2017/07/21 のログ
ルーフェン > 「お主でも驚くような事があるのか」

と、彼女から小さく漏れた声をからかうようにしっかりと指摘しつつ
彼女の言葉を聞けば、自分の予想が当たったのでまあ、そんなことであろうなあ、と納得したような、
少し呆れたような何とも言えぬ表情を浮かべる

「ま、そんなトコじゃろうなあ…
 お主も寝床を探すために里から降りてきたわけでもなかろうに…」

小枝をふりふりとさせる程の事?と「ルールー」なる彼女しか使わない呼び名を嫌がる事より
寝床探しで気に入った場所が見つかった!と喜んでいる彼女に呆れてしまう
…里の中で大事に育てられたお嬢様、と思えばそれはそれらしいような気もするが

「まあ、わしが見つけたのは偶然じゃからな…
 確かに見つかりにくくは…って、お主、竜のなりで眠るつもりなのか…」

人間の姿でいると落ち着かないんだったか、しっくりこないんだったか、というような事を
彼女が言っていたような気はするけれど…豪気な娘じゃな…とか、内心思いながらせっかくなので中を
案内してもらおうかなー、と彼女にお願いしてみたりする

火棘 > 「…むぅ」

眉を寄せて悔しそうな恥ずかしいような…

「そうだけど…むん…じゃあ、今度は王都を歩く」

郊外の見つけにくい寝床に満足してたけど、相手のいうことも確か
少し間をおいて、相手の言葉に煽られるように返事を言い切ってしまうのだけど

「ここなら中が広いから…窮屈なのよりはいいとおもって
 中みにいく?」

枝を上下にブンブン振りながら
入口から中にはいろうと、そのまま最初の大きな広いとこ、奥に二股に分かれてて
中くらいの空間が数箇所あるのまでは把握してて

ルーフェン > 「一族の長の娘、その後は一族を率い導くのだろ?見聞を広げ無くてはいかんだろ…」

ぶつくさ、と早速のお小言。彼女が爺に似ている、というのも判らないではない状況なのだが、
小言を口にしている当人はそれに全く気がついていない
王都を歩く、と聞こえればそうせよ、とこくこく、と頷いて見せて

「狭いのも落ち着くがな…良いならちょっと見学させよ
 火棘がそれほどまで喜ぶというのであれば、たいしたものなのであろう?」

見に行く?と聞かれれば、うむ、と頷く
そこからは彼女の後ろをついていき、彼女お気に入り、という彼女の寝床を眺めさせてもらう
ほうほう、とか頷きながらキョロキョロしながら彼女の後をついていくと、
確かに彼女の言うように中は広い空間が広がっており、ドラゴンが眠るには良さそうな場所に思えた

火棘 > 「…ウルサイのは好かんのだ………っとに、爺そっくり」

ちょうどお祝いの時期のせいか、王都の中はいつも賑やかすぎるほどだったから
ついつい足を遠退けていたこと
お小言のように里にいた頃に聞かされてたのを似たことを言われると
わかりやすいように頬を膨らませ、口先を尖らすように言い訳をして

「みつけたときに中は焼いたから…なにもないがな
 そこに少しだけ布を固めておる」

天井も高い空間、もとの巣の持ち主は、ただの獣ではなかったのだろう
空間の片隅に布だけを敷き詰めてヒトの姿での寝床

「ルーフェンも寝床に使っていーよ、わたしも常にここにいないし」

中は広いから入口すぐのとこならドラゴン形でもいけるし
自分のような東の竜ならいくつかの部屋を体を伸ばしてもいられるくらいで

ルーフェン > 「…好く好かない、の話ではない、一族がお主の双肩にかかっておるのだろうに…」

そっくり、と言われてしまえば、うっ、と言葉に詰まってそれきり言いたい事を飲み込んでしまう
不満げに口を尖らすさまを見れば、似たような事を里を出る前に散々言われたのだろうなあ、と思ったりした

彼女の見つけた何かが住んでいたであろう空間
不思議なことに、以前いたであろう生き物の残り香も、微かな毛などの痕跡もない
不思議に思い首を傾げていたが、彼女の言葉を聞き納得した

「なるほど、どおりで…
 何でもかんでも焼いてしまうのは如何なものかと思うんじゃが…」

天井の高くなった空間の一角には布が盛られている。宝飾品を身に着けている割には、飾り気のない寝床は
確かに帰ってきて眠るだけの場所に思えた…王都にも行かず、普段から寝床ばかり探し回ってるんでは…
そんな疑念に囚われつつ、使って良い、と言われれば、そうか、と頷き

