2018/11/20 のログ
■ルシアン > 「成程ねぇ…誰からの指示かは知らないけど、やれって言った人が探して見ればいいんだよこんなのは。
こんな山の中歩かされる身にもなってみろっていうのに…」
ご愁傷さま、とでも言えばいいのか。少女の言葉に肩をすくめてみて。
ちらちらと揺れて見える、あちこちに動く光も見ながら気の毒そうに声をかける。
慣れている青年の身としても、決して楽というわけでは無いのだ。慣れないであろう少女やお仲間の軍人さん達なら、推して知るべしである。
「そういう事。寝てる所が見つかるなら、こんな有り難い事も無いしね。
それにもうじき雪も降るし、冬眠の時期も近いから…狩りができる時期ももうそんなに長くないし」
防寒のマントに、履きなれたブーツにと山の完全装備な青年である。
まさかそんな途中に少女と出会うなんてことは思っていなかったわけだけど。
「そっか。……もし良ければ、この辺りなら案内できるよ。
安全な道なんかも分かるし、山賊なんかの用心棒もできると思うけど…どう?」
ふむ、と少し考えて提案を一つ。
少女の探し物にも少しだけ、好奇心が擽られつつ。一方で、少し物騒な土地なだけに心配する気持ちもあったりで。
■デメトリア > 「うーん……そう、だね。適材適所って言えば聞こえは良いかな。」
歯切れが悪かったのは、自分もどちらかといえば使用人の手を借りて生きてきたからである。
貴族には貴族の、傭兵には傭兵の、培ってきた常識と生活があり、難しいところ。
少女も身分上、戦場などの危険な任務はあまり与えられない。
そういった配慮がされていることを自覚しているため、曖昧に答えるしかなく。
「そっか、一年中狩りが出来るわけじゃないのね。じゃあ本当に申し訳ないことしちゃったよね。」
炎を見れば獣は逃げる。この一帯はしばらく警戒して獣が近づかないのだろう。
生活がかかっている彼には申し訳なく、返す言葉もない。
それなのに親切にしてくれるので、ますます邪魔をするわけにはいかない。
その時、ある特殊なの魔力を持つ者だけが聞こえる笛が街道から鳴らされた。
「―――――呼ばれた。 ありがとう、ルシアンさん。
でも今日は予定通りここでの仕事は終わったみたい。」
申し出はありがたかったが、軍が撤収すれば彼も仕事が続けられる。
最後だけ軍属らしくきりっと一礼して。
「ルシアンさんこそ気をつけて。わたしに言われても頼りないとは思うけど。それじゃあ!」
慣れているとは言っても、獣なり山賊なり何があるか分からない場所。
言われずとも弁えていると思いながらも、案じずにはいられなかった。
そうして、コートを翻すときた道を辿るように戻っていく。
その足は相変わらず歩き慣れておらず明かりが揺れるが、転ぶことはなかったようだった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からデメトリアさんが去りました。
■ルシアン > 「ん、そっか、分かった。それじゃあ、どうか気を付けて?」
どうも少女には呼ばれたことが分かったらしい。
しっかりと挨拶をする姿は意外にも凛々しくて、思わず少し見とれてしまうのだけど。
さて、少女を見送れば少しずつまた山も静かになってくる。
先ほど追いかけてきた獲物も、また見つけられるだろうか…
そんな事を思いつつ、再び夜の闇へと姿が消えて。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からルシアンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 九頭龍山脈、もう結構な日数を過ごしている気がする。
今、己が居るのは一体どの辺りなのか…
本人が気付く事はまだないが、実は麓に近付きつつあった。
…まぁ、場合によってはまた離れるのだが、気にしない。
「ふむ…本当に、慣れと言うものは怖いものじゃのぅ」
焚き火に当たりながらも、今日の食事と用意した茸を串代わりの枝に刺し、焼いている。
同じく集めた山菜も、器代わりの葉に乗せて熱したりと、最近はいつもの事となった調理風景だ。
今日は木の実もほどほどに取れたので、ちょっとだけ豪勢だ。
まぁ、時折、河川とかを見付けては魚を取ったりもしているが、今日は見付からなかった。
「しかし、まぁ…今日はあれも見付かったし、良しとしよう」
と、呟けば、ちらりと視線を横に向ける。
その視線の先には、ほんのりと湯気立つ温泉が湧き出していた。
ここ数日は河川しか見付からず、まともに湯に浸かれる機会がなかったのだ、これは嬉しい。
■タマモ > さて、どうやらいい感じに料理が出来た。
数点の山の幸料理、それが目の前に並ぶ。
あぁ、そろそろお米も欲しいところか…そんな考えも、ふっと浮かんだ。
無いものは無い、仕方無い訳だが。
こうして、少女は料理でお腹を満たし、温泉へと入りに行くのだろう。
ここで何か起こるのか、起こらないのか…それは少女にも分からない。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジードさんが現れました。
■ジード > ひんやりとした寒さを感じさせる山中を一人歩く男の姿がある。
物とりや追剥の跋扈する危ない場所だというのに、道行く足取りは確かな物。
掲げたランタンの明かりが、少し開けた場所を示した所でフッと足を止め。
「――よし、休憩にするか」
言葉にするが早いか荷物から小瓶を取り出し、中の液体を幾つか地面に垂れ流す。
と、緑色の煙と臭気が一瞬周囲に立ち込めて消え。
「けほっ。…これがあるからあまり使いたくないんだけどね、この獣除け」
ぱたぱたと手を横に振って煙を払いながら丁度いい大きさの岩を椅子代わりに腰かけて息を吐く。
■ジード > 「追剥の類は基本的に人間だから何とかなるといえばなるんだけど、
野獣の類は説得って訳にもいかないし興奮すると薬の効きも悪いしなあ」
最初から関わらないのが一番だとしみじみ漏らす。
元々さして荒事が得意な訳ではないので致し方がないが少々情けない愚痴も漏れる。
かといって護衛を雇った場合、薬の類を使うと護衛からも文句を言われるのがなんとも面倒だ。