2017/08/07 のログ
レイカ > ずいぶんと古臭いしゃべり方をする山賊だ。
だが、この場所で山賊を悠々と相手にして仲間を呼ばれるのも厄介だ。
私は確かに戦いなれているし、この辺りは私のテリトリーだ。
だが、だからと言って複数人を毎回相手にできるような力は、残念ながら持ち合わせてはいない。
だから手っ取り早く終わらせようと、私は急所に向けて矢を放った。

放った……はずだったのに。

「えっ……!?」

金属音というよりも、まるで岩に当たったかのような音が響いた。
いくら私が非力とはいえ、人の皮膚ならばあっさりと射貫けるだけの威力はあると自負している。
だが、その弓は相手に当たった途端、まるで弾かれたかのようにその場に落ちた。
相手は…ただ転んだだけで、大した傷を負っているような様子はない。
強化の魔法、それを考えるよりも先に…。

私の頬を、矢が霞めて深々と突き刺さった。

「……………。」

ただ、黙って目を見開くしかできなかった。
さする程度の傷、いや傷ついているのかどうかも怪しい。
そして、ただ投げただけに見える矢が、私の弓よりもはるかに勢いよく。
軽い音を立てて、正確に私の顔の近くに突き刺さった。

波の相手じゃない、どういうことだと…。
私は、相手を識別できる瞳―――『識色眼』を使い、彼を見る。
そして、そのオーラの色を見て…確信した。

「……ド、ドラ…ゴン…?」

ルーフェン > 彼女の放った矢で傷つくようなことはなかったが余程、勢いがあったらしく衝撃にグラグラと頭が揺れる
巨大なドラゴンの姿であればそんな事も無いのであろうが、人間の姿を取っているからこういう事も起きたりする

「痛い…」

そしてドラゴンの姿慣ればこその鈍痛も人間となってしまうとそういうわけにもいかず…
命中した箇所を撫でながら彼女の潜む樹のそばまで歩いてやってくれば、じぃ、と彼女を見上げて

「1つ訂正しておくがわしは山賊ではないぞ
 …ま、まあ…後を付け回して誤解させたわしにも責任はあるが…
 そんなことは些細な事じゃ!さっさと降りてこんか!」

ぐわんぐわん、と彼女の登っている木に両腕を伸ばし、メキメキと指先が樹皮にめり込むほどに掴むと木を揺らす
がさがさ、と木が揺れると木の実がぽとぽとと落ちるから、それを拾い食いしながらさらに、木を揺らしていった

彼女が降りてきたのであれば自分が彼女の後をつけた理由を説明するつもりであるが、
降りてこないようであれば…それはもう、木を切り倒してでも、引きずり下ろし小言を聞かせてやろう、
という腹づもりであった

レイカ > 「え、ちょ、わ、わっ!?」

大きな木であるはずなのに、その腕はあっさりとこの巨木を揺らしてくる。
まあ、相手がドラゴンならば仕方がないことかもしれない。
しかし、これだけ揺らされるとさすがにミレー族直伝の私のバランス感覚でも、立っているのは難しい。
揺らされて、バランスを崩した私は…真っ逆さまに、地面へと降りて行った。

「わああぁぁっ!?」

そのまま背中から地面にたたきつけられる。
痛みなんかもちろんあるし、少し息が詰まってしまう。
蹲って、痛みに耐えてながらゆっくりと、私は起き上がった。

「いたたた……。さ、山賊じゃないなら、なんで私の後をつけてきたんですか…。
それでなくても、最近ドラゴンとは顔見知りが増えてきたというのに…。」

また、ドラゴン。これで3匹目だ、ドラゴンと会うのは…。
本当に、この国に何でこんなにドラゴンがいるのかと問いただしたくなる。
伝説ともいわれている最強種族がこんなにもいるなんてと。

ルーフェン > 樹木が可哀想なくらいに揺らしてやると流石に彼女が落ちてくる
背中を強かに打ったようだから、うわっ、とか咄嗟に手で自分の目を覆ってしまったりするドラゴンである
彼女がゆっくりと起き上がり、生きているようだ、と確認すれば手を下ろして彼女の傍に落ちていた木の実を拾う

「興味本位じゃな…暇つぶしとも言うが
 お主はこんな時間に何をしておったのだ?この辺りは危ないんじゃろ?」

そりゃあまあ、生きていればドラゴンと出会うこともあるだろう
そんな調子で、ずい、と彼女に身体を寄せる。ちょっと、物理的に距離感のつかめないドラゴンであった
マジマジと着ている衣服が少し王都辺りの人間と違う事や、耳飾りから妙な気配がするとか
そんな感じで彼女を観察していたのだが、すんすん、と鼻を揺らすとぴたり、と動きが止まった

「…はてお主、火龍に何をした?
 ―――事と次第によっては殺さずには要られんぞ?」

覚えのある匂いに、す、と元々あまり目つきの良くない瞳を細めれば、彼女の喉元へ爪の先を寄せるように腕を伸ばす
先程まで幾分、穏やかな様子でいたのが一変し、その体躯から殺意を漲らせ、
冷酷にも見える闇色の瞳が彼女の瞳を覗き込んだ

レイカ > おそらく、こんな状態でなければドリアードの悲鳴が聞こえていたことだろう。
樹木に宿る精霊の声を聴くことができる状態じゃないので、その声は今は気にする余裕はない。
背中を強く打ってしまったので、里に帰ったらちょっとだけ見てもらおう、そんなことを想っていた。

「私は………」

帰り道、と言いかけて私は口をつぐんだ。
確かに相手はドラゴン、だけど王都と繋がっている可能性を捨て切れたわけじゃない。
もしもこのドラゴンが、王都と繋がっていて里のことを伝えたら。
そう思うと、私は正直に伝えようか一瞬悩んでしまった。

だが、その瞬間だった。
私ののど元に、殺意沸き立つ爪が迫る。

「………っ! ひ、火龍とは…もしかして、カキョクさんの事ですか?」

彼女のことを知っているのだろうか、このドラゴンは。
確かに私は、常に彼女からもらった鱗で作った笛を持っている。
その匂いを嗅ぎつけ、彼が彼女のことを案じているならば…説明しなければなるまい。

「ま、待ってください、私は何もしていません!
彼女、カキョクさんの事ならば、私の住んでいる里を寝床にしてます。
そもそも、傷つけたりなどできるはずありませんよ。」

そう、私の弓は先ほども彼に弾かれたところだ。
その私が、ドラゴンに太刀打ちなどできるはずがない。

ルーフェン > 「人には言えんようなことをしておったのか?」

人ではないけれども。ドラゴンだけれども
口をつぐむ彼女に人には秘密の1つや2つあるものだろう、と深い追求はしない
あれ程、弓を扱えるのだから自分と同じように山賊を捻って金品を巻き上げようとでもしていたのだろう
そんな事を考えたりする…彼女からすれば失礼以外のなにものでもないのではなかろうか

