2019/09/07 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 表通りから、二本程外れた通り。
この通りは、賑やかな表通りと違い、比較的静かだ。
危険だからではない。寧ろその逆。
此処は店が少ない――あるのは工房や事務所、それに建材置き場等だ。
こんな通りで、わざわざ悪事を行う者もそう居らず――ハイブラゼールの喧騒に取り残された様な、静けさに包まれていた。

「……」

その通りを、男もまた静かに通っていた。
否、男の場合、事情が違う。
男の両手には、木箱が載っている――男はそれを、慎重に慎重に運んでいるのだ。
決して落とさぬ様に、静かに、静かに。
その理由は、この中にある魔法触媒が、非常に未知数であるからだ。

「衝撃を加えたら文字通り何が起こるか解らないって、マジかよ……」

爆発する、のではない。
何が起こるか解らない、のである。
もしかしたら爆発する"かも"しれないし、或いは身体に変調が起きるのかもしれない。或いは、何も起こらない可能性もある。
曰く、『世界でも貴重な純粋魔力の塊』らしいが。

「これ闘技場に要るのかよ……何に使うんだ……?」

そんな事をぼやきながら、通りを歩いている。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > ふよふよと…箒に腰掛けるように空を進む影一つ…ふと下を見下ろしてみると…見知った、というより…剣を交えた顔を見つけたもので、スィ…と音もなく箒をそちらに滑らせて近づいていこうか…なるべく背後から、気配を消して。そして……

「やっ、そんなに周りを気にして、どうしたんだい?」

相手が気付くか気付かないかはわからないが、本人は唐突に、背後から声をかけたつもりで声を投げよう。
少なくとも、足音はしなかっただろうが…あと、周りを…というより荷物を気にしていたのだろうが、そこまでは気付かなかったらしく。

クレス・ローベルク > そろーり。そろーり。
一歩一歩を確かめるように歩いていた男。
普段ならば、幾ら気配を消したとて、背後を取られて気づかないなんて事は無いが……何せ、爆薬より質が悪いものを運んでいるのだ。
全神経を集中させている以上、背後からの襲撃者に気付けるわけもなく。

「う、うおわぁぁぁぁぁ!?」

驚いたことで腕の力が抜けて木箱が落ちかけるのを、咄嗟に膝を上げて木箱を支える事で防ぐ。
傍目からすると、片足立ちで木箱を支える不審人物になってしまっているが、男にそんな事を気にする余裕はない。
キョロキョロを辺りを見渡すが、誰も見えない――流石に背後まで気を配っていられる状態ではない。
ならばせめて自衛をと剣を抜き、

「だ、誰だ!?正体を表わせ!霊体系の魔物か!?今俺に触るとどうなるか解らないぞ!俺が!」

片足立ちをしながら見えない敵に剣で威嚇を試みる男。
不審人物と言うより、ただの狂人の有り様であった。

ハーティリア > 「……ぷっ、ふはっ、アハハハハッ!やべ、ツボ入った…!」

片足で荷物をなんとか支えながら剣を抜き、辺りを見回す割に真後ろに気が廻っていない彼に、思わず吹き出し、爆笑する。いや、本来なら気がついたのだろうとは思うのだが、あまりに面白い光景だったので。

「ひ、ひひっ…いや、まあ霊体系にもなれなくはないけどな?…ハハハッ…あー、腹痛い…。」

クスクスと余韻のようにまだ笑みを漏らしながら、こっちこっち…と背後に気付かせるように声をかければ…白磁の美貌を讃えた淫魔が、箒に腰掛けたままひらひらと手を振ろうか。

「ごきげんよう、狩人君。」

クレス・ローベルク > 「く、くそ、こうなったらワンチャンこれを投げてどっかに……って、え?」

帰ってきた爆笑に、思わず気の抜けた声をあげる。
どうやら、攻撃の気配はないと見て、一旦木箱を地面に降ろして後ろに振り返れば、何時ぞやの対戦相手の姿。
つまるところ、からかわれたと気付いた男は、8割の憤りと、2割の羞恥を込めて、勢いよく指を指し、

「君ぃぃぃぃぃ!っていうかハーティリアァァァァァ!」

と人の名前を大声で叫び散らす男。
普段のクールキャラの片鱗もない、100%素だが、それだけ驚いたというか、命の危機を感じていたのだ。
そのまま両肩を掴んで、がくがくと揺さぶり、

「ホントやめよう!今はやめよう!何時もならちゃんと相手してあげるけど今はホントやめよう!最悪俺も君も――いや、君は多分死なないけど俺は死ぬから!ね!?お願い!」

余裕がないので支離滅裂な言葉遣いになっているが、言葉の合間に木箱を指差していることから、余裕のない原因がアレであることは解るだろう。
中身についても、純度の高すぎる魔力があの中から感じられることから、普通の物品ではない事は解るだろうか。

