2016/05/26 のログ
エリミア > 「すぐ餓死するようじゃ用心棒の仕事もできないよ。
それはほら、これで探せるから。
でも武器って苦手でさ、やっぱこっちで思いっきり殴っちゃうほうがすぐカタつくかな」

無くした時のための手段として、少し髪が伸びてゆらゆらと揺れる様子を見せた少女は、手の甲にはめたセスタスをカツンと音を立てて見せる。
ただ鉄板で拳を覆うだけの簡単なものであるが、そこに怪力が加われば十分な凶器となる。

「あはは、別にお兄さんのことじゃないのに、変なの」

肩を落としてうんざりしている様子の男に、少女はケラケラと楽し気に笑いながらもそれ以上の追及はやめた。

「そうみたいだよ?何が混ざってるのか知らないけど。
でもやっぱりお兄さんって変わってるよね、というより自分の欲望に正直?」

寄りかかっても特に抵抗したり、煩わし気にしたりしないのをいいことに、調子に乗り始めた少女はその慎ましい肉付きの身体を擦りつけるように揺すり始める。
省エネ相応にぺたんとした身体でも、触れる肉の柔らかさぐらいは普通にあり、擦れる衣擦れと共に身体が火照るように温かくなっていき。

「ふふっ、空飛ぶ絨毯の上でするのってどうなのかな?
…なんちゃって冗談!まだお仕事中ですよ~」

声を上ずらせる男には、やや悪戯心擽られてか、すり寄る少女は自らレオタードの肩を持ち上げてずらして見せようとする。
そのショートだった髪が少しずつ伸びて、極細の触手の数本がきゅっと結ぶように男の身体に巻き付くだろう。
そしてたまに見せる熱っぽく潤んだ瞳で見上げていた少女は、不意にいつもの天真爛漫とした笑みを浮かべながらレオタードを正してくすくすと笑みを零した。
それでもすり寄る体は離れていなかったが。

ハーディ > 「おお、髪の毛も動かせるのか。
いや、髪じゃなくて。……糸みたいにとんでもなく細い、別の何か、か…?

いやあ、でも槍のメリットはリーチの長さだからな、パンチだけじゃ対応しきれない敵でも捕捉できるだろ。
向かう敵が全員、接近戦を挑んでくるはずもあるまいし」

風が吹く方向と明らかに違い、妖しく揺らめく髪の毛を目を丸くして見つめた。
武器の探知もできるのか、便利な反面、事情を知らなければ少々不気味にも見えるかもしれない。

「なんだよ、淡泊で潔癖で拒絶するよりかは話が早くていいだろ。お互いに。
それに、欲望を否定、抑え込むのは、個人的にはあまり賢いやり方とは思わねえな。」

特に害をもたらすような存在ではないので、されるがままに任せるが。
なんだか、そのすりすりが激しくなってきたようだ。

「おいおい、大丈夫か?様子が変だぞ。
って、ここでやるのか?」

夜空を飛ぶ絨毯の上で。
斬新だし、開放的ではある。邪魔も入りにくいし、下からは四角い影しか見えない。
空でも飛べないかぎり、最中の二人を発見するのは難しいだろう。

「……一瞬、アリかって思ってしまったのが悔しいぜ。
いいか?行為に夢中になりすぎて、木に激突したり落下したりしたらどうするんだ。
俺は混ざってもいないしただの魔術師、いや商人だ。そうそう頑丈にできてるわけじゃない。」

名案を聞いたような、驚きの表情を浮かべ、しかし男はすぐに顔をしかめた。
だが、もし、荒野のように、障害物が少ないところであったなら、
空中プレイも可能だったろう。

「って冗談言いつつ、離れないよな?
まったく、そんなに押し付けられると、こっちもその気になるだろ?
ほら、もう少しで着きそうだ。宿に入ったら、存分に巻かれてやるから、もうちょっと我慢してくれよ」

触手に巻き付かれながら、それでもまあ、抵抗はしない。
衣服の上からぐるぐる巻きにされつつも、あきらめたようにため息をつき、少女を見下ろす。

もう少しで目的地に着く。ハーディの眼には、夜間で多少距離が狭まっているものの、遠く離れた場所に温泉宿の灯りが見えていた。

エリミア > 「そっか、お兄さんには節約してるのしか見せてないもんね。
あ、別にこの触手が寄り集まってできてるわけじゃないから安心してね?
投げたりもできるけど、やっぱり魔法とか飛び道具の方が便利なのかな~」

本来なら、人に見せることをはばかる髪を揺らす少女は、目の前の男を信頼しての行動であった。
また一応微細であろうと魔力は使うため、無駄に揺らすのは早々に止める。

「うん、終わるころにはクタクタにされちゃうけど、おいしいしお腹いっぱいにしてくれるお兄さんの恵みに感謝~!
禁欲するとか言い出しちゃったらどうしよっかな…あ、でもそっちの方がため込んだ分おいしいかも?」

そう楽しそうに笑いながら、身体を擦りつけつつの能天気な物言いをする少女はどこまで本気であるかは測りかねるものだろう。

「ほら、お月様以外見てないベッドの上だと思ったら燃えない?」

空腹のせいか、言うこと為すことが食欲に繋がりつつある少女のそれは、もはや誘惑と何ら変わらないものになっていて。
それだけに、冗談と笑った後も離れないのは半分本気であった証左に思えるかもしれず。

「あははっ、お兄さん結構その気だったんだぁ…。
墜ちそうになったら守ってあげたいけど、お兄さん容赦ないからな~、ノックダウンされちゃってるかも」

けらけらと笑う少女は、会心の笑みを浮かべて悪戯の成功を喜んでいた。
そしてことに及んだ際の事故を心配している男には、少女はからかうような態度で服越しに胸板を指先でなぞっていく。

「だってお腹空いてるんだもん。
山賊食べるつもりだった分、ぜーんぶお兄さんからもらっちゃうから。
お風呂する?ご飯する?それともお兄さん…全部で!」

已然身体と触手を纏わりつかせたままの少女は、見えてくる温泉街へと近づけば一応触手は仕舞い、男の腕に両腕を絡めて抱きつきながら元気な様子。
その後仕事を終えてついた宿にて一夜を明かした翌日、朝日に照らされる少女の顔色がやけにつやつやとしたものであったのは言うまでもない。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエリミアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からハーディさんが去りました。