―――彼女の口にした名前にぴりぴり、と僅かに身体が帯電するかのように雷を纏う
笑うでなく怒るでもなく、全くの無表情が彼女に向けられる、しかし、殺意だけが身体中からみなぎり、
敏感な野生動物が近くから離れていくのか辺りの茂みから物音がする

「……――寝床?ああ…そういえば、気に入った寝床がある、と言っておったような…?」

ぷすん、と殺意を引っ込めれば彼女に伸ばした腕も引っ込める
彼女の話す事と、火龍に聞いたことが繋がったような、そんな気がしたし、確かに火龍をどうこうするのは
自分でも骨が折れる事と思われる…特に寝起きは無理である

「…そうか、すまん。早合点じゃお主から火棘の匂いがしたのでな…
 まあ、なんじゃろうな…アレもとっつきにくい娘じゃろうが根は良い娘じゃし仲良うしてやってくれ」

ひょい、とそれだけ伝えれば彼女から一歩下がる
それと同時にぐおん、とドラゴンの腹が鳴った。やはり、木の実と果実では腹の足しにはならず
視線を落として腹を擦ったのち、再び彼女に視線を向けた

「…お主、代金は払う故、何か食わせろ」

ごそごそ、と自分の懐を漁れば先程、山賊から手に入れた小銭の入った袋をぽい、と投げた

レイカ > 「していませんよ…、そもそもする理由がありませんし。」

もし、人に言えないことをしているのであれば彼と戦おうとは思わなかっただろう。
ただ、いえないのは彼が王都側の人間かどうかを判断できないからだ。
もし、王都の貴族や奴隷ギルドとつながりがあるなら、私は彼を里に連れていくことはできない。
それがたとえ、カキョクさんの知り合いであったとしてもだ。

しかし、その彼が彼女をいかに大事に思っているかはよくわかる。
そうじゃなければ、彼がカキョクさんの匂いだけで、ここまでさっきを放つことはないだろう。
仲間想いがドラゴンなのだろうか、だとしたら。

「カキョクさんに聞いたんですか……、其れなら話が速いですね。
匂いとなると……おそらくこの笛が原因ですね。
寝床を貸す代わりに、困ったことがあったら使えと言われたので。」

彼女が話した、ということは彼はおそらく王都側の人間ではないとも取れる。
彼女の鱗から作られた竜を呼ぶ笛、隠す意味もないので彼に見せる。
朱色をした綺麗な、小さな横笛を彼に見せつつ…私は彼がどういうドラゴンであるのかを、ふと思いいたった。
嵐を呼ぶ龍…とは、また。

「いえ、むしろ私も助かっていますよ。
まだ出来上がっていない防壁の代わりにと、何時も……」

体を借りてしまっているというが、その前に。
すさまじいというほどの腹の根が鳴り響いた。
投げられる金銭、それを手に取りながら……私はそれをやんわりと突き返した。

「私の里では、お金はあまり意味をなさないものなんです。
ついてきてください、おそらくカキョクさんも里にいると思いますから。」

もし帰ってきていたら、の話だが。
里に行けば、今日刈り取った野菜や、狩りで仕留めた肉があるはず。
果たしてドラゴンの腹を満たせるかはわからないけど…とりあえずは。
私は、隠していた布の塊、中身は調味料などだがそれを背負うと、彼を先導し歩き始めた。

ルーフェン > 「良いのだ、良いのだ、秘密なのじゃろう?」

判ってる判ってるとでも言いたげな得意げな様子で返事を返す
きっと彼女は人にはおいそれと話せないような事をしていたのだろう、と勝手に納得する
判った風でいるが全く彼女の事情と言うやつを判ってはいないドラゴンであった

「うむ、と言っても詳しく聞いたわけではないがな
 …笛か、あやつ、存外に世話焼きじゃな…騒がしいのは苦手と言っとった癖に…」

彼女の取り出した笛は確かに件の火龍の匂いがする
もう一度、すん、と鼻を鳴らすと鼻の下が緩くなりそうであった…良い匂いだから仕方ない

「仲良くしてやってほしくはあるが、あまりアレを人間同士のいざこざに巻き込むでないぞ?
 …あの火龍に悲しい思いをさせたくはないからな…」

雰囲気は穏やかであったが眼は少しも笑っていない
彼女は外敵から身を守る為、そして火龍は気に入った寝床であるから、と利害は一致しているのだろうが、
一応の釘は刺しておく、『人間同士のことは人間同士、なんとかしろ』と

「しかし、わしにはそれ以外に代価は払えぬのだが…」

ぷう、と唇を尖らせ突き返された袋を受け取る
自分には鱗を渡すほどの義理はないし、食事分だけと慣れば判りやすく金銭のやり取りがあったほうが良いのだが
ついてこい、と言われればまあ、その辺りは後々考えるとして…彼女の後に続く…屁理屈をこねくり回し、
駄々をこねれば食事一回分くらい、なんとかなるだろう、とかいう悪巧みがあったりする

……――しばらく、彼女の後をついていくが空腹に耐えかねれば
腹を擦りながら背後から彼女に声をかける

「…おぬし、こうしておっても腹が減るばかりじゃ
 わしに掴まるが良い…主の里はどちらの方向じゃ?」

言うが早いか、彼女の背負った荷物をえい、と取り上げて自分が背負えば遠慮するな、と彼女を手招きする
彼女が従えば、一気に移動するべく荷物と彼女を抱えて、彼女の言う里の傍までドラゴンに変じること無く
人間離れした脚力…そもそもドラゴンなのだが…それで跳躍し、空を跳ぶハズである

レイカ > 「…………。」

存外、この人も意外と面白い人なのかもしれない。
いや、人というよりもドラゴンなのだが、今は見た目が人なので…そう思っておこう。
わかっているようでわかっていないような口ぶり、だけどいちいちそこを突っ込むのも野暮というものだろう。
気にしないでおこう、そのほうが私のためでもありそうだ。

「……できる限り自分たちで何とかするつもりですよ。
それに…人間はいつもお金になると思えば、平気で略奪をしますからね。」

外敵から身を護るために、私は彼女を利用している…。
確かに、そう取られてもおそらくは不思議はないだろう。
だが、あくまでそれはそう見えるだけであって、私はそんなことをこれっぽっちも思ってはいない。
彼女が寝床として、里を気にってくれるならば…そして。
彼女が里を護りたいと思ってくれていることを願う。
1年間、自分たちの力だけでやってきたのだ、いまさら人に頼ろうなんて思っていない。

