌なのできっとバレてはいまい

「ま、任せよといったであろう?

 ふふん、都市の匠人に散々ダンジョン作りを依頼していたのでな
 その傍ら覚えたのよ」

なにしろ彼女の手と爪にかかれば道具いらずである
山中なので森を切り開けばそのまま材料も手に入る

木材の乾燥だってチョチョイのちょいである

キルド・ニッヒト >  
「やはり早起きして、一緒に作ればよかったですね、すみません」

困ったように目を伏せながら

「――どうかしましたか?」

いつもより、ほんの少し。どもった気がした

フィリオソリス >  
「どうもしない
 どうもしないぞ」

あわてたように抱き寄せられた身体をとんと押す
軽くであっても抗いがたい力で身体がふわりと後退することだろう

「…ぬしさまはいけずじゃ」

ぽそりとつぶやいた

キルド・ニッヒト >  
「おっと」

とんっと、後方に下がり、着地
やはり膂力はすごいものがあると感心する

「……すみません、聞こえませんでした。もう一度いいですか?」

フィリオソリス >  
ほっぺを膨らませてジトッとした目でにらむ

「そういう所じゃ!」

ぷいっと顔をそらしそのまま新居の扉を開け中に入っていってしまった

キルド・ニッヒト >  
「あ、フィリオソリスさん待ってください」

慌てて、追いかけるように新居の中へ

「怒りまし――」

いいかけて、新居の中を見て言葉を失った

フィリオソリス >  
「んやーーーなんではいってくるんじゃー」

扉を閉める間もなく入ってくるキルドをポコポコと叩く――
が、しかしまったく痛くない

本気で怒っていないことはいくら鈍くてもわかるだろう

それからしゃべりかけて止まるキルドに釣られたように
彼女も動きをとめる。ポコポコ姿勢のままで

「ど、どうした?」

キルド・ニッヒト >  
「え、ええ……だって、離れたくないですし。一緒にいたいですから」

そう告げたあと――

「いえ、中もしっかりしていて。やっぱり、すごいなと」

 

フィリオソリス >  
「む、むぅ」

と変な声を出して胸に手を置いたまま固まってしまう
うつむく顔はみえないが、髪が薄く輝いているのはきっと怒りのためではないだろう

家の中は質量のある彼女でも踏み抜かないようにきっちりと地ならしされた上に石材を積み重ねてある
ピカピカに磨かれた石は顔が映って見えるほどでひろい部屋には――

家具がまったくなかった

キルド・ニッヒト >  
「……――」

さて、ここでどうしたのかと聞くと、さっきと同じ流れになってしまう。から――

「――家具はこれから作るんですか?」

こっちを選択だ

フィリオソリス >  
「う、うむ
 あまりに小さな細工は苦手でな」

ちょっと恥ずかしそうに答える
彫刻までやっていた彼女が不器用にはあまり見えないがきっと木工全般が苦手なのだろう

キルド・ニッヒト >  
「なるほど――では……」

手を差し出し

「たまには、お買い物。一緒に行きましょうか」

お菓子もなくなった。
ついでに買うのもいいだろう――

「……どうですか?」

――それはつまりデートということ。しかし、少年はそんなことには一切気づいていない様子であった

フィリオソリス >  
「うむ!」

先ほどとは違って輝くような返事であった

腰に手を回しきゅっとだきしめる
見上げる顔は花が咲いたように華やいでいた

どうやら機嫌を取ることには成功したようだ

それから小さな手が差し出された手を取る
掌から上機嫌が伝わるようだ

キルド・ニッヒト >  
ほっと一息――したのもつかの間。
なんと、身長差が良くない。

彼女の胸と、自分の股間部分が位置同じだ――

が。

「――よかった」

引き受けてくれたことに安堵し。
そして、その気持から――

少し、むくむくと大きくなったのに気づいた、かもしれない

フィリオソリス >  
なにやら慎ましやかな胸を押し上げる感覚
澄まし顔であっても雄であることは確認できてますます上機嫌である

しかし!ますは!デートである

いけずなぬしさまにはお預けをくらわすのもよかろう
ということで股間の膨らみには気付かないふりで手を引き外に出る

「ぬしさまが特別なんじゃからな」

というまにミシミシと音を立て体躯の数倍はあろうかという翼が生えた
完全に龍の姿に戻っても良いがぬしさまはこちらの方が好みっぽい

引く手を腰に回させるのはつかまれ、ということだろう

キルド・ニッヒト >  
「はい、ボクもフィリオソリスが特別です」

捕まれと言われれば、しっかりと捕まり
その評定は僅かな変化であるあるが

ほほ笑みを浮かべていた

フィリオソリス >  
「では――いくぞ」

脚にぐっと力をこめる
跳躍だけで十数メートル飛べばその景色は森の木々よりも高い

その質量を支えるために魔力も使用されているのだろうか
翼を広げ風をつかめばさらに身体が浮かび上がる

目指すは王都
意気揚々と二人のデートが始まるのであった

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からキルド・ニッヒトさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からフィリオソリスさんが去りました。