2016/06/09 のログ
■ルーザリア > 「ん、そーか。それなら仕方ないねぇ。急いでるってんなら、しかたないしね。
またいつか会ったら、お酒の一献でもおごらせておくれよ。」
そういいつつも、首を入れたズタ袋の口を結び、肩へとかけると。
「ジャルージ号って知ってるかい。嫉妬の魔王、レヴィアタンの船さ。
あたしはそこで働いてるんだ。魔族の国なんかに来ることがあれば訪ねてきておくれよ。
んじゃ、またなー。」
別れの言葉を告げ、そのままゆっくりと山賊街道を歩き去る。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からルーザリアさんが去りました。
■レティシア > ――あら、一献だけ?もっと奢って下さっても良くってよ?
ジャルージ号?へぇ、人間がねぇ……。
(女性の身の上を耳にすれば、菫色の瞳を瞬かせながら、感心したような声をあげる。
街道の向こうへと女性が姿を消すまで見送れば、女は更に山の中に向かって歩き出す。
暫く歩いていれば、カサリと草が揺れ、そこから現れるのは大きな一頭の狼犬。
女は嬉しそうな笑みを浮べると、片手を伸ばして、狼を呼び寄せて)
…あら、迎えに来てくれたの?ありがとう…。
……気がかりな事があるのだけれど…とりあえず帰りましょうか…。
(膝をつき、狼の首元へ両腕を伸ばして、抱きしめると、ほっと息を吐き出して。
その体躯をトントンと片手で叩くと、再び歩き出す女と狼。
そのまま山の中へと姿を消してゆき――)
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にシャロンさんが現れました。
■シャロン > 夜の九頭竜山脈は、ポツポツとついた灯りがどことなく郷愁を誘うような眺めだった。
吹き抜ける風も徐々に湿気を帯びたものに変わる初夏の折、少女はいつも通りに見回りをしていた。
暗緑色の外套は、夜闇にまじると殆ど黒と変わらない。
時折、月明かりに金髪が煌めいて、少女の居場所を教えていた。
「さて、どうしたものでしょうかねぇ……?」
出来れば旦那様のお仕事を手伝いたいなぁ、という思いから、神聖騎士団は休職中な今日此の頃。
昔から続けてきた夜の哨戒故に、辛いなどとは思うことなく。
夜気に身を泳がせるようにして、そっと気配なく歩いてゆく。
■シャロン > 人の子一人いないとはこのことか。
夜の街道はしんと静まり返っており、遠くの宿場の喧騒が何とも人恋しく思えてくる。
程よく、大きめの石がある開けた場所に出ると、ひょい、と石の上に腰掛けた。
懐から取り出すのは、魔法具の水筒――神聖騎士団の備品だ。
かちり、と開けると中から漂うのは甘い紅茶の香り。
しっかり冷やしたそれを、コップ代わりの蓋に注ぐと、そっと口をつける。
冷たく、ほんのり甘いそれで心と体を潤しながら。
「――ん、何もないのは良い事ですが、油断は大敵ですからねぇ」
こく、こく、と星を見ながらお茶を飲む。
空に見える煌めきは無数で、それを独り占めしているような錯覚はとても愉快で。
単純な話、少女の気分はすっかり上機嫌だった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」に魔王リュウセンさんが現れました。
■魔王リュウセン > 山賊街道に連なる闇の向こう側より、黒づくめの少数が黒狼に跨って移動をしていく。
旗印とか諸々はないが、気配見た目共に黒くて禍々しい、魔族というかそれより深い気配に覆われて
邪悪の香りすら彷彿とさせるそんな存在達。その先頭が一番際どくどす黒く、
まっすぐだがスピードも落とす事無く蠢くのだ。
序に言うのであれば 明かりが無い街道を道もそれずに移動をしている最高に胡散臭い怪しい集団と言える。
■シャロン > 空の綺羅星を眺めていた少女は、不意に、何かが近づいてくるのを感じ取る。
気配からすると、何やら魔族のような雰囲気。単独ではなく複数だ。
結構な速度で進むそれらに、少しだけ気を引き締める。
とはいえ今夜の少女の仕事は、魔族の討伐というわけではない。
彼らが人を襲ってる所に遭遇したならば剣を抜かなければいけないが、そうでないならば通り過ぎていくのを待つのも良い。
――人も魔も、全てが合わさって調和の取れた世界であるべき。
そんな思想を持つが故、ただ魔族だからと剣を振りかざしたりはしないのだ。
とは言え、様子をうかがっておくというのは重要だとも思うので、とん、と道を開けるように石の上に立つと。
「――神眼《ディヴァイン・サイト》……!」
自身の眼に暗視の付与を施すと、気配の方に目を凝らす。
そこに何が映るだろうか、と期待しながら。
■魔王リュウセン > 魔族というかそれ以上の存在 魔王とその部下たちが正しい。
狼兵と呼ばれる部下を引き連れて山脈を超えて来たのだ。
この先は はて何であっただろうか?山賊街道にもあるという宿屋が連なる地か?