「対価はいらない、という意味ですよ。
食べ物くらいならば、分けてあげられますから。」

カキョクさんも、朝ごはんの果物や野菜を楽しみにしている風潮がある。
其れ目当てで寝どこにしているのかも、とは里の人の言葉。

里まではもう少しかかる、だがそれよりもどうやら空腹のほうが勝っているらしい。
声を掛けられるや否や、私の背中から重みが消える。
それなりに重い荷物なのだが、おそらくドラゴンにしてみたら髪の毛程度の重さだろう。
そう、それは私の体も同じで…。

「え、里はあっちの高い木が見える……きゃああああっ!?」

里の目印は、ひときわ高くそびえている巨木。
シンボルとして、少しだけ成長を速めた大きな木があるのが見えるだろう。
そして、その里に向かって跳躍すれば―――。
集中している時以外だと、高所恐怖症の私は、黄色い悲鳴を上げてしまうのだ。

ルーフェン > 略奪、と聞けばふむ、と目を瞬かせる
ドラゴンである自分にはあまりピンとこないのだが欲しいものを他所から奪うことになんの問題があるのだろう
奪われないため、そして奪うために持ち得る力を行使するのになんの問題があろうか?
首を傾げながら、うんうん?と色々と考えるのだけど、こうした理解の及ばぬ部分をもっと知るべきなのでは
無いだろうか、と考えるドラゴンであった

「そうか?まあよい、お主、名はなんと言ったか?
 ともかく、貸し1つじゃ…ただ施されるのは好かぬ…何か困れば…と言っても、人同士の争いに巻き込まれるのは
 ごめんじゃが、この嵐の竜ルーフェンに相談するが良い」

ふんす、これで良いだろうと鼻を鳴らす
頭を使うのはかなり…否、少し不得意だが、腕っ節に関しては力を貸すことが出来ると思う
何やら作っている途中だそうだし、その辺を手伝ってやることも出来る

―――こやつ、メシをちゃんと食っているのか?
彼女を抱きかかえてしまえば思いの外、軽い。先程、強弓を放った人物とは思えぬ軽さであった
まあ、それはともかくとして、この程度であれば、何度か跳躍すれば里の傍まで辿り着けそうである
彼女の示す巨木の方へ視線を凝らすと、猛然と駆け出して跳躍する

「…あまり、声を上げぬが良い。舌を噛む」

跳び上がり、落ちていく。着地と跳躍を繰り返すこと数度…そうして、彼女の住まう里の傍まで来れば
腹を鳴らして…道中、腕から下ろし再び里へ向かって歩きだす彼女の服をくいくい、と急かすように引き
腹が減った、と何度も繰り返したそうな―――

レイカ > 今まで奪われ続けるだけの毎日だった。
だから、もう二度と奪われないようにするために私たちは力を手に入れようとしている。
それは外には向かない力、外と中を遮断するための力だ。
その力を、貸してくれるドラゴンこそカキョクさん。
私は、そのお礼にと…寝床と食料を分けているに過ぎない。

「私はレイカ、ミレー族の里の長を務めています。
ええ、何か相談事があれば……ぜひお願いします、ルーフェンさん。」

また、ドラゴンの友達ができてしまった。
これで3匹目だけど、やはり悪い気はしなかった。
龍が集まるミレー族の里、と聞けばよほどのもの好きでもない限り、里から何かを奪おうとは思わないだろう。
彼の腕っぷしならば、防壁を作るのも加速しそうだし…思ったよりも早く、完成させることができそうだ。
そうなれば、攻城兵器でも持ち込まない限り里の守りを破ることはできなくなるはず。
彼らは、客人として里に迎え入れることもできるのだ。

だが…や亜hリ高いところは怖いといえば怖いのだ。
彼に急かされながらも、何とか早まる鼓動を抑えながら…私は彼を食堂へ案内する。

そして、彼の腹が満たされるようにと。
今日狩ってきた肉を、目いっぱい差し出すのだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からルーフェンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からレイカさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (がさがさ、がさがさ―――――

減速した馬車から転がり出た勢いのまま、街道沿いの叢へ飛びこんで、
ふらつく足を必死に動かし、木々の間を抜けて駆け抜ける。
靴を履いていないとか、シャツ一枚の剥き出しの脚が小さな傷を負うとか、
いま、そんなことには構っていられなかった。

昨日、夜のうちにどこぞの馬車の荷台へ潜りこんだのだけれど、
順調に王都あたりへ運んでもらえると思っていた旅は、
御者の男に見つかったことで突然の終わりを告げた。

話し合いは早々に決裂、逃亡奴隷として突き出されるならまだしも、
明らかに、その前になにかされそうな気配を察知したものだから、
もう、なんとしてでも逃げ出すしかなかった。

背後では未だ、怖そうな男たちの怒声が複数聞こえている。
もう諦めてくれないだろうか、足の裏が痛くてたまらないし、
膝ががくがくして――――なんて、弱気になったのがまずかったのか。
突き出た岩に躓いて、思い切りすっ転んでしまう。)

あ、―――――ッ、……!

(零れかけた悲鳴は危うく飲みこんだけれど、受け身は取り損ねた。
ごろごろごろ、走る勢いを殺せず無様に転がって、叢に倒れ伏す。
身体のあちこちがずきずき痛んで、すぐには立ち上がれそうにない。
両腕で己が身を抱き締めながら、きつく顔をしかめて低く唸り)

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にシュカさんが現れました。
シュカ > 日銭を稼ぐ冒険者として、安定的な収入源となりうるのが護衛の仕事。
今日は王都までの荷馬車の護衛、特に問題になるような出来事もなし、呑気な旅、と思っていれば、
積み荷に逃亡奴隷が乗っている、とひと騒動起きたところだった。

しかも、上手い具合に積み荷は…いや、奴隷は荷馬車から飛び降りたから、他の連中と共に荷馬車を下りて街道沿いを捜索となっていた。

見たところ、さほど年の行った風ではない体躯だった奴隷を思い出せば、そう遠くは行けまい。
荷馬車から飛び出した辺りの茂みに足を踏み入れ、注意深く辺りを見渡す。
草が倒された痕を見つけたのは、すぐそのあと。
そして、その視線の先に、茂みに隠れてはいるが、蹲る影を一つ。

逡巡の間。
不意に背後を振り返ると、やや離れた荷馬車と共に護衛を言いつかった男たちへと声をかける。

「………おい!
あんたら、積み荷を定刻に届けなきゃならないだろ。俺が残ってここらを探す。見つけりゃ、後であんたらの元へ届けてやる!」

声を張ってそう告げると、その言葉を信じたのかどうか、それとも定刻まで届けることを優先したのか、
男たちは荷馬車と共に去っていくのを見届けた。

「………さてと、かくれんぼも追いかけっこも、ここで終わりだぜ、おじょーちゃん」

距離は削がずとも、多少声を張れば、茂みに伏す相手には聞こえるであろう声量で声をかけ。

リュシー > (よじよじ、もぞもぞ。
頭から突っこんだ叢の中へ、ついでだからしっかり隠れてしまおうと、
少しずつ足先を縮こまらせながら―――馬車の方へ投げかけたらしい、男の声を聞いた。