「火棘は鈴やら簪やらを付けてる割に寝床は殺風景なのだな…」

思ったことをクソ正直に口にしながら、久々にドラゴンの姿で大空を駆け回ったばかりだから、
早速、マントの結び目を緩めて落とし、ブーツをえい、と脱いでしまえば、ぽすん、と布を敷いた場所に
倒れ込み布に埋もれて

火棘 > 「……わかってる」

散々聞き飽きた言葉をここでも言われるとは、わかりやすい大きなため息をついて
枝をぽいっと投げ捨てる

「なんでもかんでもではない…
 妙な匂いや不要なものなど…邪魔だから」

空家ならぬ、主のいない巣の中は綺麗とはいえず
焼いて匂いもろとも消したくらい
自分には必要なことだったと言い訳をして

「ここの他にも朝食をくれる寝床もみつけた
 今度ルーも一緒にいこう、いい場所だから」

小さめの集落の外での寝床、朝には朝食を用意してくれる
気苦労をした娘を気に入って助けてやろうと思った場所

ルーフェン > 黙って彼女がため息をつく様子を見ていたけれど、散々似たようなことを言われてきたのか
枝を投げる様子が随分と様になっていて、小さく吹き出してしまった

「以前、何が住んでいたかとか火棘は気にならんか?
 これだけの空間だぞ?同族がおったかもしれんだろうに…」

匂いや汚れ、食べ残しが気になる、というのは判らない話ではないけれど
それよりもここに何が住まっていたのか、そちらの方が好奇心を掻き立てる
まあ、焼いて浄化してしまったものを元に戻せ、というワケにはいかないからそれきり何も言わなかったが

「…妙な話だな、食事をくれるとはどういう事じゃ?
 ゴブリン、ワーグの類の巣窟で食い放題、というのならお断りじゃぞ?
 朝からそんなもんを食いとうない」

ごろごろ、と敷かれた布の上で転がり、包まりながら彼女を訝しげな視線で見上げる
どうせ、魔物の巣かなにかで、好きなだけ食っても湧いてくる、とかそんな場所を見つけ、
それらを食わせようとしているのではないか?とか疑っている視線であった
……冷静に考えれば、彼女であればそんなものは一切合切、炎で燃やし尽くしてしまいそうなものだけど

火棘 > 「汚いとこなら近づかないし、焼いても嫌だけど…
 ここは、丘の下だから他に見つかりにくいのが気に入った
 同族がおったとしても…居ないのだからいいのだ」

先住の住人は不明で、自分が出入りしてても
他に入ってる気配もなくて…無人ならその先は気にしてなかった

布に転がるのを面白がって、自分も布のとこで座り、ころころ転がる相手を
手で押さえつける、布に包んでしまおうと

「んー、たまたま見つけた集落でつくりかけてる防壁があってな
 防壁替わりに寝床として私がたまに囲うように眠ると朝、果物やパンや野菜の朝食をもらえる」

ルーフェン > 「…まあ、竜種が姿を隠すには打ってつけの場所じゃ…主が気にいるのも判るわな」

巣立っていったか、或いは彼女と同じように住処を幾つも設けて点々としているうちにこの場所を忘れたか
元の住人がどうしてこの場にいないか、考えても詮無いことであるが、どんな住人がいたか、興味は尽きない
ぽす、と彼女が腰を下ろして手が伸びてくれば、そのまま、布に包まれてふがふが、しつつ
ぬっ、と頭だけを布の中から出してふう、と息を吐いた

「体よく利用されてるだけではないのか?
 あまり、人同士の間に割って入るようなことはせんほうがいい、ロクなことにはならん…
 これは予想でなくて、経験則じゃからな?」

す、と布の中から手を伸ばし近くにあった布地を掴む
おかえし、とばかりにそれを彼女の方へと向かってほい、と緩く投げつける
餌付けされるドラゴン、というのはどうなんだ、一族の長の娘よ、とか小言が喉元まで出掛かったが、
じい、じい、と言われるのがシャクなので言葉は飲み込んだ

火棘 > 「ルーも気に入った?」

前の住人が戻ることもない自分以外の匂いもしなかったから
考えてもいなかった、たしかに似たような種族が住処にしてたのなら
自分にも都合よく気に入った理由になるのかもしれない

包から頭だけでてきた
その姿がおかしくて笑ってしまったけど
続く言葉に笑みも止まり

「そうなのか…?利用か、まあ…そうかもしれんが
 気に入ったのだから仕方ない」

投げつけてくる布を頭にかぶり、コテンと自分も横に転がる
靴を脱いで…同情してるように呟くように告げて

「自分より弱いものを守るために囲いを作ってるようだからな…
 ヒトの世界はヒト同士でも酷いことをする」

ルーフェン > 「殺風景なのは目をつぶってやるわ」

自分が王都で利用する安宿でももう少し調度の品が部屋の中に用意してあるがここには布くらいしか無い
もう少し、生活感があったほうが落ち着くような気もするが、この場所の新たな主は、寝床を点々とする竜であった
気に入ったか、と言われれば、ドラゴンの姿で寝泊まりするには良いのだろうが、
人の姿では苦労も有るだろうから、悪くはない、といったところだろうか?