ハーティリア > 「あっはははは!焦りすぎだろ、ふっふふ…!」

気の抜けた声と、自分の顔を見た瞬間の呆けた顔を見て、また笑いがぶりかえす。
指さされ、肩を捕まれガクガクと揺さぶられながらも彼の叫びに負けず劣らずの爆笑で返答すれば。

「あー、笑った笑った……はいはい、ハーティリアさんですよ?
 それにしても、そんなに焦るなんて…危ないモノでも運んでたのかい?
 どれどれ……へぇ『神水晶(テオクリスタル)』か何かか?凄い純度の魔力だけども…でもそれにしては不安定なような…?」

ちらりと、指さされた木箱を彼の肩越しに眺めれば…魔力を可視化する瞳には立ち上る純度の高いそれが見て取れて…自分の知識の中にあてはまるものをポツリと、口にしようか。

クレス・ローベルク > 「はぁ……はぁ……」

流石に声を上げ続ければ、感情の高ぶりも落ち着く。
肩から手を離し、呼吸を整えていた所に、彼女の方が話を振ってきた。
流石は長年叡智を蓄え続けたアンデッドロードと行った所か、ちらと見ただけで、大分"わかる"らしく、

「俺も、詳しくは解らないんだよね。
ただ、『純粋な魔力な塊で、衝撃を加えるとあらゆる魔術現象を引き起こす可能性がある』ってだけで……テオクリスタル?」

テオクリスタル自体はよくわからないが、言葉の響きから何か不吉なものを感じる。
神の水晶とくれば、つまり"神の如き力を持つ"か、"神が作った"物、みたいな意味なのだろう。
正直、それと比肩される程、大層な物を運んでいる自覚はなかったが、しかし自分の自覚より彼女の知識のほうが、余程信頼が置けるという事は、良く分かっている。

「正直、何に使うか解らないんだよね……。
っていうか、これ実は個人が持つと非合法の物を、闘技場名義で受け取ってから着服するつもりなんじゃねーかって気がしないでもない」

或いは、それこそハーティリアの様な力の強すぎる魔族対策か。
強い力を更に強い力で抑え込んでしまえというのは、理解はできる話だ。
正直な話、現場に立つ男自身、勘弁して欲しいという事はあったし――魔族の出場者は、ハーティリアの様な人間と上手く付き合える者ばかりではないのだ。

「まあ、これの正体より、これをどうやって安全に運ぶかって方が俺にとっては大事だけどね……ハーティリア、これ何とかならない?」

ほとほと困った、というように問いかけてみる男。
まだ、闘技場までは距離がある――それまでの距離をまたさっきと同じく神経を使って運ぶのは、流石に勘弁して欲しいところだった。

ハーティリア > 叫んで落ち着いたらしい彼が肩を上下させるのをクスクスと笑いながら眺めていたが…何やら疑問符で話しかけられると、うずりと…「元教師」として薀蓄癖がうずいたらしく。

「ん~、俺が知ってるものと同じかはしらねぇけど…まあ、魔力の塊ってのは大して違いねぇか。
 テオクリスタルなら、確かに割れやすいものなのは事実だし、何が起こるかわからないってのも…まあ、無作為に割ったらそうなる、のか?
 いわゆる『この世界に馴染まない属性や概念、魔力』を、神だか世界だかが、一箇所に集めて結晶化させたもんだよ。
 その性質上、固定された既存の概念に孔を空けるような現象が起きるから、魔術を発動できなくしたり、伝説とか伝承とかに依存した能力なら無視したりできなくもないし…人の運命をある程度歪めたりできる…その辺をありていに言うと『願いが叶う石』って言っても、嘘じゃあねぇな、語弊はあるけど。」

自分が知っているそれなら、まあ、割れたらそれっきり使えなくなるから、大変ではあるだろうなぁ、と思いながらも自分の知っている知識を彼にくっちゃべり…。

「俺のいたとこでは別に非合法ではなかったぞ、1個4~5万ゴルドくらいはしたかなぁ…まあここでの価値は知らねぇけれど。
 まあ、運ぶだけなら…異空間にでも仕舞えば良いんじゃね?中身が生き物じゃないなら大抵それでなんとかなるけど。」

何やら運び方に苦労しているらしい彼に、首を傾げて提案一つ…自分がしまってもいいし、なんなら術式でもレクチャーしてやろうか?といったノリで。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」にクレス・ローベルクさんが現れました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 幸い、男は魔術は仕えないが、魔術に関する知識だけはある。
故に、ハーティリアが言う事も、概要は解る。
概念への穿孔、運命の歪曲――つまり、強すぎる魔力でそういう、本来は変えられない物を変える事ができる、という事だろう。
願いが叶う石……そう言われてみれば、今自分が運んでいる物がとんでもない物の様な気がするが、

