2019/03/24 のログ
ご案内:「とある冒険者の宿」にクレス・ローベルクさんが現れました。
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ご案内:「とある冒険者の宿」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > 夜の月光が、店というよりは、砦の如き石造りの外装を照らしている。
中は、焼かれた魚や肉の匂いと、粗暴な冒険者達の怒声や談笑の声に満ちている。
王都の冒険者とてならずものが多かろうが、ダイラスの店はそれよりも更に客に遠慮がない。
そんな中、剣闘士の男はと言うと、辛気臭い顔であった。

「遊ぶ金が……欲しい……」

最近は、割と稼ぎが少ない。
それでも、貯金や自分への投資は何とかやりくりできているが、その分だけ自分の精神が貧しくなっていくのを感じる。

「ギャンブルしたーい、色事したーい、飲み会したーい!」

今日だって、頼んだのは安いエールと干物と黒パン。
ひもじいとは言わないまでも、決して良い夕食とは言えない。
今日此処に来たのも、冒険者としての仕事を見つけるためだったのだが……マスターに聞いた所、短期の仕事はあまり無いようだった。

「なんか仕事ないかなー……」

クレス・ローベルク > 「最悪、非合法の仕事に手を出すかなー……」

あまりやりたくはないが、このままでは先細りだ。
今は遊ぶ金が無い程度で済んでいるが、更に稼ぎが少なくなる可能性もある。
ライバル商人の妨害、禁制品の密輸、不法な人身売買……"やろう"と思えば、幾らでもやれる事があるのがこの街だ。

「うーむー……」

正直、気は進まない。
前と違って、守るものがあるし、何よりそこまで追い詰められているわけではない。
とはいえ、そんな風にリスクを取らない内に、取り返しのつかない程に困窮した冒険者や剣闘士は多い。
その内の一人になるのだけは、ごめんだ。

「マスターに相談だけしてみるかなあ……」

クレス・ローベルク > 「おっと、辛気臭い顔になってたや」

別に誰も見ていないとは言え、剣闘士が人前で渋い顔をしているのは良くない。
掌で顔を洗うようにごしごしと拭い、いつもの笑顔を浮かべ直す。
皿の上の干物をかじり、エールのジョッキを一気に煽る。
酒が入ってくれば、多少なりともいい気分になり、何だか歌なんかも歌いたくなってくる。

「よーるーのおわりーに、つきがーおちるのはーっとお」

クレス・ローベルク > 歌うのは、前に流行った行進歌だ。
別に軍人ではないが、勇ましい曲は闘技場で流れたりもするので、自然と覚えるもの。
剣闘士仲間と、偶に歌ったりもするものだ。

「あさーのひかりをむかえるためー。つきーをおとせばあすがくるならーはしれーよわこうどつきのありかへー」

酒を飲みながらなので節は外れているが、どうせ皆聞いては居ない。
多少騒いでも、他の騒ぎに紛れてしまうのだから。
故に、男は酒で大きくなった気のままに、思う存分歌っている。

ご案内:「とある冒険者の宿」にヴァルブルガさんが現れました。
ヴァルブルガ > こう言った市井の宿に泊まる機会は多い。危険な仕事も最近はちらほらとやるが基本は
各地を散策するような穏やかな任務、足の向くままに宿を取れば貧民窟みたいなところに泊まる
ことすらある。

それに比べればここは上等の部類だ。荷物を置き、体をふき、シャツとパンツの軽装で
ヴァルブルガは酒場に降りてきて。まず目につくのは歌を歌う一人の男。琥珀色の酒を頼み
なんとなく、その男が歌うのをぼんやりと眺めていた。

クレス・ローベルク > 男の歌はいよいよヒートアップし始め、そろそろ隣の客が、文句を言いたげになるような声量になって来ていた。
ジョッキを持った腕を振り上げ振り降ろし、リズムを取りつついよいよサビへ。

「おお!われらはおうとをまもるぅ……?」

気持ちよく歌いきろうとした所で、何やら大分軽装な女性と、目が合った。
別に、非難する様な表情ではなく、ただぼんやりとこちらを見ているだけだったが。
乗りに乗っている所をフラットに見られると、流石に興が削がれた。
頭を掻いてジョッキを机に置いて、男は軽装の女性の所まで歩いていった。

「へい、そこの彼女。そんな格好で熱視線を送ってきたら、悪い男に襲われても文句は言えないぜ?
何せこっちは、大分前から女も買えない生活をしてるんだからねえ……」

普段なら、間違っても女に対してそんな事を言ったりはしないが(剣闘士としてのイメージというものがある)
しかし、今日の男は如何せん酔いに酔っていた。

ヴァルブルガ > 煙草に火をつけ、煙の幕越しに男を眺めていたが、目が合ってしまう。悪いことをしたかな、と
興をそがれた様子の男性に申し訳なさそうに会釈し、こちらに向かって来れば笑顔で席を勧める

「ふふ、女の一人旅ですから、結構そういうこともありますね……」

歌、お上手ですね、なんて愛想を言いながら、絡んできた男性にもひるむ様子もなくて。
目下のところ気にしているらしいことはタバコの火を消そうかどうかということくらいで。

クレス・ローベルク > 酔いに任せて放言をぶちかました後、男は内心『やっちまった』と思っていた。
確かに、良い所で邪魔をされた苛立ちはあったが、それにしたって『襲われても文句は言えない』は無いだろう。失礼な上に、チンピラの言い分だ。
しかし、相手は怒るどころか、寧ろ笑ってとんでもないカウンターを飛ばしてきた。

「いや、一応凄んでる男に、笑顔で言うことかそれ!?
後、歌はぶっちゃけ自分でも上手くなかったなー、って思ってるよ!やめろよ!下手って言われるよりかえって傷つくよ!」

さっきまでの威勢は何処へやら、完全にツッコミ役に回ってしまっていた。
勧められるままに席に座った所で、

「(……あれ?何でこの子ナチュラルに席を勧めてきたんだ?)」

と気付く。冷静に考えてみれば、こちらに彼女と話すネタなどない。
しかし、話に乗ってしまった以上、何か返さないといけないと思い、取り敢えずさっきの話を掘り下げることにした。

「っていうか、一人旅?護衛は金がないにしても、友達とか居ないの?本格的に危ないでしょ、それ」

彼女の事情に深入りするつもりはないが、ちょっと気になったので軽い感じで尋ねてみる。

ヴァルブルガ > 胸元のボタンを開けたラフな格好、パンツもよく見ればかなりローライズ。もともと長い脚が
さらに強調されている。
髪で隠していることもあり、暗がりならばあまり目立たないだろうが、近づけば、女の片目には
縦に刀疵が走り、瞼は力なく眠たげに垂れている。
凛々しい顔立ちながら、どこか愉快そうに微笑んでいて。

「暇なんです、付き合ってください」

いっぱいおごりますから、なんて相手のためらいを感じて。

「お仕事なんですよ、こうほらあるじゃないですか、土地の風土とか名産とか
旅行記みたいなものをまとめているんです」

それこそ戦場近くはさすがに護衛を雇ったりしますけどね、と
笑いながら酒を勧める。

「傭兵、さんですか?」

どことなく、闘いの匂いを感じて、義手で酒を持ちながら逆に尋ねて。