よしよし、追っ手が一人になったなら、ソイツさえやり過ごしてしまえば、
なんて、楽観的な思考が過ぎったのだが。)

――――― げ。

(気づかれている。
どう考えても、はっきりとこちらへ向かって声が届いた。
ぴくりと強張った足先が、とどめのようにカサリと、足許の雑草を掠めてしまう。
思わず盛大な溜め息を零した、ら、胸が軋むように痛んだ。
ああもう、と投げやりな気分になって、その場へ大の字に仰臥し)

……終わりにしても良いけど、起きあがるのめんどくさい。
どーしても捕まえたけりゃ、そっちから来ぉい。

(積み荷に紛れて無賃乗車していた奴隷にしては随分な態度だろうけれど、
もう、本気で疲れていた。
さいわい相手も一人のようだし、どうにでもなれ、といった風情。
彼が叢を掻き分けて見つけ出すのは、シャツ一枚で大胆に四肢を投げ出した、
あられもない、というよりはだらしない、首輪つきの小娘の姿だろう。
ほんのり涙目になってはいるが、可愛げ、というものはかなり欠落しているかもしれない。)

シュカ > 街道沿いから少し入った茂みにて、仁王立ち。
目の前の白い塊…もとい、逃亡奴隷は確りと視界にとらえているから、
いざ逃げ出そうと動いたならば、そのままとっ捕まえるのは造作もない距離ではある。
だが、声をかけたところで、動きはしないが、代わりに返ってきた言葉に、思わず、は?と素で驚いた。

「おま…。………はぁ、やれやれ。おじょーちゃん、あんた、度胸があるんだか、ねぇんだか、な」

思わずツッコミめいた台詞が口から零れ、剣呑な雰囲気はなく、むしろ気が抜けたみたいに苦く笑いながら、
へいへい、と案外素直に茂みを分け入り、そちらへと歩みを進める。

そちらへと向かい、視線を下ろせば、これまた度胸があるのかどうなのか、叢で肢体を投げ出す恰好。
はー…と思わず天を仰いだのち、やれ、と首を振り、そこへとしゃがみ、腰を下ろした。
胡坐を組み、腿にて肘を突く恰好で、相手を見ながら、

「えらそーな口振りだから、どんな奴かと思えば、ほんとにおじょーちゃん、だな。
…で、どーする、大人しく俺に捕まって、王都へ行くか?
それとも、ここから逃げだすかい?」

思いのほか子どもであった逃亡奴隷の正体に、何とも複雑な表情。
とはいえ、だらしない…よりも、あられもない姿は、遠慮なく目で楽しませてもらうとして、追手であった割りに、暢気な口調で問いかける。

リュシー > (向こうはこちらをずっと視界に捉えていたらしいが、こちらは
相手から視界に入ってくるまで待つ、というより、来るなら来い、の姿勢である。
ほどなく返ってきた声には、呆れた、という副音声が混じって聞こえた。
がさがさ、足許近くの叢が音を立て、現れたのはどう見ても、
腕力勝負でも脚力勝負でも勝てそうにない男だった。
ちろり、すがめた一瞥を向けると、はああ、とまたひとつ、盛大な溜め息を吐いて)

……おじょーちゃん、って年じゃないんだけどね。

(ついでに言えば、おじょーちゃん、という性別でもないのだが。
それはこの姿で主張したところで虚しいだけだろう、軽くくちびるを尖らせて。
大の字になったとき、シャツの裾が程よくめくれて、下着をつけていない
下肢の付け根が、ほとんど見えそうになっている、とか、
そもそもぶかついているシャツの襟元から、胸の谷間が見えそうだ、とか、
そういうことにはまったく無頓着に、傍らへ胡坐をかく男を見やり)

…捕まるのやだ、っていったら、逃がしてくれるとでも?
ここでぼくを逃がしたら、あんた、稼ぎが減るんじゃないの。

(相手は荷馬車に付き物の護衛役であろう、という程度の推察は出来ている。
先刻、己を捕まえて後から行く、とかなんとか言っていた気もするし。
己を逃がせば、食いっぱぐれるのではないか、と、妙に冷静な口調で問い返し)

シュカ > (街道から茂みを分け入っているから、幸いにも、街道から覗いた程度なら、自分たちの姿は見えないだろう。
万が一にも荷馬車が戻ってきても、そう簡単には見つけられまい、と暢気に構えているようで、観察でもするように少女を眺めるばかり。
…当然、あられもない姿を愉しんでいるわけだが。

「へぇ、そうかい。俺には十分、おじょーちゃん、に見えるがね。…まぁ、カラダのほうは、おじょーちゃん、でもないか」

セクハラめいた発言と、無遠慮な視線。
ばっちり見ますとも!と遠慮なしで胸元やらを見ては、そんな評価をひとつ。

「そりゃお前さん、逃げたいっつーなら、交渉次第だろ。俺だって、人の子だぜ?」

見てくれは、赤毛の鬼みたいな風貌かもしれないが、あくまでそこは善人ぶって。
ひらり、と片手を振って、気安い口調で言葉を紡ぐと、

「それに、お前さんを逃がしたところで、俺の腹は痛まねぇ。そもそも、依頼は積み荷の護衛。
お前さんは予定外の“積み荷”だ、見つけ出せなかった、とでも報告すりゃいい話」

すでに、手付け金として報酬の半額は頂いているし、万が一に目の前の少女を逃がしたとして残金を戴けないとしても、
大して腹が痛むはなしでもなかった。
故に、こうして、暢気に少女と会話しているわけで、目の色変えて追いかけていた他の連中とは多少異なっていた。

リュシー > (先刻、己が転がり出てきた馬車はもう、ずっと先へ行ってしまっただろう。
街道からすぐ見つかる場所ではないとわかっているからこそ、相手も己も
こんなに暢気に構えているのだろうが、それにしても少し緩すぎやしないだろうか。

ぐったりしているとはいえ、相手の視線の行方やら、目的やらに気づいたのは、
カラダ、に男が言及してからだった。
今、はじめて思い出した、と言わんばかり、両手で襟元を掻き合わせたが、
勢いがつき過ぎて、逆に裾はいっそう捲れ上がる悪循環を露呈しつつ)

どうりでさっきからガッツリ見てると思ったら、…この、どスケベ!