「うーむ。つまりこれがあれば世界モテモテパラダイス化も、巨額の富不労所得化も可能か……。
いやでも後者はともかく前者はなー……洗脳はあんまり好きじゃないしな。エロい事って相手の心を犯したり、蕩かせたりするのが良いのであって……」

などと、ずれた事を呟きつつ、しかしそうなるとますます自分が持つのは怖い気がする。
故に、ハーティリアの申し出は有り難いが、しかし、

「あー、世話をかけるけど、できれば君がしまっておいてくれないかい?
俺、この手の『魔力をカタチにする』の、駄目なんだよ。
壊したりするのは得意なんだけど……作ろうとすると、大抵おかしなことになる」

と、少し渋い顔をする男。
どうやら、本当に苦手意識があるらしい。

ハーティリア > 「ん~…まあ、大抵が『元からそうだった』事になるから、達成感があるかどうかはしらねぇけど…そのレベルの願い叶えたいなら、その木箱が100個分は要るぞ。」

1個で何でも願いがかなう、と言った覚えはないので、補足するように彼に告げよう。
世界に定まった概念に固定した孔を穿つには、一つじゃ到底たりないのだと。

「ん、良いよ別に…『影は我が下僕にして我が領域…夜の扉よ、開け シャドウサーバント』っと…。
 あぁ、そうだ…お金と言えば…試合で割られた魔術刻印の代金、請求してもいい?」

まあ、頼まれたならやぶさかでもないと、簡単に詠唱を交えて、自分の影の中にトプン、と箱が沈んでいく中…思い出したように、先日の試合で鎖に破壊された魔術について、軽く触れるように、面白半分に言葉を投げてみようか。

クレス・ローベルク > 「あ、流石にそんなに都合良くはないのね……いやでも百箱あればイケるのか」

何とか産地を突き止めて襲撃すればワンチャンあるんじゃないかという気がしなくはない。
流石に、そこまでするのは個人では不可能ではあるが……しかし、どこぞの国家がその気になれば、願いの一つぐらいは叶うと考えると、ゾッとしない話である。

「おー、やっぱそれ便利ね。って、いやいや。流石に闘技場で破損した物は個人の責任でしょ!?
300万ゴルトとかあのローブと、実家からくすねた聖剣売ってもまだ届かないからマジでやめろよ!」

人間一人どころか、十人単位の人生を容易に左右しかねない金額である。
もちろん、法的にはハーティリアの責任になるのだが、この手の魔王が本気で『請求』すると、無理矢理でも支払わせる事ができそうで怖い。
もちろん、冗談だろうと解っているが、しかし考えただけでゾッとする話である。

ハーティリア > 「まあ、実際百箱溜めて国作った奴知ってるからなぁ俺…そもそもそれ、ランダムに自然発生するものだから、産地も何もねぇけどな。」

集めるなら頑張れ、といわんばかりに過酷な事実…まあ、産地というか、集めてるやつから奪えばワンチャンあるかもしれないが…それはそれ、これはこれ…自分なら魔術の触媒に使ってパリーン、で終わるだろう。

「300万もしねぇよせいぜい80万くらいだって。一箇所40万くらいで、二箇所で80万。……まあ、俺は自分で刻印できるから実質タダだけど。」

焦った様子の彼にクスクスと…それで満足したのか、ぺろりとネタバレして、弁償代0の事実を口にしよう。
そして、闘技場への道をあるき出しながら。

「あぁ、そういえば…俺に買ったご褒美、何がいい? ミスリルで駄目なら、アダマンタイトやオリハルコンも駄目だろうし…ダマスカスあたりにしようか?それか、薬でもいいけど。」

そして、切り替えるのは約束したご褒美のあれ…ミスリルで断られたのでそれ以上の金属は当然駄目だろうからと…ワンランク下の金属を口にしてみよう、ダマスカスは、科学的なあれではなく…鉄の中で魔力の通りが良い部分「だけ」を抽出した鋼…硬度だけならミスリルに劣らない魔法金属である。

クレス・ローベルク > 「ああ、そうなのか。じゃあやるとしたら奪い合いかー……流石にやる気はしないけど、これの為に起きた戦争とかありそうだなあ……っていうか、あの刻印タダなのかよ!何気に気にしてた俺の心配返せよ!?」

300万はともかく、万ゴルト単位の金を吹っ飛ばしたのだ。
それなりには気にしていたのだが、蓋を開けてみればまさかのタダである。
まあ、そもそもハーティリアの所蔵している素材からして、80万ぐらいならどうにでもなるという考えもあるにはあったが。

「いや、でも逆に言えば元手無しで80万の価値を出現させる事ができるのか……。
君がちょっと本気出して人間界で商売始めたら、魔術系の市場滅茶苦茶になるんじゃないか?」