「……ま、気に入ったのなら仕方ないわな
 というか、主が気にいるような人間もいるのだな、少し成長したか、火棘よ」

騒がしい場所が嫌い、と言っていたから何となく人間嫌いなのかと思っていたけれど
そういうことでもないらしい…そうであれば、この先、見聞をさらに見聞を大いに広げる事もできよう
……――というか、なんだかこの娘の先の事ばかり心配しているような気がする

「まあ、そういうものじゃしな…
 彼らは竜種が持ち得なかったものを多く持っとるから、それ故の争いもあるのじゃろう
 思想であったり宗教であったり…持ち物が多い故、火種なんて幾らでもあるわな…」

体温の低い自分はころり、と転がって暖かい彼女の傍へと転がった
炎の龍なだけあって彼女のそばはほんのりと暖かく、自分には心地よいのである

火棘 > 「じゃあルーがなにか持ち込めばいい」

まだ見つけて数日、布を大量に入れ込んで
ヒトでも休める寝床だけを確保したくらい
ここは人目にもつきにくく昼も夜も静かで

「ん…そう、小さいのを気に入った…あと、その集落が
 私の里の雰囲気に似てたからだ」

規模は小さいけど、少し感じは里に重ねてしまってたほうが大きいかもしれない
娘の悲惨な過去も重なり、なにかしてやりたいと思ったくらい

転がってきた相手
今夜は向き合うまま腕を伸ばす
自分よりも体温の低い相手は、触れてると気持ちいいのを知ってるから

目をゆっくり、瞼が次第に重くなってきたか、ゆるい瞬きをしながら

「…持たないものを持ってるのか…それも、すごい………」

半分眠気に飲み込まれかけた返事、妙に間があいたりして
抱き枕のように相手に伸ばした腕に抱きつけたら、返事も半分に眠りに落ちていく
ヒトのまま相手と寝床をともにするのは何度目か警戒することもなくて

ルーフェン > 「そうするかのぅ…主、何か欲しいものでもあるか?
 ……高価な物は無理じゃ」

自分もそれ程までに必要なものはないけれど、保存の効く食べ物と水を貯めておく水桶あたりがあれば便利かもしれない
あとは…まあ…思いつけば何か運びこべばいいし、思いつかないのであれば、それでいい
どうせ、自分もフラフラとあっちへ行ったり、こっちへ行ったり、定住するわけではないし、
恐らく彼女も毎晩ここで寝泊まりするわけではないのであろう

「…ほう、なるほど
 人間が言う所の、故郷は遠くに在りて想うもの、というやつじゃな…わしなんぞは高山生まれじゃから、
 対して思い出すこともないが…」

彼女がその人間たちの小さな集落を気に入った理由が彼女の言葉を聞いて理解できた
伸びてくる彼女の腕を受け入れて、此方は彼女の頭にそっと手を伸ばしてぽんぽん、としようとする
まだまだ、故郷は家族が恋しい年頃なのだろうか?と頭の片隅で思いながら

「人間は自分たちにはない牙や爪、尾の代わりに鉄を打ち剣を生み出し
 強固な鱗の代わりに鉄の鎧を纏う…無いものを補い、生み出すことにかけては天才じゃからなあ…
 必要とあらばなんでも作り出してしまうからなあ…あれらの知恵と発想にはドラゴンも及ぶまいよ」

とろん、と蕩けた彼女の瞳を見れば眠いのだろう、と一目で判ってしまうのは何度も一緒に眠ったからだ
こやつめ、真面目な話をしておる時に!…なんて、思わぬではないが、気を許しておるのだろうと思えば
悪い気はしない

「…まあよいわ、ほら眠ってしまえ
 本当にお主は眠たげな時は赤子のようじゃな…」

呆れたようなからかうような声音で告げればするり、と彼女の背後に腕を伸ばして優しく撫でてやる
そうすると彼女の体温がポカポカと伝わってきて心地よく…零れる欠伸とおとずれる睡魔に
身を任せて、そのうちに自分もすーっ、と寝入ってしまうだろう―――……

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から火棘さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からルーフェンさんが去りました。