(もとの己自身のことを考えれば、巨大なブーメランではあるが。
ほんのり頬っぺたを赤らめながら、とりあえず罵声は浴びせておこう。

一見すると相手はなかなかの強面であったが、それなりに愛嬌がある、と言えなくもない。
ゆえに、己の態度も口調もどこかしら緩いままで)

交渉、したいのは山々だけど、あいにく、持ち合わせがなんにもないんだよね…。
て、いうか、……困らないなら普通に、このまま見逃してくれても。

(きゅっと眉根を寄せた顰め面は、それなりに真面目に考えている風、ではあるが。
口をついて出るのは、なんともムシの良い、というか大変図々しい主張。
―――――ちなみにシャツの裾から内腿どころかその先までチラ見せ、という、
なんとも残念な姿には、当人、まだ気づく気配はない。)

シュカ > どこかで鳥が囀り、木々が風に揺れ…平和そのもの。
時間帯としても、まだこの辺りを根城にする盗賊は勿論、魔獣たちも出てこない。
その上、目の前には…まぁ、年は若いが、ゴチソウがあるのだから、護衛仕事の面倒事に今は感謝、である。

「え。いやー…見ちゃうよねー、やっぱり。これは男の本能?
でなきゃ、態々邪魔者を追っ払って、おじょーちゃんを探す面倒を引き受けるわけないでしょーに」

威勢のいい罵声も可愛いモノ。しかも、ほんのり頬を染めているのだから、からかいがいもある。
態々荷馬車の男たちを先行させた理由をあっさり白状しては、
今更気付いちゃった?と目を細め、にんまり。
悪人面というより、三枚目と言わんばかりの表情にて相手を見下ろし。
あー、見えちゃうねー、などと冗談っぽく、隠してるんだか、見せてるんだか?なシャツの動きを愉しんで茶化し。

「持ち合わせはあるだろ、おじょーちゃん?…言ったろ、本日の俺は、金には困ってない。
となれば…解るよな?」

地面に片手をついて、よっ、と重心を動かして腰を上げる。
そのまま、相手が逃げないなら、その小柄な身体に覆いかぶさるように相手の耳傍に片手を突いて見下ろす体勢になる。
それが叶えば、日差しを遮るように、まっすぐに相手を見下ろして、目を細めれば、

「どーする?逃げ出すか?それとも捕まるか?…俺は優しーからな、おじょーちゃんに選ばせてやる」

自称優しいは、他称悪人、ともいうのだが、さらりとそんなことをのたまうと、に、と笑い。
八重歯の覗く口許に笑みを乗せたまま、見えてますよ、と指摘するかのように、片手が伸びて、内腿をさわり、と一撫でする。

リュシー > (平和で長閑な昼下がり、ときおり吹き過ぎる風も、街のそれより涼やかで心地良い。
なんとも爽やかな山の風景だが、男の口からぽろぽろと飛び出すのは、
爽やかとは対極に位置するピンク色の言葉たちだった。
ますますもって深く眉根を寄せつつも、男の本能、とやらには、思わず頷いてしまい)

確かに、それは否定しな…、――――いやいやいや!
こーんなコドモのカラダに目を奪われちゃうとか、完全にロリコンでしょ!

(良いのかロリコンで、と言い募る己は、かつては自身がそう誹られていたことなど、
すっかり忘れ果てている。

どうやら男がわざと二人きりの状況を拵えたらしい、と遅ればせながら気づいた頃には、
おそろしくイイ笑顔の男が、己の上に覆いかぶさってきていた。
顔のすぐ脇へついた大きな手、から伸びる逞しい腕、肩、それから。
押しのけようとしたらこちらの腕が折れそうな胸板辺りを一瞥し、
降り注ぐ陽射しのぶんだけ深い影を落とす、男の顔をじっと見つめて)

――――― それ、って。
逃げても、逃げなくても、結末は一緒だけどねー、とか、
そういうオチがつくやつじゃないの?

(むしろ、じたばた暴れたぶんだけ余計に痛い目をみるとか、そういうやつでは、などと。
己の無防備を咎めるつもりか、それともからかうつもりか。
曝け出したままの内腿へするりと掌が這えば、反射的に腿を閉じ合わせ、
襟元を掻き寄せていた両手でシャツの裾を引き伸ばす。
タイミング的に、腿の間へ男の手を挟みこむ格好になったかもしれないが―――)

………あの、あのね。
たぶん、あの、きっと、いや絶対、……後悔、すると思うよ?

(最後の切り札―――ぼく、本当は男なんです、を、出そうかどうしようか。
おどおどと彷徨し始めた視線は、少女が恥じらっているように見えてしまうか、それとも。)

シュカ > 「さすが理解があるな、おじょーちゃん。そう、男の本能。可愛いコを見りゃ、そーなる。
まー、種の保存のための本能ですな」

至極尤もらしいことをさらりと言ってのけると、ロリコンでしょ、なツッコミに、ふ、と口許に笑みを乗せれば、

「なんとでも言え。良心の呵責など皆無っ!」

思い切り断言する姿は清々しいほど。
最早ロリコンだろうとなんだろうと、そこは全く気にしない、どこ吹く風である。
そしてその風向きたるや、幸運を運んで余りある。
ちゃんと逃亡奴隷を探します、なんていう言葉に騙されて、さっさと王都へ向かう連中、そして腹を空かせた肉食獣を前に動かない少女。
正しく幸運、今日はツイてるぜ、といつもは全く信じていない神様に感謝。

「大丈夫大丈夫。俺って優しいからさ?ほら、痛いことは好きじゃないし。どーせなら、気持ち良くなろーぜ、おじょーちゃん」

何が大丈夫なのか、首を振って言葉だけは優しげ?かもしれない。
己の体躯か影となって日差しを遮り、見やすくなった少女を見下ろしながらも、
言葉とは裏腹に、内腿を撫でた手は、そのキメの細やかな素肌を堪能し、つ、と迷わず脚の付け根へと伸びて行く。
柔らかい内腿に半ば挟まれる恰好の手だが、気にせず、ゆるり、とその秘所へと伸びて、割れ目をなぞるように中指の腹がなぞり上げる。

「ふぅん…さっき、あんなえらそーな感じだった割に、カワイイ顔するね。
…そそられるな、うん、これはマズイ。ロリコンだ、俺。…ま、いーけど!
で、後悔って?」

先ほどまでの尊大な態度はどこへやら、視線を彷徨わせる少女の姿は、加虐心に火をつけるに十分。
こんな少女相手でも、欲情することに関心したように一人言ちては、堂々とロリコンを自覚した。
でも、まったくそんなことは倫理観に抵触しないし、さらっと笑顔で問い返し。
返事を聞くより早く、上体を倒し、仰々しい首輪のあるその首筋へと顔を埋め、鎖骨辺りをちろりと舐めあげ。
拒むならどーぞ、と動きは制限せず、相手に任せながら、こちらはやりたい放題、秘裂を弄ることも忘れずに。

リュシー > いやいやいや、してない、理解はしてないって!
種の保存の法則に、勝手にぼくを組み込むなってば!