一日魔術刻印を一人にしか付与できないとしても、相当な金がハーティリアに流れ込む事になる。
その上で、ハーティリアが持っている素材やマジックアイテムなどを売ったりすれば、どれぐらいの金になるのか、見当もつかない。
もちろん、実際にするつもりはないだろうが――

「って、あのコインとは別口で何か貰えるの?
気前良すぎじゃない?んー、とはいえ、なあ」

あのローブを使った時点で、自分の利益になるような物を受け取るのは本来ならば自分へのルール違反だ。
本来なら貰うべきではない、が。しかし、此処で受け取らなかったら相手にも後味の悪いものが残るだろう。
正直要らない訳ではないのだし、何処か落とし所があれば――と、少し考え、

「あ、そうだ」

と男はぴん、と何かを思いついたように。

「薬ってさ。例えば、種族の変更とかもできる?人を魔族にとか、魔族を人にとか、或いは――ミレー族に、とか」

そう、自分の利益の為に使うのが駄目なら、客の利益――つまり、使って盛り上がる物をもらえばいい。
魔族を人間に貶めたり、或いは人間をミレーに貶めたり――もしもそういう事ができるなら、非常に良い"辱め"になる。
普通の薬師や錬金術師なら無理だろうが、魔王である彼女なら、と期待を込めて。

ハーティリア > 「さぁ、俺のとこではさして希少なものでもなかったからなぁ…こっちでは知らないからなんともいえねぇな。
 それにまあ、今ある「物語」を押しのけるほどの力はねぇしな…それに「ありえない」願いは無理だし。」

どこそこを支配したい、なぞと願っても…既に支配者が要るなら、それを押しのけて願いを叶えたりできないのと同じだ。
それに、努力してなお手が届かない願いは範疇の外だ。
金持ちになりたい、なら可能性はあるが…神になりたい、なぞといっても無理なのと同じように。

「ふひひ…いや、普通の奴ならそれくらいかかるぜ、って話だ。まあ、これがあれば触媒には事足りるけど。」

と、影に取り込んだ木箱を指すようにとんとん、と足踏みしながらニヤニヤと笑えば…。

「え、いやいや…俺の体なら、だよ。生きた人間に同じことしようとしたら多分悶死するから、触媒用意するのを勧めるぜ?うん、40万っつったって命よりは安いだろ。
 ん~、いや、どうだろうなぁ? 2~5年くらい若返る薬とか、死後24時間なら蘇生できる薬くらいなら作れるけど…そもそも素材集めるのめんどくさい。
 そもそも、ここじゃ依頼しても簡単に手に入らないだろ?ドラゴンの心臓とか世界樹の葉っぱとか。」

錬金術は確かに彼の言う通り得意だが、それにも元手が要るのだ、希少な薬には希少な素材を…とは良く言ったもので…依頼して手に入るなら、多少は考えるが…なぞといったところらしい。

「ん?あぁ、そういえば金あげたっけ。忘れてたわ…まあいいか。
 種族…は無理、変化そのものが不可逆だし、そもそも強制的な変化は、過程で狂うくらいの激痛走るしな…性別か、種族じゃないけど、単に耳や尻尾をはやしてそれっぽく見えるくらいならいけるけど?」

あくまで、それっぽく見せかけるだけ、なら可能だという前提で、返事を返そうか。
あとは、変化の過程で肉体の変化が死ぬほど痛い…ということを付け加えながら…闘技場への道を進んでいく。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」からハーティリアさんが去りました。
クレス・ローベルク > 「これ希少じゃないのか……なんていうか、ハーティリアの世界ってこっちより魔法の力が強い世界なのかな……」

大分こっちとは色々な法則というか、モノのあり方が違う気がする。
彼女が持ってる色々なものも、もちろん、彼女自身の強さで集めた物が大半であろうが、そういう世界の違いによるものもあるのかもしれない。

「ああ、成程。種族的というか、個人差あるのね……魔術刻印なら魔術使えるんじゃないかなって一瞬期待したけど、それなら良いや。痛いのやだし。
っていうか、そんなもんで作るの、刻印って!?ドラゴンとか住処にたどり着くまでが既に冒険じゃないか」

やっぱり、世界が違うよなと思う。
こちらからすれば、ドラゴンの心臓や世界樹の葉っぱが簡単に手に入る世界ってどんなのだよという感想しか無いが、あちらからすれば『不便過ぎる』のだろう。

「あー、やっぱ種族ごとは無理かぁ。激痛走るのは流石に可愛そうだし……何か他の薬のアイディアを……ううん」

考えながら歩いていく男。
まだ闘技場までの距離は遠いけれど、彼女と話していれば、或いはあっという間に到着してしまうかもしれない。

ご案内:「港湾都市ダイラス “ハイブラゼール” 人が少ない通り」からクレス・ローベルクさんが去りました。