2019/07/14 のログ
■イナリ > ここは、いくつものミレーの隠れ里が点在する近辺。
私情おにより、各里に社を建てさせて貰った、その恩義に報いるのは当然の事だ。
だからこそ、里の者達に出来ぬ事を、率先してやっている。
こうして、自然災害に備える事も、その一つであった。
「周囲の魔物も排除済み、里に向かう方達も居らず、災害も無さそうですか。
後は…先と、外れ、そこを見終わったら戻っても良いでしょう」
くるりと唐傘を回し、一度水気を弾く。
軽く傾け、雨雲に覆われた空を見上げる。
「………本日も何事も問題なく、恙無い一日を終えますか」
どこぞの駄狐とは違う、静かに過ぎ去る一日に感謝を。
■イナリ > まだ雨は降り続ける、その中、再び歩みを進める。
時折、周囲を警戒し、道なき道を。
その辺りは仕方無い、道らしき道なんてあったら、里の存在が発覚し易いからだ。
しかし、今や勝手知ったる何とやら、道は無くとも分かっている。
さすがに徒歩だ、すぐに目的地に辿り着く、とはいかない。
それでも、少女は確認の為に、向かって行くのだ。
「………さて、この付近も大丈夫でしょうか」
しばらく歩み、次なる河川へと到着する。
同じ要領で確認を終え、少しの間、再び佇む。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にルリアさんが現れました。
■ルリア > 「あらあらぁ?
まだこんなところうろうろしてたのねぇ」
今日も獲物を求めて徘徊していた魔族の女、ルリア。
適当にミレー狩りでもしようとそれらしきところをうろついていたが、少し毛色の違う少女と再開する事になった。
「んっふっふ、元気そうねぇ?
調子はどうかしらぁ?
特にぃ、お尻の具合とか♪」
以前、明確に敵意を向けられ戦いもした相手だが大して警戒した様子も見せず無防備に近づいていく。
その口調は顔見知りに対するような気安いものだが、嘲りが隠れていなくて。
「この辺りがあなたの縄張りって訳ぇ?
それともぉ、また遊んで欲しくて期待して私の事探してたりぃ?」
武器どころか腕を振るえば拳が届くほどの近距離。
それだけ近づいても、やはり余裕の態度を崩す素振りは見せないルリア。
■イナリ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
河川を意識していた為か、新たな気配を見落としていた。
聞こえる声に反応して、もあるのだが…
「お…おみゃ…いや、あなたは…!
う、ぐっ…し、知りません、そんなものはっ!」
聞き覚えのある声に、その向けられた言葉の内容。
一瞬、言葉頭に何か言い掛けたが、それを言い直す。
その声質は、少女としては珍しく、明らかに嫌悪の混じったもので。
「あなたと言う人は…そんな事、私が答えると思っているんですか?
………っ!?…ちぎゃ…違います…!」
続く言葉にさえ、何か含まれていたのか、びくり、と肩が震える。
そうした、言葉を交わす中、無防備に近付いてくる女。
無意識にか、少女は後退りをしてしまう。
■ルリア > 「そうなのぉ?
まあ答えたくないなら別にいいけどぉ。
ところで、ミレー達の隠れ場所ってどの辺りか知らないかしらぁ?
あの犬っころたち逃げ隠れするのは上手いんだから、見つけるのも面倒なのよねぇ」
言葉に詰まるイナリに、しかしルリアは特に追求する様子を見せずどうでもいいとでも言いたげだ。
話しを今日の目的であったミレー探しに切り替える。
「毛色は違うけど、貴女人間よりミレーの方が近そうだしぃ、何か知ってるんじゃあないのぉ?
前もこの近くうろついてたわよねぇ?」
後退るイナリにお構いなく、隣り合う程に距離を詰める。
敵意や害意も大して見せず、侮っているのか油断しているのか。
到底心を許せる間柄ではないのでイナリからは不可解で怪しく見える事だろう。
「まあ、見つからなくてもイナリちゃんに会えた訳だしぃ?
私としてはこの出会いも大切にしてもいいとは思うんだけどぉ?」
威圧するでもない、ただの気怠げな喋り方。
だが本来ならこんなに気安く会話が出来る関係性ではないはずだ。
こんな態度のルリアに、イナリがどう反応するのか。
それも楽しみにしてからかっているという面もある。
■イナリ > ぴくり、再び少女の耳が揺れた。
揺れていた尻尾も、その動きを止めている。
この女は、ミレー族達を狙っていると、それを理解したからだ。
強い警戒心が、女へと向けられ出す。
「すいませんが、それに答える義理も義務もありません」
ぷいっ、とそっぽを向き、ぶっきらぼうに答える。
前に会った時に、それに気付いたか分からないが、少女はすんなりと嘘は付けない。
知らないならば、知らないと答える、それを避けたと言う事は…まぁ、予想出来るだろう。
言葉少なくしたのは、余計な事を言わない為と受け取れる。
「どの口が、そのような言葉を…!
………す、素直に帰って頂ければ、何も言いません。
私は、あなたと付き合う程に暇ではありませんから…!」
ぎりり、と歯軋りさせ、女を睨み付ける。
が、胸元に手を添え、軽く数度呼吸をし、息を整える。
そして、言葉を続けてはいるも、どうしても女から一歩二歩距離を離してしまっている。
それがどう見えるかは、女次第であろうか。
そして、言葉を終えると共に、更に距離を取ろうとするだろう。
その姿は、明らかに逃げの一手しか考えて無いような動きで。
■ルリア > 「ふぅん?
釣れないわねぇ……。
まあいいけど」
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からルリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からイナリさんが去りました。