(そうか、清々しいロリコンって、ハタから見るとこんな感じなのか。
などと、頭の片隅で妙に感心してしまったのだが。
きっぱりはっきり、ロリコン上等とばかり悪びれもしない相手の態度に、
なんとなく、戦う前から敗色濃厚、の気配を感じ取ってしまう。

慌てて閉じ合わせた腿の間、懲りない男の手指がもぞりと蠢いて、
柔らかな薄桃色の、慎ましげな佇まいの秘部を淡く探り始める。
ふるりとやわい花びらから内腿へ震えが走り、首輪の下の白い喉が、
ひゅ、と鋭く音を立てた。)

いや、……ほんっとうに優しい人だったら、こんなところで、
いきなりコトに及ぼうとか、しな…―――― ぁ、んく、ふぁ、ッ…、

(はじめこそなんの潤いもなく、引き攣れたような抵抗を示しては、
男の指を拒むように震えていた肉襞だが、男の吐息が首筋へかかり、
くちびるが、あたたかい舌先が皮膚の薄いところを狙ったように掠めるや、
ひくん、と物欲しげに蠢いて、微かに熱い湿り気を帯び始める。
閉じ合わせたままの腿を所在無げに擦り合わせ、拳に握った両手で、
ぐ、となんとも弱々しく、男の胸板を押し返そうとしながら)

ゃ、………ちょ、待っ、た……話、はな、し、させて……。
あの、あのね、……いまは、こんなだけ、ど、……ぼく、
ホントは、その、……あの、―――――

(オトコだから―――そう続けるつもりだったのに、彼の指関節あたりが、
不意に薄皮に守られた秘芽をちょんとつついたものだから。
ひぁ、と甲高い悲鳴をあげて身をのけぞらせ、最後のひと言を紡ぎ切れなくなる。
きゅんと戦慄く粘膜の合わせめから、とろり、滲み出た蜜が彼の指を濡らすか、と) 

シュカ > 「そうかそうか、解ってるか、さすが。雄と雌、本能に忠実であるべきだからなー」

相手の言葉は、全然、まったく聞いていない。
喚く姿もなんのその、さらっとスルーして、爽やかな笑みを浮かべるばかり。
笑顔だけ切り取れば、善良な青年、に見えなくもないが、やってることは正反対。
柔からかく、熱い秘裂をなぞり、浅く指を忍ばせ。
決して早急にコトを運ばないあたり、まだ理性的であったし、余裕もあるのだろう。
首元に顔を埋めたまま、その白い喉が鳴ったのに気付くと、くっつと肩を震わせて軽く笑う。
乱暴ではなかったが、的確に、そして無遠慮にその秘裂をなぞり上げ、時に浅く、時にやや深く滑り込ませた指先が蠢く。

「いやいや、おじょーさん、俺が優しくなかったら、今頃輪姦だったぜ?
あー…え、もしかしてそっちが好みだった?そうかー、気付かずスマーン」

荷馬車の連中を先行させたことは、あくまで恩着せがましい口振り。
その上、あくまで自称優しい人。のらりくらり、相手の言葉を交わしては、冗談っぽく邪推して茶化しながら、
徐々に、年の割に艶っぽい声と、指先に感じる湿り気に双眸を細める。
ちろり、と舐めた鎖骨から、舌先はそのまま胸元まで下り、焦らすように…というより、片手がふさがっているから、
胸元を肌蹴させるのは難儀なだけで、シャツから覗く素肌にだけ、
ちゅ、ちゅ、と甘く啄み落とし、熱っぽい吐息を伝える。
そうしながらも、拒むように相手の手が伸びてくると、あ?とやや億劫な声を零しながらも顔を上げて、首を傾げ。

「話?………ん、どーした?」

只ならぬ状況?と察したのか、相手の顔を覗き込む。
可愛いねえ、とほぼ話は聞いていないが、相槌だけはおざなりながら続けて、ついでに指先も悪戯継続。
うっかりなのか、意図してなのか、続く言葉が消えたのは、包皮に包まれた肉芽に触れたからに違いなく。
で、話って?と待つつもりだったのは、1秒もない。
ま、いっかっ、と相手の都合はスルーして、指先に感じる熱く滑る蜜の感触に表情を綻ばせると、

「話しもいいけど、俺はどっちかっつーと…セックスしてぇかなーっていう。
………で、ボク、ほんとは…なんだい?…あぁ、アレか、そういや、名乗ってなかった。俺はシュカ。おじょーちゃんは?」

そう、相手の都合は華麗にスルー。こちらは勝手な解釈のもと、聞かれていないが自己紹介。
相手の反応を見下ろしながら、蜜に濡れた指先がその包皮を捉え、くちゅり、と蜜を塗りたくる。
指先に感じる肉芽の固さに、は、と興奮気味に息を弾ませては、
更なる蜜を滴らせるべく、親指の腹が肉芽を刺激し、中指が、ついに、くちゅ、と水音を立てて第一関節あたりまで侵入を始め。

リュシー > (わかってない。この男が絶対、まったくわかってない。
睨んでみてもとうに涙目、迫力どころか相手によっては誘惑していると思われそうな。

いっそ荒々しく奪われた方がマシ、いややっぱり痛い思いはしたくないが、
あくまでも優しく触れてくる手指のあたたかさに、身体の芯が勝手に蕩け始めてしまう。
女のソコを扱い慣れた指先に翻弄されるまま、震えおののく肉襞を辿られて、
くちり、湿った粘膜を浅ましくヒクつかせてしまいながら)

ん、ぁ、はぁ、ッ………や、…―――ンなわけ、ないだろ、馬鹿、っ……!
い、から……ちょっ、指、止め、…て、ンぁ、ふぁあん、ッ……、

(いまや、耳まで真っ赤になって弱々しくかぶりを振っては、
浅く忙しない呼吸の合間に抗議を続けようとするものの、
シャツの襟元から覗く肌を啄まれるたび、ん、と短く息を詰まらせ、
熱を孕んだ膣襞が、男の指先へ吸いつくように絡まり出す。
もはや、排除しようという反応ではなく、明らかに迎え入れたがっているような。

それでも、やっと話を聞いてくれる、と思ったのに―――なんというバッドタイミングか。
くちゅ、くちゅ、見つけられてしまった秘芽を指先に捉えられ、
蜜を塗りたくるように捏ねまわされて、まともに言葉が繋がるわけもない。
無意識のうち、より強い刺激を求めて小刻みに腰を跳ねさせながら、
両手は男の胸元へ、押し返す、というより縋りついてしまい)

ん、ッあぅ、あ、あ、ソコ、いじっちゃ、だめ、ぇ……、
シュカ、…シュ、カ、おねが……、ほ、んとに、後悔す…から、
ぼく、ぼく、……… オ、トコ、なん、 ―――――ッんんん、ン、くぅ……!!