人を襲う?寧ろ逃げるが。気配や濃厚で悍ましい魔力の濃さがある為、山賊が出てきても可笑しくないが
生憎襲い掛かる前に通過してしまっているし、襲い掛かって来たら来たで
悦んで正当防衛の名のもとに屠って甚振って殺戮していくだけだ。
隠蔽スキルが全くない集団の為―此方を見る?とある気配に目敏く気づいた一兵が、何か合図をしたのだろう。
徐々にその集団のスピードは落ちてきた。駆け足から早歩き程度の遅さになってきた。
濃厚な気配と禍々しい魔力を持つ魔族…高位魔族ではなく、それ以上の存在たる 魔王が一人の気配と
それに付き従う狼に跨った爵位持ちの高位魔族が化けた狼兵と狼が映るかと。
■シャロン > 感じる獣の匂いと息遣いから、犬か狼かと見当をつける。
彼方の人里が騒ぎになっていないことを見ると、彼らはわざわざ避けてきたのかとも思える。
点々とする宿は、人々の宿場であると同時に安全地帯でもあり、しかし魔族の餌ともなる場所で。
ともあれ、気配が血の匂いを孕んでいない以上は、先に殴るということはしない。
とん、と軽く足元を蹴って、狼兵の居る方へと進む。
構えるだろうか、とは思いながらも、敵意はないので無防備に。
腰の剣に手をかけることもなく、数歩で距離を詰めると。
「――こんばんは。皆でお出かけでしょうか?」
くすり、と微笑みながら声をかける。
流石に襲われたら厳しいだろうなぁ、などとは思いながらも、自分のスタンスを崩すつもりはない。
それが、"幼き聖女"たる少女のいつも通りだった。
■魔王リュウセン > (…検問か?…こんだけ進んで今さらというのもあるが)
道なき道から横から突っ込む形で街道の道をひたすら進軍しているのだ、無論、面倒な大きい街は避けているし
道がどうにもそこしかなければ 魔法で街道の衛兵など眠らせてから移動をしてきた。
検問という検問はそれで乗り越えてしまったというか ある意味 血は流していない、物理的ではなく魔法的にやってきた。
グルルル…
狼兵とその魔王の集団もやっと歩みが止まった。地面を揺らぐ影が飢えの物体たる実物と違う動きをしている。
…影も胡散臭かった、総じて怪しすぎかも知れないが 距離を詰められても構えはない。
此方か手を出せば 正当防衛とやらが取れない、らしい。
狼兵の集団から 魔王…狐耳と尻尾を持つ少女が一騎だけ彼女の方へと近づこう。
「狼上から 失礼する。こんばんは、だ。…会話が通じると判断をし、
…所要があるので此処を取りかかっただけだが何用か?」
無表情というかそれ以上ない顔で 飛びかかったりもしないしその動作はない。目の前の彼女を見下ろしている位。
■シャロン > 「あぁ、警戒しないでください。こちらはただの見回りです……一応、念の為、こちらにやってくる一団を確認しに来ただけですので」
立ち止まる一行を眺めながら、少女は素直に目的を語る。
言葉が通じる上に、こちらに対して暴力を用いてこない。
そんな様子から、少女は瞬時に見逃すことを決定する。
無論、見逃す、と同時に見逃してもらう、も含んでいるわけだが。
「ふむ、所用があるのであれば、時間を取らせてはいけませんね。此処から先、人里に近くなりますからくれぐれもお気をつけて」
急ぎというのであるならば、そっと横に退いて道を開ける。
彼らが行くならば見送るし、あるいは更に声がかかるなら答えるまで。
幸い、少女にはそれなりに時間がある。故にここで見送るのもいいだろう、などと思っていた
■魔王リュウセン > 「そうか。見回り御苦労。…言葉が通じなければ襲い掛かられていたわけだ。ふむ」
魔王自体 隠せるほど器用ではない。いや、魔王の中でも暗殺スキルが高いのに隠蔽スキルがゼロという
バランス感覚がおかしいと突っ込まれている微妙魔王。
見逃してくれるらしい その言葉の裏も読み解いてみた、が 一応名乗りもしておこう。
「我名は 魔王リュウセン。この名は後で 我らが通過した後 不都合なことがあれば 告げるがいい。
襲い掛かるモノがあれば 屠ってくれよう とな。」
見逃してくれるのがいいが 集団が邪悪だ 気配がどうにもよくはならない。
もし 通過後に見逃したとか不都合なことになれば悪かろうと思い、名乗りをしておいて 報告の足しにでもしろと
言い残しておこう。…ぞろぞろとその後ろを狼兵達が通過していく。
「ではな。名も知らぬ清らかな乙女よ」
彼女にそれだけを言い残すと 先に通過していき 適当な処で待って居る部下の元へとゆき
再び 人里が多い方角へとその集団は去っていった―
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」から魔王リュウセンさんが去りました。
■シャロン > 「――魔王リュウセン、ですか」
見送った後、少女はつぶやく。騎士団に所属していた頃ならば迷わず報告していただろう其の名を、しかし胸に秘めておく。
なにせ今の少女は騎士ではなく、ただの一人の娘なのだ。
故に、ただそっと手を振り別れると、其の後で。
「……あぁ、私も名乗っておけばよかったですねぇ」
それが礼儀だったなぁなどと呑気に考えながら、少女もまた自分の仕事に戻っていく。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からシャロンさんが去りました。