(ちゅぷ、ん。
やっとの思いで言いたいことを言えた、と思ったのだが、信憑性は薄かろう。
彼の指がうねる肉襞のなかへ分け入った、それだけで、とぷりと甘い蜜を溢れさせ、
軽い極みを迎えた身体が弓なりに反り返る。
仰のいた顔はぼんやりと、熱に浮かされたような碧い瞳を鈍く瞬かせて)

……だ、め…って、言った、のに…ぃ……、
とま、…とまん、なく、なっちゃ、うじゃ……

(ぽろ、と赤らんだ頬へ伝い落ちた涙は決して、辛い、悲しい涙ではなく)

シュカ > 相手のお察しの通り、その涙目浮かべる姿は存分に…そそる。
健全な精神を持ち合わせている…かもしれない、男にとって、そのテの表情は悪魔の誘惑に等しい。

「解ってる解ってる、欲しいンだよな?そういう顔、すんなって。すぐに…ちゃーんとやるから、さ?」

まったくわかっていないが、自信たっぷりにのたまうと、すぐに。
くちゅり、と中指の根元まで、その狭くとも熱く締め付けてくる膣奥へと挿入させ、くい、とくの字に曲げる。
指の腹で膣襞をなぞり、その蜜が潤滑油となるから、指の動きは最初とは異なりずいぶんとスムーズなもの。
リズミカルに指先を抽送させ、穏やかな午後の日差しが注ぐ野外の、それこそ長閑な木々と小鳥の囀りとは不釣り合いな淫らな水音を響かせ。

「は…っ、まったく…カワイイ声出すな、ほんとに…」

年端もいかぬ少女を手籠めに、なーんていうシチュエーションに興奮を隠せず、やや掠れた声が零れる。
指だけでもこれだけの反応なのだから、先が楽しみでもあるし、指に感じるその膣圧に、ぞくりと腰が痺れ、下肢に熱が籠る。
その興奮に推されて、相手が拒む仕草から、縋るように手を伸ばして来れば、そのまま遠慮なく小さな唇を塞ぐ。
柔らかく、熱く火照ったその唇を夢中になって啄み、時に戯れに唇を食み、は、と息を吐いて、顎を引く。
そのタイミングで聞こえた言葉に、ん、と短く答えると、

「ふぅん…オトコ、か。………ん、で?」

そう、それがなんだというのだ!とばかりに、漸く紡いだであろう相手の言葉に気にも留めない。
それは、見た目が少女だから、ということもあったし、
男でもヘーキ、なこちらの性癖でもあったのが、目の前の少女にとっては不幸だったのかも。

「…どっちが後悔する?俺か?それともおじょーちゃんか?
………少なくとも俺は、後悔より愉しみでしかないね、…こんな可愛い顔して哭くんだから、な」

に、と笑って覗く八重歯は、肉食獣の如き表情でもあるが、それとは裏腹に、相変わらず相手の身体を確かめるみたいに、
視線を落とし、指先もその快感を呼び覚ますようにと蠢くまま。
そして、その頬に一筋涙が零れても、それはそれ、気にしない。
むしろ、それに唇を這わせ、ちゅ、と啄み、間近で相手を見つめる。

そして。
勿論ここまでくれば止まるわけもない。上体を起こし、両手が自由になると前を寛げ、興奮によって質量を増した怒張を晒し。

リュシー > (そも、年端も行かぬ少女相手に盛っている時点で健全ではない、とか、
言ってみても己の後頭部に、ブーメランとなって刺さるだけだろう。
欲しい、なんて意地でも認めてやりたくないけれど、
いかにも男らしい骨張った指が、割り入った膣肉の泥濘みのなか、
くん、とざらつく内壁を圧すものだから、こぷりと新たな蜜を滲ませながら、
もっと奥へ、もっと強くと誘うように、濡れた肉襞が彼の指へ強く貪りついてしまう。
ひくん、ひくん、自らぎこちなく腰をくねらせて、
指先の圧を、うねる膣襞の隅々まで感じようとさえして。)

ふ……ぁん、あっ、ア……は、ぅ、―――――ン、んぅ……、
は、ふ……ぅん、だから、ぁ……、

(己の肌のそこここへ熱を灯したくちびるが、己のそれに熱く重なる。
掌に伝わる胸板の硬さと比して、意外なほどに柔らかな感触と、絡みつく吐息の熱さは、
思わずこちらから小さな赤い舌先を伸ばし、もっと、とねだってしまうほど。

けれど、きっとこれを言えば、慌てて身を引く、と思っていたのに。
何でもないことのように受け流す男の、清々しい――――否、変わらぬ熱を窺わせる面立ちを、
己はしばし、信じられないものを見る眼差しで凝視して)

で、って、だから、……… え、いや、だって、だから、
―――――ん、くふ……ぅ、シュカ、ぁ……、

(頬を伝う涙を救う仕草にも、濡れた膣肉を玩ぶ指の動きにも、
己の性別を忌避する気配はまるで見えない。
身体のずっと奥の方で、薬も、魔術も、なにも使われていない筈なのに、
―――この男が欲しい、と、子宮が疼いているのがわかる。
男の指が抜き去られれば、切なげに身を捩ってしまうほどに。)

――――― シュカ、って、さ。
ほんと、どうしようも、ない…変態、って、言われること、ない?

(なんだか泣き笑いのような表情になりながら、甘えた声で憎まれ口を利く。
己が欲しい、と訴えてくるような、相手の分身を目にすれば、閉じ合わせていた脚を、
自らそっと開いて、濡れそぼった秘部を彼の目に晒し)

………リュシー、だよ。
昔、から……友達は、みんな、そう、呼ぶから……、

(シュカにも、そう呼んで欲しい、と。
囁く声音と共に両腕を伸ばし、彼の肩を、背を掻き抱こうと)

シュカ > 何処が感じるのか、それを探るように指先が無遠慮に膣壁をなぞり、時に引っ掻く。
熱く締め付けてくるが、同時にそれは蠕動するように蠢いて、まるで射精を促すように包み込んでくる様に、
徐々に我慢も余裕も限界が近くなってくる。
それに、目下、相手も準備万端、とばかりに指の動きに合わせて腰が弾んでいるし、
半ば無理やり重ねた口付けにしっかり応えてくれるのだから、
それはもう焦らすのも可哀想…というのは都合のいい解釈。

「え。ナニ、おじょーちゃん、この俺がオトコだからと怯むとでも?
可愛いコに欲情すんのは男としてとーぜんだろ」

初対面の相手にも関わらず、どやっ、とばかりに言い切る清々しさ。
ここまで来ると、相手の言う、変態、も板についている、というべきかもしれず。

「まー…そのどーしようもない変態を前に、カワイイ顔して哭いてるのはどこのおじょーちゃんかね。
………リュシー、か。…あぁ、いい名だ」

ふは、と呼気を吐くみたいに、憎まれ口に笑って応え、こちらも多少意地の悪い返事を返す。
だが、その眼差しも口振りも愛嬌たっぷり、冗談めかしたものであった。

そして、外気に晒された怒張に手を添え、膝立の恰好で、相手ににじり寄る。
自ら脚を開くその姿に、喉を鳴らして、太腿を優しく撫でたあと、片手が膝裏へと回る。
先走りで濡れる亀頭を、ひたり、と膣口へと当てれば、その蕩けるような熱さと滑る感触に、背筋を快感が走る。

「…リュシー…その…まぁ、ナンだ。…痛かったら、言えよ。一応……痛くしないつもりだが、そこは…解らん」

体格差から言って、大人の指先ですら回るかどうかという逞しい肉幹が小柄な少女の身体を壊しかねない。
そんな心配をする優しさはあるが、挿入しない、という選択肢はない。
やや上体を前方へと倒すと同時に、怒張が慎ましい少女の肉襞を割るように侵入し。
ペニスを支えた手を離し、上体を倒し、肩へと伸ばされた手に合わせて小さなその身体を抱きしめ返す。

「くっ…ふ、…」

指で感じた以上の締め付けに思わず声が上がる。
蕩けるように腰が痺れ、心配した癖に、今までの穏やかな指での前戯とは裏腹に、狭い膣襞を擦り上げながら一気に、
そう、何の躊躇もなく、本能の赴くまま、くい、と腰を突き上げ、小さな少女の身体を蹂躙してしまいそうになる。

リュシー > (くち、と淫靡な音を連れて指先が蠢くごと、溢れる蜜が膣襞の狭間で撹拌され、
こぷこぷと花弁の奥から零れ落ちる雫はわずかに泡立って、いっそう卑猥な眺めを呈し。
深く喰い締めた膣肉が、開き直ったような物言いに小さく吹き出すと同時、
きゅう、と愛しげに指先を食んでざわめき)

ば、か、馬鹿だろ、ほんとに……、
可愛い、とか、連呼、する…な、もぉ、………ただで、さえ、暑い、のに、

―――――しょーがない、だろ、それは、
……オトコ、なのに、男に、挿れて、ほしくて、…どろどろに、しちゃう、変態、だも……。

(一本取られた、というか、鋭い切り返しに思わず笑ってしまった。
投げ返した減らず口のなかに、相手と繋がりたい、という欲望を、
そっと混ぜこんで、赤みを増したくちびるを綻ばせ。
膝裏を抱えられ、わずかに浮かせた腰の中心、とうに素直な反応を示していた膣口へ、
濡れた穂先を宛がわれるや―――小さく震えた薄紅の花弁が、くちゅん、とソコへ喰らいついて)

……いい、よ、もっと、来て……。
痛くても、苦しくても、い…から、……シュカの、いっぱい、ちょうだい……?

(もしかしたら正気ではない、のかもしれない。
けれど、目の前の男が、どうしようもなく欲しいと思ってしまったのだから、
いまさら、仕方がない、と思う。
細い腕を伸ばして彼の肩を抱き寄せ、項から背中へ掌を這わせながら、
熱く脈打つ彼の砲身が、濡れて戦慄く己の膣肉を割りひらき、押しひろげ、
ずぶ、ずぶ、抗うように強まる狭窄をものともせず、侵食を深めていくのを、
彼の腕のなかに抱かれた上体を、緩く撓らせながら受け容れて)

ぁ、―――― …ん、あぁ、く、……ッふ、あぁ、ん、んん、ん、ッ……!
は、…ぁふ、あ、ん……、あぅ、あ、あ、―――――ひ、ッああ、あ、あ………!!

(熱い、苦しい、圧迫感がものすごい。
けれど、それより何より、隙間なく満たされていることが、
より深くと求められていることが、どうしようもなく心地良くて。
軋みながら絡みつく肉襞で彼の雄を捕らえ、抱きつつみ、
絶えず繰り返す淫らな蠕動で脈動を舐め弄りながら、
もっと、もっと奥へ、と引き込むような反応すら示して。
突きあげて、いっそ壊れるぐらい、奥まで来て欲しい。
そう願うだけで、新たな蜜が解けた花弁の奥から弾け、互いの下肢を濡らしてしまうほど。)

シュカ > 膣はすでに十分なほど潤って、これなら挿入も可能だろう。
年端もいかない少女らしい可憐さと、それに相反する淫らに蕩けた卑猥な様は、理性という鎖を容易に引きちぎってしまう。

「別に…オトコだろーと、オンナだろーと…欲しけりゃ素直に求めりゃいいだろ。
………俺はそーする」

…と言わずとも、現在その真っ最中、言葉よりも如実に体現しながら、
少々意地悪な言い方をしたことを詫びるように、ちょん、と軽く啄むように唇を掠めとり。
そこまではどうにか…辛うじてがっつかず、穏やかにコトを進めたつもりだったが、
小さな唇から紡ぎだされる言葉に、あっさり理性は敗北。

その身体を労わるつもりは、勿論あったはずだが、
痛いくらいに勃起したペニスが、その柔らかく熱い膣襞に包まれた瞬間、貪欲な劣情が高まり、
一気に、その肉襞を割り拡げ、その小さな身体の最奥を犯そうと突き上げにかかる。

「く…っ、ぅ、…ぁっ…」

気を抜けば、そのまま絶頂を迎えてしまいそうな、そんな締め付け。
指で感じた以上の挿入感。奥歯を噛みしめ、この快感を、この身体を、1秒でも長く感じたい。
だが、身体は貪欲で、その幼い身体を自らの手で穢したい、壊したい、と言わんばかりに、腰が揺れ。
重く、鈍い肉感的な音を響かせ、下肢がぶつかり合う。
最早遠慮もなく、子宮口を犯さんと激しい抽送を繰り返せば、
小さな身体が上へとずり上がっていこうとするのを防ごうと、
抱きすくめたまま、逃すまいと腕に力を込める。

「くっ…ぅ、…ヤバい…かもっ、…ふ、はっ!…搾りとられ、そ…っ!」

ぞくり、と肌が粟立つ。同時に一気に高まる射精感。
執拗に、子宮口を小突く鈴口との淫らで甘い口付けを交わしながらも、幼くも雌が持ち合わせるその子壺を穢したい衝動に駆られ。

「くっ、ふ…リュシー…っ!出す、からな…っ、ちゃんと、全部…っ、く、受け取れっ!」

そう言い終わるより早く、小さな身体を押し潰そうとするように体重をかければ、その瞬間白濁が弾け。
小さな少女の、まだ幼いその子壺を穢していく背徳感と射精感に身を震わせ。
だが、それで終わるわけもなく。彼女を手放すのは惜しい。
この辺りを根城にする盗賊やら魔獣が動きだすまで、いまだ少し時間は許されるはず。
そうなれば、濃密な時間は続いていく………。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からシュカさんが去りました。